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  mネット通信記事より

20170628[vol:368]
【最高裁】判決書の裁判関係文書も通称使用を可能に 6月28日

 最高裁は6月28日、判決書や口頭弁論調書などの裁判関係文書について、 9月1日から旧姓の通称使用を認めることを明らかにしました。
 最高裁は、裁判官を含む裁判所職員の旧姓の通称使用については、国家公務員と 同様に2001年10月1日から認めていますが、裁判関係文書については 戸籍名しか認めていませんでした。
 今年4月11日の参議院法務委員会で最高裁は、「裁判文書は、作成者の 作成権限を明確にし、混乱を避けるといった観点から、現在のところ 旧姓使用を認めていないが、この点については今後検討したい」と述 べ、それまでの「旧姓の対象としていない」という答弁から一転、前向きに 答弁していました。
 最高裁は、近く通達を出すことにしています。

*4月11日の参議院法務委員会で糸数慶子議員は「政治家は通称使用 が認められている。選挙活動も当選証書も通称を書けるようになった。 国会質疑の議事録、法案の発議者や賛成者も通称で書かれ、国会の正式 な記録となる。戸籍名だけが信頼に足りるということではない」と、通称使用の 検討を求めていました。

20170619[vol:367]
【最高裁判決と国会不作為を問う!選択的夫婦別姓を求める院内集会


20170527[vol:366]
【国会1】参議院法務委員会で糸数議員が選択的夫婦別姓について質問 5月23日

 参議院法務委員会で5月23日、沖縄の風の糸数慶子議員が選択的夫 婦別姓について質問しました。
 糸数議員は、「かつて政府は、結婚に伴う氏の変更が職業生活にもたらしている支障を解消する観点からも選択的夫婦別氏制度について国民 の議論が深まるよう引き続き努めるというふうに答弁をしていた。ところが、安倍政権になると、我が国の家族の在り方に深く関わるものであ り、国民の間にも様々な意見があることから慎重な検討が必要である、と後退をした。家族の多様化や考え方が様々あるのに選択肢を増やすことに慎重であるということは、一部の価値観だけを尊重し、多様化を認 めないことになるのではないか」と質問しました。これに対して金田勝年法務大臣が、「我が国の家族の在り方に深く関わる事柄であり、国民 の大方の理解を得て行うべきものと考えている。今後も引き続き国民各 層の意見を幅広く聞くとともに、国会における議論の動向を注視しなが ら、慎重に対応を検討する必要がある」と答弁したため、糸数議員は、 「私の質問の中身、ちゃんとお聞きになられたのか。法改正されないた めに、やむを得ず事実婚に至る、通称使用では不便だからとペーパー離 婚をするカップルが増え続けている。法律婚主義といいながら、名前を 名のり続けたいカップルには法律婚させない制度を放置している」と厳 しく指摘しました。

20170502[vol:365]
【国会1】参議院法務委員会で糸数議員が「慰安婦」問題について質問 4月20日

 参議院法務委員会で4月20日、沖縄の風の糸数慶子議員が「慰安婦」 問題について質問しました。
 糸数議員は、「国立公文書館が、「慰安婦」連行を示す公文書19件 182点を内閣官房に提出していたと報道されているのは事実か」と質 問しました。これについて、鳥井陽一内閣官房内閣参事官は、「国立公 文書館が、平成11年に法務省から移管された文書19件182点につ いて、平成8年の内閣官房内閣外政審議室長に基づき慰安婦関連文書と して本年2月3日に内閣官房に報告を行った」と答弁しました。糸数議 員は、女性差別撤廃条約日本審査で杉山晋輔外務審議官が行った強制性 を否定する発言や、グレンデール市に設置された慰安婦像の撤去を求め た裁判で原告側の求めで外務省が提出した意見書をウェブサイトで公表 していることを問題にし、「後々になって歴史の事実が出てくる」と述 べ、「外交関係上の影響を考え、ウエブでの主張は改めるべきではない か」と、削除を求めました。

20170408[vol:364]
【GO1】市町村女性参画状況見える化マップを開設 3月31日

 内閣府男女共同参画局は3月31日、「市町村女性参画状況見える化 マップ」を開設しました。
 地方の政治分野における都道府県ごとの女性の参画状況(知事、市区 町村長、都道府県議会の長及び議員、市区町村議会の長及び議員)のほ か、市町村職員の管理職に占める女性割合、男性公務員の育児休業取得 率などがマップとランキングでわかりやすく見ることができます。
 詳しくは男女共同参画局のウェブサイトをご覧ください。
  http://wwwa.cao.go.jp/shichoson_map/?data=1

 男女共同参画局は同日、アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネ ス」問題等の啓発サイトも開設しています。詳しくはウェブサイトをご 覧ください。
  http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/avjk/index.html

20170329[vol:363]
【GO】男女共同参画会議議員を任命 3月22日

 政府は3月22日、6人の新任を含む12人を男女共同参画会議議員 に任命しました。
 男女共同参画会議は、経済財政諮問会議と並ぶ国の重要政策に関する 会議で、内閣官房長官を議長とする12人の関係閣僚と有識者の議員か らなります。
 2013年には安倍首相の強い意向で「慰安婦」問題やジェンダーへ のバッシングを行う「新しい歴史教科書をつくる会」元副会長の高橋史 朗氏が任命されています。

 男女共同参画議の議員は以下のとおりです。

 家本賢太郎(クララオンライン代表取締役)
  柿沼トミ子(全地婦連会長)
 *小西聖子 (武蔵野大学人間科学部長)
 *佐々木則夫(十文字学園女子大学副学長)
  佐藤博樹 (中央大学大学院教授)
 *志賀俊之 (日産自動車取締役副会長)
  高橋史朗 (明星大学特別教授)
  辻村みよ子(明治大学法科大学院教授)
  林 文子 (横浜市長)
 *松田美幸 (福岡県男女共同参画センター館長)
 *室伏きみ子(お茶の水女子大学長)
 *芳野 友子(連合副会長)
                 (50音順で*は新任)

20170306[vol:362]
【国会1】政治分野の男女共同参画推進法案成立へ 2月28日

 国会や地方議会の選挙で男女の候補者数をできる限り均等とするよう 政党に女性候補の擁立を促す「政治分野における男女共同参画推進法案」 が今国会で成立する見込みとなりました。
 男女の候補者を「同数」としていた民進党が2月28日の「次の内閣」 会議で、自民・公明などが主張する「均等」を容認する法案を了承し、 全会派が一致したためです。女性議員を増やすことを法律で促進するの は初めてとなります。
 法案は、超党派の国会議員連盟が主導し、男女「同数」を促す規定を 検討していましたが、自民党から異論が出てまとまらなかったため、昨 年5月、民進、共産などの野党4党が「同数」と規定した法案を提出し、 自民、公明、日本維新の会の3党も昨年12月、「均等」とした法案を 提出していました。
 今後は、衆議院内閣委員会で継続審議となっている与野党の議員立法 案をそれぞれが取り下げ、超党派で一本化した法案が衆議院内閣委員長 提案として提出される見込みです。

20170207[vol:361]
【国会6】参議院本会議の代表質問で各党が女性政策について質問 1月24日、25日

 参議院本会議で安倍信三首相の施政方針演説に対する代表質問が、1 月24日と25日に行われました。
 女性政策については、自民党の吉田博美議員と公明党代表の山口那津 男議員が、女性が働く環境の改善などについて言及したのみでした。吉 田議員は「慰安婦」問題についても触れ、「韓国政府に対し日韓合意を 誠実に履行していくよう粘り強く求める」と述べました。
 衆議院での代表質問では女性政策に関する言及はありませんでしたが、 1月23日の衆議院本会議で、民進党の野田佳彦議員が「日韓合意の精 神を踏みにじる釜山総領事館前の少女像設置は極めて遺憾であり、韓国 政府の真摯な対応を求める。今回の少女像設置は、ウィーン条約に規定 する領事機関の威厳等を侵害するもので、看過しがたい行為である」と 述べています。

20170125[vol:360]
【国会】安倍首相 施政方針演説で女性活躍に言及 1月20日

 安倍晋三首相は1月20日、衆・参の本会議で施政方針演説を行いま した。
 女性の活躍で安倍首相は、「人は幾つからでもどんな状況からでも再 出発できる」と述べ、16年間子育てに専念した後に再就職した女性の 言葉を紹介しました。さらに「子育ての経験をしたからこそ、今の職場 で生かせることがたくさんある。子育てや介護など多様な経験を持つ人 たちの存在は、企業にとって大きなメリットを生み出すはず」と続けま した。これだけでは、出産や子育て後も働き続けて活躍したい女性たち に応えないばかりか、子どもを待たない女性たちへはプレッシャーにな りかねません。また、安倍首相は「103万円の壁を打ち破る」として、 配偶者特別控除の収入制限を大幅に引き上げることを明らかにしました が、収入制限の引き上げは、壁を打ち破るどころか、ますます高い壁と なってパートタイマーなど補助的労働への固定化につながるのではない かと懸念されます。

20161230[vol:359]
【国会1】臨時国会閉会 野党提出の民法改正案は継続審議に 12月17日

 今年9月26日に開会した第192国会(臨時会)は12月17日に 閉会しました。
 衆議院で今年5月に野党が提出していた選択的夫婦別姓などの民法改 正案は継続審議となりました。
 選択的夫婦別姓に関する質疑は、衆議院で10月19日の法務委員会 で民進党の逢坂誠二議員と井出庸生議員、10月21日の法務委員会で 井出議員、11月2日の法務委員会で井出議員が質問しました。参議院 では10月11日の総務委員会で民進党の杉尾秀哉議員、10月20日 と25日の法務委員会で沖縄の風の糸数慶子議員が質問しました。  請願審査では、選択的夫婦別姓を求める請願は衆参両院ともに不採択 となりました。
 今回初めて「憲法に家族の保護規定を明記することに関する請願」提 出されました。この請願は「家庭での家事、子育てや介護は、立派な労 働」とし、「母親が家庭で安心して子育てに専念できる環境を整備する とともに、子供が多いほど経済的に優遇される世帯単位課税を導入すべ き」などと主張し、憲法24条を否定するものですが、審査で不採択と なりました

20161206[vol:358]
【GO】2015年人口動態統計 夫の氏96.0% 12月5日

 厚生労働省は12月5日、2015年人口動態統計(確定数)の概況 を公表しました。
 出生数は100万5677人(前年比2138人増)で、死亡数は 129万444人(同7440人増)で、自然増減数は9年連続で減少 しました。合計特殊出生率は1.45%(同0.03ポイント増)でし た。
 出生総数100万5677人のうち、嫡出子は98万2645人(前 年比1957人増)、婚外子は2万3032人(同181人増)で、婚 外子の割合は2.3%で、前年と同じ割合です。
 婚姻件数は63万5156件(同8593件減)で、離婚件数は22 万6215件(同4108件増)でした。
   夫、妻とも初婚は46万4975件(73.2%)、夫、妻とも又は どちらか一方が再婚は17万181件(26.8%)です。再婚カップ ルの割合は2005年以降4件に1件を超え、増え続けています。
 また、夫妻とも日本国籍は61万4180件で、夫、妻のどちらか一 方が外国籍は2万976件でした。
 婚姻後の氏では、60万9756件(96%)が夫の氏を選択し、妻 の氏を選択したのは2万5400件(3.99%)でした。
 詳細は厚労省のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei15/index.html

*2015年人口動態統計(確定数)は厚労省が9月8日に公表してい ましたが、今回は、「2015年人口動態統計(確定数)」の内容に、 総務省の「2015年国勢調査 年齢・国籍不詳をあん分した人口」を 用いて算出した合計特殊出生率等の諸率を追加し、最終確定値を取りま とめたものです。mネット通信では、9月8日の人口動態統計を紹介し ていなかったため、今回が2015年統計の初めての公表となります。

20161018[vol:356]
【裁判】東京地裁 職場での通称使用認めない判決 10月11日

 東京都在住の30代の女性が、職場で旧姓の通称使用が認められなか ったのは人格権の侵害であるとして、勤務先の日大三高・三中を運営す る学校法人「日大第三学園」を相手に通称使用を求めた訴訟で、東京地 裁(小野瀬厚裁判長)は10月11日、女性の請求を棄却する判決を言 い渡しました。
 判決は、婚姻後の戸籍名は、旧姓に比べて「より高い個人識別特定機 能を有しているというべき」と指摘しました。また、旧姓の通称使用が 認められる範囲が広がっていると認めつつ、「旧姓が戸籍名と同じよう に使用されることが社会において根付いているとまでは認められない」 と判断。「職場で教職員を識別するために戸籍名の使用を求めることに は、合理性、必要性があるというべき」として、女性の訴えを退けまし た。
 最高裁は昨年12月、夫婦別姓訴訟の判決で、「旧姓を通称として使 うことまで許さないものではない」とし、改姓による不都合は「旧姓の 通称使用が広がることで一定程度緩和される」などとして、同姓規定を 「合憲」と判断していました。しかし、今回、通称使用が認められなか ったことで、「合憲」の根拠が揺らぐ格好となりました。

20161004[vol:355]
【国会1】安倍首相 「慰安婦」へのお詫びの手紙「毛頭考えていない」発言 10月3日

 衆議院予算委員会で10月3日、民進党の小川淳也議員が「慰安婦」 問題について、「韓国政府から、安倍首相からお詫びの手紙を求めると いうことがあるようだが、現時点でどう考えるか」と質問したのに対し、 安倍晋三首相は「合意した内容を両国が誠実に実行していくことが求め られている。(お詫びの手紙は)合意内容の外で、われわれ、毛頭考え ていない」と答えました。
 日韓合意については、「慰安婦」や支援者のほか韓国国民の間にも反 対があることから、韓国政府は日本政府に対し「お詫びの手紙」などの 追加的な措置を求めてきましたが、安倍首相の「毛頭考えていない」発 言で、韓国政府はますます厳しい事業運営を迫られ、日韓関係にも影響 するのではないかと懸念されます。

20160925[vol:354]
【GO1】安倍首相「女性の活躍、多様性こそが社会を強靭にする」とスピーチ 9月20日

 国連総会に出席するためニューヨークを訪問中の安倍晋三首相が9月 20日、ジェンダー平等を呼びかける会合「HeForSheレセプシ ョン」に出席しスピーチしました。
 安倍首相は、「女性のエンパワーメントなくして日本経済の再生はな い」「女性参画は社会政策という位置付けだったが、安倍政権では、こ れを経済政策と位置付け、アベノミクスの中心政策としてきた」と述べ たうえで、「女性の潜在力を開放していかなければ、日本の経済成長は 望めない」「女性の活躍、多様性こそが社会を強靭にし、そしてそれは 経済成長につながっていく」と力説しました。
 また、「女性のエンパワーメントの実現のためには、男性も変わらな ければならない」と述べ、今年12月に開催する国際女性会議WAW!へ の意欲も示しました。
 一方で、「日本は、いわゆる侍の国として、非常に保守的な国でもあ る。しかし、日本が変われば世界が変わっていくと信じている」などと、 陳腐な発言をしています。
 詳細は首相官邸のウェブサイトでご覧ください。
 http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2016/0920heforshe_speech.html

20160829[vol:353]
【GO1】2015年度離婚時の面会交流と養育費の取り決め状況調査結果 8月26日

 法務省は、未成年の子がいる夫婦の協議離婚時の面会交流と養育費の 取り決め状況調査(2015年度)を取りまとめました。
 未成年の子がいる夫婦の協議離婚の届出件数12万3190件(離婚 届総件数23万272件)のうち、面会交流欄にチェックをしたのは 10万2653件(83.3%)、養育費の分担欄にチェックをしたの は10万2476件(83.2%)でした。
 面会交流について「取決めをしている」としたのは7万7630件、 「取決めをしていない」は2万5023件で、未成年の子がいる夫婦の 63.0%(前年度62.1%)が「取決めをしている」と答えました。  養育費の分担について「取決めをしている」としたのは7万7061 件、「取決めをしていない」は2万5415件で、未成年の子がいる夫 婦の62.6%(前年度61.8%)が「取決めをしている」と答えま した。
 この調査は、2012年4月に離婚届の用紙に、面会交流と養育費の 取り決め状況のチェック欄を設ける様式変更行ったことに伴い、法務省 が取りまとめを行っているものです。
 初年度の2012年度から2013年度に、チェック状況、取り決め 状況ともに大幅に増加し、離婚届の用紙の様式変更が面会交流や養育費 の取り決め状況の改善につながったことがわかりましたが、その後は微 増にとどまっており、さらなる取り組みが必要です。

20160811[vol:352]
【GO】第3次安倍第2次改造内閣発足 女性閣僚3人 8月3日、5日

 安倍晋三首相は8月3日、第3次安倍第2次改造内閣を発足させまし た。
 女性閣僚は、留任の高市早苗総務大臣と、環境大臣から横滑りした丸 川珠代五輪担当大臣、稲田朋美防衛大臣の3人です。
 8月5日には副大臣、大臣政務官が決定しました。副大臣は公明党の 古屋範子厚生労働副大臣のみで、政務官は金子恵美総務大臣政務官、堀 内詔子厚生労働大臣政務官、比嘉奈津美環境大臣政務官(いずれも自民 党)の3人です。
 女性割合は、大臣が19人中3人の15.8%、副大臣は25人中1 人の4%、大臣政務官は1人減で、27人中3人の11.1%で、いず れも政府が目指す女性割合30%とは程遠い状況です。女性の3閣僚は、 選択的夫婦別姓に反対していますが、とりわけ稲田大臣は、国籍法や民 法の婚外子差別撤廃に否定的な発言を行い、嫡出推定規定の見直しにつ いても慎重な立場をとってきました。

20160712[vol:351]
【選挙】参院選の女性当選者数28人で過去最多 7月10日

 7月10日に投開票が行われた参議院選挙の女性当選者数は、選挙区 17人、比例代表11人の計28人で過去最多となりました。
 改選定数121議席に占める割合も23.1%で過去最高を記録しま した。政党別では、自民10人、民進7人、公明3人、共産2人、おお さか維新2人、社民1人、生活1人、無所属2人です。
 非改選と合わせた全議員242人のうち女性は50人(20.7%) で、政党別の議員数(女性)は、自民121人(19人)、民進49人 (11人)、公明25人(5人)、共産14人(5人)、おおさか維新 12人(2人)、社民2人(1人)、生活2人(1人)、こころ3人 (1人)、諸派・無所属12人(5人)となりました。

20160706[vol:350]
【国連】子どもの権利委員に大谷氏 日本人初当選 6月30日

 国連本部で6月30日、子どもの権利委員会の委員選挙が行われ、日 本人として初めて大谷美紀子弁護士が当選しました。
 子どもの権利条約には196の国と地域が加盟し、委員会は18人の 委員で構成されています。委員は2年毎に半数が改選され、締約国・地 域による投票で、得票数が多い順に9人が選ばれます。
 大谷弁護士は、夫婦別姓訴訟弁護団に参加し、女性差別撤廃条約を担 当していました。また、日本女性差別撤廃条約NGOネットワークの共 同代表として、女性差別の解消に尽力してきました。今年2月にジュネ ーブで行われた女性差別撤廃条約第7回8回日本政府報告書審査の際に は、NGOを代表して委員に対しブリーフィングを行っています。

20160615[vol:349]
【国会1】通常国会閉会 再婚禁止期間の民法改正案は可決 野党提出の民法改正案は継続審議に 6月1日

 今年1月4日に開会した通常国会は6月1日に閉会しました。
 女性の再婚禁止期間を6か月から100日に短縮する民法改正案は、 国会最終日の6月1日、参議院本会議で可決・成立しました。一方、衆 議院の野党が提出していた選択的夫婦別姓などの民法改正案は継続審議 となりました。

 再婚禁止期間短縮の民法改正案は、衆議院では5月20日の法務委員 会で審議が行われ、自民党の安藤裕議員、民進党の井出庸生議員および 逢坂誠二議員、共産党の畑野君枝議員、おおさか維新の会の木下智彦議 員がそれぞれ質問しました。井出議員と畑野議員は選択的夫婦別姓制度 についても言及し、特に畑野議員は、政府内でも選択的夫婦別姓制度導 入に向けた議論を行うよう求めました。採決では、施行後3年を目途に 再婚禁止の制度の在り方を検討する、とした修正案も全会一致で可決し ました。
 参議院では5月31日、法務委員会で審議が行われ、自民党の三宅伸 吾議員、民進党の小川敏夫議員、公明党の矢倉克夫議員、共産党の仁比 聡平議員、生活の党と山本太郎となかまたちの谷亮子議員がそれぞれ質 問しました。特に、法律家である仁比議員は極めて高度な質問をわかり やすく展開し、与党からも共感する発言がありました。小川議員と矢倉 議員が選択的夫婦別姓を求める質問を行っています。改正案は全会一致 で可決し、翌6月1日の本会議で可決・成立しました。

20160514[vol:348]
【国会1】4野党が民法改正案を提出 5月12日

 衆議院の民進、共産、生活、社民の野党4党は5月12日、民法改正 案を提出しました。
 議員立法案の主な内容は、選択的夫婦別姓制度の導入、再婚禁止期間 を100日に短縮、婚姻最低年齢を男女とも18歳とするなどです。今 回は、再婚禁止期間の廃止と嫡出推定規定の見直しについて3年後をめ どに検討することも盛り込んでいます。
 法案提出後、民進党の逢坂誠二議員、井出庸生議員、共産党の畑野君 枝議員が記者会見を行いました。
 提出者である民進党の井出庸生議員は、「再婚禁止期間の短縮につい ては最高裁からただすよう判決され、選択的夫婦別姓についても国会で 議論をするよう要請が出ている。より多くの人の思いにかなう家族制度 にしたい。政府案と野党案を併せて審議し、議論を深めたい」と、法案 提出の経緯を説明しました。
 筆頭提出者の逢坂誠二議員は、「今出されている政府案と併せて審議 をしてもらいたい。法制審答申当時、政府はパッケージで取り扱おうと いう意思もあった。再婚禁止期間に限らず、幅広く議論してもらうよう 与党にお願いしたい」と発言しました。
 共産党の畑野君枝議員は、「最高裁の判断や、法制審答申からも20 年で、立法府の責任が問われている。夫婦同姓を強制している国は日本 しかなく、女性差別撤廃委員会からも勧告されている。党派を超えて実 現したい」と発言しました。
 衆議院で選択的夫婦別姓等の議員立法案が提出されるのは、2006 年の通常国会以来10年ぶりとなります。法案は同日、法務委員会に付 託されていますが、審議入りは難しい状況です。

 議員立法案の提出者は以下のとおりですが、今回は、提出政党の全議 員が賛成者となっています。
【提出者】
 井出庸生  逢坂誠二   山尾志桜里  枝野幸男
 畑野君枝  高橋千鶴子  玉城デニー  吉川 元

20160417[vol:347]
選択的夫婦別姓実現キャンペーン
法制審答申から20年、民法改正を求める院内集会を開催 4月13日 


20160412[vol:346]
【国会1】衆議院法務委員会で逢坂議員が選択的夫婦別姓について質問 3月23日

 衆議院法務委員会で3月23日、民主党の逢坂誠二議員が、選択的夫 婦別姓制度について質問しました。
 逢坂議員は、「最高裁から、『国会で論ぜられ、判断されるべき事柄 にほかならない』と、ボールがこちら側へ来ている状況で論ずる場とい うのは、ありそうでいてなかなかない。その議論の柱というか核にする ために、閣法を出すというのも一つの手だと思う」と述べ、岩城光英法 務大臣に見解を求めました。これに対し岩城大臣は、「国民的な議論、 国会における議論、これを注視して参りたい」と答弁しました。逢坂議 員は、「核がないままでこの議論を進めようとするならば、憲法審査会 のように、それぞれの委員が意見を闘わす場の設置がなければなかなか 厳しい」と述べ、葉梨康弘法務委員長に対して委員会で選択的夫婦別姓 について議論する場を設けることを求めました。

20160318[vol:345]
【国会1】参議院外交防衛委員会で片山議員が林女性差別撤廃委員長を批判 3月17日

 参議院外交防衛委員会で3月17日、自民党の片山さつき議員が「慰 安婦」問題に関連して女性差別撤廃委員会と日本の林陽子委員長を批判 する発言を行いました。
 片山議員は、「国連女子差別撤廃員会で、我が中学・高校の先輩でも ある外務省の杉山外審、非常に頑張って、20万人の人数の部分、『性 奴隷』という表現は不適切であるとしっかり発言をしてくださった」と 持ち上げた一方で、「日本から委員長が選出されているが、林さんとい う弁護士は、かつて女性国際戦犯法廷の日本側代表だった松井やより氏 等々の後継に当たる方で、非常に強いご主張を持たれた方であることは 間違いないという客観的な評価がある」と述べ、林弁護士が委員や委員 長になった経緯について尋ねた。これについて、岸田文雄外務大臣は、 「2008年から林陽子氏が女子差別撤廃委員に選出され、2015年 から委員長を務めている。委員長は23名すべての委員によるコンセン サスで選出される」と事実関係のみ答えた。

20160310[vol:344]
【GO】再婚禁止期間を100日に短縮する民法改正を閣議決定 3月8日

 政府は3月8日、女性の再婚禁止期間を現在の6か月から100日に 短縮した上で、「離婚時に妊娠していない場合は100日を経過してい なくても再婚できる」と明記する民法改正案を閣議決定しました。
 これは、最高裁大法廷が昨年12月に、再婚禁止期間のうち100日 を超える部分を「法の下の平等や婚姻の自由を保障した憲法に違反する」 と判断したことから、改正の検討が行われていたものです。
 改正案には、離婚時に妊娠していないことが医師によって証明された 場合には、禁止期間の適用を除外する規定が盛り込まれました。政府は 今国会での成立を目指しています。
 なお、法務省は判決日の12月16日から、運用で離婚後100日を 超えた婚姻届を受理しており、新たに受理が認められたのは12月31 日までの半月で80件、1月は122件に上ったことを明らかにしてい ます。

20160119[vol:342]
【国連】女性差別撤廃条約実施状況 第7・8回報告審査 2月16日

 国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)の第63会期(2月15日〜 3月4日)がスイス・ジュネーブで開催されますが、日本政府報告審査 は2月16日に決定しました。
 日本政府報告は過去4回審査され、前回の2009年7月の第6回報 告審査から6年半ぶりとなります。
 なお、mネットは、日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JN NC)の加盟団体としてNGOレポートを提出していますが、15日の ランチタイム・ブリーフィングでも民法改正について発言する予定です。

20151130[vol:341]
【国際】男女格差指数 日本は145か国中101位 11月19日

 世界各国の政財界の指導者が集まる「ダボス会議」を主催する世界経 済フォーラム(本部・ジュネーブ)は11月19日、2015年版「世 界男女格差報告書」を公表しました。
 日本の男女格差指数は145か国中101位で、昨年の104位から 順位を上げました。
 男女格差が最も少なかったアイスランドは、2009年から7年連続 で首位を占めています。2位ノルウェー、3位フィンランド、4位スウ ェーデンと北欧が占め、イエメンがランキングの公表を始めた2006 年から不動の最下位となっています。
 OECD(経済協力開発機構)加盟の34か国でみると、20位以内 に14か国が占める一方、日本は、130位のトルコ、115位の韓国 に次いで下から3番目です。先進7か国では最下位となっています。
 男女格差指数は、経済、教育、健康、政治の4分野を総合した評価で、 日本は健康分野が42位ですが、男女賃金格差が大きいことや女性管理 職の少なさから経済分野が106位、女性の政治参加が極端に低い政治 分野は104位で、総合指数を下げています。
 2006年から10年間で「職場」の男女格差は3%、4分野全体で の格差も4%しか縮まっておらず、世界経済フォーラムは、このままで は「格差が完全に解消するには118年かかる」と指摘しています。
 詳細は世界経済フォーラムのウェブサイトをご覧ください。
 http://www3.weforum.org/docs/GGGR2015/cover.pdf

20151110[vol:340]
【裁判】再婚禁止期間訴訟、別姓訴訟 最高裁大法廷で弁論 11月4日 

 再婚禁止期間と夫婦同姓を定めた民法の規定が、それぞれ憲法に違反 するかどうかが争われた二つの訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸 郎長官)は11月4日、原告と国から意見を聞く弁論を開きました。

 4日午前、再婚禁止期間訴訟の弁論が開かれ、原告側代理人の作花知 志弁護士が「女性の人権である婚姻の権利を必要以上に制約している」 「離婚後再婚した女性が生んだ子については、後婚の夫の子と推定する ことにより父性の推定の重複を回避し、父子関係をめぐる紛争の発生を 未然に防ぐことは実現できる」などと主張しました。また、96年に法 制審議会から法改正が答申されていること、国連から繰り返し見直しを 勧告されていること、海外でも女性の再婚禁止期間の廃止が進んだこと 等を挙げ、「国会が法改正を怠ってきた」と訴えました。これに対し国 は、「憲法上の権利を侵害しているとは言えず、法改正しなかったこと は違法ではない」と反論しました。

 4日日午後の夫婦別姓訴訟では、原告の小國香織さんが意見を述べ、 6人の代理人が弁論を行いました。
 小國さんは、「長く慣れ親しんだ自分の名字を失い、結婚後の名字で 呼ばれると、自分はここにいて相手は自分の名前を呼んでくれているは ずなのに、他の人を呼んでいるという感覚にかられる」「戸籍名は家族 の絆のために大事しまっておく秘密の宝物ではないはず。給与や報酬を 受けたり、銀行口座を開いたり、保険証を持って医療にかかったり、年 金を受けたりなど、経済活動や社会保障にこそ不可欠なもの。むしろ、 家族とは離れた個人の部分で重要な役割を果たしている」と述べ、法改 正を求めました。

 代理人の弁論では、はじめに、打越さく良弁護士が「民法750条は 違憲であり、女性差別撤廃条約に違反する。最高裁判所がそう判断する ことを、上告人らだけではなく、たくさんの人たちが、かたずをのんで 待っている」と述べたうえで、望まない改姓を余儀なくされた当事者の 悲しみや苦しみについて述べました。

 憲法13条を担当した寺原真希子弁護士は、「裁判官の皆さんには、 自分以外の誰かが氏を変更するのではなく、自身が変更することを、現 実のものとして想像してみて欲しい。もう少し議論が熟す期間が必要で はないかと考える方もいるかもしれないが、人権侵害を排除するのに、 議論が熟すのを待つ必要はない」と主張しました。

 憲法24条・13条を担当した竹下博將弁護士は、「控訴審判決は、 立法目的として『家族の一体感の確保』も挙げたが、国民の多数は『家 族の一体感』とは、夫婦同氏の強制によって確保されるものではなく、 日々の夫婦の努力・愛情により築き上げていくものであることを十分認 識している」と主張しました。

 憲法14条を担当した折井純弁護士は、「結婚によって妻が夫の家に 入るという家意識が根強い日本社会では、婚姻に際しては妻が氏を変え るものという社会的な意識が厳然と存在している。司法が間接差別を憲 法14条に違背するものとして禁じない限り、この性差別は永久に解消 されず、憲法の意図した両性の真の平等は実現しない」と、司法に差別 撤廃の決断を行うよう求めました。

 条約担当の大谷美紀子弁護士は、「民法750条は、女性差別撤廃条 約が定める差別的法規にあたり、日本は、立法機関である国会により、 改廃のための立法措置を取る義務がある。批准した条約から生じた義務 の履行を拒否し続けることは、条約違反であるだけでなく、条約遵守義 務を定めた憲法98条2項にも違反する」と、政府の条約違反を厳しく 指摘しました。

 最後に榊原富士子弁護士が、「国は、本年8月に成立した女性活躍推 進法の具体的施策対象から、選択的夫婦別氏制の実現を敢えて外した。 また、6月9日、与党の女性活躍推進本部は、婚姻適齢を平等化する提 言をまとめたが、あえて選択的夫婦別氏のみ除外している。法改正を拒 絶する国の意思は明確かつ強固であり、国家賠償法上、他に例を見ない 違法性の高度な立法不作為であり、その違法性は極限にまで達している。 立法府に全く期待できない状況であることから、上告人らは人権の最後 の砦としての裁判所に救済を求めた。最高裁判所が、民法750条の違 憲性、国会の立法不作為の違法性を明確に宣言されることを心から期待 する」と訴え、弁論を締めくくりました。

 一方国側は、「民法750条は夫または妻のどちらかの氏を夫婦の協 議に委ねており、法の下の平等を保障する憲法には違反しない」などと 反論しました。

20150929[vol:338]
【国会1】民主党 女性のための政治スクール・キックオフセミナー開催 9月28日

 民主党は参議院会館講堂で9月28日、女性のための政治スクール・ キックオフセミナー「立とう!女性たち!」を開催しました。
 主催者あいさつで岡田克也代表は、安保法制に多くの若者や女性が反 対したことを「日本の新しい民主主義の始まり。民主党を立て直すのは 女性と地方。民主党が根本的に変わることで日本の政治を変えていく。 次の地方選挙で女性割合が30%を超えるのは大きなハードルではない」 と述べ、多くの女性を擁立する考えを明らかにしました。
 「女性たちにエールを送る」として基調講演を行った浜矩子同志社大 学大学院教授は、「日本の男性は脆弱だが、女性たちは環境適応力が高 く、グローバルな時代に最も適している。女性たちが差別されるのは強 いからだ。人間は自分より弱い者に脅威を感じない」と話し、会場を沸 かせました。また、大沢真理東京大学教授は、「留学するのは女性が多 く、彼女たちは帰ってこない。日本では報われないと思うからだ。若い 女性の定着率が高い地域は、一人あたりの住民所得が高く、政治家や役 所の女性管理職割合が高く、男女賃金格差が小さく、女性の専門職が多 い地域だ」と話しました。
 野幸男幹事長は「多様な民意を政治に反映するために女性議員を増や したほうがいいというのはわが党では自然なことで、かなり本気だ。そ のための条件整備が必要」との認識を示しました。

