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プリペイド式携帯購入体験記
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具体的な体験談を紹介した方が、このプリペイド方式携帯電話の使い勝手を感じ取っていただくことができると思いますので、2002年1月下旬のケアンズ旅行の際に購入したプリペイド方式携帯電話の入手体験談をご紹介します。

INDEX

海外で使える携帯電話とは?
[海外で使えるケータイ「GSM携帯電話」とはどんなものか]
[GSM方式携帯電話の仕組み]
[GSM方式の電話機の通話契約]
[プリペイド式携帯電話の入手]
[レンタル携帯電話はどう選ぶ?]
[レンタル携帯電話の利用価値]
[レンタル携帯電話の通話料金の仕組み]
[携帯電話、借りるべきか、買うべきか?]

プリペイド式携帯購入体験記
[携帯電話購入を決意]
[ケアンズ・セントラルで電話機探し]
[簡単な購入手続きとハードルの高いSIM登録]
[いよいよ通話に挑戦]
[さて、通話料金は……]
[購入した電話のその他の機能]
[さっそくリチャージ]

携帯電話によるデータ通信の方法
[GSM方式携帯電話でデータ通信]
[データ通信の仕組み]
[データ通信を実行するための機材]
[データ通信のためのセットアップ方法]
[携帯電話を使ったデータ通信の実感]

関連ページ: [準備編] [実践編] [モバイル絵日記] [日記2001] [機器2002] [携帯の利用] [携帯を購入] [携帯でデータ通信] [FAQ集] [過去の記事]


携帯電話購入を決意

ちょうど1年前、2001年1月のことですが、仕事でのきっかけもありGSM方式の携帯電話について、あれこれと情報を得るチャンスができました。2001年のGWには、その蓄積を活用し、エアーズロックの夕陽の生中継という「GSM方式携帯電話によるデータ通信」にもトライし、その使い勝手を体感しました。

私は、オーストラリアは年に2〜3回のペースで訪問していますし、オーストラリア内や日本への通話のチャンスもけっこうあります。携帯電話の便利さは、前回(2001年GW)のオーストラリア訪問の際に痛感していましたが、さすがに電話機購入まではなかなか決断できませんでした。前回も現地でプリペイド方式の携帯電話を物色したのですが、その時は結局購入を見送っています。

しかし、今後はGSM圏となるヨーロッパ方面への出張の可能性も出てきたため、そろそろGSM方式の携帯電話を購入しようかと考え始めていました。今回は買う気満々で現地に飛び、さっそく初日から電話機探しを行いました。

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ケアンズ・セントラルで電話機探し

ケアンズにはそれほど専門店がありませんが、前回までの旅行で、携帯電話機を扱っているお店がケアンズ・セントラルにあるのを知っていました。そのため、まずはケアンズ・セントラルの心当たりのある店を訪れました。

今回、プリペイド方式の携帯電話を購入するにあたっては、以下のようなイメージを持っていました。

これらの選択基準は、両方とも業界では最もメジャーな存在であるためです。Nokiaは、GSM方式の携帯電話開発メーカーでは世界最大のシェアを誇る会社で、アクセサリも多くのショップで扱われています。またテルストラはオーストラリアではNTTのような存在の会社であるため、サービス網も広く通話可能エリアが最も広いとされています。

実は、前回の旅行でもシドニーで携帯電話機を探したのですが、その時は時間がなくテルストラのショップに行くことができませんでした。街中のお店で出してくれたのは、モトローラMotorolaという、これまた携帯電話機のメーカーとしてはメジャーな会社のものでしたが、その機種についての知識があまりなかったのと、思ったよりも高価(180ドル強の価格と記憶)に思われたため購入を見送ったのでした。

ケアンズ・セントラルでは、まず正面入り口のエスカレーターを上がってすぐ左手後方にあるコンピュータ・ショップを訪れました。このお店はテルストラとの契約による携帯電話機を扱っているのを見ていたためです。

こちらは同じくケアンズ・セントラルの2階にあるOptusの特約店。モトローラ機のプリペイド式携帯電話を129ドルで売っていた(違うアングルからの拡大画像あり)

お店に入ってさっそく「プリペイド方式の携帯電話が欲しいんだけど」と伝えたところ、出してくれたのは、Sagemというメーカーの格安の電話機(A$130弱)セットでした。この値段なら、1400円近くの通話料も含めて電話機を1万円程度で購入できます。
しかし、このメーカーの電話については情報不足でしたし、電話機の機能についても外箱から読む情報では満足できなかったので、購入を見送りました。

次に入ったお店は、エスカレーターを上って右手奥にある電話機専門ショップです。ここも以前から時々覗いていたお店で、Nokiaの携帯電話機をディスプレイしていました。ここでも同じように電話機が欲しいことを伝えたところ、まず出してくれたのがNokiaの端末。しかも見覚えのあるNokia3310という機種でした。

価格はSIM込みで269ドルと、最安値のプリペイド携帯電話機の倍以上しますが、電話機そのものはベストセラーとなったものですし、アクセサリも豊富です。ケアンズ・セントラル内の宣伝看板でモトローラ機が129ドルで売られているのも見ていたのですが、そちらのキャリアはオプタスでしたし、それほど迷わずこの機種を購入することにしました。

