尾瀬の花 コース案内042
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 尾瀬沼:尾瀬沼東岸起点 北岸道 


042沼山峠休憩所(バス停:沼山峠)沼山峠展望台小渕沢田代分岐大江川二ノ橋北岸道分岐尾瀬沼東岸

このコースの見所・撮影ポイントは、

沼尻休憩所からナデックボ道に10mほど進んだ所にある
沼尻平の池塘群
沼尻休憩所付近から見た
尾瀬沼・燧ヶ岳などの光景
ナデックボ道を100mほど進んだ箇所の
チングルマ大群落
浅湖湿原の
ニッコウキスゲ
大江湿原のニッコウキスゲ
オンダシ沢橋の
オヤマリンドウ
北岸道にある
エゾスズランツルリンドウの群落

公衆トイレは、終点の沼尻にあります。
水場は、水道が終点の沼尻にありますが、途中に飲める水は流れておりません。
ベンチは、途中に倒木を切った丸太・ネズコ(クロベ)の根を利用した座れる場所はありますが、起点:北岸道分岐・終点:沼尻を除けばベンチはありません。

尾瀬に入るハイカーの約25%が登山口としている沼山峠休憩所、私は峠から離れていて適切な名称ではなく、沼山峠近くにある展望台と間違えているハイカーもまま居るので改称した方が良いと思っておりますので、私はバス停:沼山峠としています。

ここバス停:沼山峠を訪れるほぼ全員が下の画像で右側にある登山口から尾瀬沼に向かって登って行きますが、休憩所(売店)の左側には旧沼田街道(沼田市〜片品村戸倉〜大清水〜三平峠〜尾瀬沼東岸〜沼山峠〜七入〜桧枝岐村〜会津若松市)の七入方面に向かう登山口があり、七入に向かって降り続けていきますが、途中にある抱き返りの滝は尾瀬五大滝となっていて、特に紅葉時には見事な景観ですから、ぜひ一度、歩いてみて下さい。

沼山峠休憩所・バス停

バス停:沼山峠へは、ツアーバスは混雑日を除いて可能ですが、マイカーは通年立ち入り禁止ですから、一般的には途中の御池駐車場(駐車場を出る時に1回1,000円、何日止めて置いても1回分の1,000円のみ)から会津バス、もっと桧枝岐村中心に近い七入駐車場(駐車代は無料)から会津バスに乗って来ますが、中には奥只見湖(銀山湖)の船着場:尾瀬口から会津バスで来たり、七入から旧沼田街道を歩いて来るツワモノ登山客も居ます。

バス停:沼山峠には、休憩所(売店)・2ヶ所の公衆トイレ・ベンチ・バス停はありますが、水場はありません。

以前にはここに黒鍬清水という名水が湧き出していましたが、沼山峠まで車道が延びた時に、公衆トイレの水源と化してしまい消滅してしまいました。現在でも最新版と銘打ったガイドブックに、黒鍬清水が湧き出しているような記述がありますが、全くの間違いですからご注意願います。

沼山峠登山口

バス停:沼山峠の標高は1,700mジャスト、ここから沼山峠(1,784m)まで登って、そこから尾瀬沼東岸(約1,670m)まで下りていくコースとなりますから、尾瀬で一番入下山が楽なコースです。

尾瀬の場内、標高が尾瀬ヶ原の1,400m、尾瀬沼の1,670mの高所であることを全く無視して、革靴・パンプスならまだしも、ミール・ゾウリ・厚底で来る非常識者が毎日のように居て、転倒してケガをしたりしていますので、この登山口には細工がしてあります(^^♪

入山者の半数が入る鳩待峠から尾瀬ヶ原に向かうと木道も岩畳も全く設置されてない個所を通りますが、そこは入口近くですが、そこで非常識者の入山を諦めさす目的なのですが、ここでも登り始めの個所には下の画像のように歩きにくい個所、横に渡した丸太の上だけを平均台を歩く感じでバランスを取って歩く必要があるのですが、直ぐ先から立派な階段状木道が始まっております(^^♪

残した悪路?