20150913[vol:337]
【GO1】2014年人口動態統計 夫の氏96.1%  9月3日

 厚生労働省は9月3日、2014年人口動態統計(確定数)の概況を 公表しました。
 出生数は100万3549人(前年比2万6277人減)、死亡数は 127万3004人(同4568人増)で、自然増減数は8年連続で減 少しました。合計特殊出生率は1.42%(同0.01ポイント減)で した。
 出生総数のうち、嫡出子は98万688人(前年比2万6338人減)、 嫡出でない子(婚外子)は2万2851人(同61人増)で、婚外子の 割合は2.3%で、前年より微増しています。
 婚姻件数は64万3749件(同1万6864件減)で、離婚件数は 22万2107件(同9276件減)でした。
   夫、妻とも初婚は47万3772件(73.6%)、夫、妻とも又は どちらか一方が再婚は16万9977件(26.4%)です。再婚カッ プルの割合は2005年以降4件に1件を超え、増え続けています。ま た、夫妻とも日本国籍は50万6883件で、夫、妻のどちらか一方が 外国籍は13万6866件でした。
 婚姻後の氏では、61万8865件(96.1%)が夫の氏を選択し、 妻の氏を選択したのは2万4884件(3.9%)でした。
詳細は厚労省のウェブサイトをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei14/index.html

20150816[vol:336]
【国会】公明党 法務部会と女性委員会が選択的夫婦別姓をテーマに合同会議を開催 8月6日

 公明党は8月6日、選択的夫婦別姓をテーマに法務部会(部会長・遠 山清彦衆議院議員)と女性委員会(委員長・古屋範子衆議院議員)の合 同会議を開き、mネットや別姓訴訟の原告、弁護団からヒアリングを行 い、意見交換しました。
 mネットの坂本が選択的夫婦別姓に関する議論のポイントや経緯につ いて、別姓訴訟の榊原富士子弁護団長が訴えの概要や訴訟の経過につい て説明しました。原告の塚本恊子さんと小国香織さんは訴訟に至るまで の経緯や思いを語りました。
 遠山部会長は、「民法改正すべきである」とする党の立場を表明した うえで、司法判断に備え、mネットや弁護団とも連携していく考えを示 しました。

20150721[vol:335]
【国会1】参議院法務委員会で小川議員と仁比議員が夫婦別姓について質問 7月9日

 参議院法務委員会で7月9日、民主党の小川敏夫議員と共産党の仁比 聡平議員が選択的夫婦別姓について質問しました。
 小川議員は、「最高裁で夫婦別姓を認めなくてはいけないと判断され た場合に、判断が出た直後から夫婦別姓の婚姻届は受理しなくてはいけ ないという事務上の義務が出てくると思う。そうした準備はできている のか」と尋ねました。これについて上川陽子法務大臣は、「仮定での質 問であり、結果を待ってしっかりと対応してまいりたい」と述べ、明確 な回答を避けました。このため、小川議員は、「ということは何も準備 をしないということか。判決が出てから準備するのでは遅いんじゃない か」と批判しました。
 仁比議員は、野党が提出した民法改正案の審議入りを求めたうえで、 「第3次男女共同参画基本計画では、国際人権機関からの最終見解など も踏まえ引き続き検討を進める、つまり推進するんだという趣旨の規定 がされている。この第3次基本計画が今年度末に期限を迎える。第4次 の基本計画にはどう書くのか」と質問しました。これについて、久保田 治内閣府大臣官房審議官は、「現時点で家族に関する法制についての記 載は決まっていない」と答弁しました。久保田審議官が、「計画策定専 門調査会で最高裁に係属中であることを踏まえた記載をしていくことが 話し合われている」と言及すると、仁比議員は、「最高裁を注視してい たら12月には閣議決定できないが、そんなことで男女共同参画の事業 が責任を持って行えるのか」と厳しく指摘しました。さらに、仁比議員 は、来年2月に行われる女性差別撤廃委員会の審査への対応、通称使用 の問題点などについても取り上げ、質問時間の全てを選択的夫婦別姓に 費やしました。

20150612[vol:334]
【国会1】野党が民法改正案を提出 6月12日

 参議院の民主・共産・社民と無所属の議員が6月12日、民法改正案 を発議(提出)しました。
 改正の主な内容は、選択的夫婦別姓制度の導入、再婚禁止期間を100 日に短縮、婚姻最低年齢を男女とも18歳とするなどです。
 選択的夫婦別姓制度導入の民法改正案が提出されるのは、2009年 の通常国会以来6年ぶりとなります。

 提出後の記者会見では、筆頭発議者である民主党の小川敏夫議員が、 「最高裁で大法廷に回付され、判断が出るということもあるが、やはり 国会で主体的にこの問題については立法解決すべきでないかということ で一致した」と、提出の経緯を説明しました。

◆出席議員の主な発言は次のとおりです。

 仁比聡平議員(共産党)
 1996年の法制審答申以来19年。この立法の不作為が正面から問 われておかしくない時期だ。そうしたもとで大法廷に回付された。とり わけ女性運動の皆さんの期待も高いので、必ずその声にこたえ、審議入 りを果たすために頑張りたい。

 福島みずほ議員(社民党)
 今回提出に加わっていない維新や生活や他の党の中にも賛成の方がい らっしゃる。公明党はこの法案に党として賛成だ。今、事態は大きく変 わった。最高裁で違憲判断が出る可能性がある。最高裁が判断をする前 に国会が立法者としてその責任を果たすべきだ。

 糸数慶子議員(無所属)
 来年2月に国連女性差別撤廃委員会が日本の審査を行うことを考える と、今国会で法改正しなければならない。2003年から繰り返し勧告 を受けている不名誉な状況を変えていけるように頑張っていきたい。

 薬師寺みちよ議員(無所属)
 何度も何度も、国会内では当事者を含めた集会も開かれ、法制化が求 められてきた。久しぶりに法案が出されたことを一歩として、選択的夫 婦別姓実現のために党派の違いを超えて、みなさんと一緒に頑張ってい きたい。

20150530[vol:333]
【国会1】衆議院本会議で山尾議員が選択的夫婦別姓について質問 5月22日

 衆議院本会議で5月22日、女性の職業生活における活躍の推進に関 する法律案の趣旨説明と質疑が行われ、民主党の山尾志桜里議員が同法 案の問題と選択的夫婦別姓について言及しました。
 山尾議員は、同法案が「賃金格差、非正規雇用、仕事と子育てとの両 立の困難」という女性活躍を阻む高い壁を後回しにしていることを厳し く指摘しました。さらに、女性が職場で活躍するための壁となっている 選択的夫婦別姓について、「日本の家族の絆は、家族間で姓が違うこと のみによって揺らぐようなもろいものではない。家族の絆を守る方法は、 国家が選択するのではなく、当事者たる一つ一つの家族が選択するべき もの」「裁判所に言われてから動くのではなく、政治家の責任として、 選択的夫婦別姓を認める法改正に動くとき」と述べ、有村治子男女共同 参画担当大臣と上川陽子法務大臣に見解を求めました。これについて有 村大臣は、「夫婦別姓制度は、婚姻制度や家族のあり方と関連してさま ざまな議論があり、現在も検討中であると承知している。この問題は、 国民に広く関わる議題であり、国民意識の動向等を見ていくべきものと 考えている」と答弁しました。上川大臣も有村大臣と同様、世論に委ね る慎重な姿勢を改めて示しました。 

20150501[vol:332]
【GO1】国家公務員の女性割合、総合職も3割超 4月28日

 内閣人事局は4月28日、今年4月1日付で採用された女性国家公務 員の採用状況を公表しました。
 今年度の国家公務員の採用者6412人のうち女性は2017人で、 女性割合が31.5%となり、16年ぶりに3割を超えました。
 政策の企画・立案を担う「総合職」では、採用者662人のうち女性 は227人で、女性割合が34.3%となり、初めて3割を超えました。
 府省等別でみると、女性割合が高かったのは、特定個人情報委員会 (66.7%)、内閣官房(60.0%)、会計検査院(50.0%)、消費者 庁(50.0%)で、3割に満たなかったのは、防衛省(21.7%)、 国土交通省(26.6%)、警察庁(26.3%)でした。
 有村治子女性活躍担当大臣は閣議後の会見で、「30%以上という安 倍政権の目標をクリアした形となる。男女を問わず職員がワーク・ライ フ・バランスを実現できるような働き方改革について積極的に取り組み たい」と話しました。
 詳しくは内閣官房のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/w5_h270428.pdf 

20150403[vol:331]
【選択的夫婦別姓実現キャンペーンいよいよ憲法判断へ!!民法改正の早期実現を求める院内集会を開催】


20150328[vol:330]
【GO】男女間の暴力とストーカー被害者支援の実態調査結果を公表 3月27日

 内閣府男女共同参画局は3月27日、「男女間における暴力に関する 調査報告書」および「ストーカー行為等の被害者支援実態等の調査研究 事業」報告書を公表しました。
「男女間における暴力に関する調査」は、男女共同参画局が3年に1度、 男女間における暴力に関する実態把握のため実施しているもので、全国 の20歳以上の男女5000人を対象とし、3544人(70.9%) から回答を得ました。
 報告書によると、女性の4人に1人は配偶者から被害を受けたことが あり、10人に1人は何度も受けていました。被害を受けた女性の4割 はどこにも相談せず、9人に1人は「命の危険を感じた経験がある」と 答えました。被害を受けた女性の6割が別れたいと思っており、そのう ち1割が別れています。被害を受けたことのある家庭の27.3%は子 どもへの被害もみられました。
 女性の5人に1人は交際相手から被害を受けたことがあり、そのうち 25.4%は「命の危険を感じたことがある」と回答しました。被害経 験のある女性の57.8%は相手と別れ、28.9%は別れたいと思っ たが別れなかったと答えました。女性の15人に1人は異性から無理や り性交された経験を持ち、加害者は(元)配偶者や(元)交際相手、親 族や知人など、4人に3人が加害者と面識がありました。
 詳細は、男女共同参画局のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.gender.go.jp/e-vaw/chousa/h11_top.html

 一方、「ストーカー行為等の被害者支援実態等の調査研究事業」報告 書は、47都道府県と東京23区含む1741市町村の総数1788か 所を対象アンケートしたものです。
 配偶者暴力相談支援センターを「設置している」自治体は7.2%で、 「設置していない」自治体は91.2%となっています。
 また、ストーカー被害の防止や被害者支援の根拠を条例等(迷惑防止 条例等)に「規定している」自治体は、都道府県では66.0%ですが、 市では5.6%、町村では4.5%と、1割にも達していませんでした。  詳細は男女共同参画局のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.gender.go.jp/e-vaw/chousa/images/pdf/h26_stalker_report.pdf

20150314[vol:329]
【GO1】総務省 特別養子縁組前の監護中も育休適用するよう厚労省にあっせん 3月10日

 総務省は3月10日、「特別養子縁組制度により監護中の子の養育は、 実態として法律上の子を養育することと何ら変わらないとみられる以上、 法律上の子と同じに取扱うべきである」として、原則6歳未満の子を養 子とする特別養子縁組が決定する前の養育期間中においても、養親に育 児・介護休業法に基づく育児休業の取得を認めるよう厚生労働省に改善 を求めました。
 同省は「事実上の親子関係にある子の取り扱いも含め、検討する」と しています。

20150223[vol:328]
【裁判】最高裁 夫婦別姓、再婚禁止期間訴訟の大法廷回付 2月18日

 夫婦同姓を定めた民法が、憲法や女性差別撤廃条約に違反するとして、 男女5人が国を相手に慰謝料を求めた初の国家賠償請求訴訟の上告審で、 最高裁判所第三小法廷(大谷剛彦裁判長)は2月18日、審理を15人 の裁判官全員で構成する大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)に回付しまし た。
 また、女性のみに再婚禁止期間を規定する民法が憲法に違反するとし て、岡山県の女性が国に損害賠償を求めた訴訟についても、最高裁判所 第三小法廷(大橋正春裁判長)は、審理を大法廷に回付しました。

20150218[mネット通信号外号]
【裁判】夫婦別姓訴訟、最高裁が大法廷に回付 2月18日 

 夫婦同姓を定めた民法が憲法や女性差別撤廃条約に違反するとして国 を相手に慰謝料を求めた初の国家賠償請求訴訟で、最高裁第3小法廷は 2月18日、審理を15人の裁判官全員で構成する大法廷に回付しまし た。  (詳細は追ってお知らせします)

20150130[vol:327]
【GO1】法務省、相続法制検討WT報告書案の概要を公表 1月29日

 法務省の有識者検討会「相続法制検討ワーキングチーム」が1月29 日、相続法制見直しの論点をまとめた報告書案の概要を公表しました。
 報告書案では、遺産分割時の配偶者の居住権保護、配偶者の貢献に応 じた遺産分割の実現、寄与分制度や遺留分制度の見直しについて、問題 点と考えられる対応策、課題がまとめられています。
 法務省は報告書案をさらに検討したうえで、2月に開かれる法制審議 会で上川陽子法務大臣が諮問することにしています。
このWTは、2013年9月、最高裁が婚外子相続分規定を違憲判断 したことから、自民党が民法改正を了承するにあたり、法務省のWTで (法律婚の配偶者を優遇する)相続制度見直しの検討を行うことを条件 にしたことを受け、設置されていたものです。

20141228[vol:326]
【GO1】「女性が輝く社会」の実現を盛り込んだ基本方針を閣議決定 12月24日

 政府は12月24日、復興の加速化、経済の再生、「女性が輝く社会」 の実現など7項目を掲げた基本方針を閣議決定しました。
 「女性が輝く社会」の実現では、「すべての女性が、生き方に自信と 誇りを持ち、輝くことができる社会を創り上げる。そのため、社会のあ らゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30% 以上にするとの目標の確実な実現に全力を挙げる。また、家事や育児に 専念してきた女性が、その経験も活かしながら活躍できる環境を整える」 としています。

20141201[vol:325]
【選挙】選択的夫婦別姓などに関する政党アンケートを実施 12月1日

 第47回衆議院議員総選挙が12月14日に行われるのに伴い、mネ ットは民法改正に関する政党アンケートを行いました。
 アンケートには自民党、民主党、維新の党、公明党、共産党、次世代 の党、社民党が回答しましたが、生活の党は12月1日現在で回答して いません。
 今回の選挙の公約に選択的夫婦別姓を掲げているかどうかについては、 共産と社民が「賛成として掲げている」と回答し、維新が「反対として 掲げている」とし、自民、民主、次世代は「掲げていない」と回答しま した。
 一方、民法改正や男女共同参画等についての各党の記述回答では、民 主が「ハラスメント撲滅、男女間の待遇格差の是正、女性管理職比率の 目標設定と公表」とし、労働分野をのみ掲げ、他の男女共同参画には言 及しませんでした。
 選択的夫婦別姓に反対の公約を掲げた維新は、「民法の改正が必要か 否かは今後の議論とするも、女性の社会進出や活躍は必要であり、大切 である」と回答しました。反対の公約を掲げなかった次世代は「子育て 主婦軽視につながる男女共同参画施策をやめる」などと、性別役割分業 を肯定しました。
 公明は公約には掲げていないとしたものの、今後の課題として、選択 的夫婦別姓制度導入や男女の婚姻適齢の18歳統一、女性の再婚禁止期 間の見直しなどに取り組むとしたほか、女性の活躍促進や男女賃金格差 の是正、子育て・介護と仕事の両立支援等多岐にわたる政策を挙げてい ます。
 共産、社民は、選択夫婦別姓のほか、婚姻年齢の統一や再婚禁止期間 見直しの民法改正と男女平等施策を掲げたうえで、差別解消が進まない 政府の取り組みについて問題点を厳しく批判しています。
 アンケート結果はmネットのウェブサイトで公開しています。
 また、選択夫婦別姓実現キャンペーンの一環として、今夏に行った議 員アンケートも合わせて公表します。

20141117[vol:324]
【mネット】選択的夫婦別姓実現キャンペーン キックオフ!院内集会を開催 11月11日


20141105[vol:323]
第32回「市川房枝女性の政治参画基金」の助成対象にmネットが決定   11月1日(速報)

 公益財団法人市川房枝記念会女性と政治センターが、女性の政治参画 の推進につながる団体や個人の活動や調査研究等へ助成を行う「市川房 枝女性の政治参画基金」の今年の助成対象に、11月1日、mネットが 決定しました。贈呈式は11月15日に行われます。

20141023[vol:322]
【国会1】参議院外交防衛委員会で糸数議員が慰安婦問題と女性差別撤廃条約について質問 10月16日

 参議院外交防衛委員会で10月16日、無所属の糸数慶子議員が「慰 安婦」問題と女性差別撤廃条約について質問しました。
 糸数議員は、元「慰安婦」とされた方に償い金を支給したアジア女性 基金への拠金呼び掛け文をウェブサイトから削除したとことについて、 「強制性を示す文書をウェブサイトから削除しても、強制した歴史の事 実は消すことができない」と、外務省の対応を厳しく批判しました。ま た、糸数議員は、安倍総理が選択的夫婦別姓制度について消極的は答弁 をしたことを批判し、「国連人権委員会からたびたび勧告されているの は、家族の在り方の問題として処理される問題ではなく、女性差別や人 権の問題だからなのではないか」と、質問しました。これについて岸田 文雄外務大臣は、「さまざまな意見があるからこそ国民的議論が必要だ と考えている。女性が活躍できる社会や環境を作るべく、さまざまな分 野で努力していかなければならない。人権条約の締約国として、国際社 会において人権の保護、促進に積極的に取り組んでいきたい」と答弁し ました。

20141006[vol:321]
【GO】「すべての女性が輝く社会づくり本部」第1回会合 10月10日

 政府は10月10日、首相官邸で「すべての女性が輝く社会づくり本 部」第1回会合を開催しました。
 本部長である安倍晋三首相は「女性が輝く社会をつくる。政権発足以 来、安倍内閣が最重要課題の一つとしてきた政策。指導的立場で活躍さ れる女性を増やしていくことは大変重要。同時に、子育ての不安の解消、 母子家庭の生活の安定、非正規の方を含めた働く女性の処遇改善など、 すべての女性の活躍推進のため、施策の充実と推進に取り組んでいただ きたい」と、決意を述べました。

20141006[vol:320]
【国会1】安倍首相の所信表明演説 9月29日

 衆議院本会議で9月29日、安倍晋三首相が所信表明演説を行いまし た。
 安倍首相は、女性が輝く社会について、米国のヒラリー・クリントン 前国務長官から「前進あるのみ」と力強いエールを送られたことを披露 し、待機児童ゼロの確実な前進、放課後こども総合プランのさらなる加 速、保育サービスに携わる「子育て支援員」を新設することに言及しま した。また、「真に改革すべきは社会の意識そのもの」と述べ、具体策 として上場企業の女性役員数の情報公開を義務付けることのみ挙げまし た。「女性の活躍は、社会の閉塞感を打ち破る大きな原動力となる」と 力説しましたが、根本的な問題である性別役割分業意識の解消に向けた 具体的取り組みについては言及がありませんでした。 

20140914[vol:319]
【国際】OECD調査 日本の高学歴女性の3割は非就労 9月9日

 OECD(経済協力開発機構)は9月9日、2012年現在の加盟国 などの教育に関する調査と、カントリーノート「図で見る教育2014 年版」を公表しました。
 日本の高等教育終了の成人割合は47%で、加盟国中では2番目に高 い位置を占めました。高等教育終了の女性割合は男性より高いにもかか わらず、女性の32%は就業していませんでした。また、初調査となっ た大学卒業以上については、男性の92%が就業しているのに対し、女 性は69%と低く、OECD平均の80%を大きく下回りました。さら に、高等教育を修了した女性の平均給与は同等男性のわずか48%で、 データの存在するすべての国の中で最低の数値でした。
 日本の教育機関への公的支出は増加しているものの、GDP(国内総 生産)に占める割合は34か国中最下位となりました。
 OECDは2008年にも、日本女性が高学歴にもかかわらず、3割 を超える成人女性が就労していないことについて「貴重な人材を著しく 無駄にしている」と批判していました。また、2012年4月にはグリ ア事務総長が、「日本は男女間の収入格差に危機感を持て」「女性を社 会に参画させなければ、日本は急速に衰退していくだろう」などと厳し く警鐘を鳴らしていましたが、有効な手立ては講じられていません。
 OECDのアンドレア・シュライヒャー教育局長は、「能力の高い女 性が就労するためには、3歳未満の保育を拡大することが必要」と指摘 していますが、女性が非正規の低賃金雇用を強いられ、育児支援も不足 し、若年層の母親が常用雇用に就く財政上のインセンティブも不足した ままでは改善は期待できません。
 詳しくはOECDのウェブサイトをご覧ください。
   http://www.oecd.org/edu/Education-at-a-Glance-2014.pdf 

20140826[vol:318]
【GO1】ひとり親家庭等の在宅就業支援事業評価報告を公表 8月20日

 厚生労働省は8月20日、「ひとり親家庭等の在宅就業支援事業評価 検討会」報告書を公表しました。
 これは、ひとり親家庭の在宅就業の業務開拓、参加者の能力開発、普 及促進を図ることなどを目的に2009年度から2013年度まで行わ れていた在宅就業支援事業について、検証と評価を行ったもので、21 自治体が行った人材派遣やIT関連などの24事業に、母子、父子家庭 や障害者、寡婦など2801人が参加しました。
 報告書は、在宅就業はひとり親にとって有効な働き方の一つとして、 自治体や事業者の数値目標の設定や在宅就業者の能力開発、発注事業へ のインセンティブ付与など、他の様々な支援を組み合わせ実施すること が必要であるとしています。
 詳しくは厚生労働省のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/zaitaku/

20140801[vol:317]
【GO1】法務省 嫡出推定規定と無戸籍児を戸籍に記載するための手続き方法をウェブサイトで公表 7月31日

 民法772条の嫡出推定規定により、無戸籍となってしまい不利益を 受ける子どもが少なくないことから、法務省は7月31日、規定の解説 や無戸籍児を戸籍に記載するための手続きや裁判方法などをウェブサイ トで公表しました。
 ただし、裁判手続きが困難なケースや、深刻な無戸籍児の救済につな がるかは疑問です。
 詳しくは、法務省のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji175.html

20140719[vol:316]
【GO】離婚時の面会交流と養育費取り決め状況調査結果とりまとめ

 法務省は、未成年の子がいる夫婦の協議離婚時の養育費と面会交流の 取り決め状況調査(2013年度)を取りまとめました。
 昨年、未成年の子がいる夫婦の協議離婚届出件数127,560件 (離婚届総件数239,042件)のうち、面会交流欄にチェックをし たのは104,661件(82.0%)、養育費の分担欄にチェックを したのは104,233件(81.7%)で、いずれも8割台に達しま した。
 面会交流について「取決めをしている」としたのは77,869件、 「取決めをしていない」は26,792件で、未成年の子がいる夫婦の 61.0%(前年度55.4%)が「取決めをしている」と答えました。  養育費の分担について「取決めをしている」としたのは77,304 件、「取決めをしていない」は26,929件で、未成年の子がいる夫 婦の60.6%(前年度55.6%)が「取決めをしている」と答えま した。
 これは、2012年4月に離婚届の用紙に養育費と面会交流の取り決 め状況のチェック欄を設ける様式変更を行ったことに伴い法務省が取り まとめたものですが、2013年度調査結果により、初めて前年度調査 との比較が可能となりました。チェック状況、取り決め状況ともに増加 し、離婚届の用紙の様式変更が面会交流や養育費の取り決めの改善に大 きく貢献したことがわかりました。

20140628[vol:315]
【学会1】学術会議が民法改正の提言 6月23日

 日本学術会議(大西隆会長)は6月23日、「男女共同参画社会の形 成に向けた民法改正」の提言をウェブサイトで公表しました。
 これは、性別や世代をめぐる社会環境の変化に法制度が対応していな いためにさまざまなひずみが生じていること、国際機関から男女格差が 厳しく指摘されているにもかかわらず、政府や国会の動きが見られない ことなどから、男女共同参画社会の形成のためには選択的夫婦別姓など の民法改正が緊急に行われるべきであるとして、学術会議の法学委員会 ジェンダー法分科会、社会学委員会複合領域ジェンダー分科会、社会学 委員会ジェンダー研究分科会、史学委員会歴史学とジェンダーに関する 4分科会が合同で審議し取りまとめたものです。
 提言は、法制審議会から答申された主な内容で、婚外子相続差別撤廃 以外の婚姻適齢の男女平等化、再婚禁止期間の短縮ないし廃止、選択的 夫婦別氏制度の導入です。
 提言は学術会議のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-t193-5.pdf

20140615[vol:314]
【GO1】女性の活躍状況の「見える化」報告書を公開 6月12日

 内閣府男女共同参画局は6月12日、2013年度事業:資本市場に おける女性の活躍状況の「見える化」促進に関する調査報告書をウェブ サイトで公開しました。
 これは、各証券取引所が昨年4月、全上場企業に対し、女性の活躍状 況の積極的な開示を要請し、政府からも企業に働きかけて行われたもの です。
 報告書によると、2013年12月末時点の上場企業3196社のう ち、「女性の活躍状況」について記載があったのは556社(17.4 %)で、取締役に女性がいる企業は134社(4.2%)でした。
 また、「女性の活躍状況」記載企業の約3分の2が役員の男女別構成 を記載し、4割が両立支援やワーク・ライフ・バランス促進の具体的取り組みを記載していました。女性役員や従業員の割合が多いほど記載も 多いことがわかりました。
 詳しくは男女共同参画局のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.gender.go.jp/policy/mieruka/company/25mierukachosa.html

20140525[vol:313]
【国会1】野党、戸籍法改正案を提出 5月21日

 参議院の民主、みんな、共産、社民、改革と無所属の議員が5月 21日、出生届書の記載事項から「嫡出子又は嫡出でない子の別」を削 除する戸籍法の一部を改正する法律案を発議(提出)しました。
 法案提出後の記者会見で民主党の前川清成議員は、「昨年の臨時国会 で民法上は嫡出子と非嫡出子(婚外子)の法定相続分差別が撤廃された が、出生届ではまだ区別が残っている。委員会に付託し審議をさせてほ しい」と発言しました。無所属の糸数慶子議員は、「出生届による差別 の撤廃については、1993年以降、国連の主要な人権委員会からたび たび勧告を受けている。今年は、戸籍法改正を勧告した女性差別撤廃委 員会に政府報告書を提出する年だが、戸籍法を改正し、差別撤廃の報告 ができるよう力を尽くしたい」と、法改正への意欲を示しました。
 戸籍法については 婚外子相続分規定の民法とともに改正を検討して いた政府が、自民党の了承を得られず改正を見送ったことから、参議院 の野党が昨年11月21日、議員立法案を提出しました。12月3日の 法務委員会では賛成多数で可決されましたが、12月5日の本会議では 117対118の一票差で否決されたため、今回、再度提出に至りまし た。

20140501[vol:312]
【国会1】参議院法務委員会で糸数議員が個人通報や嫡出推定について質問 4月24日

 参議院法務委員会で4月24日、無所属の糸数慶子議員が谷垣禎一法 務大臣の個人通報制度についての事実誤認を指摘しました。
 糸数議員は、4月10日の法務委員会で谷垣禎一法務大臣が「個人通 報制度は司法権の独立の関係で難しい」と答弁したことについて、「女 性差別撤廃条約選択議定書(個人通報制度)は、4月21日現在で104 か国が加盟している。加盟しないことで差別撤廃に対して後ろ向きな姿 勢を示してしまうデメリットが大きい。加盟国は司法権が独立しており、 日本の主張が国際社会に通用するものではない」と厳しく指摘しました。
 また、糸数議員は、最高裁が昨年12月、性別変更後の男性を戸籍上 の父と認める初の決定を行ったことに言及し、「性別変更後の法律婚を 認めておきながら、生殖補助技術やDNA鑑定などの医療技術の進歩を 想定していない時代にできた嫡出推定規定を見直すことなく、形式的審 査を理由に、一方に甘く、また他方に厳格にする法務省の対応が厳しく 指摘されたのだと思う」と、父子推定ではなく嫡出を推定する規定の見 直しに消極的な法務省を批判しました。
 さらに、安倍晋三首相が森まさこ少子化担当大臣に、「人口減少に歯 止めを掛けるための目標の在り方を含め対策の具体化を進めてほしい」 と指示したことを受け、森大臣が、合計特殊出生率に関して数値目標を 設定するかどうかを検討する会議を設置する考えを示したことについて 懸念を表明し、「安倍首相は女性の活躍促進や少子化対策に熱心だが、 女性のニーズに応えていない」と批判しました。

20140421[vol:311]
【国会1】参議院法務委員会で糸数議員が夫婦別姓訴訟判決を批判 4月10日

 参議院法務委員会で4月10日、無所属の糸数慶子議員が夫婦別姓訴 訟判決と個人通報制度をとりあげました。
 糸数議員は、3月28日に東京高裁が夫婦別姓訴訟を合憲と判断した ことについて、「判決では、政府の世論調査を理由に法改正の必要性を 否定的に述べているが、法改正されないために苦しんでいる当事者から は、選択制なのに大多数が賛成するまで法律婚を認めないというのは納 得できないと失望の声が上がっている。少数者の人権を世論に委ねてい てはいつまでたっても救済されない」と、厳しく指摘しました。
 また、個人通報制度について、「4月14日には子どもの権利条約新 議定書(個人通報制度)が国際的に発効する。日本は、共同提案をしな がら未だに署名していない。他の人権条約の個人通報制度と一括で加盟 を検討しているために、ハードルが高くなっているのではないか。女子 差別撤廃条約の選択議定書については、2009年の第6回政府報告審 査を前に、自民党で選択議定書の批准に向けた提言がまとめられた。決 定には至らなかったが、谷垣大臣は当時賛成であったと伺っている」と 述べ、大臣の決意を尋ねました。これに対し谷垣禎一法務大臣は、「国 の制度とどう調和させていくかというと、相当難しいところがある」と 慎重な姿勢を示しました。

20140331[vol:310]
【裁判1】東京高裁 夫婦別姓訴訟判決 原告の請求を棄却 3月28日

 夫婦同姓を定めた民法が、憲法や女性差別撤廃条約に違反するとして、 塚本協子さんら男女5人が国を相手に計600万円の慰謝料を求めた初 の国家賠償請求訴訟の控訴審判決で、東京高等裁判所(荒井勉裁判長) は3月28日、夫婦同姓を定めた民法750条を合憲と判断、原告側の 訴えを退けた東京地裁判決を支持し、原告側控訴を棄却しました。
 判決では、「選択的夫婦別氏制度の導入を求める国民意識が相当高ま っており、諸外国を見ても夫婦同氏の法制を採用している国が極めて少 数である」と認めながら、「世論調査の結果によれば、最近の国民の意 識として選択的夫婦同氏制度の導入に賛成する者が大勢を占めるにいた っておらず、婚姻して同氏になることに積極的意義を見出す国民が相当 程度存在することも軽視できない」として「現時点で、婚姻後も姓の変 更を強制されない権利が、憲法で保障されているとは言えない」と判断 しました。
 原告側は判決を不服として上告します。

20140319[vol:309]
【国会1】参議院法務委員会でみんなの党の行田議員と無所属の糸数議員が、民法改正について質問 3月13日

 参議院法務委員会の大臣所信に対する質疑で3月13日、みんなの党 の行田邦子議員と、無所属の糸数慶子議員が民法改正について質問しま した。
 行田議員は、質問時間のすべてを民法改正に費やし、法制審議会まで の議論や国連からの勧告、諸外国の状況、夫婦別姓の世論調査について 尋ねました。特に、夫婦別姓の世論調査については「全体は僅差で反対 が賛成を上回っているが、世代によって考え方が分かれる。回答人数は 20代が242人、70歳以上が746人とあまりにも70歳以上の割 合が多すぎるのではないか。この回答数を人口分布にウエイトし直した 場合はどう変わるか」と質問しました。これに対し、武川恵子政府広報 室長は「回答結果を人口構成に補正すると、賛成35.5%が36.6 %に増加し、反対は36.4%が34.6%減少する」と、賛成が反対 を上回っていることを明らかにしました。また、諸外国の状況を聞かれ た深山卓也民事局長も「日本のように夫婦同氏を規定する国は承知して いない」と答弁しました。
 糸数議員は、「婚姻時に夫婦とも有職の割合が67.9%で、過去最 高を記録している。仕事上、名前を変えることに不都合を感じる方も多 く、特に働く女性から選択的夫婦別姓制度を求める声が高まっている。 通称使用や事実婚も多く、夫婦が違う名前を名乗ることが珍しくなくな った。大臣は家族の在り方に大きく影響するという認識だが、実際には どういった影響、不都合があるのか」と質しました。これについて谷垣 禎一法務大臣は、「いろんな不利益を回避するためには別氏制度の方が いいという御意見もあることも私は十分承知している。社会の基本単位 としての家族をどう見るのかに関連してくる。この分野はできるだけ多 くの理解を求めて進めるのがよい」と、慎重な姿勢を改めて示しました。 さらに糸数議員が、「国連の各人権委員会が勧告している。これを家族 の枠組みの話ではなく、人権問題として見てほしい」と求めたのに対し、 谷垣大臣は「必ずしも人権問題という捉え方はしていない」という認識 を示しました。

