[HOME] [初心者向け情報] [FAQ集] [食事] [家族旅行] [モバイル] [リンク集] [情報収集・参考書] [掲示板] [ヤウイ] [動物写真] [写真館] [サイトマップ]

海外で使える携帯電話とは?
HOME > モバイル通信 > 海外で使える携帯電話とは?

今や日本では携帯電話は必需品ですが、海外でも自分の番号が決まった電話を持っていると非常に便利です。しかし、海外では携帯電話の方式が違うため、ごく一部の機種を除き、日本の携帯電話を使うことはできません。またレンタル携帯電話を日本から借りていくとなると、けっこうなコストがかかりますので、なかなかそこまでする気にはなれないと思います。

短期滞在の方はレンタル携帯電話を使った方が得だと思いますが、ワーキングホリデーで現地に長期滞在するような場合は、プリペイド式携帯電話の購入が便利です。こちらのページでは、私が実際に購入して使ったプリペイド式携帯電話の体験をベースに、オーストラリアで使う携帯電話についてご紹介しようと思います。

このセクションでは専門的な言葉も出てきますので、内容を下記のように分けて構成しました。順番にご覧いただいた方が理解しやすいものと思いますので、特に「GSM方式の携帯電話」と聞いて「?」と思われる方は記事の並び順のとおりご覧ください。

INDEX

海外で使える携帯電話とは?
[海外で使えるケータイ「GSM携帯電話」とはどんなものか]
[GSM方式携帯電話の仕組み]
[GSM方式の電話機の通話契約]
[プリペイド式携帯電話の入手]
[レンタル携帯電話はどう選ぶ?]
[レンタル携帯電話の利用価値]
[レンタル携帯電話の通話料金の仕組み]
[携帯電話、借りるべきか、買うべきか?]

プリペイド式携帯購入体験記
[ケアンズでプリペイド式携帯電話を購入!]
[携帯電話購入を決意]
[ケアンズ・セントラルで電話機探し]
[簡単な購入手続きとハードルの高いSIM登録]
[いよいよ通話に挑戦]
[さて、通話料金は……]
[購入した電話のその他の機能]
[さっそくリチャージ]

携帯電話によるデータ通信の方法
[GSM方式携帯電話でデータ通信]
[データ通信の仕組み]
[データ通信を実行するための機材]
[データ通信のためのセットアップ方法]
[携帯電話を使ったデータ通信の実感]

関連ページ: [準備編] [実践編] [モバイル絵日記] [日記2001] [機器2002] [携帯の利用] [携帯を購入] [携帯でデータ通信] [FAQ集] [過去の記事]


海外で使えるケータイ「GSM携帯電話」とはどんなものか

日本ではPDC(NTT DoCoMoが採用)と、CDMA(auが採用)という電話方式が主流ですが、海外ではこれらの方式はマイナーな存在です。オーストラリアで使われている方式はGSM(Global System for Mobile Communication)が圧倒的で、都市部ではCDMAの利用も可能となっています。日本のキャリア(携帯電話サービス会社)である「au」が提供する端末は、CDMA方式であるため一部の機種はオーストラリアでもそのまま使うことが可能です。

もしみなさんがオーストラリアでの使用を考えて携帯電話を入手するなら、GSM方式の端末が便利でしょう。オーストラリア国内でのカバー率(電波の届く範囲)が広いですし、GSM方式の携帯電話ならアジアやヨーロッパ、アフリカの国々でも利用できる可能性があるからです。

GSM方式の通話では、使用している周波数帯が全部で3種類あります。オーストラリアでの通話には900MHzまたは1800MHzに対応した電話機が必要で、これはオーストラリア以外のオセアニアの国々やアジア、ヨーロッパといったGSM圏内のエリアでも同様です。

もう1種類の周波数帯は1900MHzとなりますが、この周波数を採用しているのは主に北米となります。そのため、「トライ・バンド機」という、これら3つの周波数をカバーするGSM方式の携帯電話があれば、まさに「(日本と韓国を除き)世界のどこでも使える電話機」となります。

[このページのTOPへ↑] [このトピックのTOPへ]


GSM方式携帯電話の仕組み

日本の電話機は、NTT DoCoMoが出した新方式のFOMAを除き、電話機の登録情報は電話機本体のROMに保存されています。しかしGSM方式の携帯電話の場合は、SIM(シム)と呼ばれるチップに電話帳まで含めたほとんどの情報が記録されるため、SIMを入れ換えることによって、他人の電話機をあたかも自分の電話機のように使うことができます。言わば、電話機は容易に「着せ替え」ができるわけです。

これはTelstraのSIMカード。このチップの中に必要な情報が保存されている

そのため、GSM方式の携帯電話を使う際には、電話機本体とSIMカードを入手する必要があります。SIMカードは、「その国だけで使えるもの」と「よそのGSM圏の国でも使えるもの」と分かれています。よその国でも使うことができるSIMカードの場合は、「ローミング」というサービスを使うことになるので、本国以外での通話には手数料が加算され、1分あたりの料金も高くなります。また追加料金を払って別契約が必要となることもあるようです。

