2変数関数の収束の、点列・数列の収束への言い換えの証明

次の命題P,命題Qは互いに言い換え可能(つまり、命題P⇔命題Q)である。

命題P:
点P(x,y)を点A(a,b)に近づけたとき、
関数f ( P )=f (x,y)が実数cに収束する
  これを記号で表すと、
   
f ( P )→c ( P→A ) 
   
f (x,y)→c ( x→a , y→b )
   
   
 
  など。 

命題Q:
どんなR2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}
についてであれ、 
 
1. その点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}が
   
点A(a,b)に収束し、 
 
かつ  
 
2. その点列の各項 P1 , P2 , P3,…がどれも点Aと一致しない 
限り、 
その
点列の各項 P1 , P2 , P3,…を2変数関数f によりR上に写した像の数列 
 {
f ( Pn ) }={ f ( P1 ), f ( P2 ) , f ( P3 ) ,… }={ f ( x1 ,y1 ) , f (x2 ,y2 ), f (x3 ,y3 ),… }
は実数cに収束する。

つまり、
任意のR2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}について、
 
Pn→A (n→∞) かつ P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…ならば、f (Pn)→c (n→∞) 
論理記号で表すと、
 
(∀{ Pn })(( Pn→A (n→∞)かつ(∀n) (Pn ≠A) )⇒ f (Pn)→c (n→∞))

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命題P⇒命題Qの証明

step1:証明したい「命題P⇒命題Q」を、証明しやすいかたちに、言い換えておく。
ここで証明したいのは、
 
「命題P『f ( P )→c ( P → A )』が成り立つならば、
  
命題Q『R2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}について、
        
Pn→A (n→∞) かつ P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…ならば、f (Pn)→c (n→∞) 』
  が成り立つ
」
    
論理記号で、「f ( P )→c ( P → A )」⇒「(∀{ Pn })((Pn→A (n→∞)かつ(∀n) (Pn ≠A))⇒f(Pn)→c (n→∞))」 
ということだが、
これは実は、
「任意のR2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}について、
  『
f ( P )→c ( P → A ) かつ Pn→A (n→∞) かつ P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…ならば、f(Pn)→c (n→∞)』」
    
論理記号で「(∀{ Pn })((f ( P )→c ( P → A )かつPn→A (n→∞)かつ(∀n) (Pn ≠A))⇒ f(Pn)→c (n→∞))」
と同じことであるから(理由は下記)、
「任意のR2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}について、
  『
f ( P )→c ( P → A ) かつ Pn→A (n→∞) かつ P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…ならば、f (Pn)→c (n→∞)』」
となることを示すことによって、
「
命題P⇒命題Q」を示すことにする。

      [→とばしてstep2へ]  
****
「命題P⇒命題Q」が
「任意のR2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}について、
   『
f ( P )→c ( P → A ) かつ Pn→A (n→∞) かつ P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…ならば、f (Pn)→c (n→∞)』」
    
論理記号で「(∀{ Pn })((f ( P )→c ( P → A )かつPn→A (n→∞)かつ(∀n) (Pn ≠A))⇒f (Pn)→c (n→∞))」
と同じになるのは、次の
2点による。 
1.
 「
命題P『f ( P )→c ( P → A )』が成り立つならば、
  
命題Q『任意のR2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}について、
        
Pn→A (n→∞) かつ P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…ならば、f (Pn)→c (n→∞)』
  が成り立つ」
   
論理記号で「f ( P )→c ( P → A )」⇒「(∀{ Pn })(((∀n) (Pn ≠A)かつPn→A (n→∞))⇒f (Pn)→c (n→∞))」
 は、
 「
任意のR2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}について、
   
f ( P )→c ( P → A )ならば、『Pn→A (n→∞) かつ P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…ならば、f (Pn)→c (n→∞)』」
   
論理記号で「(∀{ Pn })(f ( P )→c ( P→A )⇒((Pn→A (n→∞) かつ (∀n) (Pn≠A))⇒f (Pn)→c (n→∞)))」
 に他ならない(∵
論理法則:「ならば」の全称命題の言い換え)
2.
 「
任意のR2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}について、
   
f ( P )→c ( P → A )ならば、『Pn→A (n→∞) かつ P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…ならば、f (Pn)→c (n→∞)』」
   