20140226[vol:308]
【国会1】衆議院沖縄北方特別委員会で前原議員が河野談話について質問 2月25日

 衆議院沖縄北方特別委員会で2月25日、民主党の前原誠司議員が河 野談話について質問しました。
 前原議員は、「先般の予算委員会で、石原信夫元官房副長官が参考人 として来られ、河野談話をまとめた時の経緯について陳述された。16 名の慰安婦の方の発言について裏付け調査をしたことはないとおっしゃ ったことを受けて、菅官房長官が内々に調査をすると言われたけれども、 そういった調査をやる必要があると思われるのか。河野談話そのものは 見直すべきと思われているのか」と、見直し論議に疑問を呈し、外務大 臣に答弁を求めました。これについて岸田文雄外務大臣は、「私自身、 河野談話の見直しについて申し上げたことは一度もない。かつて、筆舌 に尽くしがたい辛い思いをされた多くの方々がある。そういった方々に 思いを巡らすときに辛い思いを感じる、こうした歴代の内閣の考え方を 引き継いでいる。私としても、政府としても河野談話の見直しを一度も 申し上げたことはない」と答弁し、見直しの考えがないことを明確にし ました。

20140210[vol:307]
【国会1】参議院予算委員会で社民党の吉田議員が夫婦別姓について質問 2月6日

 参議院予算委員会で2月6日、社民党の吉田忠智議員が男女共同参画 と選択的夫婦別姓について質問しました。
 吉田議員は、「総理は女性の活躍促進をうたわれ、そのことは評価し ている。日本の男女平等の指数は世界で105番目、これは大変不名誉 な数字で恥ずかしい。働く女性の多くが、結婚によって名前を変え、煩 雑な手続きをしている。通称使用が認められない場面もあって、選択的 夫婦別姓が求められているという実態がある。日本の男女平等の指数を 具体的にどのように改善していくのか」と質問しました。これについて、 森まさこ男女共同参画担当大臣は、「特に、経済分野、政治分野が低い ということで、さらなる努力をしようと思っている。経済分野について は、総理も経済3団体のトップを訪問して申し入れを行った。政治部門 で隗より始めよということで、国家公務員部門の女性の活躍で、閣議で 通信簿を配り、1位から最下位までランキングをしている。すべての省 庁で数字が上がり、この1年の女性の登用、女性の採用が過去5年間で、 いちばん大きな伸びを示している」と答弁しました。吉田議員は、「選 択的夫婦別姓について、選択肢を加えることは、同姓にしたい人には何 の影響もなく、より広ニーズに応えることができると思うが、ぜひ、早 期の法律を改正していただきたい」と民法改正を求めました。これにつ いて谷垣禎一法務大臣は、「法制審議会から答申をいただいていること は事実だが、選択的夫婦別姓にするかどうかは、家族の在り方に大きく 影響するため、国民意識とあまり離れたところで物事を進めるわけには いかない。国民意識も多様なので慎重に考えるべきだと思っている」と 否定的な考えを改めて示しました。

20140117[vol:306]
【裁判】最高裁、法律上の父からの認知無効の請求認める判断 1月14日

 血縁関係がないことを知りながら子を認知した父親が、認知の無効を 請求できるかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(大谷剛彦 裁判長)は1月14日、「認知者は利害関係人に当たり、自らした認知 の無効を主張することができる」と初の判断を示し、子の上告を棄却す る判決を行いました。請求を認めた1、2審の判決が確定しました。裁 判官5人のうち3人の多数意見です。
 男性は2003年3月、フィリピン人女性と結婚し、2004年12 月には、血縁関係がないことを知りながら1996年に出生した子を認 知しました。2005年に同居したものの不仲で、2年後には別居しま した。その後、男性は離婚請求の訴えを提起し、請求を認容する判決が されていました。さらに、男性は認知無効の訴えを提起し、1審の広島 家裁、2審の広島高裁とも男性の請求を認めたため、子側が上告してい ました。
 民法785条は「認知をした父又は母は、その認知を取り消すことが できない」と規定し、民法786条では「子その他の利害関係人は、認 知に対して反対の事実を主張することができる」と規定しています。
 判決は、民法785条及び786条は血縁関係がない場合であっても 認知者による認知の無効の主張を許さないという趣旨まで含むものでは ないなどとして、認知無効の請求を認容すべきとしています。
   元民事局長の寺田逸郎裁判官は補足意見で、原則的には認めるべきで はないとの立場を示しましたが、本件で結論を支持したのは、特殊な事 情があったからとしています。認知当時フィリピン国籍の実父の存在が 認定されていることを特殊な事情としました。寺田裁判官は、多数意見 の法令解釈を厳しく批判しています。
 大橋正春裁判官は反対意見で、民法786条における認知の取り消し ができる利害関係人に父親は含まれておらず、子の地位が父親の意思に よって不安定となるのは明らかであり、認知した父親が反対の事実を主 張して認知の無効の主張をすることは許されない、と述べています。

20131219[vol:305]
【GO】厚労省 2012年版「働く女性の実情」公表 12月13日

 厚生労働省は12月13日、「2012年版働く女性の実情」を公表 しました。今年は、働く女性の実態とその特徴を明らかにするとともに、 高齢化が進む中、家族を介護する男女労働者の仕事と介護の両立につい ての現状と課題を分析しています。
 2012年の女性の労働力人口は2766万人(前年比2万人減)、 男性は3789万人(同33万人減)でした。いわゆるM字型カーブの 底の値は0.7ポイント上昇し67.7%となりました。
 雇用者総数5504万人のうち、女性は2357万人(同10万人増) 男性は3148万人(同13万人減)で、女性割合は42.8%でした。  雇用形態では、正規雇用は1041万人(同2万人増)、非正規雇用 は1247万人(同6万人増)と、前年に比べ正規雇用、非正規雇用と もに増加しました。
 所定内給与額で男性を100とした場合の女性の賃金は、正規雇用で は73.4(前年比73.3)、非正規雇用では男性100に対し女性 は80.0(同77.5)で、格差はわずかに縮小しました。
 2012年10月1日現在の65歳以上の高齢者人口は3079万人 で、5人に1人が高齢者となりました。15歳以上で家族を介護する総 数は682万9千人(女性415万4千人、男性267万5千人)で、 10年前の356万5千人から1.92倍に増加しました。
 介護者の内訳では「配偶者」が最も多く25.7%、次いで「子」の 20.9%、「子の配偶者」は15.2%でした。「子」「配偶者」は 男女ともほぼ同じ割合でしたが、「子の配偶者」では98.6%が女性 だったことがわかりました。
 介護をしている雇用者の雇用形態は、女性がパート、アルバイトを含 めた非正規雇用が6割を占める一方、男性は正規雇用(62.4%)が 最も高く、次いで契約社員(5.9%)でした。
 介護休業制度がある事業所は、5人以上で65.6%、30人以上で は89.5%、500人以上では99.9%と、事業規模が大きいほど 規定率は高くなっています。
 詳しくは厚労省のウェブサイトをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/josei-jitsujo/12.html

20131130[vol:304]
【国会2】衆議院本会議で民法改正案を可決 11月21日

 衆議院本会議で11月21日、民法の一部を改正する法律案が賛成多 数で可決しました。
 この法案に反対したのは、法務委員でありながら委員会審議には全く 出席せず、採決時のみに出席して反対した無所属の西村眞悟議員と、文 部科学副大臣でありながら自民党法務部会で強硬に反対していた西川京 子議員などです。西川議員は記者団に「うっかりしていた」と語ってい ますが、2008年の(日本人父と外国人母の出生後認知の婚外子にも 国籍を認める)国籍法改正の際も強硬に反対し、採決で退席した経緯が あります。

20131115[vol:303]
【国会3】野党、婚外子差別撤廃の議員立法案を提出 11月5日

 参議院の民主党、みんなの党、社民党と無所属議員が11月5日、婚 外子の相続分を婚内子の相続分の2分の1とする差別規定を廃止する民 法改正の議員立法案を参議院に発議(提出)しました。
 これは、今年4月に3党で提出したものと同じ内容ですが、通常国会 閉会で審議未了(廃案)となったため、再度提出したものです。共産党 は、「最高裁が違憲と判断した内容だけを野党から提出するのでは、選 択的夫婦別姓や再婚禁止期間などの民法改正案提出を要求しにくくなる」 として、共同提出は見送ったものの、法案には賛成するとしています。

20131029[vol:302]
【国会1】衆・参法務委員会で谷垣法相が婚外子差別撤廃の法案の提出を表明 10月29日

 谷垣禎一法務大臣は10月29日、衆・参の法務委員会での所信表明 で、婚外子差別撤廃の法案を提出する意向を明らかにしました。
 谷垣大臣は、「民法の嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分 の1とする規定が憲法違反であるとの最高裁判所の決定を受けて、嫡出 でない子の相続分を嫡出子の相続分と同等とするなどの措置を講ずる法 律案を提出予定である」と、民法や戸籍法の婚外子差別撤廃の改正案提 出の予定であることに言及しました。
 一方、自民党の法務部会や慎重派の会合では、「憲法がめちゃくちゃ だからこういう判決になる」「司法の暴走だ」という反対意見が出るな ど、法案提出の合意には至っていません。
 与党の公明党は法務部会ですでに法案提出を了承し、民主党も閣法で の提出がない場合は議員立法での法案提出の構えを見せています。

20131027[vol:301]
【民法改正実現を! 国会の決断を求めるシンポジウム 】

 憲政記念館講堂で10月10日、mネット主催、日本弁護士連合会の共 催で「民法改正実現を!国会の決断を求めるシンポジウム」を開催しまし た。民法改正を求める市民や弁護士、国会関係者など151人が参加しま した。
 第1部では、民法に関する裁判の原告の紹介や政党代表挨拶などを行い、 第2部では元最高裁判事や弁護士、家族法学者によるシンポジウムを行い ました。

20131007[vol:300]
【地方自治体】明石市 差別記載削除の出生届を作成、その後中止に

 兵庫県明石市(泉房穂市長)が10月1日、出生届の記載事項である 「嫡出子」「嫡出でない子」の記載を削除した届出用紙を独自に作成し たことや、婚姻歴のないひとり親家庭に対する寡婦(夫)控除のみなし 適用を実施することなどを会見で明らかにしました。
 ところが、神戸地方法務局長名で10月3日、法務省令で定められた 様式を使用するよう指示されたことから、同市は4日、この用紙の交付 を当面中止すると発表しました。
 一方、谷垣禎一法務大臣は4日の記者会見で「法令で定められたとこ ろに背く扱いを行おうとすることは極めて遺憾」「手順、段取りをきち んと踏むのが大事。特に戸籍事務は全国の統一性がきわめて重要」と述 べました。

20130911[vol:299]
【裁判】最高裁 婚外子差別規定に全員一致で違憲 9月4日

 婚外子の法定相続分を婚内子の2分の1と定めた民法900条4号但 し書きの合・違憲性が争われていた二つの裁判の特別抗告審で、最高裁 大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は9月4日、規定は法の下の平等を定 めた憲法に違反し無効であると初めて判断を示しました。審理に加わっ た14人全員(法務省時代に法制審答申に関わった寺田逸郎判事は不参 加)が違憲と判断しました。
 決定では「立法府の裁量権を考慮しても、相続格差に合理的な根拠が なければ違憲となる」との判断基準を示しました。婚姻や家族の在り方 に対する国民意識の多様化、差別を解消した諸外国の状況、国連から繰 り返される婚外子差別撤廃の勧告、国籍法上の婚外子差別を解消したこ となどを挙げ、「父母が結婚していないという、子にとって選択の余地 がないことを理由に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊 重すべきとの考えが確立されてきている」と指摘しました。その上で、 「遅くとも2001年7月当時には、規定の合理的根拠は失われており、 憲法14条に違反している」と結論づけました。ただし、すでに解決済 みの事案には「この違憲判断は影響を及ぼさない」と、異例の言及を行 いました。
 決定文は裁判所のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130904154932.pdf

20130814[vol:298]
【裁判】婚外子相続分規定、9月4日に違憲判断へ

 婚外子の法定相続分を婚内子の2分の1と定めた民法900条4号但 し書きの合・違憲性が争われている二つの裁判の特別抗告審で、最高裁 大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は8月28日、決定を9月4日に出す ことを関係者に通知しました。
 規定を合憲とした1995年の最高裁判断が見直される見込みです。

▼1995年以降の最高裁判断は以下のとおりです。
1995.7大法廷合憲決定(合憲10 違憲5)
2000.1第一小法廷合憲判決(合憲 4 違憲1)
2003.3第二小法廷合憲判決(合憲 3 違憲2)
2003.3第一小法廷合憲判決(合憲 3 違憲2)
2004.10第一小法廷合憲判決(合憲 3 違憲2)
2009.9第二小法廷合憲決定(合憲 3 違憲1)

 なお、高裁レベルでは、1993年以降に5件が違憲と判断されてい ます。とりわけ、2011年8月の大阪高裁の違憲決定では、「平等化 を促す事情が多く生じている」とする根拠に、「96年の法制審答申、 婚姻や親子関係の実態や国民意識の多様化、規約人権委員会からの意見、 諸外国の差別撤廃の進捗」などを挙げています。また、「法律婚を尊重 するという立法目的と相続分の区別に合理的な関連がなく、区別を放置 することは立法府の裁量判断の限界を超えている」と厳しく指摘してい ます。

20130831[vol:297]
【NGO】「慰安婦」問題専用サイトを開設 8月1日

 「慰安婦」問題について研究している学者が8月1日、1932年か ら1945年までの日本軍「慰安婦」制度に関する資料や証言などの明 確な根拠に基づく事実関係を知ってもらおうと、ウェブサイト「FIGHT  FOR JUSTICE 日本軍『慰安婦』―忘却への抵抗・未来の責任」を開設 しました。アドレスはhttp://fightforjustice.info/ で、英語や韓国 でもご覧になれます。

20130714[vol:296]
【裁判】最高裁大法廷 婚外子相続差別裁判の弁論 7月10日

 婚外子の法定相続分を婚内子の2分の1と定めた民法900条4号但 し書きの合・違憲性が争われている二つの裁判の特別抗告審で、最高裁 大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は7月10日、当事者から意見を聞く 弁論を開きました。
 この裁判は、2001年に亡くなった東京都の男性の遺産をめぐる審 判と、同じく2001年に亡くなった和歌山県の男性の遺産をめぐる審 判の2件で、東京高裁と大阪高裁が2012年6月と9月にそれぞれ合 憲判断したため、婚外子側が最高裁に特別抗告していたものです。最高 裁第1小法廷(金築誠志裁判長)が今年2月27日に審理を大法廷に回 付していました。
 午前中に開かれた東京のケースの婚外子の男性は、自身が精神的不利 益を少年期や結婚の頃に感じたとしたうえで、「どの親から生まれるか は自分の意思ではどうにもできない」「大法廷が再び規定を合憲と判断 すれば、(差別規定が)永遠に民法に残り続けてしまう」と訴えました。 婚内子側は「規定は法律婚の尊重という立法目的に合致している。違憲 とする場合でも宣言にとどめ、立法府の判断を待つべき」と述べ、この ケースだけでなく他の裁判への影響について懸念を示しました。
 午後の和歌山のケースでは、婚外子本人の弁論は行われませんでした。 婚外子の代理人は、高裁の違憲判断等を引いて、「最高裁が明確にしな ければ解決されない、違憲立法審査権を行使するべき」と違憲判断を求 めました。婚内子側は、政府の世論調査などを引いて「国民感情にも配 慮するべき。仮に改正の必要があるとしても立法に委ねるべき。先行判 断すべきでない」と述べ、違憲判断しないよう求めました。
 終了後、記者会見を行った婚外子の女性は「生まれを選んで生まれた わけではない。一生懸命生きてきたのに、権利が2分の1、価値も2分 の1と言われたように思った。人はみな平等であるはず。恥ずかしいと か、特別大きなことをしているとは思わない」と、心境を語りました。

20130617[vol:295]
【裁判1】旧姓使用権裁判 和解成立 6月3日

 職場で旧姓を使用していた元高校教諭の宮脇隆志さんが、人事異動の 新聞発表で戸籍名しか認められず精神的苦痛を被ったとして、2012 年4月に神奈川県に損害賠償を求めていた裁判で、6月3日、宮脇さん と神奈川県の和解が成立しました。
 神奈川県教委は昨年12月に旧姓使用取扱要綱を改正(今年1月施行) し、神奈川県議会も5月21日、和解のための議案を可決していました。
 和解条項では「要綱に定める文書以外のものについても、職員から旧 姓使用の申し出があった場合には。個別に旧姓使用の範囲を拡大するこ とも含め相談に応じるものとし、職員の旧姓使用を要望する心情に十分 配慮した対応を求めるよう努める」としています。
 宮脇さんは、「要綱が改正されたことは一歩前進。4月の教員異動で 38人(うち男性が3人)の申し出があったことに驚くと同時に、本当 によかったと思っている。根本的な解決には、選択的夫婦別姓制度の実 現が必要」とコメントしました。

20130520[vol:294]
【国会】野党が婚外子差別撤廃の民法改正案を提出 4月26日

 参議院の民主党・みんなの党・社民党の野党3党は4月26日、婚外 子相続分差別規定を削除する民法改正案を提出(発議)しました。
 ただし、今回は、選択的夫婦別姓制度の導入、再婚禁止期間を100 日に短縮、婚姻年齢を男女とも18歳とするなどの改正は盛り込まれて いません。
 また、みんなの党が初めて発議者、賛成者となった一方で、これまで 野党で共同提出してきた共産党や、無所属は入っていません。

   改正案の発議者と賛成者は次のとおりです。
【発議者】前川清成 高橋千秋 櫻井 充 松野信夫 小川敏夫  真山勇一 吉田忠智
【賛成者】有田芳生 江田五月 谷 博之 那谷屋正義 松浦大悟  小野次郎 水野賢一
山田太郎 福島みずほ 又市征治  山内徳信

20130427[vol:293]
【裁判】広島高裁、再婚禁止期間は合憲と判断 4月26日

 女性の再婚禁止期間を規定する民法733条が、法の下の平等を定めた 憲法14条、両性の平等を定めた憲法24条に違反するとして、岡山県総 社市の20代の女性が国を相手に165万円の損害賠償を求めていた訴訟 で、広島高裁岡山支部(伝田喜久裁判長)は4月26日、「合憲」とした 1審の岡山地裁判決を支持し、女性の請求を棄却しました。
 女性は、2006年2月に結婚しましたが、夫の暴力により半年後に別 居、同年10月には岡山地裁がDV防止法に基づく保護命令を出していま した。2007年3月に女性が離婚訴訟を提起し、10月には離婚を認め る判決が出ましたが、夫が控訴したため離婚が成立せず、2008年3月 に訴訟上の和解でようやく離婚が成立しました。離婚後、女性は現在の夫 と再婚するまで6か月間も待たなければならず、「多大な精神的苦痛を被 った」と主張し、再婚禁止期間を定めた民法733条は「必要以上の制約 を女性に課しており、性別による差別である」と訴えていました。
 1審の岡山地裁は、判決理由の中で「規定が憲法14条、24条に違反 するものではないと解する余地も十分にあるというべき」と述べ、違憲の 可能性に含みを残しましたが、高裁は国会の立法裁量を広く認め、控訴人 の請求を棄却しています。
 原告側は判決を不服として、上告する方針です。

20130410[vol:292]
【裁判1】最高裁 婚外子相続差別裁判の弁論期日を7月10日に決定

 嫡出でない子(婚外子)の法定相続分を嫡出である子の2分の1と定め た民法900条4号但し書きの合・違憲性が争われた二つの裁判の特別抗 告審で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は、弁論期日を7月10 日とすることを決定しました。
 この裁判は、2001年に亡くなった東京都の男性の遺産をめぐる審判 と、同じく2001年に亡くなった和歌山県の男性の遺産をめぐる審判の 2件で、東京高裁と大阪高裁が2012年6月と9月にそれぞれ合憲判断 したため、婚外子側が最高裁に特別抗告していたもので、最高裁第1小法 廷(金築誠志裁判長)が今年2月27日に審理を大法廷に回付していまし た。

20130317[vol:291]
【裁判】最高裁 婚外子相続差別裁判を大法廷回付 2月27日

 嫡出でない子(婚外子)の法定相続分を嫡出である子の2分の1と定め た民法900条4号但し書きの合・違憲性が争われた二つの裁判の特別抗 告審で、最高裁判所第1小法廷(金築誠志裁判長)は2月27日、審理を 15人の裁判官全員で構成する大法廷(裁判長・竹崎博允長官)に回付し ました(法務省時代に法制審答申に関わった寺田逸郎判事は不参加)。規 定を合憲とした1995年の大法廷の判断が見直されるものと思われます。
 この裁判は、2001年に亡くなった東京都の男性の遺産をめぐる審判 と、同じく2001年に亡くなった和歌山県の男性の遺産をめぐる審判の 2件で、東京高裁と大阪高裁が2012年6月と9月にそれぞれ合憲判断 したため、婚外子側が最高裁に特別抗告していました。
 最高裁は2003年以降、「規定は極めて違憲の疑いが濃い」として立 法府に法改正を求め、2008年6月の国籍法違憲判決では、判決理由に 「諸外国においては、非嫡出子(婚外子)に対する法的な差別的取扱いを 解消する方向にある」としたうえで、国際人権基準を取り入れたことから、 相続差別裁判でも違憲判断の期待が高まっていました。
 2010年7月に別の裁判の審理が大法廷に回付され、1995年の合 憲判断見直しが期待されましたが、2011年3月に当事者が和解したた め却下となり、憲法判断されることなく終結していました。
 なお、2010年3月10日に東京高裁判決で適用違憲とされた事件は、 最高裁判所第2小法廷が2012年3月30日、上告棄却決定・不受理決 定したことから、高裁判決が確定しています。

20130315[vol:290]
【mネット】憲法24条、女性差別撤廃条約を遵守!民法改正を求める院内集会を開催 3月8日

mネットの活動の集会アピールをご覧ください。

20130210[vol:288]
【国会1】女性議員有志が政務官辞任の説明を求める申し入れ 2月8日

 徳田毅衆議院議員が未成年女性と飲酒の上、性的関係を持ち裁判となっ たことが報じられ、国土交通大臣政務官を2月4日に辞任した問題で、性 暴力を許さない女性議員有志の会(賛同議員28人)が2月8日、安倍晋三 首相に説明責任を果たすよう求める申し入れを菅義偉官房長官に手渡しま した。
 申し入れは、「就任後わずか1か月で政務三役が辞任したにもかかわら ず、政府が十分な説明を行っていない」としたうえで、「報道内容が事実 とすれば、女性の人権を侵害する重大な性暴力を行った当事者が現職の衆 議院議員として活動をし、安倍総理がその当事者を大臣政務官に任命した ことになる」と厳しく指摘し、「性暴力に対する安倍総理の毅然とした態 度を示すためにも十分に説明責任を果たすよう求める」としています。
 政府側は、有志議員が求めた7日の首相官邸での受け取りを拒否してい ましたが、8日の予算委員会直前に菅官房長官が文書を受け取りました。
 申し入れの呼び掛けを行った岡崎トミ子参議院議員は、「安倍総理は本 会議で『女性に対する暴力は女性の人権に対する著しい侵害であり、決し て許されない』と答弁したばかり、逃げずに説明すべき」と話しました。

20130125[vol:287]
【地方自治体】世田谷区が出生届出されない子の住民票を作成 1月21日

 東京都世田谷区は1月21日、出生届の続き柄欄の記載が差別的だとし て出生届が出されていない事実婚夫妻の子どもの住民票を作成しました。
 これは、2005年に子どもの出生届を出す際に「嫡出でない子」とい う差別記載を拒否したために出生届を受理されなかった世田谷区の菅原和 之さん夫妻(事実婚)の子どものケースです。夫妻と子どもは、区と国を 相手に住民票の作成や慰謝料などを求め提訴し、一、二審判決とも請求を 退けていました。
 今回は、世田谷区が戸籍法44条に基づいて菅原さんらに出生届出を催 告し、拒否されたとして戸籍法24条に基づき母親の本籍地の市に「父母 が出生の届け出を怠っている」と通知しました。これを受けて本籍地の市 長が1月10日に職権で子どもの戸籍記載を行い、世田谷区が住民票を作 成しました。
 当初、世田谷区は、原告が住民票に基づいて提供される行政上のサービ スを受けていること、(2010年に法務省の通知により)出生届の「嫡 出でない子」という差別記載を拒否した場合でも、「母の氏を称する」、 「母の戸籍に入籍する」などの記載で出生届を受理できる(その旨を区が 原告らに伝えている)こと、戸籍や住民票の続柄の記載で「嫡出子」「嫡 出でない子」という呼称は用いられていないことなどから、原告の母親が 出生届を提出していないことに「特段の事情」があるとは言えないとして、 住民票作成を拒否してきましたが、2011年に就任した保坂展人区長は、 子どもの人権を尊重する観点から、住民票を作成する方向で法務省、総務 省などと検討していました。
 1月22日に記者会見を行った菅原さんは、「保坂区長の政治的決断に 敬意を表したい。また、区や本籍地に尽力頂いたことに感謝している。た だ、婚外子差別規定はあり、今後も差別撤廃に向け活動したい」と述べ、 一部について取り下げ、戸籍法違憲訴訟については継続する姿勢を示しま した。
 一方、保坂区長は、「早期の住民票作成を目指したが、関係省庁との調 整にかなり時間がかかった。特に法務省には大変協力頂いた」と話しまし た。

20121228[vol:286]
【GO1】法務省 協議離婚時の面会交流と養育費の取り決め
状況調査公表(4月〜9月分) 12月28日

 法務省は、4月1日から養育費と面会交流の取り決め状況のチェック欄 を設ける離婚届の様式変更を行いましたが、4月から9月までの半年間の チェック状況調査を12月28日に明らかにました。
 調査によると、未成年の子がいる夫婦の協議離婚届出件数65,018 件(離婚届総件数121,732件)のうち、面会交流欄にチェックをし たのは47,586件(73.19%)で、「取決めをしている」とした のは33,540件、「取決めをしていない」としたのは14,046件 でした。未成年の子がいる夫婦の51.59%が「取決めをしている」と 答えていました。
 養育費の分担欄にチェックをしたのは47,410件(72.92%) で、うち、「取決めをしている」としたのは33,926件、「取決めを していない」としたのは13,484件でした。未成年の子がいる夫婦の 52.18%が「取決めをしている」と答えていたことがわかりました。
 法務省が9月に公表した4月から6月までの3か月調査と比較すると、 チェック状況、取り決め状況ともに増加していることがわかりました。

20121214[vol:285]
【選挙】 選択的夫婦別姓などの民法改正に関する政党アンケートを実施

 第46回衆議院議員選挙が12月16日に行われるのに伴い、mネット は民法改正に関する政党アンケートを行いました。
 選択的夫婦別姓制度導入や婚外子相続差別撤廃などの民法改正は、民主 党が政権をとってからの3年間、与党からも野党からも法案の提出があり ませんでした。前例がない多数の新しい政党が立つこの選挙で、各党がど のような政策であるかを見極めなくてはなりません。

設問と回答は次のとおりです。
■設問1 このたびの衆議議院選挙の公約に民法改正を掲げていますか。
 「賛成として掲げている」と回答したのは公明党、共産党、社民党で、 「掲げていない」と回答したのは民主党、自民党、国民新党、日本維新の 会でした。

■設問2 法改正すべきだと考える内容を選択してください。
 「嫡出でない子の相続が嫡出子の2分の1とする条項を廃止する」と回 答したのは公明党、共産党、社民党でした。

 再婚禁止期間を短縮すると回答したのは公明党と共産党で、廃止まで踏 み込んだのは共産党(重複回答)と社民党でした。共産党は「廃止を優先」 として「ただ、次善の策として短縮もありうる」と回答しました。  婚姻年齢を「男女とも18歳とする」と回答したのは公明党、共産党、 社民党でした。
 自民党は、尋ねた改正項目について「全ての改正に反対」と強い反対の 見解を示しました。
 その他、各党の記述回答は次のとおりです。

【公明党】民法改正の実現に向け、引き続き努力してまいります。また、 女性や子どもの人権の向上に資する施策を積極的に推進してまいります。

【共産党】民法の差別規定は、憲法にも、国連女性差別撤廃条約にも違反 しています。民法改正は、条約批准国としての義務であり責任です。私た ちは、政府に民法改正を早期にすすめることを強くもとめてきました。ま た、国会としての責任をはたすために、民法改正を公約にかかげる政党・ 議員との協力・共同をすすめてきました。日本共産党の躍進で、今度こそ 民法改正を実現できる国会をつくっていくことを決意しています。

【社民党】(尋ねた目以外に改正が必要な条項は何かの問いに)民法87 7条を中心とする扶養義務規定。「だれもが自分らしく生きる権利」とい う観点から、扶養義務者の範囲を配偶者、未成年の子にしぼることを提起 します。

【自民党】(尋ねた目以外に改正が必要な条項は何かの問いに)電子記録 債権法施行に伴う民法改正(民法398条の2第3項に電子記録債権を追 加)。

【民主党】(民法改正を)検討すべきと考える。

20121103[vol:284]
【GO】CEDAWへフォローアップ報告書を提出 11月2日

 政府は11月2日、国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)から11月4日まで に提出を求められていたフォローアップ報告を送付しました。
 フォローアップ報告の対象とされていたのは、婚姻年齢の男女平等化、選択的夫婦 別姓制度導入、婚外子相続差別撤廃、再婚禁止期間の廃止などの民法改正です。
 政府報告は、民法改正案の動向について「政府部内及び国民の間に様々な意見があ るため、現在に至るまで法律案を提出するに至っていない」とし「国民的な議論を深 める必要があるものと考えている」と述べています。
 2011年7月から2012年10月までの取り組みとして、2011年7月25 日の男女共同参画会議で江田五月法務大臣や鹿嶋敬監視専門調査会長が、2012年 8月1日の同会議で滝実法務大臣が、民法改正を進めたい立場でそれぞれ発言したこ とを紹介しています。
また、2012年1月27日の衆議院本会議での野田佳彦首相の答弁を紹介してい ます。
 さらに、選択的夫婦別氏制度の意義についてホームページを通じ広報等を実施して いることや、1996年の法制審議会答申の内容、2010年に準備した法案を公表 しているとしています。
 このほか、NGOとの意見交換を行ったことや、報告書がNGO等との意見交換を 経て取りまとめたことなども報告しています。
 しかし、2度もフォローアップ報告を勧告されながら、法改正への取り組みがほぼ ゼロ回答となっていることから、CEDAWの対応が注目されます。
日本政府報告はウェブサイトでご覧ください。
 http://www.gender.go.jp/teppai/6th/commission_opinion_j_201211.pdf

20121014[vol:283]
【裁判1】夫婦別姓訴訟第7回口頭弁論で原告全員の本人尋問 10月10日

 夫婦別姓訴訟の第7回口頭弁論が10月10日、東京地方裁判所103 号法廷で開かれました。90人を超える傍聴者が見守る中、原告5人全員 の本人尋問が行われました。
 最初に尋問を受けた小國香織さんは、改姓に抵抗感を持ち、結婚式の当 日まで事実婚にするか苦悩した末に法律婚をしました。小國さんは、「政 権交代して法改正に期待したが、実現しない。裁判しかないと思って原告 になった」と、司法判断に最後の期待をつなぎ、「これから結婚する人た ちが、自分が結婚式前に感じた追い詰められた気持ちを味わわないよう、 法改正を望む」と訴えました。
 次に尋問を受けた原告団長の塚本協子さんは、1960年に結婚して以 来、夫婦別姓が認められないために苦しんできた52年間を証言しました。 子どもが生まれる度に婚姻届、出生届、離婚届を提出して塚本姓を守りま したが、3人目の出産後に勤務先の私立高校の校長が「法律婚以外は罪だ」 と厳しく言ったため、解雇を恐れて離婚できませんでした。「戸籍姓で呼 ばれるのが辛くて職員室で机の下に潜って泣いたこともあった」と話しま した。「国会に働きかけてきたが動かなかった。司法に立法府の誤りを正 していただくしかないと願って裁判を提起した。私は、77歳で時間がな いので、塚本協子という私自身の名前で生き、死にたい」と話しました。 最後に「名前は社会的にも、人間の尊厳としてもいちばん大切だと思う。 全国に自分と同じように苦しむ人たちがいる。どうかその声を聞いてくだ さい」と、裁判長に向かって切々と訴えました。塚本さんの思いの籠った 言葉は多くの人たちの胸を打ち、すすり泣く人も少なくありませんでした。
 続いて、事実婚の渡辺二男さんと加山恵美さんが、それぞれ事実婚の不 都合や提訴に至る思いを話しました。
 渡辺二男さんは、加山恵美さんと法律婚をしたあと、通称使用が思うよ うにいかないため悩んでいた妻の気持ちを理解してペーパー離婚をしまし た。東日本大震災を経験し、事実婚でいる不安な気持ちを話しました。
 加山恵美さんは、ペーパー離婚しても、夫婦仲も互いの両親との仲も円 満なことを話し、最後に「結婚するもしないも、夫の姓にするもしないも 本人たちの決めることだと思うが、制度がそうでないのはどうしてなのか 不思議だ。答えが知りたい」と話しました。
 最後に尋問を受けた吉井美奈子さんは、研究者として実績を積んできた 自分の姓を変えたくないこと、家庭を大切に思い、3人の子どもたちの共 同親権者の立場を維持するため、法律婚を継続したことなどを話し、「法 改正が実現しないことに怒りを覚える。責任は国にある。司法に判断して いただきたい」と訴えました。
   本人尋問終了後、次回期日を2013年1月30日11時と決め、閉廷 しました。
 なお、原告側が要請していた研究者3人の証人尋問は採用されませんで した。