この「ローミング」の仕組みがあるため、GSM方式の携帯電話では、着信に対しても費用が発生することがあります。つまり本国以外ではその滞在国の電話会社の回線を使っているため、回線使用手数料がかかってきてしまうわけです。

このローミング代を含めた通話料は、SIMのサービス提供会社と、そのSIMがどこで使われるかによって、細かい料金設定がなされますが、レンタル携帯電話の場合は非常におおざっぱに1分あたり二百数十円から三百数十円の料金設定となっています。このあたりの料金設定の仕組みはあとでさらに詳しく説明します。

[このページのTOPへ↑] [このトピックのTOPへ]


GSM方式の電話機の通話契約

GSM方式の電話も、基本的には日本と同様に通話契約を結ばなければなりません。しかし、後払い式の電話契約を結ぶには、長期の利用期間を要求されるため、旅行者はもちろん、滞在期間が1年未満となるワーキングホリデーの人は、実際には後払いの契約を利用することができません。

後払い(ポストペイド)方式の契約の場合は、様々な通話プランが用意されており、場合によっては電話機本体が無料で提供される契約もあります。性能のいい電話機を安く入手するには、後払い式契約に限るのですが、これは駐在や移住のチャンスでもなければ無理ですね。

一方のプリペイド方式の契約は、氏名と住所を連絡すれば、いとも簡単に通話の権利を獲得することができます。この通話契約では、SIMカードだけを入手してもいいですし、電話機とセットになったSIMカードを購入して通話権を得ることもできます。

プリペイドの契約の場合、電話機とのセットもわりあい安い価格になっていますが、その分機能制限が加えられているケースもあります。具体的には、「SIMロック」と言って、その端末とセット販売されていたSIMのキャリア以外のSIMはその端末が受け付けない(つまり、使えない)というものです。しかしキャリアによっては、別料金を支払えばこのSIMロックを外すこともできますので、現地で買い求めた電話機を他の地域で使えるようにすることは可能です。

[このページのTOPへ↑] [このトピックのTOPへ]


プリペイド式携帯電話の入手

オーストラリアの通話方式はGSMがメインと説明しましたが、通話サービスを提供する会社は複数あります。テルストラTelstraやボーダフォンVodaFone、オプタスOPTUSといった会社がそうで、各社ともプリペイド方式の電話機やSIMカードの販売を行っています。

こういった電話機の販売は、電機店やコンピュータ・ショップ、電話専門ショップなどで行われています。「I would like to have a pre-paid mobile phone.」と言えば、扱い機種を出してくれますので、購入も簡単です。プリペイド式携帯電話は選択の幅もそれほどないので、選ぶのに悩む必要もないでしょう。

プリペイド方式の電話契約の場合のサービス内容ですが、各社とも最初に一定期間に20ドルから30ドル分の通話権利があるSIMカードと電話機をセットにして販売し、通話面でもボイス・メッセージが使えるとか、SMS(Short Message Service)が使えるとかいったものになっています。

最初に購入したSIMカードは、2カ月から3カ月程度の有効期間しかありませんが、「リチャージ」と呼ばれる「通話権の追加購入の作業」を行うことによって、1年以上の有効期間まで延ばすことができます。

[このページのTOPへ↑] [このトピックのTOPへ]


レンタル携帯電話はどう選ぶ?

日本で借り出しができるレンタル携帯電話会社は複数あります。会社規模としてはG-PHONEという会社が最も大きく、ここはデータ通信カードの無料貸し出しもしてくれます。

またオーストラリアでの利用に限って考えれば、セルマークワンという会社もおすすめです。ここは機材のレンタル代は相場の価格ですが、通話料は「実費+分あたりの手数料」という計算になりますので、オーストラリアでの通話については、他社の半額以下の通話料で済みます。

レンタル携帯電話の場合の一般的な貸し出し料金体系は、次のように分類されます。
 


[このページのTOPへ↑] [このトピックのTOPへ]


レンタル携帯電話の利用価値

通話時間が長くなるようであれば、たとえ短期間の滞在でもプリペイド方式の携帯電話を購入した方が安いと思いますが、データ通信を実行するにはプリペイド式携帯電話では役不足(機能がない)なことが多いですし、英語に自信がなければSIMの開通や操作も難しいでしょう。そのような時はやはり、レンタル携帯電話を使うに限ります。

それでは、レンタル携帯電話を積極的に使うのに適したケースとはどんなものでしょうか。まず考えられるのは出張の場合、つまり電話代を会社がもってくれるケースです。もちろんこの場合は会社がレンタルを認めてくれなければ話になりませんが、会社の費用で利用できるなら通話料の高さも「保険料」という考え方ができるかもしれません。

次に利用価値があるのは、データ通信キットのレンタルです。日本ではPHSや携帯電話、またはDDIポケットのH"やNTT DoCoMoの提供する通信専用カードを使ってモバイル・データ通信を行うことが簡単にできますが、海外ではモバイル・データ通信はまだまだ一般的ではありません。

