いのちとこころ−雑感集−

 

平成十三年七月吉日開設

 

 1)”自分自身の再発見” -『キュアからケアの時代へ』を再び読む-

小書『キュアからケアの時代へ』は、ジャミー先生との交換メールの中で自然発生的に生まれたものです。個人的なやり取りですので美辞麗句を並べたわけではありません。見た目に良いからなどの理由で書いたものでもありません。世の中には美辞麗句を並べた”よそ行き”のものもたくさんあるように思います。”よそ行き”というのは一般には服装のことですので服装のことを例に取りますと、私もそれなりのところに行くときには正装をします。しかし、自宅で本を読んだりしているときには、上は半袖シャツに下はステテコ姿です。どんな服装をしていようとも私には違いありません(正装した方がシャキッとしているとは思いますが)。さて、究極の選択として「どちらかの格好で一生過ごしなさい」と言われたら、(さすがに少しは迷いますが)私は半袖シャツとステテコの方を選びたいと思います。半袖シャツとステテコ姿では行けないところもたくさん出てきます。(究極の選択ですから)それで良いと思います。半袖シャツとステテコ姿の選択というのは私が四十歳の声を聞いたからこそできるような気もします。また、性格によるところも大きいと思います。私には「今までにいろいろなところに行っているからなぁ」という感情がすでにありますので、正装の方を捨てても惜しくないのだとも思います。二十歳代の時だったら正装の方を選んだと思います。また、私は八方美人にはなれないものですから、出来ることと出来ないことの区別も、内面では確立しているつもりです。その区別についてはっきりしていないと、結果的には嘘をついてしまうことにります。私も俗人ですので、嘘をついたこともあります。しかし、これからの人生の核心の部分で自分に対しても他人に対しても嘘をついたらいけないと思います。(分をわきまえ、和を以て尊しとするとき、時節柄、嘘とは言わなくとも信念とは違うという意味で折れなければならないこともありますけれど。)

話を戻しましょう。小書の記述を読み返してみますと、私が何をしたいのかといことがわかります。このことは私にとって、”自分自身の再発見”でした。そんな中から、私が本心として「何をやりたいのか」といことが見えてくる思いがします。

 

どんなことが見えてくるかを、『キュアからケアの時代へ』の草稿の中から探ってみました。

私の外来診療1

私の外来診療2

お医者さんと職人気質

在宅医療自体が家内制手工業的なところがあると思います

論語読みの論語知らずにならないために

 

草稿以外で私が最近重要に思っていることは、慎み深く生きることを尊ぶということです。

 

 

 2)貝原益軒『養生訓』に学ぶ

 

慎み深く生きるとうい意味では『養生訓』というものは、良い指針になると思います。正徳三年(一七一三年)に上梓され、それ以後も長い間愛読されている理由があると思います。

 

 

 3)二宮尊徳に学ぶ

 

二宮尊徳も私にとって模範としたい方です。岩波書店の『二宮尊徳』(奈良本辰也著、本体1,456円、ISBN4-00-009123-9 C0021)は、今一番読みたい本です。岩波書店の書籍紹介には、「二宮尊徳は本当にあのブロンズ像によって勤倹力行の象徴として国定教科書などにも描かれたような人物だったのだろうか.封建社会の重圧にあえぐ農民救済のために,実践家・思想家として行動した尊徳の人間像を描き出す.」の書評がありました。二宮尊徳について、ネットで調べてみました。

 

 4)徳川家康に学ぶ

 

徳川家康遺訓は大変有名な言葉です。渋沢栄一『論語講義』(講談社学術文庫)に出ていました。徳川家康遺訓へ。

 

 

 5)渋沢栄一に学ぶ

 

渋沢栄一の『論語講義』(講談社学術文庫、全七巻)は、私の愛読書です。第二巻の書評を掲載します。

 

 

 6)本居宣長に学ぶ 

 

江戸時代後期の国学の大成者 本居宣長の業績を一言で表すのは無理だと思います。京都遊学後の宣長は、小児科医を開業するかたわら歌論を展開し、宝暦八年に開始した『源氏物語』の講義などを通して、文学の神髄を「もののあはれを知るこころ」に求める独自の見解を確立しました。そこ後、賀茂真淵に激励され、『古事記伝』の執筆に至りました。執筆に伴い、語学分野で活用研究や漢字音研究を飛躍的に発展させました。神道の分野では、漢意(からごごろ)を排除することと、神学を基礎とすることを訴えました。渋沢栄一の『論語講義』を愛読する私にとっては、ちょっと引っかかる気もするのですが、この度、本居宣長の随筆集『玉勝間』第四巻「うはべをつくる世のならひ」にハッとする記載を発見しました。また、『古事記伝』巻一の巻末に収録されていた『直毘霊(なおびのみたま)』は、本居宣長の古道論の神髄として注目されていたそうです。(『直毘霊』の書評へ。『神道事典【縮刷版】』より)

 

 

 7)コレステロールの名誉回復のために

 

成人病(生活習慣病)の中で、私はどうも高脂血症というのが悪く言われ過ぎている気がしていました。コレステロールは人体では栄養になる訳ですから。最近、コレステロールの高い人(家族性高コレステロール血症という病気は除く)、それも四十歳以上は、長生きするという知見が発表になりました。体に良い脂質とリノール酸が、実は、体に良くなくて、リノレン酸こそが体に良いということも発表になりました。【詳細の掲載は準備中】