20120925[vol:282]
【地方自治体】世田谷区長が出生届出のない子の住民票作成の意向を表明 9月25日

 東京都世田谷区の保坂展人区長は9月25日、戸籍法49条違憲・住民票 作成請求訴訟の控訴審判決(9月27日予定)を目前に、出生届出されな い子どもの住民票を作成する意向であることを明らかにしました。
 これは、2005年に子どもの出生届を出す際に「嫡出でない子」とい う差別記載を拒否したために出生届を受理されなかった世田谷区の事実婚 の夫妻とその子どもが、区と国を相手に住民票の作成や計80万円の慰謝料 などを求めていた第2次訴訟で、東京地裁が今年4月に原告の請求を棄却したため、原告側が控訴していたものです。
 区は、原告が住民票に基づいて提供される行政上のサービスを受けてい ること、(2010年に法務省の通知により)出生届の「嫡出でない子」 という差別記載を拒否した場合でも、「母の氏を称する」「母の戸籍に入 籍する」などの記載で出生届を受理できる(その旨を区が原告らに伝えて いる)こと、戸籍や住民票の続柄の記載で「嫡出子」「嫡出でない子」と いう呼称は用いられていないことなどから、原告の母親が出生届を提出し ていないことに「特段の事情」があるとは言えないとして、住民票作成を 拒否してきましたが、保坂区長は、子どもの人権を尊重する観点から、住 民票を作成する方向で検討していました。
 保坂区長は、判決前の住民票作成を目指していましたが、控訴審判決の 日程が予想外に早かったため、判決後に作成される見込みです。住民票だ けでなく、戸籍の作成も検討されています。

20120913[vol:281]
【GO1】男女共同参画会議 監視専門調査会(第12回)開催 9月13日

 男女共同参画会議監視専門調査会(会長・鹿嶋敬実践女子大学教授)が 9月13日、永田町合同庁舎で開催され、女性差別撤廃委員会からフォロ ーアップ項目とされている民法改正について、法務省からヒアリングが行 われました。
 会議の冒頭、男女共同参画局の岡島敦子局長が9月11日付で退任し、 佐村知子局長が就任する人事異動が行われたことが報告されました。
 会議では、女性差別撤廃委員会から2009年の審査で、民法改正を勧 告され、フォローアップ項目とされたこと、2011年の審査でも再度フ ォローアップ項目とされ、その提出期限が今年11月であることなどが説 明されました。法務省からは、法案提出に至っていない経緯や、行政上の 取り組みに限界があること、選択的夫婦別氏制度の概要を、法務省のホー ムページを通じ、広く国民に公開していることなどが報告されましたが、 委員からは、法務省の働きかけが足りないことや、公開されているページ にアクセスしにくいなど、厳しい指摘がありました。
 今後、同局は、2011年7月以降の我が国の動向や政府の取り組みを 取りまとめることになりますが、むしろ、2011年以降、民法改正に関する 動きは止まっている状況です。

20120907[vol:280]
【GO】法務省 協議離婚時の面会交流と養育費の取り決め状況調査(4月〜6月分)

 法務省は、4月1日の改正民法の施行に伴い、養育費と面会交流の取り 決め状況のチェック欄を設ける離婚届の様式変更を行いましたが、4月か ら6月までの3か月間のチェック状況を調査し、9月6日に明らかにまし た。
 調査によると、未成年の子がいる夫婦の協議離婚届出件数32,757 件(離婚届総件数61,542件)のうち、面会交流欄にチェックをした のは22,465件(68.58%)で、「取決めをしている」としたの は15,622件、「取決めをしていない」としたのは6,843件でし た。未成年の子がいる夫婦の47.69%が「取決めをしている」と答え ていました。
 また、養育費欄にチェックしたのは22,391件(68.35%)で、 うち、「取決めをしている」としたのは16,075件、「取決めをして いない」としたのは6,316件でした。未成年の子がいる夫婦のほぼ半 数の49.07%が「取決めをしている」と答えていたことがわかりまし た。

 厚生労働省の2006年度全国母子世帯等調査によると、協議離婚をし た夫婦のうち養育費の取り決めを行っていたのは31.2%と低く、調査 年や標本数、調査方法の違いもあり、直接の比較はできませんが、チェッ ク欄が設けられた効果はあったと言えます。  なお、5年に1度の全国母子世帯等調査は、今年10月に2011年度 調査が公表予定です。

*昨年の(親権の一時停止などの)民法改正で、協議離婚において定める べきものの具体例に、監護費用の分担、養育費の支払いが条文上明示され ることになり、その法案審議で民主党の井戸まさえ衆議院議員が、「養育 費取り決め確保の最も効果的な周知徹底方法」として離婚届用紙にチェッ ク欄を設けることを強く求めたことや、衆・参両院の法務委員会で「その 趣旨の周知に努める」との附帯決議がされたことから、法務省が今年2月 2日、離婚届の用紙に養育費と面会交流の取り決め状況をチェックする欄 を設ける様式変更の民事局長通達を全国の法務局長に出していました。 

20120830[vol:279]
【GO】文科省 ヌエックの在り方検討会報告書を公表 8月28日

 文部科学省は8月28日、「国立女性教育会館の在り方に関する検討会」 (座長:大日向雅美/恵泉女学園大学大学院教授)が取りまとめた報告書 を公表しました。
 これは、2010年に事業仕分けの対象とされた国立女性教育会館(ヌ エック)について、今年1月に閣議決定した「独立行政法人の制度及び組 織の見直しの基本方針」等を踏まえ、4月から計7回にわたり、機能や在り 方、効率化等について検討してきたものです。
 報告書では、ヌエックの機能や在り方をゼロ・ベースで見直し、関係府 省と連携した男女共同参画の「推進機関」を創設すべき、と結論づけてい ます。創設にあたっては、これまで培った貴重なネットワークや蓄積され たノウハウ・情報を活かすよう、求めています。
 今後、ヌエックは、本報告書に沿って事業を見直し、2014年度から は、新たな中期目標に基づき新事業が展開されることとなります。
 詳しくは文科省のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/08/1324823.htm 

20120815[vol:278]
【NGO】旧姓使用権を求めて神奈川県を提訴した訴訟で支援団体が署名活動開始

 職場で旧姓を使用してきた元高校教諭の男性が人事異動の新聞発表で戸 籍名を使用され、精神的苦痛を被ったとして、今年4月9日、神奈川県を 相手に損害賠償を求める訴えを横浜地裁に起こしました。(mネット通信 第271号参照)
 これを支援しようと「宮脇さんの『旧姓使用権裁判』を支える会」が結 成され、旧姓使用権を認める判決を求めて署名活動を始めました。
 mネットもこの訴訟を支援し、署名活動に協力することにしました。
 第1次集約が9月30日、第2次集約が10月31日です。
 署名用紙はmネットのウェブサイトからダウンロードできます。
 http://www.ne.jp/asahi/m/net/

20120731[vol:277]
【国会1】衆議院法務委員会で井戸議員が嫡出推定や生殖補助医療に関する親子法制について質問 7月27日

 衆議院法務委員会で7月27日、民主党の井戸まさえ議員が、嫡出推定 規定、生殖補助医療に関する親子法制の早期整備について質問しました。
 井戸議員は、「子どもの法的身分を早期に安定させるためにつくられた 民法772条の嫡出推定規定が、一部の方にとっては、かえって不安定な 無戸籍の子どもを生んでいる。我が国は、国際的に見ても珍しい家族単位 の戸籍制度のもとで嫡出推定規定を維持している。出生届を提出すると、 実際には推定ではなく、前夫の子として断定をされて戸籍がつくられる」 と指摘しました。また、「嫡出という差別的な用語を民法上使用すること について、どのように思うか」と尋ねました。これについて、原優民事局 長は「嫡出である子、あるいは嫡出でない子という言葉が使われているの で、この言葉を今後法改正する場合にどうするかは検討事項だと考えてい る」と、用語についての見解を明らかにしました。
 さらに、井戸議員は、非配偶者間人工授精(AID)による出生子が1 万人以上誕生している一方で、生殖補助医療の行為規制や親子関係の法整 備が行われていない問題を厳しく指摘しました。

20120714[vol:276]
【教科書検定】夫婦別姓、諸外国と比較する表が削除に

 2013年度から使用される高校教科書の検定で、夫婦別姓同姓の制度 を諸外国と比較する表に意見がつき、削減されたことがわかりました。
 実教出版の家庭基礎2点と家庭総合1点は、申請時に「夫婦の姓に関す る各国法律」と題した比較表を掲載し、日本の、夫婦を同姓とし、同姓・ 別姓の選択肢がない規定がまれであることが読み取れましたが、「誤解す るおそれがある」との意見がつき、削除させられました。
 開隆堂の家庭総合は、「夫婦別姓を取り入れた年代」の表でイギリスは 1935年、韓国はもともと別姓など、諸外国では別姓が可能なことを示 しましたが「理解しがたい」と意見がつき、削除させられました。
 東京書籍の家庭総合1点は、フランスの、事実婚や同性カップルに結婚 同様の権利を認める民事連帯契約法(パックス法)の説明に「出典が示さ れていない」という意見がついたため、出典を表記するとともに、申請時 に相続でのメリットだけをあげた記述を、扶養の義務と、日常生活の出費 についての債務を負う義務のあるとする記述に改めました。
 日本の夫婦同姓強制規定が例外的だと示す表の削除、パックス法の義務 側面の加筆など、総じて結婚の形態の多様化を示す記述にブレーキかける 方向で検定意見がついたといえます。
 削除された表はこちらで見ることができます。
     削除された表



20120626[vol:275]
【GO1】女性の活躍による経済活性化を推進する関係閣僚会議(第2回)開催 6月22日

 政府は6月22日、女性の活躍による経済活性化を推進する関係閣僚会 議(第2回)を開催し、「女性の活躍促進による経済活性化」行動計画〜 働く「なでしこ」大作戦〜」を決定しました。
 これは、先月22日に発足した同会議で、「男性の意識改革」「思い切 ったポジティブ・アクション」「公務員から率先して取組む(政府の本気 度を示す)」を3つの柱に、6月中に重点項目を整理するとしていたもの です。
 男性の意識改革では、女性の活躍状況の「見えるか」に向け、有価証券 報告書や取引所のガイドライン、IR資料などの公表の在り方を含め今年 中に総合的な検討を行うことや、政府を挙げて企業や団体に直接的に働き かけを行い、ポジティブ・アクション取り組み企業数を1万社以上、情報 開示企業数5000社以上を目指すとしています。
 思い切ったポジティブ・アクションでは、女性の起業・創業促進のため の補助制度創設のほか、女性の再就職を強力に支援するためのインターシ ップ事業の創設や女性のスキルを活かしたい企業とのマッチングの推進を ワンストップで実施することなどが盛り込まれています。  同会議は、年内に工程表を策定し、担当府省と時間軸を明らかにしたう えで取り組みを進めるとしています。
 詳しくは国家戦略室のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.npu.go.jp/policy/policy09/archive09_02.html

20120609[vol:274]
【海外1】米国 国別人権報告で民法改正について言及 5月24日

 アメリカ国務省は5月24日、世界各国の人権状況をまとめた年次報告 「2011年国別人権報告書」を発表しました。この年次報告は、自国以 外の国や地域の人権状況について、アメリカの在外公館が集めた情報を中 心にまとめたものです。
 日本における女性の人権については、「法により性差別は禁止されてお り、概ね男性と同等の権利が女性にも与えられていた」と評価する一方、 「男女共同参画局は白書で、女性の参画が依然として不十分だと結論付け た」、「賃金や管理職に占める数で男女不平等が社会問題として残ってい た」と指摘しました。さらに、「NGOは女性の再婚禁止期間の廃止、婚 姻年齢の性差別撤廃、選択的夫婦別姓制度の導入、婚外子差別撤廃を国に 強く求めた」と報告しました。
 報告書の全文(英文)はアメリカ大使館のウェブサイトをご覧ください。。  http://iipdigital.usembassy.gov/st/english/texttrans/2012/05/201205246248. html#axzz1vqqOGE77

20120523[vol:273]
【国会】民主党合同会議がNGOから民法改正などヒアリング 5月16日

 民主党の男女共同参画調査会(会長:小川勝也参議院議員)と法務部門 会議(座長:松野信夫参議院議員)は5月16日、合同会議を開き、選択 的夫婦別姓制度導入や婚外子相続分差別撤廃の民法改正についてNGOか らヒアリングを行いました。
 これは、国連女性差別撤廃委員会が日本政府に対し、民法改正について どのような措置を講じたか、今年11月までに再報告を求めている中、日 本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(山下泰子代表世話人)が民主党 にヒアリングを行うよう要請したことを受けて開かれたものです。
 NGOからは、民法改正を望む国民の声や国連からの改善勧告、婚外子 相続分規定に違憲判断が相次いでいることに加え、民主党が1997年以 降議員立法案を提出し、99年以降選挙公約に掲げてきたことなどから、民 主党政権には民法改正を行う責務があるとして、法改正を行うよう求めま した。
 出席した石橋通宏参議院議員は、「この問題の是非を言う段階ではない。 議員間で議論をするべきだろう」と発言しました。
 衆議院法務委員会の筆頭理事でもある黒岩宇洋衆議院議員は、「法務部 門会議での議論は低調なので、なんとかしたい」と議論再開に意欲を見せ ました。

20120503[vol:272]
【裁判】東京地裁 住民票不記載処分の取消訴訟で請求は棄却、届書の差別記載に合理性はないと判断 4月26日

 出生届の「嫡出でない子」(婚外子)という差別記載を拒否したために 出生届を受理されなかった世田谷区の菅原和之さん夫妻(事実婚)とその 子どもが、区と国を相手に住民票の作成や計80万円の慰謝料などを求め た訴訟の判決で、東京地裁(川神裕裁判長)は4月26日、原告の請求を 退けた上で、「出生届の届書に『嫡出子又は嫡出でない子の別』を記載し なければならないと定める本件規定は必ずしも合理性を有するものではな い」との判断を示しました。
 この訴訟は、菅原さんが2005年に子どもの出生届を提出する際に、 「嫡出でない子」の記入をせずに提出したところ、世田谷区から不受理と され住民票が作成されなかったため、2006年6月に住民票不記載処分 の取り消しなどを求めて東京地裁に提訴、2009年に最高裁で敗訴が確 定したため、2011年3月、届出書に「嫡出子又は嫡出でない子の別」 を記載させる戸籍法の規定は憲法違反であるとして提訴していたものです。
 判決は、原告が住民票に基づいて提供される行政上のサービスを受けて いることなどから「重大な損害を生ずるおそれ」は認められないと判断、 (2010年の法務省の通知により)出生届の「嫡出でない子」という差 別記載を拒否した場合でも、「母の氏を称する」「母の戸籍に入籍する」 などの記載で出生届を受理できる(その旨を世田谷区が原告らに伝えてい る)こと、戸籍や住民票の続柄の記載で「嫡出子」「嫡出でない子」とい う呼称は用いられていないことなどから、原告の母親が出生届を提出して いないことに「特段の事情」があるとは言えないとし、住民票の作成義務 付け請求については訴えを却下しました。また、国家賠償請求については 棄却しました。
 一方、婚外子相続分差別規定については(最高裁の判例により)憲法違 反ではないとしたうえで、憲法違反とする反対意見や改正されるべきとい う補足意見が付されていることに言及し、現時点においては「違憲の疑い が生じていることは否定できない」との見解を示しました。

 2006年の裁判(1次)では、1審の東京地裁が「住民票がない不利 益は重大」であると判断し、区に住民票を作成するよう命じましたが、2 審の東京高裁は、自治体の職権による記載は「極めて例外的な場合に限ら れる」とし、この場合は父母の「個人的信条」のためであり例外にはあた らないなどとして、区の違法性を認めませんでした。最高裁も、区が住民 票を作成しないのは違法ではないとして上告を棄却しましたが、少数意見 として今井功裁判長が「住民基本台帳制度の趣旨に照らせば、子が出生し た場合に市町村内に適法に住所を有する子について、届出の催告等による 方法により住民票を記載することができないときは、市町村長は職権調査 の方法により住民票の記載をすべき義務があると解すべき。(略)住民票 の記載を拒否することは市町村についても何の利点もないし、住民票の記 載をしたからといって、市町村に何ら弊害も生じない」と述べていました。

20120420[vol:271]
【裁判1】元教員 新聞の人事異動に旧姓が認められず神奈川県を提訴  4月9日

 36年にわたり旧姓を使用してきた元高校教諭の男性が4月9日、新聞 に掲載される教員異動で旧姓使用が認められず精神的苦痛を被ったとして、 神奈川県に100万円の損害賠償を求める訴えを横浜地裁に起こしました。
 訴状によると、この男性は1975年に神奈川県立高校の教諭として採 用され、85年に(婚約者の親族と)養子縁組をしましたが戸籍名は名乗 らず、36年半の教員生活を旧姓で過ごしました。その間、卒業アルバム やPTA会報、学校要覧等で旧姓を使用してきましたが、在職中の異動の 際には戸籍名しか公表されませんでした。そのため、教え子や同僚などに は異動したことが理解されませんでした。男性が今年3月31日の定年退 職を前に「新聞だけでも、旧姓で発表してほしい」と県教委に申し入れま したが、県教委は「旧姓使用取扱要綱にない、前例がない」として認めま せんでした。
 そこで、男性は「自己の氏名を保持する権利あるいは自己の氏名をその 意思に反して奪われない権利は憲法13条で保障されている。人格権の対 象となる氏名とは、戸籍名に限定されるものではなく、人が自己を表示す るものとして使用する氏名も含まれる」として提訴に踏み切りました。
 国家公務員の旧姓使用については、2001年7月11日の各省庁人事 担当課長会議申合せで、旧姓使用の申し出があった場合、職場での呼称、 職員録、人事異動通知書、出勤簿などで旧姓使用を認めています。文部科 学省の担当者も「国家公務員では認められており、それぞれ判断してほし い」と話しました。

20120324[vol:270]
【国会】衆議院予算委員会第3分科会で井戸議員、高橋議員が民法改正について質問 3月5日

 衆議院予算委員会第3分科会で3月5日、民主党の井戸まさえ議員と、 共産党の高橋千鶴子議員が民法改正などについて質問しました。
 井戸議員は、「今回の子の監護に必要な事項の定めは96年の法制審答 申の一部。同じ答申の婚外子相続分差別撤廃は放置されたままとなってい る。子どもを、嫡出である子、嫡出でない子と分け隔てるこの規定は、相 続差別をするだけでなく、社会的差別を助長するもの。子どもの福祉、子 どもの利益のためなら、この規定こそ真っ先に改正されてしかるべきだっ た。近年、高裁レベルでの違憲判断が相次いでいる。国連子どもの権利委 員会は98年、04年、10年に差別撤廃を勧告した。権威ある法制審議 会の答申で立法化されていない唯一の法律案要綱だ。何がこの改正の障害 となっているのか」と質問しました。これについて小川敏夫法務大臣は、 「法務省としても法制審議会から答申を受けたこの内容が16年間実現し ていないということは残念。引き続き法案提出に向け努力していきたい。 私自身も努力したい。実現しないのは党内、政府内、国民の世論の中で必 ずしも一致していない様々な意見がある中で困難な状況もある。様々な状 況を乗り越えて提出したい」と答弁しました。さらに井戸議員は、個人通 報制度を定める選択議定書の批准を求めました。
 共産党の高橋議員は、「法制審議会答申から16年、民主党は野党と共 同して改正案を毎議会提出してきた。政権交代後、提出予定法案に盛り込 まれたにもかかわらず、閣議決定されなかった。小川大臣は提出者の一人 でもあり、今国会は提出が待ったなしと思うが、どうするのか」と、早急 の対応を求めました。さらに、「女性差別撤廃委員会は差別的な法規定の 撤廃が進まないことの弁明に世論調査結果を用いてはならないとしている。 国連の度重なる勧告にまともに取り組んでいるとは到底言えない。このま ま(再報告期限の)11月を迎えるつもりか」と、詰め寄りました。これに ついて小川大臣は「なんとか提出できるよう努力したい」と答弁しました。

20120310[vol:269]
【3.8国際女性デー】立法不作為を問う!民法改正を求める院内集会

 参議院議員会館で3月8日、mネットの主催で、日本弁護士連合会が共 催した「立法不作為を問う!民法改正を求める院内集会」を開催しました。 法改正を願う市民や弁護士、国会議員、秘書、メディア関係者など101 人が参加しました。
 開会挨拶を行った日本弁護士連合会の藤田善六副会長は、「日弁連は、 1993年に国際人権規約委員会で、婚外子相続分差別撤廃や選択的夫婦 別姓導入を求めて以来、繰り返し家族法改正を求め、決議や意見書、会長 声明を発表してきた。国内外からの批判を受けても未だ家族法が改正され ていない現状は誠に遺憾。改正への機運を後押しするため、当連合会は、 この院内集会を共催させていただいた」と話しました。

20120222[vol:268]
【3.8国際女性デー】立法不作為を問う!民法改正を求める院内集会

    日 時  3月8日(木)11:30〜13:00
    会 場  参議院会館101会議室
    主 催  mネット・民法改正情報ネットワーク
    共 催  日本弁護士連合会

 1996年2月に法制審議会から民法改正案要綱が答申されましたが、 16年が過ぎた現在まで民法改正は実現していません。
 1997年以降の通常国会では民法改正案が議員立法で提出されていま したが、2010年からは議員立法案すら提出されない状況です。法改正 の見通しがない中、2011年2月には夫婦別姓訴訟が初めて提起されま した。
 大阪高裁は昨年8月、婚外子への相続分差別規定を憲法違反と判断し、 「区別を放置することは立法府の裁量判断の限界を超えている」と厳しく 指摘しました。11月には国連女性差別撤廃委員会が、再三の勧告にもか かわらず法改正を行わない日本政府に対し、取り組み状況を再度報告する よう求めました。
 法改正を求める国民の声も、差別撤廃の立ち遅れを指摘する司法や国連 の声も立法府にはほとんど届かず、今年の通常国会でも提出予定法案とさ れていません。
 そこで、今回初めて日本弁護士連合会の共催により院内集会を行うこと にいたしました。この問題に取り組んできた弁護士や女性たちと協同して、 今国会で民法改正が実現するよう立法府に働きかけたいと思います。
 ぜひご参加ください。

20120207[vol:267]
【GO1】離婚届用紙に養育費や面会交流の取り決めチェック欄 2月2日

 法務省は2月2日、離婚届の用紙に養育費と面会交流の取り決め状況をチェックする欄を設ける様式変更の民事局長通達を全国の法務局長に出し ました。
 民法では、父母は親権の有無にかかわらず、離婚後も子どもの養育費の 支払い義務があり、子どもは父母に対し養育費を請求することができると 規定していますが、実際には養育費を受けている子どもは2割以下、取り 決めすらしていないケースが大半で、シングルマザーと子どもの貧困にも つながっています。
 養育費が支払われないのは、離婚時に養育費の取り決めをしていないこ とが最大の要因です。昨年の(親権の一時停止などの)民法改正で、協議 離婚において定めるべきものの具体例に、監護費用の分担、養育費の支払 いが条文上明示されることになり、その法案審議で民主党の井戸まさえ衆 議院議員が、「養育費取り決め確保の最も効果的な周知徹底方法」として 離婚届用紙にチェック欄を設けることを強く求めました。加えて、衆・参 両院の法務委員会で明文化に関し「その趣旨の周知に努める」との附帯決 議がされたことを受け、法務省が検討を進めてきたものです。
 改正民法の4月1日施行に伴い、新たな様式の離婚届の用紙も4月から 使用されます。

*2010年人口動態統計によると、離婚件数25万1378件のうち未 成年の子があるのは14万7120件(58.5%)で、未成年の子の総 数は25万2617人となっています。

20120121[vol:266]
【GO3】野田改造内閣の女性閣僚わずか1人 1月13日

 野田佳彦首相は1月13日、改造内閣を発足させました。女性閣僚は、 蓮舫大臣の退任で続投する小宮山洋子厚生労働大臣のみとなりました。
 少子化対策・男女共同参画担当大臣は、行政改革、社会保障・税一体改 革、公務員制度改革を担当する岡田克也副総理の兼務です。
 民法を所管する法務省の小川敏夫大臣は、昨年4月の衆議院法務委員会 で、夫婦別姓に反対の稲田朋美議員の質問に対し、「必要としている人が 希望するのであれば、認めてもいいのではないか」と、法務副大臣として 賛成の立場を示しています。
 別姓反対を表明しているのは、松原仁国家公安委員会委員長兼消費者問 題・拉致問題担当大臣で、平野博文文部科学大臣は官房長官時代に消極姿 勢をみせていました。
 政府は、2020年までにあらゆる分野で指導的地位に女性が占める割 合が、少なくとも30%程度になることを目指していますが、大臣の女性 比率は18人中1人の5.6%、副大臣は22人中1人の4.5%、大臣 政務官は26人中4人の15.4%と、相変わらずジェンダーバランスに 問題のある人事です。
 ちなみに、これまでで女性の比率が最も高い内閣は、自民党政権時代の 第1次小泉純一郎内閣で、18人中5人の27.8%と群を抜いています。

20111229[vol:265]
【GO1】ヌエック 大幅な合理化の検討対象に 12月27日

 政府は12月27日、独立行政法人の制度・組織改革案を民主党の行政 改革調査会で明らかにしました。
 女性団体などから合理化が心配されていた国立女性教育会館(ヌエック) は、今回示された統廃合の対象にはなっていませんが、「今後、組織の在 り方や大幅な合理化を検討」の対象法人に例示されているため、年明けか ら始まる議論次第で統廃合の可能性があります。

20111218[vol:264]
【裁判】離婚後300日規定違憲訴訟で最高裁が上告を棄却 11月30日

 民法772条の規定により実父の子としての出生届を不受理としたのは 「法の下の平等」を定めた憲法に違反するとして、子どもの両親が居住す る岡山県総社市と国に計330万円の損害賠償を求めていた裁判の上告審 で、最高裁第2小法廷(竹内行夫裁判長)は11月30日、原告側の上告 を棄却する決定を行いました。「民法の規定についても、出生届の不受理 処分についても憲法違反はない」とした一審、それを支持した二審の判決 が確定しました。
 女性は婚姻後半年で夫の暴力により別居。岡山地裁にDV防止法に基づ く保護命令を申し立て、地裁が保護命令を出していました。その後、女性 が家裁に離婚訴訟を提起し、離婚を認める判決が出ましたが、夫が控訴。 5か月後、訴訟上の和解により離婚が成立しました。女性は再婚禁止期間 を待って別の男性と再婚、出産しましたが、離婚後300日以内だったた め、現在の夫の子としての出生届は不受理となりました。
 一審の岡山地裁は、「女性が妊娠したのは離婚前であり、離婚後の妊娠 であれば前夫の子ではないとする法務省通達にも該当しない」として、原 告の主張を退けました。DV保護命令が出ていたことや、離婚を認める判 決がありながら、DVの夫の控訴により離婚が遅れたことなどが判断に影 響しなかったことから、民法772条の規定の問題が改めて浮き彫りとな りました。
 原告側代理人の作花知志弁護士は「最高裁に憲法解釈をしてほしかった ので、その意味で残念でしたが、社会に対して問題提起できた意義はあっ たと思っています」とコメントを寄せました。
 なお、今年8月に岡山地裁に提起された再婚禁止期間を規定する民法の 違憲性を問う国賠訴訟の次回期日は、来年2月3日の予定です。

20111125[vol:263]
【国連】CEDAWフォローアップ審査、民法改正はB評価で1年以内に再報告

 女性差別撤廃委員会(CEDAW)第50会期(10月3日〜21日) がジュネーブで開催され、フォローアップ対象の民法改正と暫定的特別措 置(ポジティブアクション)について日本政府の報告書審査が行われまし た。
 審査は、A(履行されている)、B(一部履行されている)、C(履行 されていない)、D(返答がない)の4段階評価ですが、CEDAWは民 法改正をB、ポジティブアクションをAと評価し、民法改正については1 年以内に再度報告するよう求めました。
 審査結果が厳しいものとならなかったのは、日本政府が期限内に詳細な 報告をしたことや差別撤廃に向けて積極的な姿勢を示した第3次男女共同 参画基本計画の策定が評価されたものと思われます。
 第3次基本計画では、実効性のあるアクションプランとするため、重点 分野に「成果目標」を新たに設定し、固定的性別役割分担意識を前提とし た社会制度や社会構造の変革を目指して政府が一体となって取り組むこと を表明していました。また、CEDAWからの勧告を重視する記述も随所 に盛り込み、国際的な規範・基準を積極的に遵守しようとする姿勢を示し ていました。
 しかし、実際には民法改正の動きはほとんどなく、ポジティブアクショ ンについても数値目標を掲げたものの、政府に積極的な動きが見られない ため、女性団体からは評価への落胆や批判の声が上がるものと思われます。

▼フォローアップ項目
*民法改正(婚姻最低年齢を男女とも18歳、再婚禁止期間の廃止、選択 的夫婦別姓制度導入)と婚外子とその母に対する民法と戸籍法の差別規定 を撤廃すること。世論調査の結果のみに依存せず、国内法を条約に一致さ せること
*あらゆるレベルでの意思決定過程への女性の参画を拡大するための数値 目標とスケジュールを設定した暫定的特別措置を導入すること

20111114[vol:262]
【国連1】人間開発報告書 日本の豊かさ12位 男女平等14位 11月2日

 国連開発計画(UNDP)は11月2日、2011年版人間開発報告書 『持続可能性と公平性―よりよい未来をすべての人に』を発表しました。
 今年の報告書は、持続可能かつ平等な進歩をいかにして成し遂げるかと いう課題を取り上げています。
 国民生活の豊かさを示す人間開発指数(HDI)では、日本は12位で、 1位ノルウェー、2位オーストラリア、3位オランダ、4位米国、5位ニ ュージーランドで、最下位は187位のコンゴ民主共和国でした。
 HDIに男女間格差を考慮し算出したジェンダー不平等指数(GII) では、日本は14位、最も平等とされたのはスウェーデン、オランダ、デ ンマーク、スイス、フィンランドと続き、最も不平等とされたのはイエメ ンでした。
 報告書は、「リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)に関 する制約がジェンダーの不平等の一因になっている。有効な家族計画が普 及していれば、女性が出産する子どもの数が少なく、母子の健康の面で好 ましい影響が生まれ、温室効果ガス排出量が減らせる」と指摘しています。  報告書はUNDPのウェブサイトをご覧ください。
 http://hdr.undp.org/en/reports/global/hdr2011/download/jp/

20111013[vol:261]
【裁判】大阪高裁 婚外子差別の民法規定は違憲と判断 8月24日

 婚外子の法定相続分を婚内子の2分の1と定めた民法900条4号ただ し書きの合・違憲性が争われた抗告審で、大阪高等裁判所(赤西芳文裁判 長)は8月24日、規定は憲法14条1項、13条、24条2項に違反し 無効であると判断する決定を行いました。
 違憲判断されたのは、2008年に亡くなった男性の事実婚の妻との間 の婚外子1人、その後、法律婚した別の女性との間の婚内子3人、女性と 離婚後に再婚した妻の計5人の遺産分割をめぐる裁判です。
 2010年5月に妻が遺産分割を求めて調停を申し出ましたが、不調に 終わり、大阪家裁での審判手続きに移行しました。今年4月、大阪家裁が 民法の規定どおり、遺産分割を妻に2分の1、3人の婚内子にそれぞれ7 分の1、婚外子には婚内子の半分の14分の1と審判したため、婚外子側 が大阪高裁に抗告していました。
 決定理由では、「子の法律上の取り扱いを嫡出か非嫡出かに区別するこ とは、本人の意思によっては左右できないことによる区別となるうえ、非 嫡出子(婚外子)の法定相続分を嫡出子(婚内子)の法定相続分より少な くすることは、法が非嫡出子(婚外子)を嫡出子(婚内子)より劣位に置 くことを認める結果となり、法が非嫡出子(婚外子)に対するいわれない 差別を助長する結果になりかねない」と述べたうえで、「平等化を促す事 情が多く生じている」とする根拠に、96年の法制審答申、婚姻や親子関 係の実態や国民意識の多様化、規約人権委員会からの意見、諸外国の差別 撤廃の進捗などを挙げています。また、法律婚を尊重するという立法目的 と相続分の区別に合理的な関連がなく、「区別を放置することは立法府の 裁量判断の限界を超えている」と厳しく指摘しています。
 今回の決定は、特別抗告されずに確定したため、最高裁の憲法判断は行 われませんが、今後の最高裁の判断が注目されます。

