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オーストラリア・モバイル通信 実践編
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この章ではいよいよ現地に行って接続するためのノウハウを紹介します。実際には日本にいるうちに設定しておいた方がいいこともありますが、接続設定に直接関わることなので、このページで紹介しておきます。

INDEX

実践編
[まずは電話回線の確保から]
[回線へ接続するためのHOW TO]
[ローミング先への接続時のトラブル]

準備編
[モバイル通信に必要なもの]
[海外でネットに接続するには]
[海外モバイルの鉄則〜準備は怠りなく]

関連ページ: [準備編] [実践編] [モバイル絵日記] [日記2001] [機器2002] [携帯の利用] [携帯を購入] [携帯でデータ通信] [FAQ集] [過去の記事]


まずは電話回線の確保から

当たり前のことを書くようですが「パソコンをつなぐことができる生きている回線」が確保できなければ、モバイル通信はできません。部屋に電話がある、またはデータポートがあるとしても、パソコンをつなぐための回線が確保できないことはあります。私が体験した例をあげてみましょう。

データ・ポートがあるがすぐには使えない
1998年にメルボルン・ヒルトンを利用した時のことです。部屋にはデータ・ポート(パソコン通信のための専用ジャック)がありましたが、それを使うためには回線を開けてもらうためにレセプションに連絡を入れなければなりませんでした。英語の説明文がありましたが、これに気がつかなければ「データ・ポートが使えない」と悩むことになるでしょう。すぐに使えないデータ・ポートもあるという例です。

電話機のデータ・ポートが使えない
2000年に利用したシドニー・ヒルトンのエグゼクティブ・フロアの部屋の電話機がそうでした。理由はわからず、最後まで使えませんでした。パース・ヒルトンのスイート・タイプの部屋にあった同じ型の電話機では使えましたので、恐らくただの故障でしょう。ちなみに電話機そのものは全く問題なく使えました。「故障」の可能性もあるという例です。

シドニー・ヒルトン、エグゼクティブ・フロアの部屋の電話機。データ・ポートが付いています。

壁のデータ・ポートが使えない
2000年に利用したケアンズ・ヒルトンには部屋の角にデータ・ポートがありました。1998年に宿泊した時にはまだデータ・ポートがありませんでしたので、「おお、パソコン通信対応が進んでいるな」と感心してまずモデム・チェッカーでチェックしましたが、全く反応せず。変換コネクタもいろいろと試しましたが、どの組み合わせでもだめでした。部屋の説明書きには「レセプションに連絡してください」とは書いていなかったので、これも単なる故障でしょう。その後もケアンズ・ヒルトンを利用していますが、3回中1回しか使えませんでした。

壁のデータ・ポートはこんな感じ。2回線分あります

電話が外線につながらない
まだ海外モバイルをしていなかった頃の話です。ブリスベン沖のモートン島という場所に滞在した時のことですが、部屋の電話で外線電話をかけようとしたら接続できませんでした。レセプションに電話を入れたところ、「Sure」のひと言。少ししてから電話し直してみたらちゃんと通じました。この理由は後述します。

変換アダプタを使わないとつなぐことができない
1998年の旅行では全く体験しませんでしたが、2000年の旅行の時にはあちこちで体験することとなりました。電話線の問題(内2芯式の線と外2芯式の線をつなげようとしている)だと思いますが、この場合変換コネクタをかまさないと全く回線がつながりません。シドニー・ヒルトンのエグゼクティブ・フロアの部屋の壁にあったモジュラー・ジャックがそうでした。

※部屋の電話で外線通話ができない場合
受話器を持ち上げてもうんともすんとも言わないのなら、その部屋の電話機が壊れているか、電話機につながっている回線が完全に死んでいるということになります。しかし、何らかのトーン音があり、レセプションや違う部屋につなぐことができるのなら事情は別です。その場合はホテル側が外線へのアクセスを閉じている、つまりその部屋の電話を止めていることが理由と考えられます。

「電話を止められている」と聞くと何だか嫌な気持ちになりますが、何ら特別なことではないので心配する必要はありません。当然のことですが、国際電話のような外線通話には高額の請求が生じてきます。そのためホテルはきちんとした支払い能力が提示されないと、デポジット(保証金)がないということで長距離電話ができないように回線を閉じてしまうのです。

個人旅行でホテルに泊まるときは、チェックインの際にクレジット・カードの提示を求められると思います。これはもちろんホテル側が「取りっぱぐれない」ようにするためですが、団体扱いでチェックインすると、こういったカードのチェックが行われないことが多いものと思います。したがって個人でチェックインしていないお客さんの部屋は、外線通話のブロックを解除していないことがあるのです。
もちろん個人でチェックインしていてクレジットカードを提示したのに、ホテル側がうっかりしてブロックを解除していないということもよくあります。