論理記号で「(∀{ Pn })(f ( P )→c (P→A)⇒((Pn→A (n→∞) かつ (∀n) (Pn ≠A))⇒f (Pn)→c (n→∞)))」
 は、
 「
任意のR2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}について、
   『
f ( P )→c ( P → A ) かつ Pn→A (n→∞) かつ P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…ならば、f (Pn)→c (n→∞)』」
     
論理記号で「(∀{ Pn })((f ( P )→c ( P→A )かつPn→A (n→∞)かつ(∀n) (Pn ≠A))⇒f (Pn)→c (n→∞))」
 に他ならない(∵
論理法則:「ならば」の繰り返しの言い換え)。
*****

Step2:
任意の点列{ Pn }について、   
  
f ( P )→c ( P→A ) …(仮定1)  
  
Pn→A (n→∞)   …(仮定2)  
  
(∀n) (Pn ≠A)    …(仮定3)  
が満たされるケースについて考える。
Step3:仮定1の厳密化 
関数の収束の定義に従うと、(仮定1)はすなわち、
 「
任意の(どんな)正の実数εに対して(でも)、ある正の実数δをとると、
   『0<
d( P, A )<δ ⇒ d ( f (P), c )<ε』が成り立つ」
    
論理記号で(∀ε>0)(∃δ>0)(∀P∈R2 )(0<d( P, A )<δ⇒d ( f (P), c )<ε )
  …(仮定
1' )
ということ。
Step4:仮定2の厳密化 
点列の収束の定義に従うと、(仮定2)はすなわち、
 「
任意のε’> 0に対して、ある自然数Nをとると、
        『
N以上のあらゆる自然数n に対して、d ( Pn , A ) <ε’』が成立する」 
    
論理記号で (∀ε’>0) (∃N∈N) (∀n∈N) ( n≧N⇒ d ( Pn , A ) <ε’) 
ということ。…(仮定
2' )
Step5:仮定1と仮定2をあわせて考えると…、 
(仮定
2' )における「ε’」はどんな正の実数でもいいというので、
(仮定
2' )における「ε’」として、(仮定1' )で定まる「δ」をとっても、(仮定2' )はそのまま成り立つ。
このことを利用して、(仮定
1' )と(仮定2' )を結合する。
すなわち、
「
任意の正の実数εに対して(仮定1' )で定まった如何なるδに対してであろうとも、
 ある(十分大きな)
自然数Nをとると、 
 『
n≧N⇒ d ( Pn , A ) <δ』が成り立つ」 
    
論理記号で  (∃N∈N) (∀n∈N) ( n≧N⇒ d ( Pn , A ) <δ ) 
 …(仮定
1'+仮定2' ) 
ここから、
任意の点列{ Pn }について、
仮定
1,仮定2がともに満されるならば、   
その(仮定
1'+仮定2' )で定まるN以上の項と、点Aとの距離d ( Pn , A )が、仮定1'で定まるδ未満に収まることがわかる。
Step6:仮定3の意味 
距離の定義より、d ( Pn , A )≧0がいつでも成り立ち、d ( Pn , A )=0となるのは、Pn = Aのときに限られる。
したがって、
任意の点列{ Pn }が、仮定3「(∀n) (Pn ≠A)」を満たすならば、「(∀n) (d ( Pn , A ) ≠0)」であり、
したがって、「
(∀n) (d ( Pn , A ) >0)」となる。…(仮定3' ) 
Step7:仮定1・仮定2・仮定3をあわせて考えると… 
仮定
1 かつ 仮定2 かつ 仮定3は、
(仮定
1'+仮定2' )と(仮定3')より、
「
任意の正の実数εに対して(仮定1' )で定まった如何なるδに対してであろうとも、
 ある(十分大きな)
自然数Nをとると、 
 『
n≧N⇒ 0<d ( Pn , A ) <δ』が成り立つ」 
    
論理記号で  (∃N∈N) (∀n∈N) ( n≧N⇒ 0<d ( Pn , A ) <δ ) 
 …(仮定
1'+仮定2'+仮定3' ) 
を意味する。 
したがって、      
任意の点列{ Pn }について、
仮定
1,仮定2,仮定3がともに満たされるならば、
(仮定
1'+仮定2'+仮定3' )によって、   
(仮定
1'+仮定2' )で定まった自然数N以上の項と、点Aとの距離d ( Pn , A ) について、
       0
< d ( Pn , A ) < δ 
が成り立つことになる。 
Step8:結論 
(仮定
1')は、
「
任意の正の実数εに対して、ある正の実数δをとると、
       『0<
d( P, A )<δ ⇒ d ( f (P), c )<ε』が成り立つ」。 
        つまり
(∀ε>0)(∃δ>0)(∀P∈R2 )(0<d( P, A )<δ⇒d ( f(P), c )<ε )
というものだった。