20110918[vol:260]
【国会】衆議院本会議で社民党の重野議員が民法改正を質問 9月15日

 衆議院本会議で9月15日、野田佳彦首相の所信に対する代表質問で、 社民党の重野安正議員が民法改正や男女共同参画を取り上げました。
 重野議員は「国連女性差別撤廃委員会への8月の政府報告は余りにも消 極的であった。2年間の取り組みの評価と今後の取り組みの強化について 決意を伺いたい。選択的夫婦別姓制度や婚外子相続差別撤廃を含む民法改 正案はいつ提出されるのか。また、東日本大震災の復興、原発事故や放射 能被害への対応、エネルギー政策の転換に関する意思決定への女性の参加 の確保について、具体的にお答えください」と、首相の決意を質しました。
 これに対して野田首相は「女子差別撤廃委員会の最終見解も踏まえ、昨 年12月には第3次男女共同参画基本計画を策定した。その中で、民法改 正について引き続き検討を進めるとともに、女性の参画拡大について重点 的に取り組むこととしており、今後とも本計画を推進していく。民法改正 についてはいろいろな意見があるが、法制審答申を踏まえ、引き続き与党 内で調整していきたい。東日本大震災の復興や原子力災害への対応等にお いては、女性の視点が重要と考えており、女性の参画が進むよう取り組ん でいく」と答弁しました。
 民法改正に関する答弁は、今年1月27日の重野議員への菅首相の答弁 とほぼ同じ内容です。

20110827[vol:259]
【選挙】総務省が当選証書に通称使用の付記を認める見解 8月26日

 総務省は8月26日、戸籍名のみの記載を義務付けている選挙の当選証 書に、通称を氏名欄以外に付記することは可能であるとの見解を示しまし た。
 これは、仙台市議会議員選挙(8月28日投開票)に立候補を表明した 女性9人が8月10日、当選証書などで通称使用を認めるよう市の選挙管 理委員長に要望したことを受けて、総務省が検討していたものです。
 要望の主な内容は、当選証書での通称使用もしくは通称の付記、当選証 書付与式における通称での読み上げ、国に公職選挙法改正を働きかけるこ となどです。
 市の選管事務局は告示日の8月19日、「当選証書は戸籍名のみ記載す ることを国が決めているため、市独自で判断できないが、当選証書は希望 に応じて通称で読み上げる予定」と答えていました。
 公職選挙法で通称使用を認めているのはポスター掲示板や選挙公報、投 票所の候補者名の掲示など6項目で、当選証書については戸籍名のみを記 載することになっています。ただ、氏名欄以外に通称の付記が禁止されて いるとまでは言えないという判断から、見解を示したものと考えられます。
 要望書を提出した候補者の1人は「通称で当選証書の名前が読み上げら れるのは一歩前進であり、通称の付記が可能という総務省の見解はさらに 前進だ」とコメントしました。

20110805[vol:258]
【mネット】民法改正を求める緊急院内集会を開催 8月3日

 衆議院第二議員会館で8月3日、「人権政策を政治の柱に!民法改正を 求める8.3緊急院内集会」を開催しました。法改正を望む市民や国会議 員、秘書、報道関係者など96人が参加しました。
 主催者挨拶の後、家族法学者で慶応大学教授の犬伏由子さんが、親子の 氏を中心に民法の規定について解説しました。犬伏さんは、「一緒に暮ら す家族が同じ氏を名乗っているかというとそうではない。氏の同一を強制 しているのは夫婦にだけ、親子には強制していない。別姓夫婦の子どもは かわいそうと言われるが、現実は、家族の形態が多様化し、それを法制度 が食い止めていない。婚姻の4分の1は再婚。氏が同一であることによっ て権利や義務が発生するという期待がある。氏が同じで表面上影響がある と思われるが、民法は、親子であることは別建てで考えている。氏と連動 しない。そこを氏と絡めて家族は一体でなければならない、同一の氏を称 することでうまくいくと考えているために複雑な問題が発生している」と 話しました。また、婚外子の相続については「法律上の相続権は、配偶者 の相続権と血族の相続権は二本立てで独立している。『私が生んだ子でな いのになぜ平等にしなければいけないか』と配偶者が異様に反応するが、 配偶者の相続権には影響がない。家族を壊した子とかいうが、婚外子が生 まれる状況は愛人とか、不倫の子とは限らない。法律婚の尊重で差別を受 けるという血族相続権の根拠は何か。婚外子・婚内子の差を設ける必要が ない」と、法改正を求めました。
 各政党からの挨拶では、民主党の神本美恵子参議院議員が「子どもが可 哀想という意見があるが、犬伏さんの話を聞いて、子どもが可哀想でなく、 同姓強制に問題があることがわかった。引き続き民主党としてがんばって いきたい」と、法改正への決意を述べました。
 公明党の松あきら参議院議員は「民主党政権になって法案が出されたら、 賛成したいと思ってきたが、残念ながら出されない。国民新党だけの問題 なのか。議員立法でやったら、賛成・反対がはっきりする。民法改正に全 力を尽くしたい」と、議員立法案の提出に意欲を示しました。
 社民党の福島みずほ参議院議員は、「男女共同参画担当大臣の時に、残 念ながら閣法として出すことができなかった。議員立法も出せない状況は おかしい。ぜひとも出せるようにがんばりたい」と、力を込めました。
 共産党の井上哲士参議院議員は「政権交代しながら、議員立法さえ国会 に出ていない状況を残念に思う。一人一人が自分らしく生きるのを政治が 保障するのが大事。超党派での議員立法を含め、いろいろな形でできるよ う、がんばっていきたい」と、超党派での提出を呼びかけました。
 mネットの呼びかけ人でもある田嶋陽子さんは「夫婦別姓を何年一生懸 命やりますと言っているのか。家族の一体性がなくなるとか、子どもが可 哀想とか、国会議員はそれくらいのことを論破できないのか。なぜ女性の 国会議員たちはこんなにいるのに文句を言わないのか。原発を作ったのも、 後始末のできない男たち。事故の後始末のできない男たちがうろうろして いる。そういう男たちが維持してきたのが性別役割分業だ」と、さまざま な問題の根源が性別役割分業であることを厳しく指摘しました。
 集会の協賛団体の日本女性差別撤廃条約NGOネットワークの永井よし 子さんがフォローアップ項目のNGOレポートについて、弁護士の打越さ くらさんが日弁連会長のメッセージを披露、夫婦別姓訴訟弁護団長の榊原 富士子さんが訴訟の解説と協力の呼びかけを行いました。このほか、出席 議員、賛同団体もそれぞれ法改正を訴えました。
 最後に集会アピールを採択して閉会しました。

 アピール文、日弁連会長メッセージ、集会の写真をmネットのウェブサ イトでみることができます。
  http://www.ne.jp/asahi/m/net/syukai.html

20110719[vol:257]
【裁判】婚姻届不受理処分の取消訴訟控訴審第1回口頭弁論 7月7日

 別姓訴訟のうち、婚姻届不受理処分の取り消しを求めた行政訴訟の第1 回口頭弁論(控訴審)が7月7日、東京高等裁判所(青柳馨裁判長)で開 かれました。
 裁判長は、夫婦同姓を定めた民法の違憲性を問う国賠訴訟が行われる中、 行政訴訟において法律の解釈や権利について判断することは不可能との限 界を示しつつ、弁護団から要望のあった学者の意見書提出や書面作成に必 要な期間を受け入れ、次回期日を9月27日に指定しました。次回が最後 の弁論期日となる予定です。
 なお、別姓訴訟を支える会ではカンパを募集しています。詳しくはウェブサイトをご覧ください。
 http://www.asahi-net.or.jp/~dv3m-ymsk/index.html

20110620[vol:255]
【国連】子どもの権利条約第3議定書の共同提案国となり採択 6月17日

 国連人権理事会(UNHRC)は6月17日、「子どもの権利委員会に 対する個人通報制度を創設する子どもの権利条約新議定書(第3議定書) 案」を全会一致で採択しました。日本政府は、採択直前に共同提案国とな ることを決定しました。日本が議定書案の共同提案国となったことは画期 的なことで、他の人権条約の選択議定書批准への後押しになると期待され ます。
 同議定書案は今秋の国連総会に提出され、採択される見込みです。
 6月9日に提案された新議定書案は下記アドレスをご覧いただけます。
http://www.kindernothilfe.de/multimedia/KNH/Downloads/Themen+_+Kampagnen/Kin derrechte/Individualbeschwerde_+Hintergrundpapier+2009/Resolution+A_HRC_17_L _8+with+co_sponsors.pdf

20110531[vol:254]
【国会1】衆議院内閣委員会で井戸議員が災害復興への女性の参画と民法改正について質問 5月25日

 衆議院内閣委員会で5月25日、民主党の井戸まさえ議員が、災害復興 における男女共同参画と、女性差別撤廃委員会総括所見のフォローアップ 項目の民法改正等について質問しました。
 井戸議員は、災害復興には男女共同参画の視点が重要であるとし、「東 日本大震災復興構想会議の構成員の16人中女性が1人、検討部会も19 人中2人と、ジェンダーバランスに問題がある。復興構想会議は25人以 内で組織するとなっており増員も可能。ジェンダーに敏感な視点を持った 委員を増員するべき」と指摘しました。これについて、荻野徹内閣官房内 閣審議官は「復興構想の策定に当たって女性の視点が重要であり、その趣 旨に沿って対応したい」と答弁しました。
 また、井戸議員は女性差別撤廃委員会から勧告されたフォローアップ報 告の進捗状況について尋ね、岡島敦子男女共同参画局長は「関係各省と協 力しながら準備を行っており、監視専門調査会において、報告に盛り込む べき項目を示し、ご議論いただいている。今後、NGOとも意見交換を行 い、取りまとめる予定」と答えました。
 さらに、井戸議員は民法改正について、「民主党は法制審答申の翌年か ら法案を出し続けてきたが、政権交代後は止まり、NGOから批判され忸 怩たる思いだ」と述べ、法改正を求めました。これについて、黒岩宇洋法 務大臣政務官は「関係各位にしっかりと説明しながらご理解をいただく努 力をしていく。また井戸委員からも力をかりて前に進みたい」と答弁しま した。井戸議員は同日開かれる夫婦別姓訴訟の第1回口頭弁論に触れ「法 改正していればしなくていい裁判をしなければいけない。お金も時間も本 当に大変。何よりも精神的な苦痛がある。政権交代され、裁判が起こった ということを非常に重く受けとめ質問させていただいた」と無念さをにじ ませました。

20110430[vol:253]
【裁判】夫婦別姓訴訟第1回口頭弁論 報告&交流会のお知らせ

 民法の夫婦同姓規定が、憲法や女性差別撤廃条約に違反するとして、今 年2月14日、男女5人が東京地裁に提訴していましたが、第1回口頭弁 論が下記日程で開かれます。また、裁判の報告と交流会も下記のとおり行 われます。

 第1回口頭弁論
日時:5月25日(水)16:00〜16:30
場所:東京地裁104号法廷( 大きな法廷)
 *テレビカメラが入ります。

 裁判の報告と交流会
日時:5月25日(水)17:00〜18:00
場所:衆議院第二議員会館 1階多目的会議室

*参加は事前にメールかFAXでお知らせください。当日参加も可能です。
 FAX 03−3568−3077
mail:minpou-kaisei@m6.gyao.ne.jp

20110430[vol:252]
【国会1】衆議院法務委員会の親権停止の民法改正法案質疑で井戸議員が婚外子差別撤廃について質問 4月26日

 衆議院法務委員会で4月26日、子どもへの虐待防止のための親権停止 や離婚後の面会交流などを盛り込んだ民法改正案の質疑が行われ、婚外子 差別撤廃などの民法改正について民主党の井戸まさえ議員が、夫婦別姓に ついて自民党の稲田朋美議員が質問しました。また、自民党の馳浩議員が 共同親権を求め、無所属の城内実議員が共同親権について反対の立場で質 問しました。
 井戸まさえ議員は「今回は96年法制審議会答申の一部が改正されるが、 子の福祉、子の利益のためなら、婚外子への相続分差別の撤廃こそ行われ るべきだった。国連の各種委員会から度々勧告を受け、子どもの権利委員 会からは嫡出でない子という差別的な用語を改めることも求められている」 と指摘したうえで「法制審議会から法律案要綱として答申され、たなざら しとなっているものが他にあるか」と尋ねました。これについて法務省の 原優民事局長は「ほかにはないと思う」と答えました。井戸議員が「法制 審答申をそのままにしておくのか」と質すと、江田五月法務大臣は「(法 改正は)必要と思っているので、精一杯検討したい。立法の玄関までたど り着いている。国会の理解をいただけるよう私どもも努力するし、議員に おいても努力いただきたい」と答弁しました。虐待防止関連で出席した小 宮山洋子厚生労働副大臣も「虐待防止のための親権の一時停止の民法改正 は一歩前進だが、基本的には家族法改正の議論が進められていかなければ いけない」と答えました。

 稲田朋美議員は夫婦別姓に反対の立場で「どのように考えているか」と、 政務三役に尋ねました。江田法務大臣は「さまざまな家族の在り方、夫婦 の在り方の一つとして、私は選択的に許容すべきものと思う」と答え、小 川敏夫副大臣も「必要としている人が希望するのであれば、認めてもいい のではないか」、黒岩宇洋大臣政務官も「許容されることがあってしかる べき」と、それぞれ賛成の立場を示しました。

 馳浩議員は「DV防止法上の保護命令を慎重に適正手続を踏んで行うこ と、不当な連れ去りは児童虐待となる場合もあること、監護親を決定する 場合に不当な連れ去りは不利に働き、逆に、面接交流に積極的な親が監護 親の決定に有利に働くこと、面会交流の約束を正当な理由なく反故にした 場合、監護権者変更の重要な要素となるなど、これらの4点を制度化して いくべきではないか」と、大臣の見解を求めました。これについて江田大 臣は「その必要性やルールとしての明確性、他に考慮しなければならない 要素などがあり、今の段階では慎重な検討が必要」と、法改正には否定的 な立場を示しました。馳議員は「今回は子の最善の利益を軸に改正される が、更なる進化形が共同親権、共同看護」と述べ、法改正を求めました。 江田大臣は「単独親権を直ちに共同親権というのはハードルが高すぎる」 と、慎重な考えを示しました。さらに、馳議員が「共同の養育計画、養育 費の支払いの計画書を作らなければ離婚できないとしたらどうか」と提案 しましたが、江田大臣は「離婚の条件と離婚の効力要件まで法制化するの は困難がある」と否定的な考えを示しました。

 城内実議員は「共同親権が導入されると、夫婦関係は解消されても子の 両親としての関係は残り、準夫婦という非常にあいまいな状態が生じる。 簡単に離婚して子どもに両方の親が会えてしまうと、子どもから見ると大 変結構な事だが、日本の夫婦観も変わってしまうのではないかと懸念する」 と、自論を展開しました。

 なお、法案は質疑後採決が行われ、28日の衆議院本会議でも全会一致で 可決し、参議院に送られました。

20110410[vol:251]
【NGO】DV等に関する被災女性向けホットライン開設 4月10日

 東日本大震災で被災した女性を対象に、全国女性シェルターネットなど が4月10日、電話相談窓口「パープル・ホットライン」を開設しました。
 避難所などでの生活環境の激変による性暴力やドメスティックバイオレ ンス(DV)、子どもへの虐待、女性の体調管理や生活上の不都合につい て相談に応じます。24時間対応のフリーダイヤル0120‐941‐8 26で、必要に応じて弁護士に電話を転送することにしています。

20110318[vol:250]
【GO1】内閣府が女性や子育てニーズを踏まえた災害対応を依頼 3月16日

 内閣府男女共同参画局は3月16日、東北地方太平洋沖地震により避難 生活をしている女性や子育て家庭にとって、被災者の肉体的・精神的負担 を緩和するため、「女性や子育てのニーズを踏まえた災害対応について」 の文書を、災害対策本部に提出し、関係機関への周知等を依頼しました。 また、性犯罪防止の観点から警察庁にも提出し、警備強化などについても お願いしています。
 依頼の主な内容は、下記のとおりです。
【1】被災地への輸送物資に含めるもの
  生理用品、おむつ、粉ミルク、哺乳ビン、離乳食
【2】女性や子育てに配慮した避難所の設計
  プライバシーを確保できる仕切りの工夫、男性の目線が気にならない更衣室・授乳室、入浴設備、
  安全な男女別トイレ、乳幼児への対応
【3】女性のニーズ等を反映した避難所の運営体制
  女性ニーズの把握、避難所の運営体制への女性の参画、地域の医療機関や保育・教育機関、
  男女共同参画センター等との連携、悩み相談サービスの提供と周知
【4】女性に対する暴力を防ぐための措置
  警察など関係機関における警備強化、性犯罪等についての相談サービスの提供、安全な環境の整備
【5】妊婦等への配慮

20110304[vol:249]
【国会1】衆議院予算分科会で井戸議員がハーグ条約など質問 2月25日

 衆議院予算委員会第三分科会で2月25日、民主党の井戸まさえ議員が、 ハーグ条約や非配偶者間人工授精(AID)による出生子の取り扱いにつ いて質問しました。
 井戸議員は、「ハーグ条約が子どもの最善の利益を保障するものなのか 懸念があり、政府・民主党内には慎重論が根強くある。DVに対する配慮 が不十分ではないか。菅首相の春の訪米の際に加盟方針を表明することを 視野に検討を進め、三月中に政府見解をまとめる予定との記事も出ている。オバマ大統領との会談で、(加盟の)表明ありきで議論を進めているので はないか」と質しました。これに対し、前原大臣は「ハーグ条約は日米間 だけではなく、他の国からも言われている。人権にかかわる問題であると 同時に、外交問題になっているので、議論をし、一定の時期に結論を得る ことを考えなくてはいけない。それが何かのタイミングで土産という意図 もない」と、答えました。
 また、井戸議員は「第三者から精子提供により出生した子どもの出生届 の父欄の正しい書き方は何か」と質しました。これについて小川敏夫法務 副大臣は「戸籍の受け付けは形式審査なので、父親が生物学上本当に父親 か調査することはないから、形式が整っていれば受理するのが戸籍の原則。 AIDの証明書をつけて提出されれば、それは受理できるかどうか」と明 確な答弁を避けました。井戸議員は「性同一性障害であろうとなかろうと、 AIDは同じ扱いでなければいけない。親子法制がないゆえに、無戸籍の 子どもが増えている。そのことを知りながら何もしていないのは、立法の 不作為を問われると思う」と厳しく指摘しました。

20110218[vol:248]
【裁判】別姓訴訟 東京地裁に提訴 2月14日

 民法の夫婦同姓規定は、個人の尊厳を定めた憲法13条や、両性の平等 を定めた24条、女性に対する差別法規の改廃義務を定めた女性差別撤廃 条約などに違反するとして、富山県の塚本協子さん、東京都の加山恵美さ ん・渡辺二夫(つぐお)さん、小国香織さん、京都府の吉井美奈子さんの 5人が、国などを相手に計600万円の慰謝料や、別姓で提出した婚姻届 の不受理処分の取り消しを求める訴訟を東京地裁に起こしました。
 夫婦同姓規定を違憲として国家賠償を求める訴訟はこれが初めてです。      (mネット通信第245号参照)
 塚本さんらは、夫婦双方が氏名保持権と婚姻の自由を保障されるために は民法750条を改正し、夫婦別姓という選択肢を新設すべきであるのに、 国は立法を怠ってきたとして国家賠償を求めています。塚本さん、小国さ ん、吉井さんは法律婚で旧姓を通称使用し、戸籍姓と自己の違和感や、不 便不利益を被っていること、事実婚をしている加山さんと渡辺さん夫婦は、 法律婚していれば得られる利益を受けられない損害が生じていることを慰 謝料請求の理由としています。さらに、夫婦は今年1月、夫婦別姓の婚姻 届を荒川区に提出しようとして不受理になった精神的損害を慰謝料請求し ています。
 弁護団は榊原富士子さん、打越さく良さん、大谷美紀子さん、折井純さ ん、金塚彩乃さん、川見未華さん、橘高真佐美さん、小島延夫さん、塩生 朋子さん、竹下博將さん、渕上陽子さん、吉岡睦子さんの12人です。

 訴状を提出後、衆議院第一議員会館で別姓訴訟を支える会(大澤容子代 表)主催の報告会が行われ、原告4人弁護士9人が提訴への思いや訴状の 解説などを行いました。
 原告の塚本さんは「私は塚本協子で生きて死んでいきたい。去年別姓法 案ができないと知って絶望のあまり寝込んだ。政治がだめなら司法がある と思った」と、提訴への決意を述べました。加山さんは「どちらも名前を 変えることなく婚姻届が受理される制度を望んでいる」、小国さんは「結 婚直前に、法律的は夫婦でないことがどう影響するか恐怖を感じて婚姻届 を出すことにした。その時の追い詰められた思いは忘れられない」、吉井 さんは「旧姓使用には限界があり、民法改正を求めている。原告以外にも 旧姓を使いたいという人がたくさんいる。4歳、2歳の息子と姓が違って も愛情には関係ない。家族がばらばらになるという考え方自体が根本的に 違う」と、それぞれの思いを語りました。
 弁護団長の榊原さんは「結婚後も姓を変えたくない人が結婚すると氏を 捨てなければならない、氏名を保持する権利を侵害することが憲法13条 に違反する。氏を捨てない選択をすると結婚届が出せないことが憲法24 条に違反する。二つのどちらにするか悩むこと自体、悩ませる民法750 条が憲法違反である。ただ憲法違反というだけでなく、議員立法案を出し ても成立せず、閣法として提出したこともなかった。こうしたことすべて が国の立法不作為だと訴えている。前例がなく非常に難しい訴訟だが、元 気にがんばりたい」と、訴状の解説と弁護団の決意を述べました。
 このほか、「別姓訴訟を支える会・富山」の宮崎さゆりさんが会の設立 の報告を行い、参加した国会議員や支援者から発言がありました。

 ※別姓訴訟を支える会(会員、カンパ募集中!)
 http://www.asahi-net.or.jp/~dv3m-ymsk/index.html

20110127[vol:247]
【国会1】衆議院本会議で重野議員が民法改正について質問 1月27日

 衆議院本会議で1月27日、社民党の重野安正議員が選択的夫婦別姓制 度導入や婚外子相続差別撤廃の民法改正について、菅直人首相に質問しま した。
 重野議員は「96年の法制審答申の翌年から政権交代するまで、民主党 は議員立法案を出し続け、政権交代で実現するのではないかと多くの国民 が期待した。国連の各種人権委員会も民法改正を再三勧告し、とりわけ女 性差別撤廃委員会は、世論を理由に法改正しないことについて厳しく勧告 している。婚外子相続差別規定については、最高裁が95年の合憲判断を見 直す可能性が高いといわれている。国連からの勧告や司法の判断を待つま でもなく、人権の問題は最優先で解決するべき」と、菅首相の民法改正へ の決意を質しました。
 これに対して菅首相は「平成8年法制審議会において民法改正案の要綱 を決定し、法務大臣への答申が行われている。民法改正についてはいろい ろな意見があるが、この答申を踏まえ、引き続き与党内で調整していきた い」と、答弁しました。

 民法改正についての最近の国会答弁は「国民の意識、動向を踏まえつつ 協議をしていきたい」というものでした。今回は、女性差別撤廃条約の勧 告を踏まえて策定した第3次男女共同参画基本計画を閣議決定したこと、 重野議員の質問が世論に言及した国連の勧告を引き合いに出したこともあ り、世論の動向を理由とせず「法制審答申を踏まえ(調整する)」と答弁し たものと思われます。

20110117[vol:246]
【GO1】菅第2次改造内閣 女性閣僚わずか1人 1月14日

 菅直人首相は1月14日、第2次改造内閣を発足させました。  民法改正推進派の枝野幸男衆議院議員が最年少で官房長官に、同じく民 法改正推進派の江田五月前参議院議長が法務大臣に就任しました。しかし、女性閣僚は、続投する蓮舫行政刷新、消費者及び食品安全担当大臣のみで、 男女共同参画は経済財政政策担当の与謝野馨大臣が兼務することになり、 ジェンダーバランスに問題のある人事となっています。
 昨年12月17日に閣議決定した第3次男女共同参画基本計画では「政 治分野における女性の参画の拡大の重要性について積極的に啓発活動を行 う」としていますが、早くも閣僚人事でネガティブなメッセージを出す格 好となりました。

 江田法務大臣は、民法改正推進派として知られ、参議院の野党3党で法 案を初めて提出した1999年と2000年の発議者(提出者)となり、 それ以降、議長に就任するまで法案の賛成者として名前を連ねています。
 また、1999年の参議院総務委員会の男女共同参画社会基本法案審議 の際には野党の筆頭理事として、「男女共同参画社会の実現を21世紀の 我が国社会を決定する最重要課題と位置づけ・・・」という文言を含む前 文を入れるよう主張し、実現しました。そのような経緯もあり、2001 年に民主党NC法務大臣に就任した際には「夫婦別姓についての世論は、 認める人が多数になりました。男女共同参画社会の実現は、21世紀の最 重要課題。もう待ったなしです」と抱負を述べています。

 公務員制度改革や拉致問題担当の中野寛成大臣は、昨年の参議院選挙の マニフェストに、選択的夫婦別姓制度導入の明記を見送った国民生活研究 会の会長をしていましたが、自身は民法改正に反対の表明をしておらず、 2000年の法案提出の際には賛成者として名前を連ねています。
 閣僚の過去の院内集会での発言はmネット通信第230号をご参照くだ さい。

20110107[vol:245]
【裁判】夫婦同姓規定を違憲として初の国賠訴訟へ 1月6日

 民法の夫婦同姓規定は、個人の尊厳を定めた憲法13条や、両性の平等 を定めた24条、女性に対する差別法規の改廃義務を定めた女性差別撤廃 条約などに違反するとして、男女5人が国を相手に総額約500万円の慰 謝料を求める訴訟を起こすことにしました。
 原告は富山県の塚本協子さん(75歳)、東京都の加山恵美さん・渡辺二 夫(わたなべつぐお)さん夫妻など5人です。家族法や国際人権法に詳し い弁護士12人が弁護団を結成し、2月中旬に東京地裁に提訴する予定で す。これまで、通称使用を求める訴訟や、夫婦別姓での婚姻届不受理取り 消しを求める訴訟はありましたが、夫婦同姓規定を違憲として国家賠償を 求める訴訟は初めてです。

 原告の塚本協子さんは1960年に結婚して以来、50年間、夫婦別姓 を可能とする法改正を待ち望んできました。96年に法制審議会から民法 改正要綱案が答申され、法改正を期待しましたが、実現しないため、司法 の場に解決を求めることにしました。
 塚本さんは、結婚の際にどちらか一方の姓に決められなかったため、婚 姻届を提出せず事実婚にしましたが、出産後に法律婚し、現在は通称で塚 本姓を名乗っています。塚本さんの法改正への思いは強く、富山で「“選 択的”夫婦別姓の会・富山(ななの会)」を立ち上げ、精力的に活動を続 けてきました。塚本さんの決心に動かされ弁護団が結成され、さらに加山 さんと渡辺さんほか東京と京都の2人が原告に加わりました。
 弁護団は、団長の榊原富士子さん、事務局長の打越さく良さんのほか、 折井純さん、川見未華さん、渕上陽子さん、大谷美紀子さん、橘高真佐美 さん、金塚彩乃さん、小島延夫さん、塩生朋子さん、竹下博將さん、吉岡 睦子さんの計12人で構成されます。
 なお、mネットはこの訴訟を全面的に支援しており、国会や政府への働 きかけとともに支援活動を展開することにしています。

20101218[vol:244]
【GO1】第3次男女共同参画基本計画を閣議決定 12月17日 

 政府は12月17日、2011年度から実施する第3次男女共同参画基 本計画を閣議決定しました。
 本計画は、政府が11月22日に男女共同参画会議(議長・仙谷由人官 房長官)に提示していた計画(案)とほぼ同じ内容で、@経済社会の変化 等に対応して新たな重点分野を新設A実効性のあるアクション・プランと するため、それぞれの重点分野に「成果目標」を設定B2020年に指導 的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする目標に向けた取組を推進C女性の活躍による経済社会の活性化や「M字カーブ問題」の解 消も強調、を特徴としています。
 最も関心の高かった民法改正の記述は、計画(案)と同様「検討を進め る」となっています。今年4月の「中間整理」や7月の「答申」に盛り込 まれていた「民法改正が必要である」は削除されました。与党である国民 新党や民主党内の反対派に配慮し、直接的な表現は避けた形ですが、「夫 婦や家族のあり方の多様化や女子差別撤廃委員会からの最終見解も踏まえ (検討を進める)」としたことに加え、第15分野で「緊急に実施すべき 2年以内のフォローアップ項目も含め、勧告された事項に適切に対処する」 と記述したことで、フォローアップ対象が民法改正であることを認識して いる推進派にも理解が得られる形をとっています。
 計画(案)から変更になったのは、基本計画策定に当たっての基本的な 考え方のBに「日本の文化、社会の状況等にも配慮しつつ」が加えられた ことです。また、事業仕分け(再仕分け)で「閉鎖」と事業の「廃止」が 要請された「女性と仕事の未来館」については、計画(案)段階までは記 述されていましたが、施設名が削除されました。
 今年7月の「中間整理」で本文脚注に記述されていた用語の解説は、別 途、用語解説にまとめられました。ジェンダー用語は、当初「社会的・文 化的に形成された性別」されていたものが、第2次基本計画で「社会的性 別」と変更され、用語解説では再び「社会的・文化的に形成された性別」 と明記されました。また、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖 に関する健康と権利)の解説なども盛り込まれています。
 詳細は男女共同参画局のウェブサイトをご覧ください。
  http://www.gender.go.jp/kihon-keikaku/3rd/index.html

20101205[vol:243]
【GO】第3次男女共同参画基本計画(案)を提示 11月22日 

 政府は11月22日、2011年度から5年間実施する第3次男女共同 参画基本計画(案)を男女共同参画会議(議長・仙谷由人官房長官)に提 示しました。
 原案の内容は、今年7月に男女共同参画会議から答申された「第3次男 女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」(mネット通信第 234号参照)を踏襲したものとなっています。
 特徴は、基本法施行後10年間の反省を踏まえ、実効性のあるアクショ ンプランとするため、重点分野に「成果目標」を新たに設定し、固定的性 別役割分担意識を前提とした社会制度や社会構造の変革を目指して政府が 一体となって取り組むとしています。国連女性差別撤廃委員会からの勧告 を重視する記述が多く、国際的な規範・基準を積極的に遵守しようとする 姿勢がうかがえます。
 注目が集まっていた選択的夫婦別姓制度などの民法改正について、今年 4月の中間整理で「民法改正が必要である」と記述され、答申でも変更さ れていませんでしたが、原案では「引き続き検討する」に変更されました。 ただ、民法改正の必要性について直接的な表現はないものの、「夫婦や家 族のあり方の多様化や女子差別撤廃委員会からの最終見解も踏まえ(検討 を進める)」としていることや、第15分野で「緊急に実施すべき2年以 内のフォローアップ項目も含め、勧告された事項に適切に対処する」との 記述があり、フォローアップ対象は民法改正と暫定的特別措置の2項目で あるため、「必要である」との認識には変わりがなく、総合的に判断して も「後退」とは言えません。
 来年1月に発足する「ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのため の国連機関(略称:UN WOMEN)」の執行理事国に日本が選出され たこともあり、答申で記述された「効果的・効率的に機能するよう働きか ける」は「積極的貢献を図る」に変更されました。
 再仕分けで「閉鎖」と事業の「廃止」が要請された「女性と仕事の未来 館」については、第3部の推進体制の「男女共同参画社会の実現に向けた 活動拠点施設の充実」に明記されています。
 性・暴力や児童ポルノに関する記述については、中間整理から答申で後 退していましたが、さらに記述の後退がみられました。規制を含めた実効 的な対策については中間整理で「表現の自由に配慮しつつ検討する」とし ていたものが、答申では「表現の自由を十分に尊重した上で検討する」に 変わっていましたが、原案も答申を踏襲しました。答申における「子ども に対する性的な暴力の根絶に向けた対策の推進」の具体的な取組では「児 童ポルノの根絶」と記述していましたが、原案では「児童ポルノ対策の推 進」とし、「児童ポルノの根絶」という表現はなくなりました。
 「性・暴力表現など女性の人権を侵害する情報を含むインターネット上 の違法な情報の流通に対して」は「表現の自由、通信の秘密に配慮しつつ、 プロバイダー等による自主的対応、及びこれを支援する対策についての検 討を進める」としており、人権侵害への有効な手立てとなるのかは疑問で す。「表現の自由」は憲法で保障されており侵害されないことは言うまで もありませんが、性犯罪への対策、性・暴力表現への対策、子どもへの性 暴力の根絶のそれぞれの具体的な取り組みにおいて、「表現の自由を十分 に尊重した上で」の記述が繰り返されることは、性暴力や児童ポルノの根 絶の動きに逆行するような印象を拭えません。

20101118[vol:242]
【GO】事業仕分けで「女性と仕事の未来館」閉鎖へ 11月17日 

 政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は11月17日、事業仕分け の過去の判定を検証する「再仕分け」作業を行い、東京都港区にある女性 向けの就労支援施設「女性と仕事の未来館」については、今春の仕分け後、 活用策の検討が実行されていないとして、閉鎖を要請しました。
 同館の運営を行っている財団法人女性労働協会は、女性支援のシンボル として同館の維持を強調しましたが、仕分け人は「存在意義が不明確」と して受け入れませんでした。

