定義 |
・Λによって添数づけられた集合族(または単に集合族)family of setsとは、 定義域(添数集合・添字集合index set)が集合Λで、 集合Λの各元λに対してとる値が集合となる (つまり、値域が集合系(集合の集合)となる) 、 写像(関数)φ:Λ→X (Xは、集合系) のこと。 ※族の概念を用いれば、 値Aλが集合(値域が集合系(集合の集合))となる、族{Aλ}λ∈Λ ※終集合Xは明示されないことが普通。 ※λは添数ないし添字、Λは添数集合index setと呼ばれる。 |
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記号 |
・φ(λ)=Aλ(λ∈Λ)とするとき、 この族を{Aλ}λ∈Λまたは {Aλ}(λ∈Λ)などで表す。 {Aλ}、{Aλ}λ などと略記されることもある。 |
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例 |
・「集合W={1,2,3,4,5}, 集合X={1,2,3}, 集合Y={5}, 集合Z={1,5}と定義する」は、 集合族の概念を用いた表現 定義域(添数集合)Λ:集合{W,X,Y,Z}、 値域:集合系{ 集合{1,2,3,4,5} , 集合{1,2,3}, 集合{5}, 集合{1,5} } として、 φ(W)=AW={1,2,3,4,5} , φ(X)=AX={1,2,3 }, φ(Y)=AY={5}, φ(Z)=AZ={1, 5} となる写像φで集合族{Aλ}λ∈Λを定義する と同じ。 この例で、「集合W,X,Y,Zすべてについて〜が成り立つ」は、 集合族を用いた表現「すべてのλ∈Λについて、Aλが〜」と同じ。 ※集合族では、添数集合Λに実数の部分集合など非可算の集合を用いることができる。 添数集合Λに非可算集合を割り当てた集合族を用いると、 個別的な集合の定義 (例「集合W={1,2,3,4,5}, 集合X={1,2,3}, 集合Y={5}, 集合Z={1,5}とする」)や、 集合列の定義 にはできない表現が可能になる。 |
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例 |
・添数集合Λを、R上の閉区間[0,1] とする。すなわち、添数集合Λ= {t∈R|0≦t≦1} λ∈Λに対して、集合Aλを、R2上の点(λ,0)を中心とする半径2の円周上の点の集合とする。 すなわち、Aλ= { (x,y)∈R2|(x−λ)2+y2=4 } このようにすると、集合族{Aλ}λ∈Λは、 中心(0,0)の半径2の円周、…、中心(0.1 ,0)の半径2の円周、…、中心(0.2,0)の半径2の円周、…、中心(0.9,0)の半径2の円周、…、中心(1,0)半径2の円周 という無限個の集合を、 中心のx座標でインデックスしたものとなる。 [志賀『集合への30講』第12講(p.74); ] |
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設定 |
・集合族{ Aλ}λ∈Λ 、集合Xが与えられているとする。 |
[文献]・松坂『集合・位相入門』第1章§5.C(p.44)集合族との関連。 |
定義 |
・集合族{ Aλ}λ∈Λ が集合Xの部分集合族であるとは、 任意のλ∈Λについて、集合Aλ⊂集合X であることをいう。 →部分集合系、(ベキ集合の部分集合としての)部分集合族 |
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例 |
・定義域(添数集合)Λ:集合{W,X,Y,Z}、 値域:集合系{ 集合{1,2,3,4,5} , 集合{1,2,3} , 集合{5} , 集合{1,5} } として、 φ(W)=AW={1,2,3,4,5} , φ(X)=AX={1,2,3}, φ(Y)=AY={5}, φ(Z)=AZ={1,5} となる写像φで定義された集合族{ Aλ}λ∈Λ 、 (要するに「集合W={1,2,3,4,5}, 集合X={1,2,3}, 集合Y={5}, 集合Z={1,5}」からなる集合族) 集合Ω={1,2,3,4,5,6,7,8,9} が与えられているとする。 任意のλ∈Λについて、集合Aλ⊂集合Ωであるから、 (つまり、Wについて、集合AW={1,2,3,4,5}⊂集合Ω={1,2,3,4,5,6,7,8,9} Xについて、集合AX={1,2,3}⊂集合Ω={1,2,3,4,5,6,7,8,9} Yについて、集合AY={5}⊂集合Ω={1,2,3,4,5,6,7,8,9} Zについて、集合AZ={1,5}⊂集合Ω={1,2,3,4,5,6,7,8,9} ) 集合族{ Aλ}λ∈Λ は、集合Ωの部分集合族である。 |
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定義 |
・集合族{Aλ}λ∈Λ
の和集合union
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[文献]・松坂『集合・位相入門』第1章§5. C(p.44)。 |
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とは、 x∈Aλとなる添数集合Λの元(添数)λが少なくとも一つ存在するようなx全体の集合。 すなわち、
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例 |
・Λ={ A,B,C,D,E,F } とする集合族{Aλ}λ∈Λは、集合AA, AB, AC, AD, AE, AF からなるが、 これを略して、集合A,B,C,D,E,Fと書くことにする。 集合A,B,C,D,E,Fが下図のようになっているならば、