(仮定
1'+仮定2'+仮定3' )は、
「上記のδに対して、ある自然数
Nをとると、
       『
n≧N⇒ 0<d ( Pn , A ) <δ』が成り立つ。」  
        つまり
(∃N∈N) (∀n∈N) ( n≧N⇒ 0<d ( Pn , A ) <δ )  
というものだった。 
(仮定
1'+仮定2'+仮定3' )と(仮定1')をあわせて考えると、
「
任意の正の実数εに対して、ある正の実数δ、ある自然数Nをとると、
  『
n≧N⇒0<d ( Pn , A ) <δ⇒d ( f (Pn), c )<ε』 」 
  つまり
   
(∀ε>0)(∃δ>0)(∃N∈N) (∀n∈N)(n≧N⇒0<d( Pn, A )<δ⇒d ( f (Pn), c )<ε )
となるが、
これは、
「
任意の正の実数εに対して、ある自然数Nをとると、
   『
n≧N⇒d ( f (Pn), c )<ε』 」 
      つまり
(∀ε>0)(∃N∈N) (∀n∈N)(n≧N⇒d ( f (Pn), c )<ε )
と簡略化でき、
「
数列 { f ( Pn ) }={ f ( xn ,yn )}={ f ( x1 ,y1 ) , f (x2 ,y2 ), f (x3 ,y3 ),…}が実数cに収束する」
ことの定義そのものとなる。
だから、
任意の点列{ Pn }について、
仮定
1,仮定2,仮定3がともに満たされるならば、
「
数列 { f ( Pn ) }={ f ( xn ,yn )}={ f ( x1 ,y1 ) , f (x2 ,y2 ), f (x3 ,y3 ),…}が実数cに収束する」
といえる。
 つまり、
 「
(∀{ Pn })( ( f ( P )→c ( P→A )かつ (∀n) (Pn ≠A) かつ Pn→A (n→∞))⇒ f (Pn)→c (n→∞) )」
          

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命題Q⇒命題Pの証明

Step1:証明したい「命題Q⇒命題P」を、証明しやすいかたちに、再定式化。
・ここで証明したいのは、「命題
Qが成り立つならば、命題Pが成り立つ」ということ。
・「命題
Qが成り立つならば、命題Pが成り立つ」は、
 その
対偶「命題Pが成り立たないならば、命題Qが成り立たない」
 に言い換えてもまったく同じ(∵
「ならば」の命題はその対偶と同値)。 
・そこで、ここでは、
 「命題
Qが成り立つならば、命題Pが成り立つ」を示すために、
 「命題
Pが成り立たないならば、命題Qが成り立たない」を示すことにする。 
Step2:「命題Pが成り立たないならば、命題Qが成り立たない」を分析。
ここで示したい
「命題Pが成り立たないならば、命題Qが成り立たない」は、
詳しくみると、
「「任意の正の実数δに対して、あるPが存在して、『0<d( P, A )<δ かつ d ( f (P), c )≧ε』を満たす」
  を成り立たせる正の
実数εが存在する」  
    
(∃ε>0)(∀δ>0)(∃P∈R2 )(0<d( P, A )<δ かつ d ( f (P), c )≧ε) 
ならば、
「次の条件をすべて満たすR2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}が存在する。
 条件
1. Pn→A (n→∞)
 条件2. P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…
 条件
3. 『任意の自然数Nに対して、あるnが存在して、《n≧N かつ d ( f (Pn), c )≧ε 》を満たす』
     を成り立たせる
正の実数εが存在する』 」
  (∃{Pn })(Pn→A (n→∞)かつ(∀n)(Pn≠A)かつ((∃ε>0)(∀N∈N)(∃n∈N)(n≧Nかつd ( f (Pn), c )≧ε)))
ということだとわかる。
[→とばしてstep3へ]
Step2-1:「命題Pが成り立たない」を分析。
・「命題
Pが成り立たない」とは、具体的には「『f ( P )→c ( P → A )』が成り立たない」ということ。
 これは、実は、
 