20101110[vol:241]
【国連1】国連開発計画 ジェンダー不平等指数 日本は12位 11月4日 

 国連開発計画(UNDP)は11月4日、2010年版人間開発報告書 『国家の真の豊かさ―人間開発への道筋』を発表しました。
 報告書は、1970年以降の人間開発指数(HDI)に関する指標を見 直し、精力的に長期トレンドの分析を行った結果、国の経済成長と、所得 以外のHDI構成要素である保健および教育面での成果との間には、一貫 した相関関係がないことを明らかにしています。
 国民生活の豊かさを測るHDIは、今回から指標を見直し、所得、保健、 教育の各分野での不平等を反映しています。日本は169か国中11位で、 1位はノルウェー、2位オーストラリア、3位ニュージーランド、4位米 国、5位アイルランドで、最も低かったのはジンバブエでした。
 女性の政治参加や経済界における活躍、意思決定に参加できるかどうか を表す指数のジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)はなくなり、 これまでのHDIに男女間格差を考慮して算出してきた「ジェンダー開発 指数(GDI)」も、今回から、妊産婦死亡率や議会における女性議員比 率などを含めた「ジェンダー不平等指数(GII)」に改められました。 本報告書執筆の責任者は「男女間にある深刻な社会的・経済的不平等が人 間開発に及ぼす負の影響を測ることを目的に設定されている」と述べてい ます。GIIでは日本は12位で、最も平等とされたのはオランダで、2 位デンマーク、3位スウェーデン、4位スイス、5位ノルウェーと続き、 最も不平等とされたのはイエメンでした。
 報告書(英文)の全文はUNDPのウェブサイトをご覧ください。
  http://hdr.undp.org/en/mediacentre/

20101023[vol:240]
【国会1】衆議院法務委員会で稲田議員が「慰安婦」デモ参加の岡崎大臣を非難する質問 10月22日 

 衆議院法務委員会で10月22日、自民党の稲田朋美議員が所管外の岡 崎トミ子男女共同参画担当大臣に出席要請を行ったうえ、2003年の韓 国でのいわゆる「慰安婦」関連のデモに参加した大臣の行動について質問 しました。
 稲田議員は「2003年のデモはいかなるデモで、大臣はどのような趣 旨で参加したのか」と尋ねました。これについて岡崎大臣は「過去の戦争 の問題に取り組む私どもの活動の報告に行った。そのデモには韓国全土か ら慰安婦とされたおばあさんたちが集まってこられるということで参加し た」と答えました。
 稲田議員の「日本大使館の前で日本政府を糾弾するデモではなかったの か」「反日デモに参加したことを反省していないのか」との質問について、 岡崎大臣は「高齢のおばあさんたちがなぜそこで要求を言わざるを得なか ったのか。どんな人生を歩んできたのか。被害者としての悲しみ、苦しみ が70年以上続いている。そのことについて取り組むこと、被害者に向き 合うということが大事だと考えてきた。反日の活動をしたつもりはない。 むしろ、戦争の問題についてきっちりと答えていく。この国が世界の国々 から誇りを持つ国であるとさらに思っていただける。国益にかなうもので あると思っている」と答えました。しかし、稲田議員は繰り返しデモへの 参加を非難し、大臣の辞任を要求しました。

20101010[vol:239]
【国会1】社民党 有価証券報告書における男女平等記載の申し入 10月6日 

 社民党の福島みずほ党首は10月6日、自見庄三郎金融・郵政担当大臣 に対し、企業内容を外部に開示することが義務付けられている有価証券報 告書に、男女別の平均賃金や男女平等を推し進める基準を記載するよう要 望しました。
 これに対し、自見大臣は「企業の社会的責任が非常に大きく取り上げら れている時代だ」として、前向きの検討を示唆しました。

20100930[vol:238]
【国会3】菅改造内閣女性閣僚わずか2人 9月17日 

 菅直人首相は9月17日、改造内閣を発足させました。
 注目の女性閣僚は、続投の蓮舫行政刷新担当大臣と少子化・男女共同参 画担当の岡崎とみ子大臣のわずか2人に留まりました。
 岡崎大臣は就任会見で「実効性のある第3次男女共同参画基本計画を今 年度中に策定する。政策方針決定過程に女性の参画が拡大すること、ワー ク・ライフ・バランスを推進していくこと、女性に対する暴力の根絶に積 極的に取り組みたい」と述べましたが、具体的な政策には言及しませんで した。
 政府は、2020年までにあらゆる分野で指導的地位に女性が占める割 合が、少なくとも30%程度になることを目指していますが、大臣の女性 比率は18人中2人の11.1%、副大臣は22人中1人の4.5%、大 臣政務官は26人中2人の7.7%と、ジェンダーバランスに問題のある 人事といえます。
 ちなみに、女性の比率が最も高いのは第1次小泉純一郎内閣で、18人 中5人の27.8%です。

20100909[vol:237]
【裁判】離婚後300日規定違憲訴訟で広島高裁が控訴を棄却 9月3日 

 民法772条の規定により実父の子としての出生届を不受理としたのは 「法の下の平等」を定めた憲法に違反するとして、子どもの両親が居住す る総社市と国に計330万円の損害賠償を求めていた裁判の控訴審判決が 9月3日、広島高裁岡山支部(山崎和信裁判長)で行われ、一審の「民法 の規定についても、出生届の不受理処分についても憲法違反はない」とし た岡山地裁判決を支持し、原告側の控訴を棄却しました。
 女性は06年2月に婚姻しましたが、夫の暴力が原因で半年後に実家の ある岡山県に戻り、岡山地裁にDV防止法に基づく保護命令を申し立てま した。同年10月には地裁が保護命令を出しました。07年3月、女性は 家裁に離婚訴訟を提起し、10月に離婚を認める判決が出ましたが、夫が 控訴したため離婚が成立せず、08年3月に訴訟上の和解により離婚が成 立しました。女性は再婚禁止期間を待って別の男性と再婚、出産しました が、離婚後300日以内だったため、夫の子としての出生届は不受理とな りました。その後、夫との認知調停が成立し、子どもの無戸籍状態は解消 されました。
 原告側は、前夫との婚姻関係は形骸化が認められており、現夫の子とし て受理するよう求めましたが、判決では出生届の審査について「職務上の 義務違反があるとはいえない」と判断しました。
 判決後、原告代理人の作花知志弁護士は「民法772条そのものは、実 は柔軟に運用することができる法規範なのであるから、平成13年にDV 防止法が制定されるなど、DV被害者の保護が社会的な要請となっている 現在では、その救済を図る意味でも、高裁としては、より柔軟な運用を求 める判決を出すべきであった。最高裁の判断を仰ぎたい」と話し、上告の 方針を明らかにしました。
 一方、被告の法務省は「国の主張が認められた妥当な判決だと考えてい る」とし、総社市の片岡聡一市長は「控訴棄却の判決が出ても嬉しくない。 民法772条の規定はすでに時代に合わなくなっている。法の谷間で苦し む子どもが生まれないよう法改正を求めて戦っていく」とコメントしまし た。

20100827[vol:236]
【国会1】民主党 第2回法務部門会議を開催 8月26日 

 民主党政調法務部門会議(座長・今野東参議院議員)が8月26日、 第2回会議を開きました。
 会議では、政調役員会で法務部門内にワーキングチーム(WT)、小 委員会が設置されたことなどが報告されました。
 また、加藤公一法務副大臣は、民法改正案など6法案を臨時国会の提 出予定法案としていることを報告しました。このほか、法務省と最高裁 から概算要求などについてヒアリングも行いました。
 設置が決まったWTと小委員会は次のとおりです。なお、民法改正の WTについては、最高裁の大法廷回付を受けて、婚外子の相続分の同等 化について検討することにしたものです。

◆民法改正案検討(仮称)WT (石関貴史座長)
◆児童ポルノ法検討WT (辻惠座長/山尾志桜里事務局長)
◆民法債権法検討(仮称)WT (前川清成座長)
◆死刑制度検討WT (今野東座長)
◆難民問題検討WT (藤田一枝座長/稲見哲男事務局長)

◆ハーグ条約検討小委員会
(座長・石毛^子衆議院議員/事務局長・今野東参議院議員)

20100813[vol:235]
【国会1】民主党政調 第1回目の法務部門会議開催 8月3日

 民主党は政策調査会(玄葉光一郎会長)を復活させ、政府・与党一元化 のもと、政策決定は政府が責任を持って行い、政策調査会は政策に関する 「国民の声」、議員の英知を集約・収斂し、政府に提言します。連立与党と の政策調整は、個別案件はコアメンバー会議、重要案件は政調役員会、最 重要案件は閣僚委員会等で行うこととしています。

 8月3日、第1回目の法務部門会議が開かれ、法務部門会議の運営や法 案の取り扱い、秋の臨時国会の提出予定法案などが議論されました。
 法務部門会議のコアメンバー会議は、今野東参議院法務筆頭理事(座長) 石関貴史衆議院法務筆頭理事(事務局長)、藤田一枝政調副会長、辻惠副 幹事長・衆議院法務理事、樋高剛衆議院法務理事、前川清成参議院法務理 事、滝実衆議院法務委員長と、政府側から千葉景子法務大臣、加藤公一副 大臣(共同座長)、中村哲治政務官が入り計10人で構成されます。
 法案の取り扱いについては、民法改正案、児童ポルノ法改正案などが挙 げられました。民法改正については、最高裁の大法廷回付を受けて、婚外 子の相続分の同等化について検討することにしたものです。

20100729[vol:234]
【GO1】男女共同参画会議 基本計画策定の考え方を答申 7月23日

 政府の男女共同参画会議(議長・仙谷由人官房長官)は7月23日、 2011年度から5年間実施する「第3次男女共同参画基本計画の策定に 当たっての基本的な考え方」を菅直人首相に答申しました。
 今年4月に公表された「中間整理」(mネット通信第225号参照)と 同様、基本法施行後の10年間については、基本計画に基づく取り組みを 行ったものの、男女共同参画が十分には進まなかったと反省し、第3次の 基本計画策定に当たっては、基本的考え方の特徴として○実効性のあるポ ジティブ・アクションの推進、○男性や子ども、地域における男女共同参 画の推進、○世帯単位から個人単位の制度・慣行への移行、○雇用問題の 解決の推進、セイフティーネットの構築、○国際的な概念や考え方の重視 を挙げています。
 注目が集まっていた選択的夫婦別姓制度などの民法改正については「中 間整理」と同様、改正の必要性が明確に示されました。
 「中間整理」から大きく変わった点は、目指すべき社会として掲げた@ 固定的性別役割分担意識をなくした男女平等の社会A男女の人権が尊重さ れ、尊厳をもって個人が生きることのできる社会B男女が個性と能力を発 揮することによる、多様性に富んだ活力ある社会、に新たにC男女共同参 画に関して、国際的な評価を得られる社会を追加したことや重点分野に「 貧困など生活上の困難に直面する男女への支援」を新設したことです。
 また、男性の意識が低く「小さな」課題と捉えられたことへの反省から、 男性が自分たちの問題だと認識するような記述が随所に加えられました。
 国連女性差別撤廃委員会からの改善勧告については各項目で強調されて いますが、国連にジェンダー平等推進の専門機関が設置されることから、 新たな機関への働きかけも追加されました。
 一方、女性の能力発揮促進のための支援として事業内容を紹介していた 「女性と仕事の未来館」については、事業仕分けの対象になったため抽象 的な記述に留まりました。
 「中間整理」から後退したのは、性・暴力や児童ポルノに関する記述で す。規制を含めた実効的な対策について「中間整理」で「表現の自由に配 慮しつつ検討する」としていたものが、「表現の自由を十分に尊重した上 で検討する」に変わりました。児童ポルノの根絶に向けた対策についても、 子どもに対する性・暴力表現について規制の在り方を検討する、に「表現 の自由を十分に尊重した上で」が新たに加えられました。メディア産業の 性・暴力表現についても、流通・閲覧等に関する対策の在り方を検討する、 に「表現の自由を十分に尊重した上で」が追加されました。また、女性を もっぱら性的ないし暴力行為の対象としたメディアにおける性暴力表現に ついて、「中間整理」では「それ自体が『人権侵害』であるという観点か ら広報啓発」としていましたが、「男女共同参画社会の形成を大きく阻害 するものであるという観点から広報啓発」とし、抽象的な表現に後退しま した。一方、メディアへの対応については、「それ自体が『人権侵害』で あるという観点から啓発」が「女性や子どもに対する『人権侵害』となる ものもある観点から啓発」と、後退したものの「人権侵害」の用語と可能 性は残しました。「表現の自由」は憲法で保障されており侵害されないこ とは言うまでもありません。しかし、性犯罪への対策、性・暴力表現への 対策、子どもへの性暴力の根絶のそれぞれの具体的な取り組みにおいて、 「表現の自由を十分に尊重した上で」の記述が繰り返されることは、性暴 力や児童ポルノの根絶の動きに水を差し、被害者を無用に傷つける恐れも あります。
 政府は、答申に基づいて基本計画を策定し、年内に閣議決定を行う予定 です。

20100715[vol:233]
【裁判】婚外子相続差別裁判、最高裁が大法廷に回付 7月7日

 嫡出でない子(婚外子)の法定相続分を嫡出である子の2分の1と定め た民法900条4号ただし書きの合・違憲性が争われた訴訟の特別抗告審 で、最高裁判所第3小法廷(那須弘平裁判長)は7月7日、審理を15人 の裁判官全員で構成する大法廷(裁判長・竹崎博允長官)に回付しました。 規定を合憲とした1995年の大法廷の判断が見直される可能性が高くな りました。
 この裁判は、2002年に亡くなった母親らの遺産相続で、婚内子の女 性が全体の3分の2を、弟である婚外子の男性が3分の1を相続したのに 対し、男性側が相続分を平等とするよう求めたものです。和歌山家裁と大 阪高裁で退けられたため、婚外子の男性が最高裁に特別抗告していました。

  ****************************************

 08年6月4日の国籍法違憲判決(裁判長・島田仁郎長官)では、判決 理由に「夫婦共同生活の在り方を含む家族生活や親子関係に関する意識も 一様ではなくなってきており、今日では出生数に占める非嫡出子(婚外子) の割合が増加するなど、家族生活や親子関係の実態も変化し多様化してき ている。(略)諸外国においては、非嫡出子(婚外子)に対する法的な差 別的取扱いを解消する方向にあることがうかがわれ、我が国が批准した市 民的及び政治的権利に関する国際規約及び児童の権利に関する条約にも、 児童が出生によっていかなる差別も受けないとする趣旨の規定が存する」 ことを挙げたことから、その後の相続差別裁判で違憲判断の期待が高まり ました。09年9月の政権交代で、法務大臣に就任した千葉景子氏が民法 改正に意欲を示す中、最高裁は9月30日、違憲判断を避け、改めて立法 府に法改正を託しました。しかし、今年の通常国会で、法案提出に至らな かったため、司法判断に期待する声が高まっていました。

20100623[vol:232]
【国会】選択的夫婦別姓などの民法改正に関する政党アンケートを実施 

 第22回参議院議員選挙が7月11日に行われるのに伴い、mネットは 民法改正に関する政党アンケートを行いました。
 選択的夫婦別姓制度導入や婚外子相続差別撤廃などの民法改正は、通常 国会の提出予定法案とされながら閣議決定されず、改正に賛成の野党から も議員立法が提出されなかったことから、97年以降、初めて通常国会に法 案がないという厳しい結果に終わりました。そのため、参議院選挙の各党 の公約や主張に大きな関心が寄せられています。
 そこで、国会議員が所属する各政党に対し、民法改正について質問しま した。回答があったのは民主党・自民党・公明党・共産党・社民党・国民 新党、たちあがれ日本の7党で、みんなの党、新党改革、新党日本、新党 大地からは回答がありませんでした。設問と回答は次のとおりです。

■設問1 このたびの参議院選挙の公約に民法改正を掲げていますか。

 「掲げている」と回答したのは公明党、共産党、社民党で、「掲げてい ない」と回答したのは民主党、自民党、国民新党、たちあがれ日本でした。

■設問2 法改正すべきだと考える内容を選択してください。

 「嫡出でない子の相続が嫡出子の2分の1とする条項を廃止する」と回 答したのは公明党、共産党、社民党でした。

 再婚禁止期間を短縮すると回答したのは公明党と共産党で、廃止まで踏 み込んだのは共産党(重複回答)と社民党でした。

 選択的夫婦別姓制度を導入すると回答したのは公明党、共産党、社民党 でした。

 婚姻年齢を「男女とも18歳とする」と回答したのは公明党、共産党、 社民党でした。

 離婚後300日以内に出産した子を前夫の子とする民法の規定を「見直 す」と回答したのは共産党と社民党でした。

 「選択的夫婦別姓には反対する」と回答したのは自民党、国民新党、た ちあがれ日本でした。

その他、各党の記述回答は次のとおりです。

【民主党】
   政策集(INDEX2009)には以下の趣旨で記述
○嫡出子でない子の相続が嫡出子の2分の1とする条項を廃止する
○再婚禁止期間(現行180日)を短縮する
○選択的夫婦別姓制を導入する
○婚姻年齢(現行男性18歳、女性16歳)を男女とも18歳とする

【公明党】
   「離婚後300日」問題については、民法772条自体をすぐに見直す というよりも、無戸籍の子どもたちの早期の身分安定のため、離婚前懐胎 のケースを含め、議員立法での救済措置の創設を主張しています。

【共産党】
   私たちは1997年発表の民法改正案大綱で、@離婚の際の財産分与は、 夫婦の財産形成への寄与の程度の違いが明らかでないときは、それぞれ2 分の1とする、A離婚協議の際に養育費の分担の取り決めをすることを、 あわせて提案しています。面会交流についても同じ民法改正案大綱で、子 の利益を最優先して取り決めることを提案しています。共同親権について は、国民的な議論と検討が必要だと考えます。

【社民党】
   子どもの人権を尊重する観点から、「嫡出」概念そのものを撤廃して、差別規定をなくします。

【たちあがれ日本】
   いったん途絶えた先祖の家名を名のることができるようにすべき。

■設問3 夫婦同姓を強制している国がほぼ日本だけであることについて

 「知っている」と答えたのは民主党、公明党、共産党、社民党、国民新 党で、自民党は「強制ではない」、たちあがれ日本は「知らない」とした うえで「アメリカでは州レベルでは同姓を規定しているところもあると聞 いている」と回答しました。

■設問4 婚外子相続差別をしている国が日本とフィリピンのみ(法務省 答弁)であることについて

 「知っている」と答えたのは民主党、公明党、共産党、社民党、国民新 党で、自民党は「差別ではないとの最高裁判例があるものと承知している」 たちあがれ日本は「知らない」としたうえで「法律婚を保護すべき」と回 答しました。

■設問5 女性差別撤廃委員会や子どもの権利委員会をはじめとする国連 の各種委員会が、差別的な規定の廃止を勧告していることについて

 「知っている」と答えたのは民主党、公明党、共産党、社民党、国民新 党、たちあがれ日本で、自民党は「差別規定はない」と回答しました。

≪有権者へのメッセージ≫

【民主党】
   現在日本では、婚姻した夫婦の96%で女性が改姓していますが、仕事 上の事情から結婚前の姓を名乗り続けたい、生来の姓を自己のアイデンテ ィティと感じるなどのさまざまな理由で夫婦別姓を望む人が選択できる制 度を求める声が若い世代を中心に増えています。民主党がこれまで提出し てきた民法改正案では、選択的夫婦別氏制度の導入に加え、婚外子(非嫡 出子)の相続差別をなくすこと、再婚禁止期間を100日に短縮すること も盛り込んでいます。  また、平成8年に法制審議会において、民法改正案の要綱を決定し、法 務大臣への答申が行われています。これらの経過を踏まえて、引き続き取 り組んでまいります。

【公明党】
   選択的夫婦別姓制度の導入、婚姻年齢の18歳統一、女性の再婚禁止期 間の短縮(現在6か月から100日に見直し)及び婚外子相続差別の撤廃 の実現を図る「民法」改正に向け、積極的に取り組むとともに、女性や子 どもの人権の向上に資する総合的な施策を推進してまいります。

【共産党】
   民法改正は、家族、社会のなかで男女平等の徹底、子の利益に立った問 題の解決のために早急に行われるべき問題です。国連女性差別撤廃委員会 や子どもの権利委員会からも、早期の改正が求められています。民主党政 権は公約を守って、その実現を図るべきであり、私たちは強く求めていき ます。ごいっしょにがんばりましょう。

【社民党】
   民意による政権交代が実現したにもかかわらず、第174回通常国会で、 政府の民法改正法案が提出できなかったことは非常に残念であり、有権者 に申し訳なく思っています。引き続き、ねばり強く法改正に取り組んで参 ります。

【国民新党】
   日本国にとっても重要な問題ですので、国民新党としても、今後いろい ろ検討いたします。

【たちあがれ日本】
 親子別姓には反対です。

 ****************************

 今回の参議院選挙で、自民党、国民新党、たちあがれ日本の3党が、 「選択的夫婦別姓に反対」を公約に掲げました。
 一方、これまで民法改正を公約に掲げてきた民主党は、今回の参議院 選挙では公約に掲げていません。また、民主党から回答があった政策集 (INDEX2009)については、参議院選挙の公約という位置づけ ではありません。政党の公約とされていないこともあり、政策の責任あ る立場の候補者でさえ、選択的夫婦別姓には反対を掲げるという実態も 明らかになりました。

20100620[vol:231]
【国会1】参議院本会議で自民の佐藤議員が夫婦別姓に反対、
      社民の福島議員が賛成の立場で代表質問 6月15日

 参議院本会議で6月15日、菅直人首相の所信表明に対し、自民党の佐 藤正久議員が夫婦別姓に反対、社民党の福島みずほ議員が賛成の立場で質 問しました。
 佐藤議員は「鳩山前政権が実現を目指していた外国人地方参政権や選択 的夫婦別姓についてはどのようにお考えか。我々はいずれも日本国の命運 を左右する重大な問題と考え、反対の立場だ。民主党政権として、前政権 の方針を踏襲して実現を目指すのか」と質問しました。これについて菅首 相は「選択的夫婦別氏制度の導入については、平成八年に法制審議会にお いて、民法改正の要綱案を決定し、法務大臣への答申が行われた。導入に ついては、いろいろな意見があることは承知しており、この答申を踏まえ、 引き続き与党内において調整をしてまいりたい」と答え、明言を避けまし た。
 福島議員は「前政権で、多くの皆さんの協力を得て男女共同参画第三次 基本計画を作った。女性が仕事を続けられるような環境の整備、男女共に 人間らしい働き方を実現するための施策、貧困の根絶、マイノリティーで ある困難を抱える人たちへの施策など、具体的な計画を示し、実現するこ とが必要。その実現への総理の決意を示してほしい。また、選択的夫婦別 姓の導入や婚外子差別撤廃などの民法改正や人権条約の選択議定書の批准 など急務だが、実行されるのか」と質しました。これに対し菅首相は「男 性も女性も、一人一人の人権が尊重され、その個性と能力を十分に発揮で きる男女共同参画社会を実現するため、実効性のある基本計画を策定して いきたい。民法改正については、いろいろな意見があるが、答申を踏まえ、 引き続き与党内で調整をしている。また、自由権規約や女子差別撤廃条約 の選択議定書に設けられている個人通報制度については、条約の実施の効 果的な担保を図るとの趣旨から注目すべきものと考えが、この制度の受入 れの是非については、各方面から寄せられている意見も踏まえ、政府とし て真剣に検討を進めているところである」と、具体的取り組みの言及はな く、積極的な姿勢も示さず、自民党政権時代と同様の答弁に終始しました。

20100611[vol:230]
【国会1】新閣僚、民主党新役員人事 6月8日

 菅直人連立内閣の閣僚および民主党役員人事が6月8日、正式決定しま した。
 女性閣僚は2人、副大臣、官房副長官、総理大臣補佐官はすべて男性が 占め、自民党政権時代と同様にジェンダー・バランスの悪い内閣と言えま す。また、少子化対策・男女共同参画担当大臣は、復活した民主党の政務 調査会長を務め、公務員制度改革と「新しい公共」を担当する玄葉光一郎 大臣が兼務することから、男女共同参画の軽視として女性団体などから不 満の声が上がっています。玄葉大臣は8日の新閣僚会見で「男女共同参画 は男性にとっては自分の問題になっていないのが問題。政調会長を兼ねる ので、あらゆる場面で男女共同参画の視点を取り入れることができるよう に努めていきたい」と、抽象的な表現に留めました。

 閣僚や民主党三役について、民法改正に関する主な言動を紹介します。
 千葉景子法務大臣と枝野幸男幹事長は、法案の筆頭提出者(参議院は発 議者)として、最も尽力しています。また、菅総理をはじめ、閣僚と三役 の多くが、提出者や賛同者として名前を連ねています。法案提出も賛同も ないのは、長妻昭厚生労働大臣、中井洽国家公安委員会委員長、山田正彦 農水大臣です。しかし、長妻大臣と山田大臣はこれまで反対を表明したこ とはなく、中井大臣は新進党時代に高市早苗議員らと猛反対していました が、閣議決定には従う意向を明らかにしています。

**********************

過去のmネットの院内外の集会での各党代表挨拶より

2005年 仙谷由人政調会長(当時)「国民の潜在的な賛成者は半数以 上いると思う。政権交代でぜひ民法改正を実現し、若い人がより安心して 新しい家族を作れるようにしたい」

2006年 枝野幸男憲法調査会会長(当時)「自由化、自由化と言って いる小泉さんが、どうしてこのことについては自由化しないのか、この明 らかな不合理を放置できるのは、人権感覚の欠如だと言わざるを得ない」

2008年 前原誠司副代表(当時)「民主党は14回法案を提出している。 一致団結してこの問題を早期に解決しようということで頑張っており、党 内の意見の乱れは全くない。夫婦別姓は個人の自由の問題であり、憲法で保障されている基本的人権の問題。多数を占める参議院で可決させ、それ をプレッシャーにして衆議院でも可決させたい」

2009年 小宮山洋子衆議院議員「千葉大臣と福島大臣が法制化をする と言ったので、期待感があるが、法案成立までには障害はある。政権交代 でクリアしやすい状況にはなった。国会の中で党派を越えて働くが、国会 の外から大きな声を上げてほしい」

2010年(決起集会)小宮山洋子党男女共同参画推進会議議長(当時) 「民法改正は、私が議員になった目的の一つ。審議会が答申したら、国会 で俎上に上らせるのが当たり前なのに出てこない。それで、当時、野党の 民主党が他の野党と一緒に改正案を出し続けてきた。なんとしてもこのタ イミングで実現ができるように全力を尽くしたい」
千葉景子法務大臣(メッセージ)「多様な生き方、家族のありようをお互 いに認め、ともに支え合う男女共同参画社会の推進のためにも制度実現に 向け全力を傾注してまいります」

20100603[vol:229]
緊急院内集会  今国会で民法改正の閣議決定を!

 衆議院第二議員会館で6月1日、「今国会で民法改正の閣議決定を!」 と題する緊急院内集会(主催・同実行委員会)を開催しました。法改正を 望む法律家や市民、衆・参の国会議員、秘書、報道関係者など107人が 参加しました。

 緊急集会開催を呼びかけたmネットから経緯の説明の後、千葉景子法務 大臣が挨拶しました。
 千葉大臣は、「法務大臣になって、これだけはやれと皆さんにきつくご 提起いただいたが、閣議決定に至らずにいることを申し訳なく思っている。 責任を重く感じながら、なんとしてもあきらめることなく着実に輪を広げ たい。連立ということもあり、他の案件との関連もあるなかで、民法改正 が否定的に考えられているわけではない。いろいろな条件を整え、閣議で きちっと決めて国会での議論にしなければいけない。今日は応援団として 私を監視・監督いただき、心強い集会だとかみしめている。これからも一 緒にがんばりましょう」と、民法改正への決意を表明しました。

20100528[vol:228]
【緊急院内集会   今国会で民法改正の閣議決定を!】

日 時 6月1日(火)11:30〜
会 場  衆議院第二議員会館 第1会議室

 全国から民法改正を待ち望む皆さんが参加予定です。

 緊急の呼び掛けのため、集会に参加できない方もいらっしゃるので、 そういう皆さんの切実な声を国会にお届けします。民法改正に関するも のに限らせていただきますので、5月30日の午後5時までにウェブサイト から送信してください。http://www.ne.jp/asahi/m/net/

20100514[vol:227]
【国会1】衆議院法務委員会で夫婦別姓について石関議員と城内議員質問 5月11日

 衆議院法務委員会で5月11日、民主党の石関貴史議員と無所属の城 内実議員が、選択的夫婦別姓について質問しました。
 石関議員は、2001年と2006年に行われた世論調査で通称使用 を容認する回答について「賛成か反対かよくわからない。問題意識を持 っていただいたうえで質問すると、回答も変わる。よりわかりやすい質 問を作ってほしい。別姓は戸籍制度、夫婦、家族が何かに関わる。広い 観点から調査してほしい」と明言は避けつつ、慎重派と同様の意見を述 べました。さらに「雑誌のインタビューで枝野幸男さんは、『政権交代 を実現させた民意は夫婦別姓についてのものではない(以下省略)』と 発言している」と、昨年のアエラ記事を披露しました。
 城内議員は、「民主党政権が進めようとしている選択的夫婦別姓は、 いわゆる親子別姓、子どもに親と違う名字を強制する制度である。家族 蔑視制度になりかねない」と批判し、内閣府の世論調査の別姓反対と通 称使用容認を合わせると過半数を超えているという慎重派の主張を繰り 返しました。また、民主党内、閣内にも反対があると指摘し、「今度の 参議院選挙の公約に入れるのか」と尋ねました。千葉大臣は「民主党と して、ぜひ実現の方向に考えているというふうにできたらよいと思って いる」と答えました。城内議員から「法務大臣としての立場か」と聞か れた千葉大臣は「議員としても、法務大臣としても、意見を取りまとめ て、当然この国会にということで法案の準備をしている」と、改めて法 改正に意欲を示しました。

20100429[vol:226]
【GO】離婚後300日規定、離婚後懐胎での出生届出1111件 4月23日

 法務省民事局は4月23日、離婚後300日以内の出生で、離婚後懐胎 により前夫の子としない出生届の受理件数の累計が、2007年5月21 日の出生届出から2010年3月31日までに1111件あったことを明 らかにしました。
 民法772条は、女性が離婚後300日以内に出生した子は前夫の子と 推定するため、法務省は2007年5月7日、離婚後の懐胎が医師の証明 書で明らかな場合は前夫の子としない出生届出を5月21日から受理でき るとする(1007号)通達を出していました。
 今回法務省が明らかにしたのは、300日規定の問題を追及してきた民 主党の井戸まさえ衆議院議員の求めによるものです。

20100417[vol:225]
【GO1】男女共同参画会議開催 4月15日

 第34回男女共同参画会議(議長・平野博文内閣官房長官)が4月15 日、総理大臣官邸で開かれ、第3次男女共同参画基本計画の策定に向けて 「中間整理」を公表しました。
 「中間整理」の特徴と具体的取り組みについて、@国際的な概念や考え 方を重視するA実効性のあるポジティブアクションを進めるB世帯単位の 制度・慣行を個人単位へ移行するC雇用問題の解決を進めることやセーフ ティネットを構築するD男性、子どもにとっての男女共同参画、地域にお ける男女共同参画を進めること、を挙げています。
 今回の「中間整理」では、基本法制定以後10年間を真摯に反省し、そ の上にたって、より実効性のある基本計画を策定しようとする意気込みが 感じられます。それは福島みずほ男女共同参画担当大臣の「『中間整理』 に寄せて」と題した冒頭のメッセージにも込められています。
 民法改正については、第2次基本計画で「婚姻適齢の男女統一及び再婚 禁止期間の短縮を含む婚姻及び離婚制度の改正とあわせ、選択的夫婦別氏 制度について、国民の議論が深まるよう引き続き努める」としていました が、今回は「家族に関する法制について、夫婦や家族の在り方の多様化や 女子差別撤廃委員会の最終見解も踏まえ、選択的夫婦別氏制度を含む民法 改正が必要である。また、時代の変化等に応じ、家族法制の在り方につい て広く課題の検討を行う」と、改正の必要性が明確に記述されています。  ただし、基本計画の閣議決定の段階でこの記述が盛り込まれるというこ とは、明確な表現であったとしても法改正に至っていない厳しい状況とい うことになります。
   会議後の会見で福島大臣は「今国会で何としても民法改正案の提出を目 指して頑張りたい」と、あらためて意気込みを語りました。
 今後はパブリックコメント、公聴会が行われ、6月中旬をめどに男女共 同参画会議が「基本的な方向」を答申し、年内に基本計画の閣議決定され る予定です。詳しくは男女共同参画局のウェブサイトをご覧ください。
http://www.gender.go.j

20100403[vol:224]
【GO1】法務省 婚外子の父母との続き柄欄記載に関する取扱いを通知 3月24日

 婚外子の出生届出時に、父母との続き柄欄に「嫡出でない子」と記載し なければならないため、差別的な記載をしなくてすむよう届出用紙の改善 を求める声が高まっていましたが、法務省は3月24日、続き柄欄に記載 されていない場合の取扱いに関する通知を地方法務局長などに出しました。
 通知は、「嫡出でない子の出生の届出に当たり,届出の『父母との続き 柄』欄の記載等がなされていない場合の取扱いについて(通知)」及び 「嫡出でない子の戸籍における父母との続き柄の記載の更正及び訂正並び に申出による戸籍の再製について(通知)」で、法務省民事局第一課長名 で法務局民事行政部長、法務局地方法務局長に送付されました。
 主な内容は、届書の「父母との続き柄」欄に「嫡出子又は嫡出でない子 の別」の記載がされず、記載を求めても応じない場合は、届書の「その他」 欄に、「母の氏を称する」や「母の戸籍に入籍する」など、入籍すべき戸 籍を明らかにする方法によって「嫡出でない子」と記載しなくても受理で きるようにしています。また、「嫡出子又は嫡出でない子の別」の記載を 求めても応じない場合の付せん処理などでも「嫡出でない子」の文言は用 いず、「母の氏を称する」や「母の戸籍に入籍する」などの記載にするこ とにしています。
 戸籍の父母との続き柄記載の更正については、申し出の対象となるのは 現在の戸籍のみでしたが、婚姻などで除籍された戸籍についても申し出の 対象となりました。また、続き柄記載の更正後に戸籍の再製の申し出があ った場合は、それを可能としています。

