数列の具体例 「数列 c,c,c,c,c,…」「数列 an=c 」 : トピック一覧

・「数列c,c,c,c,…」「数列an=c」について,
  ・数列の項のつくる集合 
  ・単調性/有界性/上限sup下限inf/最大値max最小値min 
  ・極限値/上極限・下極限   

→関連ページ:
 ・数列:数列の定義/数列の極限の定義 
    数列の上限sup下限infの性質/数列の極限の性質
 ・類似:定数値関数  
総目次


定義: 「数列 c,c,c,…」 「数列 an=c 」


説明
c実数とする設定のもと、
  数列 c,c,c,c,c,c,…」
  an=c としたときの数列 {an} 」
  数列 {an=c} 」
  数列{c} 」
  数列 an=c
 とは、
 の番号に関係なく、どの実数cに定まっている数列
        つまり、(nN)( an=c )を満たす数列 
 のこと、
 すなわち、
    自然数1に対して実数 a1c
    自然数2に対して実数 a2c
    自然数3に対して実数 a3c
       :      :
    自然数nに対して実数 anc
       :      :
  と定めた数列のこと。






[文献]
 ・細井『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』例3.1(pp.21-22)。
















数列 an=c のビジュアル化

・数学のテキストを見比べると、
 数列の図式化には、
  ・数直線上にプロットしたもの 
  ・グラフ上にプロットしたもの
 の2タイプがあることに気づく。

・数列を数直線上に図式化したテキスト
     ・黒田『微分積分学』§2.5.2-図2.5(p.44)
     ・志賀『解析入門30講』第2講図2(pp.8-9)。
     ・笠原『微分積分学』1.2図1.1(p.9)
     ・和達『微分積分』1-4図1-5(pp.9-10)
     ・中内『ろんりの練習帳』2.8(1)(p.115)
     ・神谷・浦井『経済学のための数学入門』(p.68)

    εと、数直線の拡大率を、操作できるようにする。

・数列をグラフ上に図式化したテキスト
     ・和達『微分積分』1-4図1-6(p.10)
     ・吹田・新保『理工系の微分積分学』1章§2(I)(p.5
 
→数列の様々な数値例とそのグラフ

 





[文献−解析]

 ・志賀『解析入門30講』第2講(pp.8-9)。
 ・和達『微分積分』1-4(pp.9-10)
 ・吹田・新保『理工系の微分積分学』1章§2(I)(p.5)
 ・笠原『微分積分学』1.2図1.1(p.9)
 ・黒田『微分積分学』§2.5.2-図2.5(p.44)

[文献−論理]
 ・中内『ろんりの練習帳』2.8(1)(p.115)数直線


[文献−数理経済]
 ・神谷和也・浦井憲『経済学のための数学入門』(p.68)
 
 
 










→[トピック一覧:数列の収束・極限値・発散の定義]
総目次


性質:「数列c,c,c,c,c,…の項のつくる集合」「数列an=cの項のつくる集合」 



実数cに対して、
  「数列 c,c,c,c,c,c,… の項のつくる集合」 
  「数列an=cの項のつくる集合」  
 は、
 1元集合 { c } となる。
  




[文献]
 ・細井『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』例3.1(pp.21-22)。









→[ト ピック一覧:数列の収束・極限値・発散の定義]
総目次

性質:「数列c,c,c,c,c,…」「数列an=c」と単調性



c実数とする設定のもと、

  「数列 c,c,c,c,c,c,…」 
  「数列an=c」  

 は、
 狭義単調増加列でも狭義単調減少列でもないが、

 広義単調増加列(単調非減少列)の定義を満たし、
 広義単調減少列(単調非増加列)の定義も満たす。



 


→[トピック一覧:数列の収束・極限値・発散の定義]
総目次

性質:「数列c,c,c,c,c,…」「数列an=c」の有界性・上限・下限・最大値・最小値



c実数とする設定のもと、

・「数列 c,c,c,c,c,c,…」「数列an=c」  

 は、有界数列

・「数列 c,c,c,c,c,c,…」「数列an=c」の上限は、c
  つまり、 an=cにたいして、sup an = c .
 