「「任意の正の実数δに対して、あるPが存在して、『0<d( P, A )<δ かつ d ( f (P), c )≧ε』を満たす」
  を成り立たせる正の
実数εが存在する」  
    
* 論理記号で  (∃ε>0)(∀δ>0)(∃P∈R2 )(0<d( P, A )<δ かつ d ( f (P), c )≧ε) 
 に他ならない。 
 このことは、以下の考察から明らか。 
・「『
f ( P )→c ( P→A )』が成り立たない」を、「f ( P )→c ( P→A )」の定義にしたがって書き下すと、 
 
「『任意の(どんな)正の実数εに対して(でも)、ある正の実数δをとると、
   0<
d( P, A )<δ ⇒ d ( f (P), c )<εが成り立つ』
  
とは限らない」 
  
* 論理記号で ¬( (∀ε>0)(∃δ>0)(∀P∈R2 )(0<d( P, A )<δ⇒d ( f (P), c )<ε) )  
 となる。
・
「『任意の(どんな)正の実数εに対して(でも)、ある正の実数δをとると、
   0<
d( P, A )<δ ⇒ d ( f (P), c )<εが成り立つ』
  
とは限らない」
    * 論理記号で ¬( (∀ε>0)(∃δ>0)(∀P∈R2 )(0<d( P, A )<δ⇒d ( f (P), c )<ε) )  
 は、   
 
「『ある正の実数δをとると、0<d( P, A )<δ ⇒ d ( f (P), c )<ε』
  
を成り立たせないある正の実数εが存在する」  
    
* 論理記号で  (∃ε>0)¬((∃δ>0)(∀P∈R2 )(0<d( P, A )<δ⇒d ( f (P), c )<ε) ) 
 に言換えられる。(∵
全称命題の否定) 
・
「『ある正の実数δをとると、0<d( P, A )<δ⇒d ( f (P), c )<ε』を成り立たせない正の実数εが存在する」  
    
* 論理記号で  (∃ε>0)¬((∃δ>0)(∀P∈R2 )(0<d( P, A )<δ⇒d ( f (P), c )<ε) )
 は、 
 
「「任意の正の実数δに対して、『0<d( P, A )<δ⇒d ( f (P), c )<ε』とならない」
  を成り立たせる正の
実数εが存在する」、  
    
* 論理記号で  (∃ε>0)(∀δ>0)¬((∀P∈R2 )(0<d( P, A )<δ⇒d ( f (P), c )<ε) ) 
 に言換えられる。(∵
存在命題の否定) 
・
「「任意の正の実数δに対して、『0<d( P, A )<δ⇒d ( f (P), c )<ε』とならない」
  を成り立たせる正の
実数εが存在する」  
    
* 論理記号で  (∃ε>0)(∀δ>0)¬((∀P∈R2 )(0<d( P, A )<δ⇒d ( f (P), c )<ε) ) 
 は、 
 
「「任意の正の実数δに対して、あるPが存在して、『0<d( P, A )<δ⇒d ( f (P), c )<ε』を満たさない」
  を成り立たせる正の
実数εが存在する」  
    
* 論理記号で  (∃ε>0)(∀δ>0)(∃P∈R2 )¬(0<d( P, A )<δ⇒d ( f (P), c )<ε) 
 に言換えられる。(∵
全称命題の否定) 
・
「「任意の正の実数δに対して、あるPが存在して、『0<d( P, A )<δ⇒d ( f (P), c )<ε』を満たさない」
  を成り立たせる正の
実数εが存在する」  
    
* 論理記号で  (∃ε>0)(∀δ>0)(∃P∈R2 )¬(0<d( P, A )<δ⇒d ( f (P), c )<ε) 
 は、
 
「「任意の正の実数δに対して、あるPが存在して、『0<d( P, A )<δ かつ d ( f (P), c )≧ε』を満たす」
  を成り立たせる正の
実数εが存在する」  
    
* 論理記号で  (∃ε>0)(∀δ>0)(∃P∈R2 )(0<d( P, A )<δ かつ d ( f (P), c )≧ε) 
 に言換えられる。(∵
ならばの否定)   
Step2-2:「命題Qが成り立たない」を分析。
・「命題
Qが成り立たない」とは、具体的には、
 「『
任意のR2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}について、
   