そのため、データ通信に必要な機材の入手は非常に難しく、日本での販路はもちろん海外から直輸入することを考えても、あまり入手経路がありません。また海外で販売されているカード・モデムは日本の相場を考えるとえらく高額でもあります。

しかし、レンタル携帯電話の場合は、G-PHONEのようにデータ通信カードは無料で貸し出してくれる会社もありますし、長期のパックにすれば機材を購入するよりは安い代金で使える会社もあります。

こういったレンタル会社では、全てのパソコンとデータ通信カードとの動作保証まではしていませんが、それでも日本語の操作マニュアルくらいは用意してありますし、利用可能なマシンについてもデータを持っている可能性はあります。自分で購入したカードが使えなかったらどうしようもありませんが、その点でも安心であると言っていいでしょう。

あとは、現地でサービスを提供している会社のレンタル代は、比較的安く設定されているようです。例えばJ-Phoneという会社(日本のJ-Phone社とは無関係の現地法人)では、データ通信カードのレンタルもあるし、長期割引となるレンタル携帯電話を貸し出しています。

[このページのTOPへ↑] [このトピックのTOPへ]


レンタル携帯電話の通話料金の仕組み

日本で借りるレンタル携帯電話の場合、オーストラリアで利用した時の通話料金はだいたい1分あたり300円代になります。この料金は国内で電話しても日本に国際電話を入れても同じ料金であるというのが普通で、受信についても同じくらいの料金がかかってきます。

では、実際に日本のレンタル携帯電話会社が支払っているコストはどれくらいでしょうか。通話料だけを言えば、利用国を本拠地とするSIMを使えば、1分あたりの通話料を考えた場合、国内通話は高くても数十円でしょうし、国際電話でも200円はかからないはずです。

しかし、GSM方式の携帯電話は、そのSIMサービスを提供する国以外でも通話ができるかわりに、別の国に行った時は「ローミング料」がかかってきます。つまりオーストラリアを本拠地とするSIMは、オーストラリアでは非常に安い通話代金で済みますが、イギリスに行って使う場合はそのSIMの会社がイギリスの電話会社に手数料を支払うため、けっこうな手数料がかかってくる可能性があるというわけです。

日本でGSM方式の携帯電話を貸し出している会社は、それぞれにいろんな国のポストペイド方式のSIMサービスを利用しています。そのため、同じセットを貸し出していても、その通話料金はお客さんの渡航先によってまちまちとなり、いちいち国別の料金を定めていたのでは、事務処理が煩雑ですしお客さんも混乱するかもしれません。

そのため、日本のレンタル携帯電話会社は、「安全圏」となる料金を事前に設定して確実に儲けが出るようにしているわけです。実際、機材のデリバリーやメンテ、お客さんへの対応を考えれば、海外で使うレンタル携帯電話をハンドリングするための人件費は通常のレンタル業務に比べてコストがかさみます。私自身は正直言って今の通話料は高過ぎると思いますが、商売レベルで考えればこの料金設定も仕方がないかと思っています。

なお、現地で借りる携帯電話通話料が安いのは、ローミング料が不要なのと、その機械を利用するお客さんはその国でしか利用しない、つまり通話料金の単価にそれほどばらつきが発生しないからでしょう。

[このページのTOPへ↑] [このトピックのTOPへ]


携帯電話、借りるべきか、買うべきか?

ワーキングホリデーでオーストラリアに滞在する予定なら、迷わず「買い」だと思います。GSM方式の電話機は、端末によってはSIMロックを解く必要がありますが、ヨーロッパやアジアの大部分でも使えますし、もしトライ・バンド方式の電話機を購入すればアメリカでも使うことができます。またSIMカードは別に購入できますし譲渡も可能ですから、GSM方式の電話機を使うあてがなければ、後輩に譲ってもいいでしょう。
蛇足ながら付け加えれば、テルストラの場合、リチャージを行わなくても、SIMの有効期限が切れてから1年はその電話番号で受信が可能ですので、「受信専用」端末として持っていてもいいと思います。この「有効期限が切れても受信は可能」というシステムは、他の電話会社でも採用しています。

次に短期の旅行者が買うメリットがあるかどうかですが、これはもう使い方次第です。ビジネス渡航で、他にもオーストラリアに仕事で訪れるチャンスのある方がいる職場なら「買い」でしょうが、「念のために電話を持っていく」という程度でしたら、レンタル携帯電話を利用した方がいいかもしれません。

しかしレンタル携帯電話の場合、通話料は1分あたり300円以上というのが相場ですので、私が買ったNokiaと比べてさえ、1時間近くの通話時間が予想されるなら現地で電話機を買った方が安いことになります。レンタル携帯電話の場合は、通話料に加えさらに機器レンタル代が必要となりますから、同金額での実際の通話時間はもっと短くなることになります。

[このページのTOPへ↑] [このトピックのTOPへ]


関連ページ: [準備編] [実践編] [モバイル絵日記] [日記2001] [機器2002] [携帯の利用] [携帯を購入] [携帯でデータ通信] [FAQ集] [過去の記事]

[プリペイド式携帯購入体験記へ]