いずれにせよ、電話機が壊れていない限り内線電話は通じますから「外線を使いたいんだけど……」とレセプションに電話して、回線を開いてもらいましょう。

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回線へ接続するためのHOW TO

皆さんも何度も経験していることと思いますが、コンピュータはたった1文字、例えそれが半角・全角の違いでしかなくても、コマンドや設定の文字が間違っていればうまく動いてくれません。設定の不備には気をつけなければなりませんが、単純なタイプミスもよくあることなので注意しましょう。

実は私の最初の海外モバイル体験は全くの失敗に終わってしまったのですが、その原因もごく単純なことでした。以下、私が体験したトラブル例も紹介しながら、うまく接続するためのハウツーを紹介します。

モデムの設定を変える
モバイル通信の本には必ずといっていいほど書かれているノウハウですが、海外でモバイル通信を行う際には「モデムの設定」の「接続オプション」、「トーンを待ってからダイヤルする(W)」のチェックは外しておくことが重要です。私自身も本の受け売りでしかありませんが、日本と海外とでは受話器を上げた時の「ツー」という音が違うため、「トーンを待ってからダイヤルする」設定にすると、モデムの方がいつまでもトーンが来ないと認識して、接続エラーになってしまうのだそうです。

私の最初の失敗もまさにこのケースでした。設定を変更していなかったため何度やっても接続できず、せっかくデータ・ポートがある部屋に泊まりながら(メルボルンのヒルトンホテル)、ついに通信は成功しませんでした。ちなみにこの「トーンを待ってからダイヤルする(W)」はFAXの送信に対しても有効ですから、ここでつまずくとメールやインターネットだけでなくFAXの利用もできないことになってしまいます。

ゼロ発信時の注意
ホテルから外線電話をかける場合には、まず間違いなく0(ゼロ)発信が必要です。前述のモデムの設定も失敗につながりやすいポイントですが、ここでひっかかる方も相当数いらっしゃるでしょう。

ホテルから普通に外線電話をかけた時にすでに体験されたことがあるかもしれませんが、外線につなぐためにゼロを押してすぐに目的の電話番号をプッシュするとつながらないことがあります。これは外線につながったことを確認しないままダイヤルしていることに起因していますが、コンピュータから発信する時はあっと言う間にダイヤルしてしまうので、人間の手でダイヤルする時よりもこのエラーは確実に発生することでしょう。

ゼロ発信の時に限らず応用できる技ですが、このようにダイヤルする時に間を開けたいという場合には、数字の間に「,(カンマ)」を入れればいいのです。つまり「0,****-****(実際にはハイフンは不要)」と数字を入れればいいのです。もしこれでも接続できなければ「,」を増やせばいいだけのことです。私がモバイル通信を行っていた時も、カンマを1つ入れただけで接続できることもあれば2つくらいつけないとだめなこともありました。

「トーンを待ってからダイヤルする(W)」のチェックを外し、外線番号の次に,を入れる。たったこれだけのことですが、ここをクリアしないととにかく電話回線につなぐことすらできません。

と、以上までが1998年のモバイル通信体験後に書いた記事です。2000 年のモバイル通信を体験した時には、この「ゼロ(外線発信番号)のあとに,を入れる」という操作を行うと、逆に接続ができないというホテルもありました(アデレード・ヒルトン)。海外モバイル通信の常識に反する状態ですが、こんなこともあるので、外線発信番号は2とおりの設定で試してみる必要があるということを覚えておいてください。

トーンを確認する
海外でのモバイル通信に限りませんが、「ダイヤルのプロパティ」の「ダイヤル方法」にある「トーン」と「パルス」の切り替えにも注意しましょう。以上の項目をクリアしてもつながらないのなら、案外この発信音の切り換えが原因かもしれません。だいたいはトーン(プッシュ回線のピポパが出る方)に設定しておけば間違いないと思います。

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ローミング先への接続時のトラブル

ここまで確認と設定が終われば、後は現地の接続ポイントへアクセスするだけです。この項では私の経験をもとにひっかかりそうなポイントを紹介しておこうと思います。

メールが読めるが送信ができない
実はこれは私の失敗だったのですが、結局現地では理由が分からず、メールの受信チェックをしては送る必要ができたときだけ国際電話でつなぐという情けない対応をとっていました。

メールの設定を知る人には簡単な問題だと思いますが、これはSMTP(送信)サーバーとPOP3(受信)サーバーの設定は別々に行われていることに起因しています。日本のアクセスポイントにローミング・サービスを使わずに接続するなら、SMTP(送信)サーバーもPOP3(受信)サーバーも同じように設定しておけば大丈夫です。

以前はローミング先にアクセスしている時は、メール・アカウントもローミング用の設定を行わないと、メール送信ができませんでした。しかし今は、次に説明する「POP before SMTP」という仕組みにより、アカウントの設定変更を行わなくても、一度受信操作を行えばメール送信ができるようになっています。具体的な接続設定は各プロバイダーが各社のホームページで紹介していると思いますので、みなさんの利用プロバイダの案内をご確認ください。

