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燧ヶ岳登山道 |
062:俎グラ〜柴安グラ
俎グラ:2,346mは燧ヶ岳のピークの1つですが最高地点ではなく、東北・北海道での最高地点は隣の柴安グラ:2,356mです。
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俎グラ頂上にはトンボ:アキアカネが多い |
「見晴新道or温泉小屋道」⇔「長英新道orナデックボ道or御池道」のコースをとれば、必ず俎グラと柴安グラを通りますが、
「長英新道orナデックボ道」⇔「御池道」を通る場合は俎グラだけを通過するため、わざわざ俎グラから柴安グラまでを往復する登山者も多くいます。
俎グラから隣に聳える柴安グラを見ると鞍部には平坦な個所があり、左斜面には巨大な岩:柴安グラ大岩が立っているのが見えます。
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東北・北海道の最高峰:柴安グラ |
俎グラから柴安グラへのルートは1本のみで最初は大きな岩場を降りていきますが、
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直ぐに背丈を越えるハイマツ、ハクサンシャクナゲ、ミヤマハンノキ等が生い茂る急坂となります。
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背丈より高い |
ハクサンシャクナゲは尾瀬ヶ原には殆どないのですが、尾瀬沼付近(小沼湿原・沼尻平・白砂田代)、燧裏林道、至仏山には多く、真っ白い花を咲かせています。
しかし、燧ヶ岳頂上部に咲くハクサンシャクナゲは白花もありますが、淡いピンク・赤花もあり、燧ヶ岳の頂上を極めた登山者を楽しませております。
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赤いハクサンシャクナゲ |
岩ばかりの急坂を下っていって鞍部に近づくと、火山灰も積もった赤土が多く見られます。
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鞍部に近づくと赤土の道 |
鞍部には岩はなく、赤土に覆われ、そこが湿原に変わろうとしていて、青い花を咲かせるタテヤマリンドウ、黄色い花が印象的なミヤマキンバイ、いかにも高山植物といった白い花を咲かせるコバイケイソウなどが数多く咲いています。
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タテヤマリンドウ |
鞍部から俎グラを振り返ってみると、なだらかな山に見えます。
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俎グラ |
2006年秋には鞍部の湿地を踏み荒らさないようにする木道新設工事がなされていて、資材を運ぶヘリコプターが着陸する時に通過したので、珍しい写真が撮れました。
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鞍部に着陸したヘリコプター |
鞍部から柴安グラ大岩を見上げると、モアイ像に思えるほどの巨大さです。
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柴安グラ大岩 |
鞍部から柴安グラに登っていくと、柴安グラ大岩の近くで直登するコースと、柴安グラ大岩の横を通るコースに分かれます。大岩の下部には自然洞窟が開口しており、水も滴っています。
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自然洞窟 |
付近には葉が艶々して花も美しいイワカガミ、真っ白い花と真っ赤な実が人気のゴゼンタチバナ、やはり真っ白い花と真っ赤な実・鶴の翼のような葉に人気のあるマイヅルソウ、地味な花を咲かせるクロウスゴが目に付きます。
この辺りから登山道は急峻となり、頂上直下に大きな岩場があり、登山者は両手を使ってよじ登って行きます。
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岩場をよじ登る登山者 |
岩肌を慎重に登りきると、標高:2.356mの燧ヶ岳山頂(柴安グラ)に到達します。
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燧ヶ岳山頂(柴安グラ) |
隣の俎グラからは柴安グラが邪魔をして、尾瀬ヶ原は少ししか見えませんが、柴安グラからは尾瀬ヶ原の全景が眼下に見下ろせます。
手前には見晴(下田代十字路)の山小屋群、尾瀬ヶ原を左右に横切る六兵衛堀・沼尻川の拠水林、中田代の無数の池塘、牛首山、至仏山が見え、竜宮小屋・東電小屋・温泉小屋なども見えています。
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柴安グラ頂上から尾瀬ヶ原を見下ろす |
燧ヶ岳(柴安グラ)は北海道の雌阿寒岳・大雪山、東北の岩木山・岩手山・月山・湯殿山・鳥海山より高い、東北・北海道の最高峰だけのことはあります。