私も踊れた!市民総おどり
服部 めぐみみなさん 初めまして。
豊橋の服部めぐみです。REMの会には、ちょうど1年くらい前に1度だけ参加させていただいただけなので、ご存じ無い方がほとんどだと思いますが、よろしくお願いします。
今から4年ほど前に、小学校へ通う息子の連絡帳を、自分の力で書きたいと思い、パソコンの購入を考えていた時お世話になったのが、岡崎の永田さんでした。今思うと、これは運命的な出会いだったんです。
盲学校で行われたパソコン講座で初めてお会いし、それから名古屋へOCRについての講演を聞きに出かけた地下鉄でいっしょになったのです。待ち合わせをしたわけでもないのにお会いできたなんて、運命の出会い以外の何者でもないと思いませんか?
その当時は、パソコンもMS−DOSが主流でしたが、とにかく初心者の私にはわからないことばかり!
つまずいて放り出しているといつも永田さんからお電話をいただき、気をとりなおして、次のステップに進むのが常でした。
永田さんの手におえなくなると、近藤さんの登場です。
お二人ともとてもお忙しいのに私のために貴重な時間を使って下さり、いくら感謝しても足りません。
と言うわけで、現在はノートパソコンを購入しウインドーズMeでメールの送受信を楽しんでいますが、パソコンにトラブルは付き物、お二人には、相変わらずお世話になりっぱなしです。
今回は、永田さんから「おもちゃ箱」の原稿以来のメールをいただき、参加させていただきます。前置きが長くなりましたが、この秋、私が感動した体験談をご紹介します。
毎年、10月の第3土・日曜日に豊橋まつりが行われますが、土曜日の夜のメインと言えばやはり「市民総おどり」です。駅前大通りを通行止めにして、午後6時30分から2時間おどり続けるのです。
話には聞いて知っていましたが、まさか私が参加できるとは思ってもみませんでした。
会社や地域の総代会、おどりの仲間が連というかたちでグループを作ります。私たち豊橋身体障害者(児)福祉団体連合会(以下豊身連と言います)は、マツヤリネンという会社の連の仲間に招待していただきました。
午後6時30分に「みんな楽しく踊ろう!」と言う声で9000人の参加者が、道いっぱいに広がって「新豊橋とんとん歌」という曲に合わせて一斉に踊りだしました。
その瞬間、目が見えないので音が頼りの私には、何が何だかわからなくなったことは言うまでもありません。でも前日にいっしょに参加しようと声をかけて下さった人から踊りの特訓を受けておいたので、声をかけてもらいながら手や足を動かすことができました。
とても大勢の人なので、ほとんど前に進めません。途中、10分の休憩がありましたが、2時間ずっと踊り続けました。
全部で4曲あり、それを繰り返し踊るのですが、1曲終わるごとにだんだん慣れていきます。
隣の人や前の人に手が当たってしまったり、足を踏んでしまったりしましたが、だれも文句を言う人はいませんでした。見ている人もあったようですが、見られてることさえわからない私には恐いものなしでした。時間のたつのを忘れて、夢中で踊りました。
目が見えない人が踊りを踊るのは、なかなかたいへんです。周りの人を見て、まねすることができないだけでなく、歩きながら踊るのは、前の人との感覚や進む方向がよくわかりません。会社から市民総おどりへのお誘いがあった時、好奇心旺盛の私は、参加したいと思いましたが、周りの人のサポートがないと踊れないのであきらめていました。だから豊身連の仲間が「いっしょに行こう!」と言ってくれた時は、ほんとうにうれしかったです。
ちなみに、その時参加した障害者は、車いす使用者、上肢障害者、内部障害者でした。視覚障害者は、私1人でしたが、昨年PTAの役員をした時、「ふるさとまつり」で盆踊りを踊って、ちょっと自信が付いたので、今回もチャレンジしてみました。
2時間踊っても駅前大通りを200メートルしか進めませんでしたが、大きな声を出しながら思いっきり踊れて最高でした。私に踊りを教えてくれた人は、手話通訳がとても上手です。だから踊りに関しては手や足の出し方や向きなど正確に伝えてくれました。
「左 右 下がって 下がって ちょ ちょんがちょん・・・」と二人で声を出しながら踊っていたら、最後には周りの人たちがみんな同じように声を出してくれ、しっかりまとまったグループになったことに感動しました。
ビールやお茶、おつまみが用意され、初めて会う人も気軽に声をかけて下さり、私たちが楽しんでいる様子を見ていただけたと思います。こんな形で一般の人たちとふれあえるのが一番自然だと思います。
作務衣(さむえ)という衣装を貸していただいたうえにお弁当までいただき、マツヤリネン様にはほんとうによくしていただきました。
踊りの興奮が冷めなかったので、私たちの活動の拠点となっている身障会館へ戻って、すぐ側の公園でお弁当をいただき、久しぶりに夜を満喫しました。
少し肌寒く感じる夜の公園で、「みなさん すてきな時をありがとう!」と大きな声で言いたいくらい興奮していた私でした。
私が所属している豊身連では、毎月1回「豊身連ニュース」という新聞を発行しています。今回の体験談は、その時に書いた記事をちょっと手直ししたものです(手抜きでごめんなさい!)。
障害者と言っても、内部障害、手のない人、足の不自由な人、難聴の人・・・。
みんなさまざまです。だから、自分のできることをして、お互い助け合おうと集まっています。
いろいろな障害をもつ人とふれあうことで、新しい発見があり、自分のことを知ってもらえるチャンスにもなります。自分と違う障害をもった人とふれあうことで、より相手を思いやる気持ちがもてるようになればいいなあと思っている今日この頃です。また、おもしろい体験ができたら聞いて下さい。