子ども達にも住民にも大切です珍しい開放廊下型校舎など長期的な営繕計画の欠如と財政当局の罪長期低落傾向の学校教育予算学校を支える教諭以外の職員



 開放廊下に鉄製サッシ



重たい鉄扉  

開放廊下の校舎が多い吹田では、鉄製のサッシがよく使われてきました 。建築後20年が経過する頃から、部品交換や小修理がでだします。毎日何百回の開閉をすれば、年間でも数万回の開閉をするのですから、20年も経てば故障が起こって当たり前です。重さが40〜60キロgあるために、二枚の鍵穴をあわすと言う一見簡単なことも、何回もつけはずしを繰り返さねばなりませんので、危険で大変な仕事です。
 この鉄扉だけでも、1校に200枚はあります。

Pタイル

 

(プラスチック製床材)は、閉鎖型校舎によく使われていますが、接着剤の耐用年数を越えて冷え込むシーズンによく剥がれます。
 校務員が毎年のように貼り替え続け、元のチョコレート色は数少なくなっているほどです。

計画的な改修工事が不十分なため、一校で五千枚から一万枚という膨大な 貼り替え作業が開校から35年、校務員の手で行われてきました。

 開校40年の中学校で

 4月から6月の3ヶ月で校務員が関わった仕事です

児童・生徒の指導困難化と 

施設老朽化のため業務急増

 

 

学校現場で校務員が遂行しなければならない業務範囲は、仕事の量と種類共に大きなものがあります。
 開校して10数年までは、環境整備の面でも営繕修理の面でも、作業量はそれほどでもありませんが、20年を経過する頃から作業量は飛躍的に増大し、営繕修理の作業内容は困難なものとなります。
 教職員全体で行われる職員作業の内容や児童・生徒の美化活動の内容、あれた学校での破壊行為、学校開放事業のあり方などにも影響されますが、全体と見るならばこれらの活動は、学校運営の中では低下する傾向にあり、20年前と比較するなら、校務員業務に負担となっています。

 
 

 注釈 立合 委託業者の工事場所説明や完了確認
    外構関係 側溝の清掃・泥あげ
 業務の中で残滓の処分が学校では頭を痛め、手間がかかる

   
仕事で使うのは  
 電動工具も
エンジン草刈り機も
 

 

20年から急増する修理個所

 丈夫に作っていても設備は、20年を経過する頃から修理は急増します。初期の修理個所は、部分的なものであったり、個別の製品不良の場合が多く、欠陥設計や施工不良は比較的少ないと言えます。
 

 トイレのタイルが
  両面テープで貼ってあった

 比較的新しい学校で、トイレのタイルが数百枚単位で剥がれ落ちるという「事件」がありました。見てみるとタイルは、両面テープでモルタル面に貼ってあったのです。少数の剥離や破損の場合は、校務員がセラミックボンドと白セメントで補修するのですが、これには驚いて教育委員会施設課に連絡し、業者に補修させました。

無計画と老朽化の現場で
やるっきゃないで!

 長期営繕計画もない、施設の統一的な整備も行われない中で老朽化が間違いなく進行しています。大規模改造工事の時には、まさかと思えるような中途半端な改修工事が行われ、増築工事の時と同じ事が繰り返されて同じ学校にいくつものメーカーの、いくつもの規格のサッシが増えるとは信じられない思いでした。
 学校現場に働く市職員として、大きな疑問を持ちながらも先生方や子ども達の声に励まされ、何とか工夫と時間を掛けて職務に励んでいます。それも、頼まれたからにはやるっきゃないでと男気でやりきりました。
 私たちの願いは、 それが子どもたちに素直に喜んでもらえる仕事をやれる条件を整えて欲しいということです。
 作業室も必要ですし、施設課が各学校に送付する原材料費を今の1校当たり年間10万円を大幅に増やすことも必要です。建て替えや大改造工事の予算が組まれない以上、現場での私たちの使命はますます重要になっているのですから、早急に人材を充実して現場の維持管理能力を強化することが、10年後の 労働力不足時代に 備える緊急の課題だと思います。

 
次のページに子ともたちのために取り組む校務員の多様な仕事内容を紹介
 
   
 

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