「C社の菱目打ち」

C社の菱目打ちのピッチは、現在4種類です。大雑把な寸法で言いますと、3ミリ・4ミリ・5ミリ・6ミリピッチの4種です。
画像の右端の10連の製品は、この欄の記事を書き直している2003年6月に発売されたものです。製造工程は全く違うものですが、全体の形状は、上記の火造りの菱目打ちに似ています。
この画像にある3本は、3ミリピッチの製品で、2002年に新たに加えられたピッチです。小物には便利なピッチですね。
型板が新しく作られたためなのか、切削工具の状態が良いのか、刃の仕上がりはとても整っています。バリもそれほど目立ちません。製品価格が抑えられているのに、仕上がりがよくコストパフォーマンスのよい製品です。
10連の製品は、3ミリピッチと4ミリピッチの製品に作られました。能率的に作業ができますし、手頃な価格設定でありながら、よくこの仕上がりを実現したものだと思いました。製品ニュースで紹介されていた写真よりも、実物の仕上がりがよく、バフ掛けもされているようでした。
刃の数が多くなった分、刃先は少し薄く研磨して食い込みやすくした方が使いやすくなるかもしれません。砥石などに当てた時に、刃の並びがわずかに波打っているのを感じるかもしれませんが、実用上は問題にならないと思います。無理をして均す必要はないでしょう。かえって刃の形状が狂ってしまう可能性が出てきます。
C社の菱目打ちの特徴で、刃の厚みと幅がかなり均一に作られていて、軽く研磨するだけで使うことができるようになっています。研磨のうまい人であれば、刃の一本一本をさらに調整できるかもしれませんが、一般にはあまり手を加えすぎないようにした方が無難だと思われます。

左4ミリピッチ・右3ミリピッチ |

真横から見ると刃の部分だけ薄い。 |

左は、むかし販売されていた4ミリピッチの8連。
右が新しい10連。ずいぶん良い造りになりました。 |
菱目打ちの全体の構成を見てみると、2002年〜2003年に掛けて格段に充実したと言えます。長らく2連の製品が整備されていなかったのですが、全てのピッチで2連も製作され、さらに10連と来たところで、ぐっと充実感が増しました。
あとは5ミリピッチと6ミリピッチの製品が今後どうなっていくのか、注目したいと思います。
|