歌に「夏が来れば・・♪」とあるのでミズバショウの見頃は夏と思っている方も多いようですが、尾瀬のミズバショウの最盛期は5月末〜6月初旬です。その頃はまだ残雪が多く、このコースは標高が高く、日の当たらない深い森、北斜面の森の中にありますので、6月中旬まで残雪が残っている年も多いです。

下の画像は5月下旬に撮ったのですが、木道は全く覗いておらず、革靴を履いて来た非常識者が仲間に肩を担がれて登っているのが写っています。ここは登りは転倒事故だけで済んでいますが、帰りの下りでは犠牲者が出て貴重な人命が失われている危険なコースですが、詳しくは、ここの下山案内の項で説明します。

5月下旬

やがて左手に最初のベンチが出てきますが、あまり利用する人はいつも居ないようです。

最初のベンチ

15分〜20分ほど休まず登り続けていくと、階段状の木道も緩やかになってきて、前方がやや明るくなってきます。右手にオオカメノキが何本も見えてくると、ここが本来の沼山峠ですが、針葉樹の森の中にあり、全く眺望が効かないので、峠とも気づかず通り過ぎる人が大半です。

沼山峠

沼山峠を越えると木道は緩やかに下っていますが、周りにはノリウツギ、ゴゼンタチバナ、ギンリョウソウほかはあまり花はありません。

沼山峠の先の下り

木道は針葉樹の森の中を一直線に下っておりますが、5月末でも残雪が木道を埋め尽くしている年も珍しくなく、スニーカーなどでは自殺行為です。

やがて前方が急な下り坂・右カーブすると、右手に沼山峠展望台があり、そこには何台ものベンチがあり、初めて尾瀬沼・大江湿原が見えますから、いつも休憩者で賑わっております。

沼山峠展望台

ここはバス停:沼山峠から700m、尾瀬沼東岸まで2.5kmに位置します。

下の画像は沼山峠展望台から撮った画像ですが、2つのピークの左側が荷鞍山、右側が頂上を皿伏新道が通っている白尾山で、その手前下が尾瀬沼の対岸:三平下方面で、その下に木々を写した尾瀬沼が見えていて、その下:中央の明るい個所が大江湿原で、有名な三本カラマツが小さく写っております。

10月初旬に沼山峠休憩所から撮った画像

尾瀬沼を見下ろせる個所には、ここ沼山峠展望台と、小渕沢田代に近い尾瀬沼展望台白尾山山頂のベンチ、燧ヶ岳の長英新道途中ナデックボ道途中ミノブチ岳頂上俎グラ頂上などがありますが、誰でも簡単に尾瀬沼をも下ろせるのは、ここ沼山峠展望台だけです。

沼山峠展望台から木道は長い下りに入り、急激に下った先で左にカーブして更に下り続けていきますが、右にカーブする手前の1ヶ所からも実は尾瀬沼が見えています。

この辺りから山野草が増えてきて、ジョウシュウオニアザミツリガネニンジンミヤマアキノキリンソウ、エゾリンドウ、ヤマハハコ、イワナシ、アカモノ、シロモノ、ゴゼンタチバナなどが一気に目に付くようになってきます。

尾瀬沼が見えています。

右に曲がって下りていくと前方に泣き別れの木道個所が出てきますが、ここまで下りてくると先は見えたも同然です。

泣き別れの木道個所

緩やかな木道を下り続けていくと前方に、ダケカンバの大木の幹から、ナナカマドが出てきているという不思議な光景を目にしますが、案内板もあり見落とすことはありません。

ダケカンバの幹からナナカマド

やがて大江湿原の縁に出て、ここからは平坦な木道が続きますが、7月中旬頃には突然に眼前に見えてきたニッコウキスゲの黄色いジュータンを見ての歓声が、沼山峠展望台付近まで聞こえてくるほどです。

