もし、下記の様な症状の中で一つでも起こったなら、直ちに救急病院、または脳神経外科や神経内科のある病院にかかってください。
  1. 突然出現した顔、手足のしびれ、または脱力感。特に右側、あるいは左側の1側だけに起こった場合。
  2. 突然出現した言葉の障害あるいは混乱状態。舌がもつれた感じ、言いたいことが言えない、相手の言葉が理解できないなど。
  3. 突然出現した片目、あるいは両目が見えない、見えにくくなる症状。
  4. 突然出現しためまい、歩行障害。
  5. 突然出現した原因不明の激しい頭痛。

  • 上記のような警告サインがあったなら、躊躇せずに直ちに救急車で病院へ行ってください。”脳卒中を起こしたら動かしてはいけない”というのは大きな間違いで、一刻も早く正確な診断をして治療を開始するほど、良い治療結果が期待できます。
  • 意識を失って風呂場やトイレで倒れた場合には、注意深く居間に運んで、呼吸がしやすい楽な姿勢で横にして、救急車の到着を待ってください。また、嘔吐があった場合には、吐物で窒息することのないように気をつけてください。
  • 特に脳梗塞の場合には、発症してから3時間以内に治療を開始すれば、症状を早期に回復させ、後遺症を最小限にくいとめることができる可能性があります。
  • 脳卒中の患者さんを治療しているのは、日本では主に脳神経外科あるいは神経内科です。また、一般内科でも脳卒中の診療に力を入れているところもあります。いずれにしても、早い時期に、専門家による正確な診断と治療方針の決定が必要です。
  • ただし、今の日本には脳卒中の診療を専門とする医師が少ないのが問題です。脳神経外科は、基本的に手術によって脳や脊髄の病気を治療する診療科です。脳内出血やくも膜下出血の手術を専門とする脳外科医は多いですが、脳梗塞を専門とする脳外科医は少ないです。また神経内科は、欧米では脳卒中の治療の中心となる診療科ですが、日本では神経内科医の数自体が少なく、その中では治療困難な稀な病気の研究をされている医師が多く、脳卒中を専門とする神経内科医はさらに少ないのが現状です。
  • 脳卒中の診断には、頭部CT検査は絶対に必須の検査です。きちんとした脳の検査をせず、治療方針の説明もないような病院は、要注意です。普段から自分たちの地域の中で、脳卒中の診療に力をいれている医師および病院を調べておきましょう。

    目 次

    脳卒中とは?

    症 状

    予  防

    種 類

    検 査

    脳梗塞の治療

    脳内出血の治療

    くも膜下出血の治療

    脳ドック

    リハビリ

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