• 脳卒中の患者さんを診察する場合には、その神経症状を的確に把握して、病変部位を正確に診断することが大切です。脳卒中をよく診察する医師であれば、5分以内に大まかな神経学的な検査はできます。それに、症状の起こり方や今までの病歴などを参照すると、だいたいの診断は可能です。
  • さらに、その診断を補助して、適切な治療方針を決定するために、以下のような検査が行われます。
  • CT検査(コンピューター断層撮影)
  • 脳卒中の診断には必須の検査です。X線を使ったコンピューター断層撮影で、5分以下の短時間で、10数枚の脳の水平断面図が得られます。

  • MRI検査(磁気共鳴画像)
  • 強力な磁気を利用した断層撮影で、CTよりさらに詳しく、そして小さな異常を発見できます。断面図は、水平像だけでなく、あらゆる角度の像が得られます。時間は15-30分程度で、撮影中は装置の雑音が少々うるさいようです。

  • 超音波ドプラー検査
  • 超音波を使って、血液の流れを調べる検査です。簡単な装置で、どこでも手軽に行えます。
  • 特に、頚動脈の流れや動脈硬化の程度を見るのに有用です。また、脳内の太い血管の流れも見ることができます。最近では、くも膜下出血後の脳血管攣縮の診断に用いられています。

  • 脳血管撮影検査
  • 脳の血管の走行を調べる検査です。脳梗塞では、詰まった血管や動脈硬化で狭くなった血管があるかどうかを調べます。脳出血では、出血の原因(脳動脈瘤や血管奇形など)を調べます。
  • 脳血流検査
  • 脳内各部位の血流量を調べる検査です。いろいろな検査方法がありますが、よく用いられいるのはSPECT(スペクト)と呼ばれる検査です。これは、微量の放射性同位元素を注射した後(からだに入っても無害です)、CTとよく似た装置で脳への取り込みの程度を測定して、脳血流量を算出します。検査時間は20-30分程度です。
  • 心臓の検査
  • 脳卒中の危険因子である心房細動などの不整脈を調べるために、心電図は必須です。その他の心臓病の検査のために超音波エコー検査などが行われます。
  • 血液検査
  • 血液粘度、血糖値、コレステロール値など脳卒中の危険因子を調べます。

    目 次

    脳卒中とは?

    脳卒中を起こしたら

    症 状

    予 防

    種 類

    脳梗塞の治療

    脳内出血の治療

    くも膜下出血の治療

    脳ドック

    リハビリ

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