・「数列 c,c,c,c,c,c,…」「数列an=c」の下限は、c
  つまり、 an=cにたいして、inf an =c .
   
・「数列 c,c,c,c,c,c,…」「数列an=c」の最大値は、c
  つまり、 an=cにたいして、max an = c .
    
・「数列 c,c,c,c,c,c,…」「数列an=c」の最小値は、c
  つまり、 an=cにたいして、min an = c .





→[トピック一覧:数列の収束・極限値・発散の定義]
総目次

性質:「数列c,c,c,c,c,…」「数列an=c」の極限値



c実数とする設定のもと、
 「数列 c,c,c,c,c,c,…」は、実数cに収束する。 
  つまり、 
 数列an=cについて、
     anc (n→∞)





lim
anc   
n→∞


なぜ? 〜はじめに読むべき理由
   
 数列 c,c,c,c,c,c,…」では、すべての実数cだから、
 数列 c,c,c,c,c,c,…」において「の番号」nを限りなく大きくしても、
   anの値は、実数cのまま変わらない。
 だから、
 数列 c,c,c,c,c,c,…」において「の番号」nを限りなく大きくするとき、
   anの値が実数αに限りなく近づく
 と言ってよいので、
 「anc (n→∞) 」の定義を満たす。

しかし、「変わらない」のを、「限りなく近づく」などと言ってよいのだろうか。
 このあたり、もやもやする。
 もやもやした感じが残るのは、
 この「anc (n→∞) 」の定義が曖昧だから。
 そこで、
 「anc (n→∞) 」の厳密な定義に照らし合わせてみることにしよう。




[文献]
 ・細井『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』例3.1(pp.21-22):ε-δによる証明付。
 ・ 








なぜ? 〜厳密な定義との照合

anc (n→∞)
 とは、
 任意の正の実数εに対して、ある自然数Nが存在して、
       「 nNならば、 |anc|<ε 」
 が成り立つということ。
 論理記号で表すと、
  (ε>0) (NN) (nN) ( nN|anc|<ε)

数列an=cは、(nN)( an=c )を満たすので、
  (nN)(|anc|=0<ε ) 
 も満たす。 

・だから、 
 任意の正の実数εに対して、どの自然数Nをとっても、
       「 nNならば、 |anc|<ε 」
 が成り立つ
  (ε>0) (NN) (nN) ( nN|anc|<ε)

・したがって、
 任意の正の実数εに対して、ある自然数Nが存在して、
       「 nNならば、 |anc|<ε 」
 が成り立つ
   (ε>0) (NN) (nN) ( nN|anc|<ε)
 は満たされており、
 「anc (n→∞) 」である。


   





数列の収束・極限値のビジュアル化

・数学のテキストを見比べると、
 数列の収束・極限値の定義の図式化には、
  ・数直線上にプロットしたもの 
  ・グラフ上にプロットしたもの
 の2タイプがあることに気づく。

・数列の収束を数直線上に図式化したテキスト
     ・黒田『微分積分学』§2.5.2-図2.5(p.44)
     ・志賀『解析入門30講』第2講図2(pp.8-9)。
     ・笠原『微分積分学』1.2図1.1(p.9)
     ・和達『微分積分』1-4図1-5(pp.9-10)
     ・中内『ろんりの練習帳』2.8(1)(p.115)
     ・神谷・浦井『経済学のための数学入門』(p.68)
     ・岡田『経済学・経営学のための数学』定義1.1(p.5)
     ・松坂『解析入門1』2.1数列-C-定義(p.60)

    εと、数直線の拡大率を、操作できるようにする。

・数列の収束をグラフ上に図式化したテキスト
     ・和達『微分積分』1-4図1-6(p.10)
     ・吹田・新保『理工系の微分積分学』1章§2(I)(p.5
 






→[トピック一覧:数列の収束・極限値・発散の定義]
総目次

上極限 下極限