ニッコウキスゲの大江湿原

大江湿原の中に進んで行くと右側:燧ヶ岳側には早春にはミズバショウの白い花が数多く目立つようになる個所が出てきて、その直ぐ先からはレンゲツツジの株が並んでいて、開花の時期には見事なオレンジ色の垣根のよういです。

残雪とミズバショウ

大江湿原といえばニッコウキスゲの大群落で有名ですが、数年に一度は冬の寒さ、遅霜に芽を痛めつけられて、チラホラとしかニッコウキスゲの咲かない年がありますので、行かれる前に情報を得ておいて下さい。

7月中旬は一面のニッコウキスゲ

やがて前方に沼山峠展望台から始めてのベンチ&テラスが木道の左側に見えてきますが、ここが小渕沢田代分岐で、いつも賑わっています。

小渕沢田代分岐

小渕沢田代分岐を左折すると直ぐに大江川三ノ橋が架かっていて、その先の木道は湿原の上に置かれているだけで花に近づけ、しかも人通りが殆どないのに係わらず複線の木道ゆえ、リュックを一方の木道に置いて、屈んでマクロ撮影していても邪魔になる時が殆どないため、メーンルートでの撮影は避けて、ここで撮影されることをお勧めします。

この湿原には高山植物が多く、
大江川三ノ橋脇にはミズバショウ、リュウキンカ、シナノキンバイ、オオバタチツボスミレ、ヤマドリゼンマイ、トリカブト、ワタスゲ、ワレモコウ、イワカガミ、タテヤマリンドウ、ニッコウキスゲなどが咲いています。

分岐から見た大江川三ノ橋方面

この辺りもGWの頃には一面の雪に覆われ、ベンチ横にある標識も頭部が覗いているだけです。

小渕沢田代分岐の標識

分岐付近の木道脇、複線の木道の間にはヒメザゼンソウが生えていて、5月末に咲くザゼンソウとは違って7月初旬に地味な小さな花を咲かせております。

尾瀬沼に向かって進んで行くと、やがて入下山者カウンターの個所に差し掛かりますが、その先の直ぐに右手に曲がれる個所があり、その道はヤナギランの丘と呼ばれる平野家(長蔵小屋経営者一族)の墓地があり、行き止まりです。

その分岐路の先から三本カラマツ方向を写した画像は、ワタスゲの果穂の季節と、ニッコウキスゲの季節には見事です。

入下山者カウンター

入下山者カウンターの直ぐ先の木道の間にはキジムシロが生えていて、7月には黄色い花を咲かせており、ヤナギランの丘への分岐路を曲がらずに直進すると、大江川二ノ橋に出ます。

大江川二ノ橋

大江川二ノ橋の手前左側(右岸上流部)にはミネザクラとシナノキンバイが6月には咲いていて、先に進むとまたベンチが見えてきます。

更に先に進むとテラスがあり、ここはカメラマン専用のテラスとなっていて、ニッコウキスゲのシーズンと、燧ヶ岳がよく見える晴れた日には多くのカメラマンが並んでおります。

カメラマン御用達のテラス

ニッコウキスゲ、ノアザミ、ハクサンチドリ、シナノキンバイなどが咲き乱れる大江湿原を進んで行くと前方に、尾瀬沼北岸道分岐が見えてきて、

尾瀬沼北岸道分岐

スタートしたバス停:沼山峠から3km歩いてきて、尾瀬沼東岸にあるVC(尾瀬沼ビジターセンター)まで200mとの標識があります。

この辺りもGWには一面の雪景色で、小高い丘となっている三本カラマツだけが雪解けが早くて地面が覗いている珍しい光景も見られます。

4月末の三本カラマツ

ミズバショウ、オオバタチツボスミレ、リュウキンカ、ヤナギトラノオ、カキツバタ、ヒオウギアヤメ、コオニユリ、ハクサンチドリなどが多い低層湿原を通って小川を渡り、左側にハンゴンソウの林立する個所を見ながら丘に上がると、やっと尾瀬沼東岸に到着して

尾瀬沼東岸にある分岐点

そこでは多くのハイカー達が行き交っております。


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