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簡単な購入手続きとハードルの高いSIM登録

その電話機が欲しいことを伝えると、書類作成のためにカウンターに案内されました。尋ねられたのは、現在の宿泊先と名前だけ。事前情報ではパスポートの提示を求められることもあると聞いていたのですが、ショップの店員がさっさと書類を作り、クレジットカードで支払いをしたところ、パッケージを開きもせずに「はい、どうぞ」と機械を渡されました。

このショップで買い求めたプリペイド方式のSIMは「Communic8」という商品名です。通話を開始するためには、購入した電話でフリーダイヤルのサービスデスクに電話をして必要事項を伝えなければなりません。最初の通話料金は20ドル分あり、有効期間は登録してから2カ月間となっています。

電話機を購入したのは夕方でしたが、それからケアンズの友人宅を訪問したため、部屋に戻ってきたのはけっこう遅い時間になってしまいました。できればその日のうちに「開通」したかったのですが、まずは説明書をじっくり読んだ方がいいだろうと考え、登録作業は翌朝行うことにしました。

SIMカードの説明書によれば、通話開始の手続きのためには、テルストラの専用のデスクに購入した電話機から電話をし、現住所と名前、購入したSIMに与えられた電話番号、それから暗証番号を伝えることとなっています。「これなら電話で(の英会話で)も楽勝じゃん」と思い、翌朝、わりと気軽に電話を入れました。

サービスデスクに電話がつながり、対応に出たのは若い声の早口の女性。最初に名前を伝え、「通話できるようにしてほしい」と伝えましたが、「何? もう1回言って」と、出端をくじかれました。今度はゆっくりと「電話機を使えるように登録してほしい」と伝えたところ、相手も了解し、まずは説明書通りのやりとりが始まりました。

オペレーター(以下OP) 「名前を名字からお願いします」
私 「○○です。スペルは○△△…」
OP 「名前のファーストネームは?」
私 「□○です。スペルは□○△…」
OP 「住所は?」
私 「ケアンズで、ロイヤルハーバー・トレンドウインズ。コンドミニアムに滞在しています」
OP 「ケアンズね。郵便番号は何番ですか?」
私 「ちょっと待って……4870です」
OP 「4870ね。わかったわ」

説明書によれば、この次は暗証番号を伝えればいいことになっています。英語では暗証番号のことを「PIN(Personal Identification Number)」と言います。私も次の質問を待ちました。

OP 「PINを教えてください」
私 「はい、****…でお願いします」
OP 「OK、それでは……(←聞き取れない)PINを……」
私 「??!! はい、ちょっと待ってください」
OP 「いいですよ」
私 先ほどの会話を思い出すが理解できず「ごめんなさい、もう1回言ってください」
OP 「……PIN……」
私 (ますますわからず)ちょっと黙ってしまったところ
OP 言いなおして「こちらが発行するPINがあるからそれを控えてちょうだい」
私 「OK、わかりました。番号を教えてください」
OP 「あなたの番号は****です」
私 「番号を繰り返します。確認してください。****でいいですね?」
OP 「はい、OKです。こちらのサービスを利用する時に必要になることもあるので控えておいてください」
私 「ありがとう」

ちょっと冷や汗ものでしたが、こんなやりとりでなんとかSIMの登録は完了しました。Communic8の説明書によれば、本体の電話番号を尋ねられると書いてあったのですが、それはなく、替わりにテルストラが発行するPINの案内がありました。

この登録作業だけでなく、プリペイド式携帯電話を使うためには、英語の理解力が要求されます。私は事前にGSM方式携帯電話の仕組みについて知っていたので、登録の必要性や電話機の使い方説明もある程度理解していました。でもGSM携帯電話の利用は、英語に不自由しない方でも、いわゆる「用語」でつまづいたり、「何を言われているかはわかるがそれが何を指しているかがわからない」ということでひっかかったりするかもしれません。GSM方式携帯電話に慣れていない旅行者が使うには、やはりちょっと難しい手続きではないかと感じました。

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いよいよ通話に挑戦

登録のための通話を終えたので、さっそく通話を試してみました。この時滞在していたコンドミニアムでは、各部屋の電話に直通番号が設定されています。まずは、この部屋の番号に電話してみました。 オーストラリアでも、携帯電話からダイアルする時は、市街局番から番号を入力します。07-1234-****と部屋の番号を入れ、通話ボタンを押しました。すると携帯の呼び出し音に続き部屋の電話機も鳴っています。通話成功です。

今度は部屋の電話から、携帯に電話をかけました。もちろん無事に呼び出しができ、携帯電話にはかかってきた先の電話番号が表示されました。この電話番号は部屋の番号ではなく、コンドミニアムの代表電話番号が表示されました。

次に日本の家族に電話をしてみました。国際電話の際は初めに「+」を付けて発信することを知っていたので、この端末でも同様の操作を行いました。すると、こちらも通話は無事成功。前回借りて使った携帯電話機と同じように使うことができます。

