脳ドックは、磁気共鳴画像検査(MRI)および磁気共鳴画像検査による血管撮影(MRA)などの画像検査と他の諸検査(血液検査や問診など)によって、無症候性あるいはまだ発症していない脳血管障害(脳卒中)やその危険因子を発見し、それらの発症や進行を防止しようとするものです。脳ドックは、MRIの一般病院への普及率が、諸外国と比べて極めて高い日本でのみ行われています。
脳ドックは、施設によってその検査項目、MRIの機種とその性能、さらに費用はまちまちであり、その内容をよく確かめてから受けてください。MRIは、磁力の程度によって、上から1.5テスラ、1.0テスラ、0.5テスラ等の分類があり、最高機種である1.5テスラのMRIが最も診断精度は高い(特に未破裂脳動脈瘤の検出において)とされています。
しかし脳ドックによって何らかの異常が検出されても、すべての種類の脳血管障害(脳卒中)に対して、その発症予防に有効な治療方法が確立されている訳ではありません。脳ドックで得られる情報は限られています。将来、痴呆を来すかどうかということなども、MRI検査を中心とした一般的な脳ドックでは予知は困難です。脳ドックを受けられる場合には、その限界も十分に理解された上で受けられることをおすすめします。
また、脳ドックで見つかった疾患に対する予防的な手術の危険性やその限界(たとえば、未破裂脳動脈瘤に対する予防的手術の適応は70歳未満とされています)も、よく理解しておく必要があります。
主な発見の対象となる疾患は以下の通りです。(日本脳ドック学会ガイドラインより)
未破裂脳動脈瘤
無症候性脳梗塞
無症候性頭蓋内および頚部血管閉塞、狭窄
脳卒中の危険因子
高次脳機能障害
その他の機能的、器質的脳疾患(脳腫瘍など)
脳ドックで行われる検査
医師による問診および診察
血液および尿検査
心電図
頭部MRI
頭部および頚部のMRA
施設によっては以下の様な検査も加わっています
高次脳機能検査(痴呆の検査)
超音波検査
脳血流検査
造影剤を用いたCT検査
脳波検査
目 次
脳卒中とは?
脳卒中を起こしたら
症 状
予 防
種 類
検 査
脳梗塞の治療
脳内出血の治療
くも膜下出血の治療
リハビリ
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脳ドック
未破裂脳動脈瘤
無症候性脳梗塞