２００５年度は、予算額が8億3,594万円と前年の１４億円弱から大きく落ち込み2年前の水準に逆戻りしました。吹田で初めての本格的な耐震補強・大規模改造工事を千里たけみ小学校で使った６億9,300万円が減額になったうえ、5年計画で進めてきたトイレ整備計画が２００４年度で終わったため減額となりました。

　耐震補強工事は、吹六小学校と藤白台小学校の体育館耐震補強・大規模改造の２校１億9,500万円に留まり、耐震化を伴う整備費の比率は、3８％に落ち込みました。

　施設・設備の老朽化に伴う給水管の更新工事や防水工事がある一方、児童数の増加のための教室整備とプレハブ校舎の増築が目立ちます。

　２００４年の水準が吹田市の学校教育施設整備の先行きに希望の光を感じた「画期的な変化」であっただけに、再び老朽化の後追いになる深刻な事態と言えます。

　中学校の施設整備予算も前年に比べ48.4％と半分以下の額に圧縮されました。

　前年は、青山台中学校体育館の耐震補強・大規模改造工事費として１億8,564万円があてられましたが、２００５年度は耐震化に伴う工事費の支出はありませんでした。

　文部科学省が学校施設の耐震化を求め全国的に耐震診断と耐震化工事が大きく進み始めている中で、吹田市はこれまで通りのゆるやかな方針と取り組みを変えていません。下の表を見ると、施設・設備の老朽化に計画をたてなんとか対応しようと建具の改修や防水工事を推し進めています。

しかし、膨大な保有施設・設備の老朽化の波は大きく、改修工事が焼け石に水と言える低い水準です。小額の設備修理が全体の４０％に達していることは、教育委員会施設課の業務量が職員数に比べ過大なものになっていることを表しています。

　平成１８年に制定された吹田市第三次総合計画には、学校施設の耐震化について具体的な記述は見あたりませんでした。