Pn→A (n→∞) かつ P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…ならば、f (Pn)→c (n→∞) 』が成り立たない」  
      
* 論理記号では「¬(∀{Pn })((Pn→A (n→∞)かつ(∀n) (Pn≠A))⇒ f (Pn)→c (n→∞))」
 ということ。   
 これは、実は、
 「次の条件をすべて満たす
R2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}が存在する。
   条件
1. Pn→A (n→∞)
   条件2. P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…
   条件
3. 『任意の自然数Nに対して、あるnが存在して、《n≧N かつ d ( f (Pn), c )≧ε'' 》を満たす』
       を成り立たせる
正の実数ε''が存在する』 」    
  
* 論理記号では
  (∃{Pn })(Pn→A (n→∞)かつ(∀n)(Pn≠A)かつ((∃ε''>0)(∀N∈N)(∃n∈N)(n≧Nかつd (f (Pn),c)≧ε'')))
 に他ならない。 
 このことは、以下の考察から明らか。
・「『
任意のR2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}について、
   
Pn→A (n→∞) かつ P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…ならば、f (Pn)→c (n→∞) 』
  が
成り立たない」  
      
* 論理記号では「¬(∀{Pn })((Pn→A (n→∞)かつ(∀n) (Pn≠A))⇒f (Pn)→c (n→∞))」
 は、
 「『
Pn→A (n→∞) かつ P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…ならば、f (Pn)→c (n→∞)』 
  を
満たさない、R2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}もある」    
      
* 論理記号では「(∃{Pn })¬((Pn→A (n→∞)かつ(∀n) (Pn≠A))⇒f (Pn)→c (n→∞))」
 と言いかえられる。(∵
全称命題の否定)  
・「『
Pn→A (n→∞) かつ P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…ならば、f (Pn)→c (n→∞)』 
  を
成り立たせない、R2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}もある」    
      
* 論理記号では「(∃{Pn })¬((Pn→A (n→∞)かつ(∀n) (Pn≠A))⇒f (Pn)→c (n→∞))」
 は、
 「『《
Pn→A (n→∞) 》かつ《P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…》かつ《 f (Pn)→c (n→∞)とならない》』
  を満たす
R2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}もある」    
      
* 論理記号では「(∃{Pn })(Pn→A (n→∞)かつ(∀n) (Pn≠A)かつ¬(f (Pn)→c (n→∞)))」
 に言換えられる。(∵
ならばの否定)   
・「
f (Pn)→c (n→∞)とならない」は、定義に遡ると、
 「『
任意の正の実数ε'' に対して、ある自然数Nをとると、《n≧N⇒d ( f (Pn), c )<ε'' 》 』
  
が成立しない」 
      
* 論理記号では¬(∀ε'' >0)(∃N∈N) (∀n∈N)(n≧N⇒d ( f (Pn), c )<ε'' )
  ということであり、これは、
  「
『ある自然数Nをとると、《n≧N⇒d ( f (Pn), c )<ε'' 》』を満たさない正の実数ε'' がある 」
      
* 論理記号では(∃ε'' >0)¬((∃N∈N) (∀n∈N)(n≧N⇒d ( f (Pn), c )<ε'' )) 
  と言換えることができ、(∵
全称命題の否定) 
  これはまた、
  「
『任意の自然数Nに対して、《n≧N⇒d ( f (Pn), c )<ε'' 》とならない』を満たす正の実数ε''がある」
      
* 論理記号では(∃ε'' >0)(∀N∈N)¬( (∀n∈N)(n≧N⇒d ( f (Pn), c )<ε'' )) 
  と言換えることができ、(∵
存在命題の否定)  
  さらにこれは、
  「
『任意の自然数Nに対して、あるnが存在して、《n≧N⇒d ( f (Pn), c )<ε''》を満たさない』
    を成り立たせる
正の実数ε''がある」
      
* 論理記号では(∃ε''>0)(∀N∈N)(∃n∈N)¬((n≧N⇒d ( f (Pn), c )<ε'' )) 
  と言いかえることができ、(∵
全称命題の否定) 
  これもまた、
  「
『任意の自然数Nに対して、あるnが存在して、《n≧N かつ d ( f (Pn), c )≧ε'' 》を満たす』
    を成り立たせる
正の実数ε'' がある」
      