20100323[vol:223]
【国会1】民主党の小宮山洋子衆議院議員にインタビュー

 1998年に参議院議員となり、03年に衆議院補欠選挙で当選して以 来4期目の小宮山洋子衆議院議員にインタビューしました。

Q:民法改正には、人一倍強い思いがあるのでは?
A:一昨年に亡くなった父の加藤一郎が、法制審議会の民法部会長で民法改正案をまとめたので、
私はバトンを引き継いでいることもあり、しっかりやりたい。
Q:民主党内に時期尚早との意見もあるのでは?
A:時期尚早のわけがない。97年から民主党は法案を出し続けている。 これまで、毎回「次の内閣」で確認
をとって民主党の政策として出して きた。もともと制度に関するものだからマニフェストの項目ではなく政 策集に入れた。マニフェストと政策集の両方が公約だ。法案を出し続け た民主党が出さなくてどうする、と言いたい。
Q:日程的に法案提出が厳しい状況では?
A:連立政権なので、反対している政党があると出せない。こちらも努力 するが、市民のみなさんも困っている
具体例で働きかけをしてほしい。
Q:家族を壊すとの反対理由も挙げられますが?
A:世論調査では若い人が多く賛成している。家族を壊すのではなく、こ の縛りがあるから結婚ができなくて、
子どもを持てない人たちがいると いうことを、反対の主張をする人に理解してほしい。参議院選挙前に、 いろいろ動きが出るかもしれないので、その前にしっかり出したい。
Q:チルドレン・ファーストを掲げる党として、婚外子差別の撤廃にまと まれるでしょうか?
A:子どもは生まれてくるところを選べないから、一刻も早く法改正すべ きだ。国連の規約人権委員会や
子どもの権利委員会などからも改善を勧 告されている。国際的に誇りを持てる国にするというのは鳩山総理のモ ットーなのだから。

20100306[vol:222]
【民法改正改正を求める!3.3決起集会開催】






オープニングに先立ち「はやくこいこい民法改正」寸劇が行われ、弁護士や家族法学 者などが熱演を披露した。






 選択的夫婦別姓制度導入や婚外子差別撤廃の「民法改正を求める! 3.3決起集会」(主催・同実行委員会)が3月3日、憲政記念館で開 かれ、与野党の国会議員や弁護士、市民や報道関係者など約400人が 参加しました。
 96年の法制審答申当時に内閣法制局長官を務めていた大森政輔さん、法務省民事局の参事官だった小池信行さんが来賓として挨拶をされました.
 また、日弁連会長選挙の候補者の宇都宮健児さんと山本剛嗣さんからも決意表明がありました。
 テレビ番組「行列ができる法律相談所」に出演している菊地幸夫さんや第二東京弁護士会会長の川崎達也さん、ビジネスロイヤーの草分けの久保利英明さんら、著名な3弁護士と評論家の樋口恵子さんがユーモアを交えて法 改正の必要性を訴えました。

 各党からの代表挨拶では、民主、公明、共産、社民の各党から決意表 明がありました。
 民主党の男女共同参画推進会議議長の小宮山洋子衆議院議員は「民法 改正は、私が議員になった目的の一つ。審議会が答申したら、国会で俎 上に上らせるのが当たり前なのに出てこない。それで、当時、野党の民 主党が他の野党と一緒に改正案を出し続けてきた。(夫婦別姓ができな いために)結婚できない人がいる。少数だから、それを選べなくていい ということではなく、足を踏まれて痛い側、困っているという人のため に政治があるのだと思っている。優先順位を上げるための働き掛けを強 くお願いしたい。なんとしてもこのタイミングで実現ができるように全 力を尽くしたい」と、長年の悲願であることを披露しました。
 公明党代表代行の浜四津敏子参議院議員は「公明党は、かねてより民 法改正を主張してきた。選択的夫婦別姓は真の男女平等の実現に不可欠 で、多様な生き方ができる社会が本当に豊かな社会。公明党は全力を挙 げて法務大臣を後押しして、いいチャンスが来たという今回、民法改正 ができるように全力を挙げていく」と、政府に協力する考えを明らかに しました。
 共産党の参議院国対副委員長の仁比聡平参議院議員は「日本のすべて の政治家のみなさんに呼び掛けたいのは、夫婦同姓を強制している我国 の民法の下では、通称の使用が拡大されても、解決できない精神的苦痛 と具体的な不利益が多くの場合、女性の側に強いられ、少なくない若い 世代のカップルが法律婚を躊躇する要因になっているという現実がある ということを直視しようではないか、ということ」と、訴えました。
 社民党の政策審議会長代理の近藤正道参議院議員は「千葉大臣と福島 大臣は民法改正で先頭を走ってきた。今がチャンスで、この機を逃していつやるんだという思いだ。21世紀にこの国が世界の人権大国として堂々と胸を張っていくためにも、この国会で民法改正を実現するよう、社 民党は全力で頑張りたい」と、意気込みを語りました。

 決起集会には、国連女性差別撤廃委員会委員の林陽子さん、元内閣官 房長官の野中広務さん、初代男女共同参画局長の坂東眞理子さん、最高 裁元判事の泉徳治さん、連合会長の古賀伸明さんからのメッセージが紹 介されました。さらに、出席を予定していた千葉景子法務大臣と福島み ずほ男女共同参画担当大臣は、予算委員会出席のため参加できなかった ことから、メッセージを寄せられました。
 このほか、ニューヨークで開かれている第54回国連女性の地位委員 会(CSW・「北京+15」)に参加している大谷美紀子弁護士や橋本 ヒロ子十文字学園女子大学教授らは、テレビ電話によるメッセージ、全 国から駆けつけた民法改正運動団体によるリレートークなども行われま した。
 最後に、集会アピールを採択し閉会しました。

集会への議員および秘書の出席は次のとおりです。

【議員】11人
(民主)衆/小宮山洋子議員、本多平直議員、山尾志桜里議員、山崎摩耶議員
参/神本美恵子議員、松野信夫議員
(公明)衆/大口善徳議員 参/浜四津敏子議員
(共産)参/紙智子議員、仁比聡平議員
(社民)参/近藤正道議員
   
【秘書】19人(複数参加事務所あり)
(民主)衆/井戸まさえ議員、熊谷貞俊議員、郡和子議員、小宮山洋子議員、齋藤勁議員、辻惠議員
参/神本美恵子議員、今野東議員、千葉景子議員、松岡徹議員、円より子議員、簗瀬進議員
(自民)衆/野田聖子議員、参/古川俊冶議員
(社民)衆/服部良一議員、参/福島みずほ議員
(無所属)参/糸数慶子議員

20100221[vol:221]
   民法改正を求める!3.3決起集会    3月3日(水)午後3時〜憲政記念館

     選択的夫婦別姓制度導入や婚外子相続差別撤廃などの民法改正を求め る市民、弁護士、ジャーナリストなどが3月3日、今国会での民法改正実 現を目指して憲政記念館で決起集会を行います。
http://www.ne.jp/asahi/m/net/minposyukai.html

 日時:3月3日午後3時〜午後5時
 場所:憲政記念館 講堂(千代田区永田町)
 参加:無料  主催:同実行委員会
 5時30分〜同館レストランにて交流会を開催。
 立食、会費3000円 要申し込み
 問い合わせ:tel/fax03-3568-3077

20100203[vol:220]
【国会1】第174回通常国会開会、鳩山首相が施政方針演説 1月29日

 鳩山由紀夫首相は1月29日、衆・参両院本会議で初の施政方針演説を 行いました。男女共同参画については、一言言及するにとどまりました。
 「若者、女性、高齢者、チャレンジド」をひとくくりにし、「すべての 人が、社会に参加できる環境を整えるため、妨げとなっている制度や慣行 の是正に取り組む。社会のあらゆる面で男女共同参画を推進し、チャレン ジドの方々が、共同体の一員として生き生きと暮らせるよう、障害者自立 支援法の廃止などに向けた、改革の基本方針を策定する」と、男女共同参 画について具体的な言及はありません。
 昨年11月に行われた男女共同参画会議で首相自身が「男女共同参画の 実現は、友愛社会の実現に不可欠な最重要課題である。男女共同参画社会 を作るために政治が頑張らなければならない」と述べたことと比較して、 後退した印象となりました。

20100115[vol:219]
【裁判】離婚後300日規定の初の違憲訴訟で原告敗訴 1月14日

 民法772条の規定により実父の子としての出生届を不受理としたの は「法の下の平等」を定めた憲法に反するとして、子どもの両親が居住 する総社市と国に計330万円の損害賠償を求めていた裁判で、岡山地 裁(古賀輝郎裁判長)は、「民法の規定についても、出生届の不受理処 分についても憲法違反はない」として原告の請求を棄却しました。
 判決後の記者会見で、原告代理人の作花知志弁護士は「不受理処分が 違法と判断されなかったことは非常に残念」と述べ、控訴の方針を明ら かにしました。
 一方、被告の法務省民事局は「国の主張が認められ妥当な判決」とコ メントしましたが、判決後に記者会見を開いた総社市の片岡聡一市長は 「勝訴しても嬉しくない。この制度は時代に合わなくなっている。法の 谷間で苦しむ子どもたちが生まれないように法改正を求めていく。“コ ンクリートから人へ”ということが法改正で示せるか新政権の試金石に なると思う。近いうちに千葉景子法務大臣に面会して申し入れたい」と 述べました。
 なお、1月27〜28日に東京で行われる全国市長会でもこの問題が 議論される予定です。

       * * * * * * * * * * * * * *

  裁判に至るまでの経過

 女性は06年2月に婚姻しましたが、夫の暴力で半年後に実家のある 岡山県に戻りました。夫と別居し、警察に相談後、女性は地裁にDV防 止法に基づく保護命令の申立てを行い、同年10月には地裁が保護命令 を出しました。女性は07年3月に家裁に離婚訴訟を提起し、4月には 地裁が二度目となる保護命令を出しました。10月に離婚を認める判決 が出ましたが、夫が控訴したため離婚が成立せず、08年3月に訴訟上 の和解により離婚が成立しました。女性は離婚直前に別の男性の子を妊 娠し、その男性と婚姻しましたが、男性の子としての出生届は受理され ませんでした。
 DV防止法による保護命令で前夫は1年間妻に近付くことができず、 保護期間内の離婚訴訟の一審判決では長期間の別居と音信不通、前夫の 暴力が認定されています。さらに、前夫が控訴したことにより離婚が半 年も遅れてしまいました。

20091225[vol:218]
【国会1】自民党の南野知惠子参議院議員にインタビュー

 参議院議員となって3期17年、法務大臣や少子化担当大臣を歴任した 自民党の南野知惠子参議院議員にインタビューしました。
 南野議員は、リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する活動、ドメス ティック・バイオレンスや性同一性障害者のための法整備に尽力し、今年 7月にはニューヨークで行われた国連女性差別撤廃委員会の日本審査に政 府代表として出席しました。

Q:女性差別撤廃条約の選択議定書批准に向けて尽力されました。
A:自民党女性に関する特別委員会で、選択議定書について議論し、批准 の合意ができたのに、
外交部会で合意できなかったことは残念でした。
 
Q:日本の条約実施状況が審査されました。
A:女性差別の撤廃は当然のこと。多くの課題を頂いたので、それをどう いい方向に持っていけるか
ということだと思います。NGOの重要性 も感じました。
 
Q:夫婦別姓では与野党を問わず賛成・反対があり、女性にも強硬に反対 する議員もいます。
A:選択制で選択のチャンスを広げるということを理解してほしいですね。 国連からは厳しい勧告も
受けています。
 
Q:男性中心の国会で議題にされてこなかったセクシュアリティの問題に 陽を当てられました。
A:性同一性障害の法律が最も印象に残っています。性というアンタッチ ャブルな課題でしたが、
WHOの定義で病気とされたことから、看護 職の窓を通して解決することができました。
DVも高齢者の虐待も、 学校での養護教育の重要性も仲間の議員を増やして解決できたと思い ます。
 
Q:養護学校での性教育が激しいバッシングを受け、学校での性教育が委 縮しています。
A:養護教諭の役割は重要で、子どもたちの心身の発達をどう助けていく か、最も重要なポイントが
性の発達です。また、助産師が、性教育を 行うのは自分たちの役割だという認識を持ってくれているので助かり ます。性教育をポルノのように扱ったり、「純潔」を勧めるのは間違 い、そもそも何を持って「純潔」というのでしょう。
 
Q:これまで数々の法律を作られていますが、基軸になっているものがあ るように思います。
A:個人の尊厳というか差別をなくしたい思いがあったように思います。
来年引退をするので、若い人たちに引き継ぎたいと思っています。
 

20091211[vol:217]
【GO1】内閣府調査で固定的役割分業に反対の回答が55.1% 12月5日

 内閣府は12月5日、男女共同参画社会に関する世論調査の結果を発表 しました。
 「夫が外で働き、妻は家庭を守るべき」という固定的役割分担に反対す る人は55.1%で、2年前の前回調査で初めて過半数を占めた52.1 %に続いてさらに増えました。
 また、女性が職業を持つことに関して「子どもができても続けるほうが よい」の45.9%、「結婚しても必ずしも子どもを持つ必要はない」の 42.8%も、1992年の調査開始以来最高となりました。
 「子どもを持つ必要はない」と答えたのは男性より女性が多く、若い人 ほど多い傾向にあります。特に出産年齢層の20歳代女性では68.2%、 30歳代女性では61.4%を占めています。
 女性が職業を持つことに対しては、「続けるほうがよい」の回答者は、 「子どもができるまで」の10.7%、「結婚するまで」の5.5%を大 きく上回っています。「子どもができたらやめ、大きくなったら再び」は 調査のたびに減少して過去最低の31.3%になりました。
 今年5月に公表された「男女共同参画白書」で女性の退職・再就職を表 すM字カーブの底部が上がって台形に近づいた統計と合わせて見ると、国 民の意識と実態の両方が、女性の職業を持つことを「よい」と思うように 変化したことがわかります。
 「結婚は個人の自由であり、してもしなくてもいい」に賛成が70.0 %、「結婚相手に満足できないときは離婚すればよい」という離婚への寛 容も50.1%となり、結婚観や家庭観における従来の規範を支持する人 は回答者の半数に満たないことがわかります。
 各分野で男女の地位が平等になっているかどうかについては、最も平等 感が高いのが「学校教育の場」で68.1%、次いで「自治会やNPOな ど地域活動の場」が51.0%、「法律や制度の上」が44.4%、「家 庭生活」が43.1%、「職場」が24.4%、「政治の場」が21.0 %、最も低いのが「社会通念・慣習」で20.6%となりました。平等感 が「学校」で最高で、「社会通念」で最低であることは、調査を開始して から17年間変わっていません。「地域活動」を尋ねたのは今回調査が初 めてです。
 この調査は、全国の20歳以上の男女5000人を対象に面接方式で実 施し、3240人が回答しました。

20091126[vol:216]
【GO】政権交代後、初の男女共同参画会議 11月26日

 第32回男女共同参画会議(議長・平野博文内閣官房長官)が11月 26日、総理大臣官邸で開かれ、鳩山由紀夫首相、福島みずほ男女共同 参画担当大臣などの関係閣僚や有識者議員が出席しました。
 会議の冒頭、鳩山首相は「男女共同参画の実現は、友愛社会の実現に 不可欠な最重要課題である。日本の今後の政策課題は、医療、福祉、環 境、教育などで女性の視点が重要なものばかりである。男女共同参画社 会を作るために政治が頑張らなければならない。男女共同参画会議の皆 さんには目の覚めるような政策を作るために貢献いただきたい」と挨拶 しました。
 今回の議題は、女性差別撤廃委員会総括所見への対応、第3次男女共 同参画基本計画の策定、「新たな経済社会の潮流の中で生活困難を抱え る男女について」最終報告です。
 総括所見については有識者議員から、重要課題として特に取り組む必 要があるとして、民法改正、選択議定書批准、女性の参画拡大のための 暫定的特別措置、女性に対する暴力の根絶と被害者支援の4項目が挙げ られました。赤松広隆農水大臣から「インデックスにも民法改正は書い てあり大いに推進すべきである」と発言があり、千葉景子法務大臣から も頑張りたい旨の発言がありました。
 福島大臣は「総括所見の指摘事項については第3次男女共同参画基本 計画にしっかり反映させたい。本日の会議で取り上げた重要課題につい ては、今後、閣僚間で検討を深め、男女共同参画会議でご報告いただき たい」と発言しました。

20091112[vol:215]
【mネット】院内集会「通常国会で民法改正を!」を開催 11月11日

 衆議院第1議員会館で11月11日、mネットが「通常国会で民法改 正を!」と題する院内集会を開催しました。法改正を望む弁護士や市民、 衆・参の国会議員、秘書、報道関係者など172人が参加しました。
 まず、集会を呼びかけた民主党の小宮山洋子衆議院議員が「この問題 は超党派の女性議員が中心になってやってきた。メディアの人にも選択 であることをしっかり伝えてもらいたい。千葉大臣、福島大臣が法制化 をすると言ったので期待感があるが、法案成立までには障害はある。政 権交代でクリアしやすい状況になった。国会の中で党派を越えて働くが、 国会の外から大きな声を上げてほしい」と挨拶しました。
 早稲田大学教授の棚村政行さんは「法制審議会の答申は、5年かけて 研究者も実務家も概ね一致をみた提案だったが、自民党の強い反対で現 在まで実現していない。戸籍のない子、離婚後300日規定も、家制度 のもとでの規定が全く変えられず、社会的な実情にそぐわない規定が放 置されている。子どもとの面会交流や子どもの責任を親が共同で果たす ことに関して、子どもの視点、社会的弱者保護の視点で家族法を抜本的 に見直す必要が高まっている。欧米諸国ではそのような視点で家族法改 正に取り組んでおり、お隣の韓国でも、08年1月からは家族単位の戸 籍を個人単位の登録に踏み切った。世界的な水準に合わせるためにも、 ぜひ家族法の改正を実現させたい」と、日本の状況と世界の潮流につい て話しました。
 日弁連両性の平等に関する委員会委員長の金澄道子さんは「日弁連が 民法改正の意見書を出してから16年経った。氏名は人格権という憲法 上保障された権利に基づくもの。人は、その呼び名によってその人をイ メージして人格を形作っていく。名前があって初めてその人をイメージ できる。最高裁は今から20年も前に、氏名は人格権で憲法上の権利と 判決で述べている。多数が賛成しないからという理由で改正しないのは、 人権というものがわかっていないのではないかという懸念がある」と、 世論を理由にしている反対派を批判しました。

   集会の呼びかけ議員、大臣、政務官、NGOからも発言がありました。

集会アピール

参加議員は下記のとおりです。

 
【議員】(27人)
(民主)衆/小宮山洋子議員、郡和子議員、網屋信介議員、稲見哲男議員
山尾志桜里議員、泉健太議員、加藤学議員、松崎哲久議員、藤田一枝議員、
本多平直議員、山崎摩耶議員、中野渡詔子議員、小室寿明議員、
橋本勉議員議員、井戸まさえ議員、京野公子議員
(自民)参/南野知惠子議員
(公明)衆/大口善徳議員、古屋範子議員
参/浜四津敏子議員、松あきら議員
(社民)衆/阿部知子議員
参/福島みずほ議員
(共産)参/仁比聡平議員、井上哲士議員、紙智子議員
(無所属)参/川田龍平議員
   
【代理】(39人)
(民主)衆/長尾敬議員、櫛渕万里議員、川端達夫議員、石毛^子議員、
初鹿明博議員、湯原俊二議員、佐藤ゆうこ議員、橋本清仁議員、
中塚一宏議員、柿沼正明議員、土肥隆一議員、小林千代美議員、
阿知波吉信議員、相原史乃議員、山崎誠議員、西村智奈美議員、
玉木朝子議員、奥野総一郎議員、山本剛正議員、田中けいしゅう議員、
参/神本美恵子議員、林久美子議員、千葉景子議員、松岡徹議員、
岡崎トミ子議員、尾立源幸議員、円より子議員、相原久美子議員、
増子輝彦議員、中村哲冶議員、姫井由美子議員
(自民)衆/後藤田正純議員、野田聖子議員
参/丸川珠代議員、松下新平議員
(社民)衆/服部良一議員、重野安正議員
(みんなの党)衆/柿澤未途議員
(無所属)参/糸数慶子議員

注)秘書の参加は59人ですが、代理のみカウントし、同事務所で複数参加は1人としています。

20091031[vol:214]
【国会1】参議院本会議で円議員と近藤議員が共同参画について質問 10月30日

 参議院本会議で10月30日、鳩山首相の所信表明に対して、民主党 と社民党が男女共同参画に関する質問を行いました。
 民主党の円より子議員は、母子家庭の貧困の現状を訴え、鳩山政権が 打ち出した子ども手当てや高校の授業料無償化などに加え、ヒューマン ・ニューディール政策を役立てることを求めました。また、衆議院総選 挙で女性議員が54人と、初めて1割を超えたものの、国連開発計画が 発表したジェンダーエンパワーメント指数では109か国中57位、世 界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数では134か国中75位と、 多くの開発途上国にも負けていると指摘しました。「世界経済フォーラ ムがこうした指数を算出しているのは、女性の能力を活用することが、 経済活動において不可欠であるという問題意識があるから」と述べたう えで、鳩山首相に対して政治や経済活動における女性の能力活用につい ての見解を求めました。
 これに対し鳩山首相は「ヒューマン・ニューディールの考え方は私た ちの目指す考え方。こういった観点から、子どもを産み育てることを様 々な理由であきらめることのない社会にしていくために子ども手当の創 設を考えた。少子化はいちばん大きなテーマであり、財政的な支援にと どまらず様々な支援を施していかねばならない。あらゆる面で男女共同 参画社会の実現に向け頑張っていかなければならない。ワーク・ライフ・ バランスや女性の能力開発への様々な支援、トップの意識開発も大変大 事だと思っている。衆参で96名の女性国会議員がおられ、これからの 日本を支えていくのは女性議員だという認識をいただき、ご活躍に期待 したい。女性の視点に立った施策を作っていきたい」と答弁しました。

   社民党の近藤正道議員は、国連女性差別撤廃委員会が今年8月に女性 差別解消に向けた日本政府の取り組みの遅れを厳しく指摘したことに言 及し、第3次男女共同参画基本計画に、女性の貧困撲滅や国連の勧告を どう反映するのか、福島みずほ男女共同参画担当大臣に質しました。
 これに対し福島大臣は、「第3次男女共同参画基本計画の策定に当た っては、第1に女性差別撤廃委員会の最終見解の内容を十分に検討し、 その結果を反映する。第2に生活困難を抱える男女についての提言を踏 まえ、女性、男性、子どもの貧困など、生活上の困難にもしっかり対応 したい」と答弁しました。

20091015[vol:213]
【国連1】ジェンダー・エンパワーメント指数日本は57位 10月5日

 国連開発計画(UNDP)は10月5日、移住をテーマにした20 09年版「人間開発報告書」を発表しました。
 世界人口のうち約10億人が移住者である今、報告書は移住を「人 間開発を大きく後押し、望ましい結果を生み出す原動力になる」と積 極的に認めるとともに、各国政府に移動の制限の緩和や移住先での待 遇改善を求めています。
 日本に関するデータでは、国民生活の豊かさを測る「人間開発指数 (HDI)」は182か国中10位で、08年の8位からやや後退し ました。1位はノルウェー、2位オーストラリア、3位アイスランド です。HDIに男女間格差を考慮して算出される「ジェンダー開発指 数(GDI)」は14位(08年12位)で、1位はオーストラリア、 2位ノルウェー、3位アイスランドの順になっています。
   女性の政治・経済分野への進出状況を測るジェンダー・エンパワー メント指数(GEM)は109か国中57位(08年58位)で、依 然として低位です。上位は1位スウェーデン、2位ノルウェー、3位 フィンランドと北欧が占めています。
 日本同様HDIが高位でGEMが50位以下の国は、韓国(HDI 26位―GEM61位)、カタール(同33位―88位)、マルタ( 37位―74位)のか日国ありますが、G8加盟の主要先進国にはあ りません。
 報告書は、移住者のうち特に女性が人身取引や搾取に被害に遭って いることを挙げています。
 国連女性差別撤廃委員会は、日本の移民女性への差別を懸念し、今 年8月に総括所見で「移民女性や社会的に弱い立場にある集団の女性 に特有のニーズに対応する、ジェンダーに配慮した政策やプログラム を導入するよう日本政府に要請する」と勧告しています。

20091003[vol:212]
【裁判】最高裁で婚外子の相続差別を違憲としない判断 9月30日

 嫡出でない子(婚外子)の法定相続分を嫡出である子の2分の1と 定めた民法900条ただし書きの合・違憲性が争われた訴訟の特別抗 告審で、最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)は9月30日、判例ど おり違憲としない判断し、特別抗告を棄却しました。
 しかし、裁判長を含めた5人の裁判官のうち今井功裁判官は「法の 下の平等を定めた憲法に違反する」とする反対意見を付けています。 また、違憲とまではしなかった竹内行夫裁判官も「社会情勢の変化な どから、相続分に差を設けていることを正当化する根拠は失われつつ あり、現時点では、違憲の疑いが極めて強い。立法府が規定を改正す ることが強く望まれている」と補足意見を付け、立法府に対し法改正 を求めています。

 なお、03年、04年の同様の判決でも、当時裁判長だった島田仁 郎前最高裁長官が「規定は違憲の疑いが濃く、相続分を同等化する法 改正が速(裁判長)やかになされることを強く期待する」と立法府に 法改正を託したにもかかわらず、国会では法改正の議論がほとんど行 われていません。

 08年6月4日の国籍法違憲判決(裁判長・島田仁郎長官)の判決 理由では「夫婦共同生活の在り方を含む家族生活や親子関係に関する 意識も一様ではなくなってきており、今日では出生数に占める非嫡出 子(婚外子)の割合が増加するなど、家族生活や親子関係の実態も変 化し多様化してきている。(略)諸外国においては、非嫡出子(婚外 子)に対する法的な差別的取扱いを解消する方向にあることがうかが われ、我が国が批准した市民的及び政治的権利に関する国際規約及び 児童の権利に関する条約にも、児童が出生によっていかなる差別も受 けないとする趣旨の規定が存する」と述べており、その後の婚外子相 続差別違憲判断への期待が高まっていましたが、今回も違憲判断を避 け、新政権下で法改正への期待が高まる中、立法府に法改正を託した といえます。

20090917[vol:211]
【GO1】鳩山新内閣に民法改正推進議員2人が入閣 9月16日

 民主党の鳩山由紀夫衆議院議員が9月16日、内閣総理大臣に指名さ れ、同日組閣を行いました。女性の閣僚としては、法務大臣に千葉景子 参議院議員が就任し、消費者行政、食品安全、少子化対策、男女共同参 画担当の内閣府特命大臣に福島みずほ参議院議員が就任しました。両大 臣は民法改正をはじめ男女平等に積極的に取り組んできたことから、男 女平等施策が進むものと期待されます。
 しかし、女性閣僚の割合が約11%と衆議院の女性割合と同様に低く、 政権交代で女性の数が増えることを期待していた女性たちからは落胆の 声も聞かれます。
 新閣僚記者会見で福島みずほ大臣は「女性や男性が子どもを育てるう えで苦労をしている社会を全力で変えていきたい。ワーク・ライフ・バランスの実現も必要。子ども手当も大事だが、保育園や学童クラブとい った子育てのためのインフラ整備をしっかりやっていく。男女平等を担 当することに、やりがいと誇りを感じている。女性の労働条件を変えて いくこと、意思決定の場への女性の登用、女性の貧困も解決をしていく。 先日、女性差別撤廃委員会から日本政府に対して勧告が出たので、その 一つ一つを精査して解決をしていく」と、女性政策について多岐にわた り抱負を語りました。
 千葉景子法務大臣は「人権侵害救済機関を設置し、個人通報制度を含 めた各人権条約の選択議定書の批准を進めていきたい。国際基準に基づ いて国際的に日本が積極的だと発信できたらと思う。マニフェストで約 束したことを、まずは早急に取り組んでいくというのが最優先課題であ る」と、決意を述べました。
 これまでの新閣僚記者会見は、新大臣の呼び込みの直後に行われてい たため、各省庁がペーパーを用意していましたが、脱官僚を掲げる民主 党政権になり、大臣サイドで準備をすることになったことから、会見は 深夜になりました。どの閣僚からもマニフェスト(政権公約)を着実に 実行することが強調され、記者からの質問も、政策の中身についての質 問が多かったことが印象的です。

*******************

 民主党は政策集で民法改正を掲げていますが、新閣僚の過去の推進の 言動についてご紹介します。

 86年に参議院議員に当選した千葉景子議員は、市民と一緒に法制局 と民法改正の検討を始めました。市民側で参加したのが福島瑞穂弁護士 (当時)でした。99年の民法改正案の発議(提出)より筆頭発議者と なり、歴代の法務大臣に対し、福島議員らと申し入れを行ってきました。 行政刷新、公務員制度改革担当の仙谷由人大臣は、政調会長時代、05 年3月のmネットの院内集会で、民主党を代表し「政権交代で、ぜひ、 民法改正を実現したい」と、あいさつしています。
 国土交通、沖北、防災担当の前原誠司大臣は、08年3月のmネット の院内集会に副代表として参加し、「一致結束してこの問題を早期に解 決しようということで頑張っており、党内の意見の乱れは全くない。夫 婦別姓は個人の自由の問題であり、憲法で保障されている基本的人権の 問題。多数を占める参議院で可決させ、それをプレッシャーにして衆議 院でも可決させたい」と発言しています。
参議院議員から初めて政調会長となった直嶋正行経済産業大臣は、今年 4月にも法案の発議者となっています。また、藤井裕久財務大臣は、衆議院で慎重派が結成された以降の04年にも法案提出の賛成者に、北澤 俊美防衛大臣も参議院で05年にも賛成者なっています。副総理でもあ る菅直人国家戦略担当大臣をはじめ、多くの新閣僚が民法改正に賛成で す。ただし、中井洽国家公安委員長は新進党時代、96年の法制審答申 直後に高市早苗議員らとともに慎重意見を展開しています。

20090905[vol:210]
【国会】衆院選で女性54人が当選 8月30日

 8月30日に投票が行われた衆議院議員選挙で、女性当選者数が過去 最多の54人に上りました。前回の43人に比べると11人上回りまし たが、全衆議院議員に占める女性の割合も11.25%と、依然として 低く、先進国の中でも極端に少ない状況は変わっていません。

 政党別当選者の女性割合と名前(敬称略)は次のとおりです。

●民主党 (40/308)
【選挙区】
(北海道5区)小林千代美 (宮城1区)郡 和子 (秋田3区)京野公子
(福島2区)太田和美 (新潟1区)西村智奈美 (新潟4区)菊田真紀子
(新潟5区)田中真紀子 (茨城6区)大泉博子 (埼玉7区)小宮山泰子
(東京6区)小宮山洋子 (東京10区)江端貴子 (東京12区)青木愛
(東京23区)櫛渕万里 (神奈川1区)中林美恵子 (神奈川3区)岡本英子
(愛知1区)佐藤夕子 (愛知7区)山尾志桜里 (兵庫1区)井戸正枝
(徳島2区)高井美穂 (福岡3区)藤田一枝 (長崎2区)福田衣里子
【比例区】
(北海道ブロック)中野博子、山崎摩耶、工藤仁美
(東北ブロック)田名部匡代、中野渡詔子、和嶋未希
(北信越ブロック)田中美絵子
(北関東ブロック)三宅雪子、玉木朝子
(東京ブロック)早川久美子、石毛^子
(南関東 ブロック)相原しの
(東海ブロック)笠原多見子、小林正枝、磯谷香代子
(近畿ブロック)小原舞、室井秀子、河上満栄
(四国ブロック)永江孝子

●自民党 (8/119)
【選挙区】
(群馬5区)小渕優子、(福井1区)稲田朋美
【比例区】
(北関東ブロック)永岡桂子
(東京ブロック)小池百合子
(東海ブロック)野田聖子
(近畿ブロック)近藤三津枝、高市早苗
(中国ブロック)阿部俊子

●公明党 (3/21)
【比例区】
(東京ブロック)高木美智代
(南関東ブロック)古屋範子
(近畿ブロック)池坊保子

●共産党 (1/9)
【比例区】
(東北ブロック)高橋千鶴子

●社民党 (2/7)
【選挙区】
(大阪10区)辻元清美
【比例区】
(南関東ブロック)阿部知子

20090820[vol:209]
【国連】女性差別撤廃委員会が日本報告書審査の総括所見 8月7日

 国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)は8月7日、7月23日に行 った日本政府報告書審査について、総括所見を公表しました。  CEDAWは、日本政府に対し、民法改正(婚姻最低年齢・再婚禁止 期間・選択的夫婦別氏)と婚外子に対する差別的規定(民法及び戸籍法) の改正について即時に行動すること、並びに、雇用、政治的・公的活動 (教授職を含む)に重点を置いた、あらゆるレベルにおける意思決定の 地位への女性の参加を増やすための数値目標と予定表を伴う暫定的な特 別措置を採択することの2点について、2年以内に、詳細な書面による 情報を提供するよう求めました。  なお、総括所見の全文(英文)は下記アドレスをご覧ください。 http://www2.ohchr.org/english/bodies/cedaw/docs/co/CEDAW.C.JPN.CO.6.pdf