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メールの送信が1回でできない
海外モバイルでローミング先に接続している場合は、プロバイダ側が不正アクセス(メール送信)を防ぐ目的で、一度受信サーバーにアクセスしないとメール送信ができない仕組みにしているのが普通です。アクセス・ポイントにつないで、一度メールの受信を行ってからそのまま回線をつないだ状態にしていてメールを送信(POP before SMTP)すればいいのですが、普通はこんな操作は行わないことでしょう。

トラブルなく送信するためには、「完了時に接続を切断する」のチェックを外した上でメールの受信操作を行い、次に送信操作を行うだけです。メールの送信が無事にできたら回線を切断することをお忘れなく。ローミング時の接続料(ローミング利用料)は高いですよ。

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アクセス・ポイントに接続できない、または接続できても調子が悪い

このケースの場合はいろいろな原因が考えられるのでちょっとやっかいです。私が体験した限りでは以下の4例がありました。

メールソフトを開いてから「送受信」ボタンを押した時に接続できない
これは頻繁に(ほぼ100%?)発生していましたが、「ダイヤルアップ接続であらかじめ接続してから、メール・ソフトの送受信ボタンを押す」ということで解決します。ただこうやって接続した場合、思わず切り忘れたり、つないだままメールを書いてアクセス時間が長くなっていたなんてことがあるので注意しましょう。なおこの症状はWIN98では発生しません。恐らくWIN95のOSに起因するものと思います。

アクセス・ポイントへの接続にえらく時間がかかる
夜、遅い時間の接続は特にこういう症状が出ます。きっと昼間よりは多くの人がアクセスしているためだろうと思うのですが、確信はありません。下手をすると10回近く再ダイヤルしないとつながらないということもあります。夜遅くにネットにつなぐ場合は、一度つないだらしばらく切らない方がいいでしょう。

またAsahi-netの接続のように、ターミナル画面が出てから正式にログインするような接続方法をとる場合は、ターミナル画面の反応が遅くてエラーになるということもあります。どういうことかというと、ターミナル画面にユーザーIDを入力してもなかなか表示されず、キー入力の問題かと思って再入力すると実はダブりで入力されてしまい、IDとパスワードが無効なものと認識されるというケースです。

夜、遅い時間に接続している時は「回線が混雑している」可能性も考えて操作を行った方がいいでしょう。正しい操作を行っていても、タイミングの問題(こちらの操作が早過ぎる)で接続できないことがあるように思われます。

つい昨日(さっき)までつながっていたアクセスポイントが受け付けなくなった
これも原因はよく分かりませんでした。うっかりしてパスワードを書き換えてしまったかと思って、パスワードの入力を繰り返してみましたが、症状は改善されませんでした。対処方法としては「近くの別のアクセスポイントにつないでみる」ということに限ります。このような症状が出た場合、何回接続を繰り返してもアクセスできる可能性は低いからです。

上記のような症状が出た場合でも、ローミング先のアクセス・ポイントまではつながっているので電話代はかかってしまいます。あいにくエラー・メッセージを控えていませんでしたが、2回目もそのアクセス・ポイントへの接続ができなかった時に同じエラー・メッセージが出ていたら、即ほかのアクセス・ポイントを試した方がいいと思います。

また、2000年の旅行でiPASSのアクセス・ポイントにつないでいた時は、「ログインまではできるがメールの送受信と特定のURLの閲覧ができない」という現象もありました。この時は時間をあけて接続し直してもだめだったので、Asahi-netのアクセス・ポイントに接続しました。

初めて接続のための操作を行った時、アクセス・ポイントにはつながるがログインできない
実際に操作していて一番悔しいのがこのパターンですね。電話代はしっかりと請求されてしまうし「あと一歩なのに…」という悔しさは残るし、懐も心も痛くなります。症状としては、最初のうちは通常のガーピーいう接続音が聞こえているのに、突然甲高い「ピー」という音だけになってしまい、間もなくサーバーから切断される、というパターンが多いと思います。

原因をはっきりとつかめているわけではありませんが、上記のような症状が出た時に解決できた例としては、「モデムを変える」対応を行った時でした。オーストラリアのアクセス・ポイントにつないでいる時はほとんど発生しませんでしたが、「富士通のマシンで内蔵モデムを使ってAsahi-netのヨーロッパのアクセス・ポイントにつないだ場合」は確実に上記の症状が発生しました。この時はTDKのグローバル・モデムを使うことで、うそのように解決できました。

こういうケース(モデムを変えることで接続が可能になる)を体験すると、TDKモデムのように「世界各国で使えます」と謳っているモデムのありがたみがわかります。

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