* 論理記号では(∃ε'' >0)(∀N∈N)(∃n∈N)(n≧Nかつd ( f (Pn), c )≧ε'' ) 
  と言換えられる。(∵
ならばの否定)    
Step3:「命題Pが成り立たないならば、命題Qが成り立たない」を証明。
「「任意の正の実数δに対して、あるPが存在して、『0<d( P, A )<δ かつ d ( f (P), c )≧ε』を満たす」
  を成り立たせる正の
実数εが存在する」  
    
(∃ε>0)(∀δ>0)(∃P∈R2 )(0<d( P, A )<δ かつ d ( f (P), c )≧ε) 
ならば、
「次の条件をすべて満たすR2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}が存在する。
 条件
1. Pn→A (n→∞)  すなわち、 (∀ε’>0) (∃N∈N) (∀n∈N) ( n≧N⇒ d ( Pn , A ) <ε’)   
 条件
2. P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…   
 条件
3. 『任意の自然数Nに対して、あるnが存在して、《n≧N かつ d ( f (Pn), c )≧ε'' 》を満たす』
     を成り立たせる
正の実数ε'' が存在する
         
(∃ε'' >0)(∀N∈N)(∃n∈N)(n≧Nかつd ( f (Pn), c )≧ε'' ) 
 (∃{Pn })(Pn→A (n→∞)かつ(∀n)(Pn≠A)かつ((∃ε''>0)(∀N∈N)(∃n∈N)(n≧Nかつd (f (Pn),c)≧ε'')))」
を証明するために、
仮定
「「任意の正の実数δに対して、あるPが存在して、『0<d( P, A )<δ かつ d ( f (P), c )≧ε』を満たす」
   を成り立たせる正の
実数εが存在する」  
のもとで条件
1,2,3をすべて満たす
R2上の点列{ Pn }={ P1 , P2 , P3,…}={ (x1 ,y1 ) , (x2 ,y2 ), (x3 ,y3 ),…}の例をひとつあげる。

**********

仮定から、
仮定が存在を保証する「ある正の
実数ε」のもとで、
「
任意の正の実数δに対して」あるPが存在して、『0<d( P, A )<δ かつ d ( f (P), c )≧ε』を満たすというのだから、
この仮定と、仮定が存在を保証する「正の
実数ε」のもとでは、
δ
1=1/1 にたいして、『0<d( P1, A )<1/1=δ1 かつ d ( f (P1), c )≧ε』を満たす点P1の存在が保証され、
δ
2=1/2 にたいして、『0<d( P2, A )<1/2=δ2 かつ d ( f (P2), c )≧ε』を満たす点P2の存在が保証され、
δ
3=1/3 にたいして、『0<d( P3, A )<1/3=δ3 かつ d ( f (P3), c )≧ε』を満たす点P3の存在が保証され、
δ
4=1/4 にたいして、『0<d( P4, A )<1/4=δ4 かつ d ( f (P4), c )≧ε』を満たす点P4の存在が保証され、
   :
δ
n=1/n (n は自然数 )にたいして、『0<d( Pn, A )<1/n =δn かつ d ( f (Pn), c )≧ε』を満たす点Pnの存在が保証され、
   :
となる。
この仮定と、仮定が存在を保証する「正の
実数ε」のもとで、
存在が保証された
点 P1 , P2 , P3,…を並べてR2上の点列{ Pn }をつくる。
この仮定と、仮定が存在を保証する「正の
実数ε」のもとで、存在が保証された点列{ Pn }は 
  ・ 
(∀n∈N) (d( Pn, A )<1/n≦1 )  …(3-0-1)
  ・ (∀n∈N) (0<d( Pn, A ) )    …(3-0-2)
  ・ (∀n∈N) (d ( f (Pn), c )≧ε)   …(3-0-3)
を満たしている。 

1.この{ Pn }は、
  条件
1「 Pn→A (n→∞) 」すなわち (∀ε’>0) (∃N∈N) (∀n∈N) ( n≧N⇒ d ( Pn , A ) <ε’) 
 を満たす。
 なぜなら、
 
任意の正の実数ε’にたいして、1/ε’以上の自然数をNとしてとると、(3-0-1)より、 
    
n≧N ⇒ d ( Pn , A ) <ε’ 
 を満たす。…
(3-1)

 (ex-1:ε’≧1の場合)
  
