子ども達にも住民にも大切です珍しい開放廊下型校舎など長期的な営繕計画の欠如と財政当局の罪長期低落傾向の学校教育予算学校を支える教諭以外の職員

進む校舎の老朽化

 25年以上経った学校が60%も



 1989年 古江台小学校は、1億1535万円で大規模改造工事が行われましたが、屋上防水、外壁塗装、一部サッシの入れ替え等を行いましたが廊下床のPタイルは改修しなかったため、新しい床材と古いものがモザイク模様を作るほどになっています。Pタイルには、発ガン物質のアスベストが含まれていると昭和61年には、違う材料のもので作られるようになりましたが、古いPタイルは今も残っています。

Pタイル

Pタイルは、田島応用化学(株)の製造販売するプラスチック床材の商品名ですが、一般名詞化して30cm?角の樹脂床材の代名詞となっています。昭和60年以降のものは、アスベストを含有していません。

 



塗装の剥離とコンクリートの落下で
鉄筋が露出している 古江台小学校体育館前庇




 廊下の床タイルは、全く改修されませんでした


 ニュータウンの学校も開校から35年を経過するところも増えてきました。1988年の大規模工事の対象にならなかった低学年校舎は、コンクリートの亀裂まで見えます

津雲台小学校低学年校舎


 

   
校舎老朽化と耐震診断実施率
 
緊急点検で使用禁止教室も  

おびただしい落下跡
緊急作業で3100箇所

 2001年5月15日に発生した市立豊津中学校のモルタル落下によるクラブ活動中の生徒負傷事故を受け、市教委施設課による緊急点検調査が、6月実施されました。
 調査の結果、業者による危険個所の叩き落とし作業が実施されましたが、落とされた箇所は多い学校では、50カ所以上もあるなど、予想を超えた老朽化の進行が進んでいることが明らかになっています。
 中には、わずか2年前に200カ所以上の叩き落としと応急補修を行った学校で、再度危険個所が発見されたり、今回の点検調査でおびただしい数の落下した跡が発見されました。古江台小学校1年生教室のように、使用禁止になったケースもあります。
 学校による自主的な安全点検と今回の緊急作業を受けて、業者によって叩き落とされた箇所は、吹田全体では、3100箇所 に上ったことが報道されました。
  私たちは、適切な維持管理計画の立案とその実行が疎かにされてきたために老朽化が加速され、今日の深刻な事態を招いていることを指摘しないわけにはいきません。それだけに、緊急工事だけでは、危険な状態が解消したとは考えられません。
 2001年10月3日に大阪市立南津守小学校で発生したモルタル壁崩落は、50?もの面 積が一瞬に落ち、総重量も6t(市議会への報告)という規模のものでした。わずか2年前に点検を済ませたはずの場所が崩落したわけですが、足場を組んで広い面 積を直接打撃して検査しない目視検査の限界を明らかにしたと言えます。
( 大阪市立南津守小学校の現場写 真へ  )

個別 学校計画を積み上げた
長期営繕計画が必要に

 今回の緊急点検調査は、吹田市としては画期的でした。教育委員会施設課の職員が、建築課の応援を受ける形になったとはいえ、建築士の資格を持つ職員が直接短期間に外壁を中心にして一斉調査をしたのは初めてのことでした。
 国の全施設の維持管理についての調査活動を進め、一定の指針を明らかにしている国土交通 省大臣官房の官庁営繕課 の資料では、施設の目標耐用年数と施設のライフサイクルコストに基づく保全計画の立案の重要性を明らかにしていますが、それらを取り組む上の前提条件になる吹田市の教育施設全体の現状評価には、総合的な調査活動が欠かせません。今回の緊急調査は、部分的とは言え、最初の一歩を歩みだしたものです。
 千里ニュータウンには、創立40年を迎える学校が来年以降目白押しであるように、建て替え対象校や延命工事対象校舎、耐震補強工事対象校舎を明示した個別 学校計画を積み上げた、総合的な長期営繕計画を立案し、必要財政 規模までも含めた課題として市民の前に提示する時期に来ています。














竣工後50年が経過した
小学校校舎


 学校建物の耐用年数を一体何年に設定しているのでしょうか。本来なら、建て替えのための諸準備が進んでいなければならないはずですし、古い耐震基準の校舎ですから耐震補強や 防災強化工事が示されなくてはなりません。
 廊下の天井を見ると防火、防災、放送等の設備のためのパイプがいっぱいです。
 写真 右 吹一小学校




コンクリートが落ちる渡り廊下

コンクリートが落ちる渡り廊下

 

コンクリートが中の鉄筋が錆びることではじき飛ばされ落ちてくる渡り廊下の天井 この渡り廊下は、毎日1年生の生徒が行き来します    青山台中学校

よく見ると塗装が2回行われ、繰り返しコンクリートが落下していることが分かります

   

緊急作業での補修跡

 左の建物の壁で白く見えるのは、補修した跡です。右の校舎の方が古いにもかかわらず、新しい校舎ばかりでコンクリート剥離が発見されました。 山二小学校

グレーに色が違う
緊急作業跡

 この学校では、雨が降ると廊下が雨漏りの水が溜まっていました。3,4階の工事は完了しましたが、1,2階は未実施です。

山三小学校

   
   
 
 
   
 

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