![]() |
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※ |
集合族{Aλ}λ∈Λ の値域は、集合系(集合の集合)となるが、 この集合系のunionが、集合族 {Aλ}λ∈Λ のunionと一致する。 |
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※ |
添数集合Λ={1,2,3,…,n}とした特殊例が、有限集合列の和集合、 添数集合Λ={1,2,3,…}=Nとした特殊例が、無限集合列の和集合。 |
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定義 |
・集合族{Aλ}λ∈Λ
のintersection (積集合・共通部分)
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[文献]・松坂『集合・位相入門』第1章§5. C(p.44)。 |
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とは、 添数集合Λのどの元(添数)λについても、x∈Aλとなるx全体の集合。 すなわち、
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例 |
・Λ={A, B, C, D, E} とする集合族{Aλ}λ∈Λは、集合AA, AB, AC, AD, AE からなるが、 これを略して、集合A,B,C,D,Eと書くことにする。 集合A, B, C, D, E が下図のようになっているならば、
![]() |
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※ |
集合族{Aλ}λ∈Λの値域は、集合系(集合の集合)となるが、 この集合系のintersectionが、集合族{Aλ}λ∈Λ のintersectionと一致する。 |
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※ |
添数集合Λ={1,2,3,…,n}とした特殊例が、有限集合列のintersecton、 添数集合Λ={1,2,3,…}=Nとした特殊例が、無限集合列のintersection。 |
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定義 |
・有限の集合列 A1,A2,A3,…,An のunion (和集合)とは、 A1∪A2∪A3∪…∪An のことであり、
・無限集合列A1,A2,A3,…のunion (和集合)とは、 A1∪A2∪A3∪… のことであり、
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[文献]・松坂『集合・位相入門』第1章§5. C(p.44)集合族との関連。・高橋『経済学とファイナンスのための数学』p.3.; ・伊藤『ルベーグ積分入門』p .6; |
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※ |
集合族との関連で言うと、 有限の集合列 A1,A2,A3,…,An のunion (和集合)とは、
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※ |
無限の集合列 A1,A2,A3,… のunion (和集合)とは、
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定義 |
・有限の集合列 A1,A2,A3,…,An のintersectionとは、 A1∩A2∩A3∩…∩An のことであり、
・無限集合列 A1,A2,A3,…, のintersectionとは、 A1∩A2∩A3∩… のことであり、
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[文献]・松坂『集合・位相入門』第1章§5. C(p.44)集合族との関連。・高橋『経済学とファイナンスのための数学』p.3.; ・伊藤『ルベーグ積分入門』p.6; |
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集合族との関連で言うと、 有限の集合列 A1,A2,A3,…,An のintersectionとは、
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無限の集合列 A1,A2,A3,… のintersectionとは、
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集合列のintersectionはunionと差で表すことができる。
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定義 |
・有限の集合列 A1,A2,A3,…,An が互いに素であるとする。 このとき、 A1+A2+A3+…+An を、
・無限集合列 A1,A2,A3,…が互いに素であるとする。 このとき、 A1+A2+A3+… を、
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[文献]・伊藤『ルベーグ積分入門』p.6; |
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