のどの異常感と漢方薬
咽喉の異常感(違和感)~のどのつかえ感~のどが詰まる
のどがイライラする、ゴソゴソする、何か引っかかっている感じがする(異常感・違和感)、のどのつまり感、のどの痞え感などと表現される症状は、漢方では、咽喉炙臠(いんこうしゃらん)と言い、のどの中にあぶった肉が引っかかっている感じで、呑み込もうとしても呑み込めないし、咳払いして出そうとしても出ない感じを言います。日本では江戸時代にはこれを「梅核気」と言って梅干しの種がのどに引っかかっている感じと表現しました。また一般的には、「えへん虫」と表現されることもあります。
のどの痞え感や痞えて苦しい感じは、のどに炎症があったり、腫瘍があったり、咽喉狭窄といったことで起こる場合もありますが、のどの詰り感のほとんどは、まったく器質的な障害がなく耳鼻咽喉科で検査しても異常が見つからないものです。
器質的な障害がないので、食べ物がのどにつかえることはありません。更年期障害の一症状として、中年以降の女性に発症することが多いかと思います。
随伴症状としては
現代の西洋医学では、食道神経症、咽頭喉頭症候群、咽喉頭異常症、ヒステリー球などと言っています。
のどの異常感(違和感)の原因
のどの異常感(つまり感)
のどの異常感(つまり感)は、精神的な原因から起こり、不安、心配、怒り、恐怖、人間関係のストレスが背景にあり、中年女性に多く、稀に男性にも起こります。
もともと不安などの精神的ストレスが原因でのどの違和感(梅核気)が起こる訳ですが、これが長引くと重大な病気のサインではないかとさらに不安になり、負のスパイラルに陥り、病院で検査しても何ら異常がなく、気のせいだと言われてしまい、内科→耳鼻咽喉科→心療内科への流れとなってしまいます。
のどの異常感(違和感)と漢方薬
漢方でいうのどの異常感・違和感(咽喉炙臠・梅核気)いわゆるのどのつまり感は気痞、気うつによって生じると考えられ、この気痞、気うつは、七情(怒・喜・思・憂・恐・悲・驚)の乱れが原因で起こり、停滞した気が咽喉部に滞り詰まった状態を言います。実際には、のどには何もつまっておらず、自覚的に本人が詰まった感じを訴えます。耳鼻咽喉科で診察を受けても、咳ばらいをしたせいで多少の炎症がある場合もありますが、他覚的には異常がありません。ただ、目に見えない気が詰まっているだけです。
漢方の古典には、これに対応する漢方薬が記載されています。
実際の場面では、他の精神神経疾患である神経症、うつ、心身症、血の道症(更年期障害等)自律神経失調症などの随伴症状として起こることもあります。
ここで言うのどの異常感は、気の上衝(気逆)とはまた違い、「気のつかえ」であり、のぼせ、赤ら顔、手足の冷え、小便の出が悪い、頭に何かかぶさっている感じなどの症状でのどの異常感がある場合は、気逆であり、また別の漢方薬の適応症ということになります。
のどの異常感は、気痞、気逆どちらであっても漢方薬が大変よく効きます。のどだけではなく気持ちも楽になりありがたい存在です。
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のどの異物感の表現を、日本漢方古方家の大家である吉益東洞は「類聚方」の中で
「婦人」咽中に炙臠有るが如き、為則按ずるに、当に悸の証あるべし。又按ずるに、千金は、胸満して心下堅く、咽中帳々として炙肉有るが如く、之を吐して出でず、之を呑みて下らずに作る。
※帳々=ものが垂れ下がること
尾台容堂は、「類聚方広義」の中でこの症は、後世のいわゆる梅核気なりと言いています。
※梅核気=のどの中に梅の種のようなものが詰まった感じがする状態を言い、現在の咽喉頭異常感症ヒステリー球のこと。日本漢方だけにある表現。
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