(3-0-1)より、∀n∈N に対して、d ( Pn , A ) < 1 だから、
  
ε’=1000,100,10,1 などでは、1/ε’以上の自然数、すなわち、1以上の自然数をNとしてとると、
                    
(つまりどの自然数をNとして取ってもよい)
   n≧N ⇒ d ( Pn , A ) < ε’ を満たし、
   
(3-1)が成り立つ。 。
 
(ex-2:1>ε’≧0.5 の場合)
 ・
ε’=0.99にたいして、1/ε’=1.010101…以上の自然数、すなわち、2以上の自然数をNとしてとると、
   
(3-0-1)より、 n≧N ⇒ d ( Pn , A ) < ε’ を満たし、(3-1)が成り立つ。 
 ・
ε’=0.7にたいして、1/ε’=1.4285…以上の自然数、すなわち、2以上の自然数をNとしてとると、
   
(3-0-1)より、 n≧N ⇒ d ( Pn , A ) < ε’ を満たし、(3-1)が成り立つ。    
 ・
ε’=0.5にたいして、1/ε’=2 以上の自然数をNとしてとると、
   
(3-0-1)より、 n≧N ⇒ d ( Pn , A ) < ε’ を満たし、(3-1)が成り立つ。 
 
(ex-3:0.5>ε’≧0.333… の場合)
 ・
ε’=0.499にたいして、1/ε’=2.004008…以上の自然数、すなわち、3以上の自然数をNとしてとると、
   
(3-0-1)より、 n≧N ⇒ d ( Pn , A ) < ε’ を満たし、(3-1)が成り立つ。 
 ・
ε’=0.4にたいして、1/ε’=2.5以上の自然数、すなわち、3以上の自然数をNとしてとると、
   
(3-0-1)より、 n≧N ⇒ d ( Pn , A ) < ε’ を満たし、(3-1)が成り立つ。 
 ・
ε’=0.333…にたいして、1/ε’=3以上の自然数をNとしてとると、
   
(3-0-1)より、 n≧N ⇒ d ( Pn , A ) < ε’ を満たし、(3-1)が成り立つ。 
 
(ex-4:0.333…>ε’≧0.25の場合)
 ・
ε’=0.3にたいして、1/ε’=3.333…以上の自然数、すなわち、4以上の自然数をNとしてとると、
   
(3-0-1)より、 n≧N ⇒ d ( Pn , A ) < ε’ を満たし、(3-1)が成り立つ。 
 ・
ε’=0.26にたいして、1/ε’=3.846…以上の自然数、すなわち、4以上の自然数をNとしてとると、
   
(3-0-1)より、 n≧N ⇒ d ( Pn , A ) < ε’ を満たし、(3-1)が成り立つ。 
 ・
ε’=0.25にたいして、1/ε’=4以上の自然数をNとしてとると、
   
(3-0-1)より、 n≧N ⇒ d ( Pn , A ) < ε’ を満たし、(3-1)が成り立つ。 
 :

2.この{ Pn }は、条件2「 P1≠A , P2≠A , P3≠A ,…」を満たす。
 
(3-0-2)より、(∀n∈N) (d ( Pn , A ) >0) 。つまり、(∀n∈N) (d ( Pn , A ) ≠0) 。   
 
距離の定義より、d ( Pn , A )=0となるのは、Pn = Aのときに限られるから、
 
(∀n∈N) (d ( Pn , A ) ≠0)は、(∀n∈N) ( Pn ≠ A ) を意味する。  

3.この{ Pn }は、
  条件
3「 『任意の自然数Nに対して、あるnが存在して、《n≧N かつ d ( f (Pn), c )≧ε'' 》を満たす』
              を成り立たせる
正の実数ε'' が存在する」
   
(∃ε'' >0)(∀N∈N)(∃n∈N)(n≧Nかつd ( f (Pn), c )≧ε'' )
 
を満たす。
 なぜなら、
 仮定と、仮定が存在を保証する「正の
実数ε」のもとで、存在が保証された点列{ Pn }は、
 
(3-0-3)より、 (∀n∈N) (d ( f (Pn), c )≧ε) を満たすので、
 
(∀N∈N)(∃n∈N)(n≧Nかつd ( f (Pn), c )≧ε ) 
 も満たすが、
 このことは、
 「仮定が存在を保証するε」が、「条件
3が存在を主張するε'' 」の実例をなすこと、
 そして、
{ Pn }が条件3を満たすこと
 の証左にほかならない。

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