次は、この携帯電話への日本からの電話です。家族に電話のかけ方を伝え、かかってくるのを待ちました。しばらく間があり、着信音が……。日本からの電話も無事につながりました。

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さて、通話料金は……

ここで気になるのが通話料金。この時点では、まだ1通話あたりどれだけのコストになるかを調べていなかったので、携帯電話から通信記録を呼び出して通話料金を算出することにしました。テルストラのサービスでは、最後にかけた5本分のコールについて、通話時間と通話料金を知らせてくれます。

結果はと言うと、日本にかけた電話は、3〜4分の通話の場合1分あたり約54セント、日本円にして37〜38円です。この時は家族が使い残していたKDDの通話カードも持っていたので、到着してすぐはそれを使っていたのですが、その時の通話料は1分あたり80円から100円弱というものでした。通話カードのなんと高いこと……。

また前述したように、GSM方式の携帯電話は着信に対しても料金がかかってくることがありますが、このプリペイドSIMは受信手数料はかかりません。実際の通話料金を考えると、日本からかけてもらうよりはこちらからかけた方が安いですが、着信でも手数料がかからなければ、商用で渡豪して自分の電話機を使っている時にも安心して電話番号を知らせることができます。ビジネス利用にもいいのではないかと思いました。

テルストラの料金例
当然ですが、オーストラリア国内への通話料と海外への通話料は違います。共通しているのは、電話をかけるたびに20セントの基本料金がかかることで、これは通話時間の多少に関わらず発生します。

2002年4月現在の通話料金は、オーストラリア国内への通話料金は1分あたり77セント、日本への通話料金は49.5セントとなっています。なんと国際通話の方が通話料が安いということですね。ニュージーランドやアメリカへの通話にいたっては33セントだそうですから、国内通話料金の半額以下ということになります。

あと、長期滞在者に便利そうなサービスとして、夜間の無料通話サービスもあります。これはテルストラ社の「communic8 Pre-paid mobiles」利用者の端末間で利用できるサービスで、毎日午後9時から翌朝5時までは通話料が最初の15分間は無料となります。他社も同様のサービスを提供していますが、異なるキャリア間ではこの無料通話は利用できません。

なお、テルストラ利用の非常に大きなメリットですが、同社では通話料計算を1秒単位で行います。したがって、1分2秒通話して1分30秒分の料金がかかるということがありませんので、決まった前払い金額を有効に消化することができます。

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購入した電話のその他の機能

GSM方式の携帯電話は、キャリア(通信サービス会社)のサービスはSIMに、また各種機能は電話機本体の機能に依存することになるので、SIMと電話機の組み合わせによっては、使えないサービスもあります。

Nokia3310の場合は、SMSという簡易メール機能は使えますが、WAP(ワイヤレス・アプリケーション・プロトコル)という、インターネット・コンテンツを見るための機能は使えません。しかし、情報引き出しサービスがあるため、各地の天気予報をSMSで受け取ることが可能になっています。

またこのSIMのサービスで便利だと思ったのは、ボイス・メッセージが使える点です。いわゆる留守番電話センターのサービスですが、自分の声で、かけてきた人へのメッセージを録音することができ、携帯電話以外の電話からも自分あてのメッセージを聞くことができます。

SMSによる情報サービスを利用してみた。画面に表示されているのはダーウィンの天気予報

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さっそくリチャージ

今回買い求めたプリペイド式電話機のSIMの有効期間は、先述したように登録してから2カ月です。私はたぶん2カ月以内にオーストラリアを再訪問するのは無理なので、一気に1年分の買い増しを行うことにしました。金額は100ドル(約7000円)です。

リチャージのためにセンターに電話を入れたところ、今はキャンペーン中とのことで、有効期限こそ増えないものの、通話料は20%増しのクレジットがつくとの案内が流れていました。つまり100ドル払えば、120ドル分の通話料金が加算されるわけです。もともと100ドル分のリチャージを行う予定だったし、「渡りに船」とばかりにリチャージ手続きを行いました。

このリチャージ手続きは、「電話から直接クレジットカード番号を入力してクレジットを買い増す」「リチャージ用カードを購入して、その番号を電話機から送ってクレジットを増やす」「銀行のキャッシングマシンで入金(実際には引き落とし)して、そのコードを電話機から送信してクレジットを増やす」「エレクトロニック・バウチャーを購入する」という4通りの方法があります。

リチャージ・カードの販売機(拡大画像あり)

キャンペーンが対象としていたのは、電話機からクレジットカード番号を入力する方法でしたし、私自身もそのリチャージ方法がわかりやすかったので、音声に従って手続きを進めました。今度は相手の時間を気にすることなく音声指示を聞き直すことができますし、しゃべりもはっきりしているので、確実に内容を聞くことができます。それに入力項目もクレジットカード番号だけだったので、簡単に操作を済ませることができました。

リチャージの結果、SIMカードの有効期限は2003年の3月末までとなり、残高も日本に3時間半近く電話できるほどになりました。うれしさ余って(?)電話をかけまくったので、帰国時点での残高は100ドルちょっとになってしまいましたが、このくらい残っていればあと2〜3回の旅行に余裕で使えそうです。

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