20090807[vol:208]
【国会】各党マニフェストの女性政策を分析

 8月30日に投開票される衆議院議員選挙に向けた各政党のマニフ ェスト(政権公約)が出そろいました。mネットは主な5政党の女性 政策を比較・分析しました。
 民法改正については、公明が「選択的夫婦別姓制度導入および離婚 後300日問題解決へ取り組む」、共産が「民法を改正し、選択的夫 婦別姓制度の実現、再婚禁止期間・婚姻最低年齢の見直し、婚外子差 別の禁止をすすめる」、社民が「選択的夫婦別姓など民法改正を実現」 とし、自民・民主は記述がありません。
 雇用の分野では、自民が「パートや有期契約労働者の正社員転換、 日雇派遣の原則禁止などの労働者派遣法改正」、民主が「雇用保険を 非正規労働者に拡大適用」、公明・共産・社民の3党は「同一価値労 働・同一賃金を実施」としています。
 一人親家庭の支援では、民主・共産・社民が「生活保護の母子加算 復活、父子家庭にも児童扶養手当」を掲げ、公明は「児童扶養手当の 対象を父子家庭や児童を扶養する祖父・祖母も含めるか見直す」とい う曖昧な言い方で、自民はありません。女性差別撤廃条約選択議定書 の批准を掲げるのは公明と共産だけです。
 社民には「行政の管理職・審議会、国や自治体の選挙でクオータ制 を導入」があり、共産には日本における男女の不平等を「世界でも異 常な女性への差別」と厳しい記述があるほかは、総じて女性の問題は 重視されていません。また、国民新党には女性政策が見当たりません。

********************

 mネットは、ジェンダー平等、特に民法改正の実現に向けた取り組 みを中心にお知らせしていますが、政権交代の可能性が高くなるにつ れて、大躍進が期待される民主党に対し、民法改正への取り組みにつ いて不安の声が多く寄せられています。

*この間の動きを民主党を中心にご紹介します。

 民主党は1997年に単独で民法改正案を衆議院に提出し、法務委 員会での審議も行われました。その翌年の98年に新民主党となって 以降は、野党共同で、衆・参両院に改正案を提出しています。
 01年まではほぼ全議員が法案の賛同者として名前を連ねていまし たが、2002年2月、当時の吉田公一議員や上田清司議員ら23人 が、民主党内に「夫婦別姓を慎重に考える会」を発足(山谷えり子議 員らも参画)させ、内閣・法務部会に対し、法案採決の際には党議拘 束を外すよう申し入れました。これを受け、当時の鳩山代表が同日の 記者会見で「全党的な議論が必要」と一定の理解を示して以降、法案の賛同者は極めて限定的となりました。
 参議院では04年の衆・参同日の提出の際には限定されたものの、 06年まではほぼ全員が賛同していました。ところが、07年の参議院選挙で野党が過半数を獲得して以降、再び賛同者が限定されました。 法案提出側が過半数となってから法案は委員会に付託されていません。 これは民主党だけの問題ではなく、共同提案している共産党、社民党 の問題でもあります。
 国民新党及び新党日本は、昨年、国籍法における婚外子差別を撤廃 する改正案に反対しています。
 一方、公明党は民法改正を公約に掲げながら、与党になってからは、 党内がまとまらない自民党に配慮して法案を提出していません。  また、自民党内にも夫婦別姓推進派の笹川尭総務会長、河村建夫官 房長官、野田聖子内消費者問題担当大臣など重要ポストの議員をはじめ、賛成派議員は少なくありませんが、党内の激しい反対派の声に押 され、推進派でまとめた例外案すら提出には至っていません。

 mネットは、提出された法案の提出者(発議者)と賛同者名を全て、 ウェブで公開しています。
http://www.ne.jp/asahi/m/net/jyoukyou.html

20090724[vol:207]
【国会】衆・参両院で民法改正案が廃案、請願も審査未了 7月21日

 民主・共産・社民の野党が衆・参両院で提出していた民法改正案が 7月21日、衆議院の解散により廃案となりました。
 衆議院では2006年6月8日に提出され、同年6月13日に法務 委員会に付託された後は、継続の手続きがとられていました。
 一方、参議院では2009年4月24日に民法改正案が提出されま したが、昨年同様、委員会に付託されることもなく廃案となりました。
 参議院では、法案提出勢力が過半数を超えており、法案の取り扱い を議論する議院運営委員会も委員長を含め民主党が過半数であること から、参議院での法案の取り扱いが注目されていました。
 4月10日の参議院法務委員会理事懇談会では、法案が付託されて いない状況が問題であることが、与野党から指摘されていました。
 なお、衆・参両院で提出されていた民法改正を求める請願もすべて 審査未了となっています。

********************

 7月15日付の朝日新聞に民主党のマニフェストで民法改正の明記 を見送る方針であるという記事が掲載されたことから、問い合わせや、 懸念の声がmネットに数多く寄せられました。
 民主党は、これまでもマニフェストに入れていませんでしたが、政 策集には盛り込まれ、法案を提出していることから、明記しないこと があまり問題とされませんでした。しかし、与野党逆転の参議院で、 昨年から民法改正案が委員会に付託されていない状況が続いたことも あり、懸念や批判の声が寄せられていました。
 そこで、mネットは、解散目前の7月15日に民主党の衆議院議員 全員に「民法改正に関する緊急アンケート」をお願いしました。
7月16日17時現在の回答は次のとおりです。(50音順 敬称略)

≪賛成≫
泉 健太枝野幸男逢坂誠二金田誠一
川端達夫郡 和子小宮山洋子近藤昭一
田島一成中川正春西村智奈美藤村 修
細川律夫松本 龍三日月大造柚木道義

≪反対≫ なし

≪回答なし≫
安住 淳赤松広隆池田元久石川知裕
石関貴史市村浩一郎岩國哲人内山 晃
小川淳也小沢一郎小沢鋭仁大串博志
大島 敦大畠章宏太田和美岡田克也
岡本充功奥村展三加藤公一川内博史
菅 直人吉良州司黄川田徹菊田真紀子
北神圭朗楠田大蔵玄葉光一郎小平忠正
小宮山泰子古賀一成後藤 斎近藤洋介
佐々木隆博笹木竜三階 猛 篠原 孝
下条みつ神風英男末松義規鈴木克昌
仙谷由人園田康博田嶋 要田名部匡代
田村謙治高井美穂高木義明高山智司
武正公一津村啓介筒井信隆寺田 学
土肥隆一中井 洽仲野博子長島昭久
長妻 昭長安 豊野田佳彦羽田 孜
鉢呂吉雄鳩山由紀夫原口一博伴野豊
平岡秀夫平野博文福田昭夫藤井裕久
古川元久古本伸一郎細野豪志馬淵澄夫
前原誠司牧 義夫松木謙公松野頼久
松原 仁松本大輔松本剛明三谷光男
三井辨雄村井宗明森本哲生山岡賢次
山口 壯山田正彦山井和則横光克彦
横山北斗吉田 泉笠 浩史和田隆志
鷲尾英一郎渡辺 周渡部恒三

20090711[vol:206]
【GO】法務省、離婚後300日規定のQ&Aをホームページで解説

 法務省は、民法772条(嫡出推定制度)についての解説をホーム ページに掲載しました。
 これは、大きな社会問題となった「離婚後300日規定」や「民法 772条による無戸籍児」について正しく理解をされるように、民事 局がQ&A形式にして分かりやすく解説したものです。
 主な内容は、民法772条とはどんな規定か、離婚後300日以内 に生まれた子どもの手続きはどのようにしたらいいのか、離婚後の懐 胎・婚姻中の(夫以外の子どもの)懐胎の場合にどうすればいいか、 調停や裁判手続きの仕方や前夫が協力しないとどうなるのか、などで す。また、子どもの出生届を出さない場合に子どもが福祉上のサービ ス等を受けられるか、児童手当・住民サービス・旅券はそれぞれどの ような取り扱いになるかな、ども取り上げられています。
詳しくは法務省のホームページをご覧ください。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji175.html

20090627[vol:205]
【国会1】衆・参の民法改正法案の行方について

 選択的夫婦別姓制度導入や婚外子相続差別撤廃を盛り込んだ民法改正 案は、衆・参両院で廃案となる見通しです。
 衆議院では、2006年6月8日に民主・共産・社民の野党3党から 提出された法案が、今国会まで継続となっていましたが、会期延長され た現時点でも審議入りの予定はなく、解散と同時に廃案になる見込みで す。
 一方、参議院では、今年4月24日に民主・共産・社民の野党3党か ら改正案が提出されていますが、法務委員会に付託されていない状況で す。
 mネットの取材に対し民主党参議院国対委員長の簗瀬進議員事務所は 「付託されないのは党内意見がまとまらないことや優先順位が低いから。 党全体の方向としては賛成だが、異論のある方もいて、今国会での審議 は難しい」と回答がありました。改正に意欲的な社民党の福島みずほ参 議院議員は、「民法改正は多くの女性たちが長年待ち望んでいる男女平 等の重要なテーマだ。せっかく与野党が逆転しているのだから早く審議 入りし、可決するよう民主党に働きかけたい」と述べました。
   参議院では、昨年も民法改正が4月22日に提出され、委員会へ付託 されずに廃案となっています。法案を提出しておきながら、その後の手 続きを行わない民主党には批判の声が上がっています。

20090611[vol:204]
【GO1】最高裁、裁判員候補者名を性犯罪被害者に開示あり得ると通知 6月5日

 最高裁は6月5日、性犯罪被害者のプライバシーを保護するために、 裁判員候補者名簿の開示を受けた検察官が性犯罪被害者と裁判員候補者 とに関係があるかどうか判断するための手段として、裁判員候補者の氏 名を先に被害者に伝えることもあり得るとする文書を、地裁に通知しま した。
 これは、強姦や強制わいせつ事件などの性犯罪が裁判員裁判の対象と なっていることから、性犯罪被害者のプライバシーが保護されないので はないかという不安の声に対し、最高裁が対応策を示したものです。

20090529[vol:203]
【GO1】総務省、DV救済施策が不十分と関係府省に改善勧告 5月26日

 総務省は5月26日、ドメスティックバイオレンス(DV)防止策の 効果を初めて調べた「配偶者からの暴力防止に関する政策評価<評価の 結果及び勧告>」を公表しました。
 DV防止に関する政策が総体としてどの程度効果を上げているか、関 係6府省をはじめ裁判所や都道府県、自治体、学校等、関係団体などを 対象に調査したものです。
 国や自治体の体制の整備が進んだことから、配偶者暴力相談支援セン ターは、02年度の87施設から08年度の180施設に倍増し、相談 件数も02年67,252件から07年94,273件と1.4倍に増 加しました。また、被害者の一時保護委託施設は03年120施設から 07年261施設と2.2倍となり、一時保護件数も02年3,974 件から07年4,549件に増加するなど、効果があったことを評価し ています。
 一方で、調査対象の27都道府県のうち通報や相談件数を内閣府に報 告していない6都道府県が明らかになりました。また、広報啓発や医療 機関への研修が未実施だった都道府県もありました。さらに、被害者の保護、就業促進、住宅確保、子どもの就学などについての支援措置が不 十分な点などもみられ、内閣府、総務省、法務省、文部科学省、厚生労 働省、国土交通省に対し改善の勧告が行われました。
 詳しくは総務省のウェブをご覧ください。
 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/13458.html 

20090517[vol:202]
【国会1】開発と女性議員連盟が女性への暴力をテーマに勉強会を開催 5月14日

 衆・参の女性国会議員で構成する開発と女性議員連盟(南野知惠子会 長)が、女性に対する暴力と国際協力をテーマに勉強会を開催しました。
 インドのNGOのナンディーニ・ラオさんが、インドにおけるDVの 現状と課題について、日本で見られる性暴力やDVのほか持参金(ダウ リー)が少ないために女性が殺されてしまうケースや亡き夫の火葬で妻 が殉死させられる「サティ」というインド特有の暴力が現在でも存在す ると報告しました。
 開発政策・ジェンダー専門家の大崎麻子さんは、人権の原則と基準に 基づき開発を行うという人間中心の開発の定義が国際社会の考え方の中 心であることを強調しました。大崎さんは、「日本がODA政策、予算 配分、事業のジェンダー主流化を徹底することやジェンダー暴力対策へ さらなる支援をすることが重要。2008年の国連安保理で紛争下での 性暴力の防止に関する決議1820号が採択された。日本が共同発案国 にもかかわらず日本では知られていない」と指摘しました。
 弁護士でヒューマンライツ・ナウ事務局長の伊藤和子さんは、女性に 対する暴力プロジェクトのインドの調査報告で「ダウリーで8095件 検挙された。女児殺害や女児とわかって堕胎するために、男女の比率が 1000対927となっている。DV防止法など法律上暴力が禁止され ているのに実際には暴力は行われている」と指摘しました。

20090430[vol:201]
【国会1】野党が民法改正案を提出 4月24日

 参議院の民主・共産・社民の野党3党は4月24日、民法改正案を提 出しました。
 改正の主な内容は、選択的夫婦別姓制度の導入、婚外子相続差別の撤 廃、再婚禁止期間を100日に短縮、婚姻年齢を男女とも18歳にする などです。
 参議院では野党が過半数を占めているため、可決することは可能です。 しかし、衆議院総選挙を前に与野党の攻防が激しくなっていることや、 他の法案との関連で審議入りするかどうかは不透明な状況です。昨年は 初めて過半数の野党が法案を提出したことで、参議院で可決するのでは ないかと期待されましたが、法務委員会に付託されないまま廃案となっ ていました。

【発議者】
 千葉景子 仁比聡平 福島みずほ 神本美恵子 相原久美子
 大河原雅子 直嶋正行 福山哲郎 紙 智子 近藤正道

【賛成者】
 今野 東 島田智哉子 谷岡郁子 那谷屋正義 林 久美子
 前川清成 牧山ひろえ 松浦大悟 松野信夫  蓮 舫
 井上 哲  又市征治 糸数慶子 川田龍平

20090416[vol:200]
【GO1】男女共同参画局がCEDAWからの質問事項に対する回答を公開 4月16日

 内閣府男女共同参画局は4月16日、第6回報告審査に関する女性差 別撤廃委員会(CEDAW)からの質問事項に対する政府回答を公開し ました。
 CEDAWの質問への政府回答は多岐にわたりますが、「女性に対し て差別的な民法の規定を廃止するために政府が取った具体的な行動」に ついては次のとおりです。
 政府回答では、1996年2月に法制審議会が民法改正案要綱(婚姻 適齢を男女共に満18歳、再婚禁止期間を100日に短縮、選択的夫婦 別氏制度を導入)を答申したことを挙げています。また、第2次男女共 同参画基本計画で、国民の議論が深まるよう引き続き努めることを明記したことを挙げています。さらに、2006年12月に世論調査を実施 しつつ、婚姻及び離婚制度についての検討を行っている、ホームページ への掲載等を通じ、広く国民にその内容を公開し、国民の議論が深まる よう引き続き努めている、ことを強調しています。
 mネットは、政府の世論調査方法に問題があること、法改正を行わな い理由に世論の動向を強調していること、婚外子相続差別撤廃を含め民 法改正の具体的施策が行われていないことを内容とするNGOレポート を提出する予定です。
 詳しくは男女共同参画局のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.gender.go.jp/teppai/6th_res_j.pdf

20090403[vol:199]
【司法】離婚後300日以内出生子に関する07年08年の認知調停件数

 最高裁判所は3月24日、公明党の大口善徳衆議院議員の求めに応じ、 「離婚後300日以内に生まれた子に関する認知調停事件の終局区分別 事件件数」<8高裁所在地の(所支部・出張所を含む)家庭裁判所合計> を明らかにしました。
 07年の総数33件のうち、(当事者が合意した内容について調停の 成立に代える)23条審判で確定したものが24件、取り下げや不成立 などが9件でした。08年は総数70件のうち23条審判で確定したも のが53件、取り下げや不成立などが17件で、総数、確定数ともに倍 増しています。これは、昨年6月に最高裁が「裁判手続の案内」を改定 し、ウェブ上で認知調停等の情報提供を開始したことによるものです。

20090319[vol:198]
【裁判】東京地裁、七生養護の性教育に不当介入の都議らに賠償命令 3月12日

 都立七生養護学校の元教員などが、性教育実践への不当な介入により 処分を受けたとして、3人の都議や都、一部マスコミに損害賠償などを 求めていた訴訟で、東京地裁(矢尾渉裁判長)は3月12日、210万 円の支払いを命じました。
 これは、2003年7月の都議会で民主党の土屋敬之議員が同校の教 育実践を「過激で不適切な性教育」と指摘したことが発端となりました。 直後に、土屋都議が自民党の田代博嗣議員や古賀俊昭議員とともに同校 を視察し、都教委に指示して人形教材や授業記録ビデオなどを持ち去り、 性教育に携わった教員が厳重注意を受けたとされる事件です。
 判決では、政治家である都議らが政治的な信条に基づき、性教育に介 入・干渉したことを「不当な支配」にあたるとし、都教委が「不当な支 配」から教員を擁護しなかったことを保護義務違反と認定しました。さ らに、事前の指導や研修などをしないまま教員を厳重注意したのは裁量 権の乱用に当たると判断しました。
 なお、原告側は3月18日、3人の都議に対し、速やかな賠償金の支 払い、都民に対する違法行為への謝罪、教育行政を扱う際の慎重な調査 に基づく言動などの申し入れ書を送りました。
 また、都の教育委員長や教育長に対しては、控訴しないこと、厳重注 意を撤回し原告らに謝罪すること、没収した教材を学校現場で使用でき るようにすること、憲法・教育基本法を遵守し教育の自由を保障するこ となどを盛り込んだ申し入れ書を送りました。被告側は控訴するかどう か検討することにしています。

20090306[vol:197]
【国会1】野党議員が女性自衛官の任用継続拒否問題で防衛省に申し入れ 3月3日

 自衛隊での性暴力被害と退職強要について提訴した現職の女性自衛官 が任用継続を拒否された問題で、民主・共産・社民の野党議員が防衛省 の渡部厚人事教育局長に対し申し入れを行いました。
 航空自衛隊空士長の女性自衛官は、2007年に上司から性暴力を受 けたことや退職を強要されたことについて国家賠償を求める裁判を起こし、継続中です。今年4回目の任用となる予定でしたが、1月に防衛省 から任用継続を拒否すると通知されていました。任用拒否は事実上の解 雇にあたり、5年間に確認されているのはわずか1件です。
 申し入れ文書は、衆・参の30名の議員が名前を連ね、本人が納得す る説明を行うことや任用継続の拒否が裁判を理由としたものであるなら ば直ちに撤回することを求めています。
 なお、防衛省は「個人の問題なので明らかにできない」としています。

20090221[vol:196]
【GO】内閣府が第53回CSWに向けた意見交換会を開催 2月19日

 内閣府が2月19日、第53回国連婦人の地位委員会(CSW)に 向けた意見交換会を行いました。
 3月2日から3月13日までニューヨークの国連本部で、「HIV /AIDSのケア提供を含む男女間の平等な責任分担」や「あらゆる レベルの意思決定過程における女性と男性の平等な参画」を主なテー マにCSWが開催されることから、これに関する内閣府、外務省、厚 生労働省、文部科学省の取り組みの説明が行われました。
 NGOからは事前に「男性の育児休暇取得率を10%に引き上げる ことが可能か」「DV被害の女性たちへの無理解があり、DVに限らずマイノリティの立場に立った特別な支援が、政策や制度に徹底され ていないことが大きな問題。児童性虐待をケアする専門家もいない。 特別なニーズにこたえるための専門職の養成に早急に取り組んでほし い」などの意見が出されました。
 板東久美子男女共同参画局長からは、監視・影響調査を特に生活困 窮者に光を当てて進めること、DVについては課題整理が必要である こと、男女共同参画基本計画(第3次)の作業を今年4月から始める こと、NGO側から弁護士の大谷美紀子さんが、政府代表団にオブザ ーバーとして参加する予定であることが報告されました。

20090205[vol:195]
【国会1】公明党が民法772条や改正国籍法に関するヒアリング 2月6日

 公明党は2月6日、法務部会(部会長・大口善徳衆議院議員)を開き、 民法772条に関する認知調停事件の取り扱いや、改正国籍法による国 籍取得制度の運用について、最高裁や法務省よりヒアリングを行いまし た。
 民法772条に関する認知調停については、昨年6月より最高裁のウ ェブサイトで周知し、裁判所において研修することになっていますが、 家裁によって対応が全く違っていると指摘されたことから、最高裁に適 切な対応を求めました。これに対し最高裁は、個別の事案についてはコ メントできないとしながらも、研修状況について実態調査を行い、1週 間以内に報告すると答えました。
 また、改正国籍法の附帯決議に偽装認知防止策が具体的に盛り込まれ たことを受けて、届出の際に5つの添付書類を求めるなど、これまで以 上に対応が硬直化していることから、柔軟な対応を求めました。これに 対して法務省は、柔軟な運用については今後検討しますと答えました。
 岡山県で違憲訴訟が行われていることについて大口議員は、「懐胎の 可能性のないものまで772条を適用というのはおかしいと思う。与党 PTでやりたい」と答えました。

20090123[vol:194]
【国会】参議院予算委員会で福島議員が個人通報制度について質問 1月21日

 参議院予算委員会で1月21日、社民党の福島みずほ議員が、国連 女性差別撤廃 条約における個人通報制度について批准するべきとした うえで大臣の見解を質しま した。
   中曽根弘文外務大臣は「個人通報制度の受入れの是非については、研 究会等を開 催して慎重に、また真剣に検討しているところです」と、 これまでの主張を繰り返 しました。
 なお、女性差別撤廃条約における個人通報制度や調査制度を定めた 選択議定書の 批准に向けた取り組みについては、これまでの国会答弁 を見ても前進が期待できな いことから、30を超える全国のNGOが ネットワークをつくり、新たな取り組み を行うことにしています。

20090109[vol:193]
【国連1】UNDPがジェンダー・エンパワーメント指数を発表日本は58位に後退 12月18日

 1月1日の改正国籍法施行に伴い、昨年末から各法務局で認知による 国籍取得申請の予約が行われていますが、偽装認知に罰則規定が新設さ れたことに加え、偽装認知防止策の附帯決議が盛り込まれたことなどか ら、法務局によっては過剰に厳しく対応していることがわかりました。

問題対応の一部をご紹介します。
◆(偽装認知でないことがわかる)裁判認知が確定し、戸籍にその旨が 記載されているにもかかわらず、さらに法務局から「中身の確認のため」 という理由で判決文を求められた。その際「今回の法改正で他のケース (婚姻)でも詳しい申述書やインタビューが必要になった」と言われた。

◆「裁判認知ならそれほど難しくないが、任意の認知の場合、1度どこ ろか何回も足を運んでもらう必要がある」と言われた。

◆「任意認知で父からの申述書がもらえない場合、受理できないことに なる」と言われた。

 そこで、寄せられた問題対応について公明党の大口善徳衆議院議員の 協力を得て法務省民事局から回答を得ました。

Q:裁判認知が確定し、戸籍にその旨が記載されている場合、添付書類 として認知の判決文や確定証明(その取得が困難な場合には認知の記載 事項証明書)は必要か。
A:添付書類である戸籍等の謄本または全部事項証明書から認知の裁判 がされたことが確認できる場合、必要ありません。

Q:任意認知の場合、何回も法務局に足を運ぶ必要があるか。
A:任意認知という理由だけで一律に法務局にお越しいただくことには なりませんが、届け出後に国籍取得の要件を満たしているかをさらに確 認すべき事項があるような場合、再度お越しいただくことがあります。

Q:任意認知で父からの申述書がもらえない場合、届け出はどうなるのか。
A:父の申述書を添付できない場合、その理由を記載した書類(理由書) を提出していただければ届け出を受理することとしています。届け出を 受理するかどうかは、その他の添付書類も確認したうえで判断すること になりますが、理由書が提出されている場合、申述書がないことのみを もって不受理とすることはありません。

 このような事例を踏まえて法務省は、法務局によって取り扱いが異な ることのないよう全国の法務局に周知するとのことです。
 なお、法務省は国籍法改正に伴う「認知された子の国籍取得の届出」 を1月7日に更新しました。
http://www.moj.go.jp/ONLINE/NATIONALITY/6-1.html

20081226[vol:192]
【国連1】UNDPがジェンダー・エンパワーメント指数を発表日本は58位に後退 12月18日

 国連開発計画(UNDP)は12月18日、「人間開発指数2008年版」 の最新統計をオンライン上で発表しました。日本に関する主なデータ は下記のとおりです。
 国民生活の豊かさを示す「人間開発指数(HDI)」は179か国中8位 で、07年と同じ結果となりました。1位はアイスランドで、ノルウェー、 カナダと続き、最下位はシエラレオネでした。HDIに男女間格差を考 慮して算出される「ジェンダー開発指数(GDI)」は157か国中12位 (07年13位)で、上位は1位からアイスランド、オーストラリア、ノル ウェーとなっています。
 女性の政治・経済分野への進出状況を測る「ジェンダー・エンパワー メント指数(GEM)」は108か国中58位で、07年の54位からさらに後 退しました。1位がスウェーデン、2位ノルウェー、3位フィンランドと 北欧が上位を占めました。日本の順位前後を見ると、57位ベネズエラ、 59位キルギス、60位ドミニカ共和国となっています。
 この統計は、06年のデータで作成したもので、現在の経済危機の影響 は反映されていません。英語版を次のサイトで見ることができます。
http://hdr.undp.org/en/mediacentre/news/title,15493,en.html
 なお、この統計は基礎データの変更を説明するために毎年発表される 「人間開発報告書」とは別に発表されたものです。報告書は、移住に関 する国内外の課題をテーマに来年まとめられるということです。

20081212[vol:191]
【国会1】参議院本会議で国籍法改正案が可決、成立 12月5日

 参議院本会議で12月5日、国籍法改正案が採決され、賛成220票、反 対9票で可決、成立しました。
 今回の改正は、日本人男性と外国籍女性の婚外子の国籍取得について 両親の婚姻を要件としている国籍法から婚姻要件を削除し、さらに偽装 認知の防止策として罰則規定を新設するものです。
 衆議院法務委員会では、慎重審議を求める意見が多かったものの1日 の審議で可決しました。
 参議院では慎重審議を主張する議員に配慮し、審議を2日とし参考人 質疑を行い27日に採決することが決まっていましたが、反対派の合意が 得られず、12月4日に改正案と附帯決議の採決が延期されました。偽装 認知の防止策を具体的に盛り込んだ附帯決議には共産党と社民党が反対 しました。

  参議院本会議でこの法案に反対した9議員は下記のとおりです。
民主党との統一会派
 (国民新党)亀井亜紀子議員、亀井郁夫議員、自見庄三郎議員、
       外山斎議員、長谷川憲正議員
 (新党日本)田中康夫議員
 (無所属) 森田高議員
無所属   川田龍平議員、田中直紀議員

 採決の際に退席した3議員は下記のとおりです。
自民党   有村治子議員、衛藤晟一議員
無所属   山東昭子議員

 なお、mネットは、国籍法改正案の成立を受けて声明を出しました。
 http://www.ne.jp/asahi/m/net/seimei.html

   審議の経緯については、12月5日発売の週刊金曜日で報告しています。
 http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=419

20081129[vol:190]
【国会1】参議院で国籍法改正案を審議

 国籍法改正案については、参議院で11月25日と27日に審議が行われ ており、来週にも可決成立する見込みですが、附帯決議について合意 が得られていません。参議院での審議内容や経過、附帯決議につきま しては次号で詳しく報告いたします。

20081114[vol:189]
【国際】男女格差の国際比較で日本は98位に後退 11月12日

 世界の政財界の指導者が集まる「ダボス会議」を主催する「世界経 済フォーラム(WEF)」(本部・ジュネーブ)が11月12日、ジェン ダー・ギャップ(男女格差)などの報告書を公表し、日本は130か国中 98位と、昨年の128か国中91位からさらに後退しました。男女格差が最 も少なかったのはノルウェーで、フィンランド、スウェーデンと続き、 最下位はイエメンでした。アジアでの最高は6位のフィリピンで、スリ ランカが12位、中国が57位、韓国が108位となっています。
 WEFは2005年5月、初めて経済、教育、健康、政治の4分野で男女 格差を指数化し「ジェンダーギャップ指数」としてランキングを公表し ました。日本は58か国中38位と下位に位置。2006年は調査対象国が増 えたこともあり115か国中79位、2007年は128か国中91位と後退してい ました。4分野で特に低いのが、政治(107位)と経済(102位)でした。

20081023[vol:188]
【国会1】自民党法務部会が国籍法改正案を了承 10月17日

 自民党法務部会(部会長:桜井郁三衆議院議員)は10月17日、日本人男性と外国籍女性との間に生まれた子どもの国籍取得について、両親 の婚姻を要件としている国籍法第3条から結婚要件を外す法改正を了承 しました。これは、6月4日の最高裁の国籍法違憲判決を受け、法改正を 検討していた法務省から示されたものです。
 改正の主な内容は、婚姻要件の削除のほか、偽装認知の防止策として、 虚偽の届け出について1年以下の懲役または20万円以下の罰金を科す罰 則規定を新設するというものです。このほか、経過措置として、施行日までに国籍取得の届け出をしていた者は、施行日から3年以内に再度届け出ることによって国籍取得が可能となります(最高裁判決以降は再度 の届け出は不要)。届け出をしていなくても2003年1月1日以降に20歳 に達した者は施行日から3年以内に届け出ることによって国籍取得を可 能としています。施行日は公布の日から20日を経過した日となっていま す。
 なお、公明党も21日の法務部会(部会長:大口善徳衆議院議員)で了 承しており、与党は今国会中に法案提出を目指すとしています。

20081010[vol:187]
【国会1】参院本会議の代表質問で浜四津議員と坂本議員が女性政策について質問 10月3日

 参議院本会議で行われた麻生太郎首相の所信表明に対する代表質問 で、公明党の浜四津敏子議員と自民党の坂本由紀子議員が10月3日、 女性政策について質問しました。
 浜四津議員は、「妊娠、出産を機に仕事を辞めた女性の多くが再就 職を希望している。子育て中の女性の仕事探しをトータルに応援する マザーズハローワークを倍増する必要があるのではないか」と質しま した。麻生首相は「マザーズハローワークの拡充については、今回の 補正予算に盛り込んでおり、一日も早い補正予算の成立をお願いした い」と答弁しました。
 坂本由紀子議員は「社会の半分は女性が支えている。子育て、介護 のほか、地域活動、雇用や起業など、女性は様々な活動をしている。 人口減少社会に突入する日本にとって、女性の力なくして国家、社会 の運営は成り立たない。総理は女性の力をどのように評価しているの か」と見解を求めました。これについて麻生首相は「女性が意欲を持 ち、あらゆる分野でその個性や能力を十分に発揮することが今後の日 本にとって不可欠である。このため、第二次男女共同参画基本計画に 基づき、女性が活躍をしやすい環境の整備などに積極的に取り組んで いく」と答えました。

20080926[vol:186]
【GO1】麻生新内閣に女性の閣僚は2人、会見でセクハラ質問 9月24日

 自民党の麻生太郎衆議院議員が9月24日、内閣総理大臣に指名され、 同日組閣を行いました。女性の閣僚としては、消費者行政、食品安全担 当の野田聖子内閣府特命大臣が再任し、少子化対策、男女共同参画担当 として小渕優子衆議院議員が初入閣しました。
 新閣僚記者会見では、民法改正、男女共同参画に関する言及はありま せんでした。
 少子化対策については、民主党の子ども手当の26,000円について意見 を求められた際、小渕大臣が「しっかりとした財政の裏付けがなくては そうした数字はなかなか出ないもの。少子化対策については経済的支援 はやらなければならないが、それ以上に社会環境の整備、労働環境の整 備、少子化に対する意識、理解を深める対策も必要と思っている」と答 えました。
 このあと、小渕大臣に対し記者から「昨年、お子さまを出産されて、 今日大臣になられてお仕事もお忙しくなる中で、どのように子育てに対 応されるのか。少子化相として子づくりについて、お忙しい中どのよう に対応されるのか伺いたい」と、極めて個人的なセクハラともとれる質 問がありました。「これからの子づくりですか」と聞き返した小渕大臣 に、この記者は「ご予定は」と再度答えを促しました。小渕大臣は「そ れどころではなくなってしまいました」と恥ずかしそうに答えましたが、 男女共同参画担当大臣としてはその資質が問われる対応です。
   なお、mネットは、この質問をした記者ならびに読売新聞社宛てに、 本日、抗議文を送りました。

20080912[vol:185]
【GO1】無戸籍の子どもと女性にパスポート発給9月2日

 外務省は9月2日、民法772条の規定により無戸籍となった東京都の 子どもと大阪府の女性に、パスポートを発給することを決めました。
 外務省は昨年6月、「法律上の姓」の記載を条件に無戸籍でも発給で きるよう旅券法施行規則を改正ましたが、実際に発給されるのは初め てです。
申請していた子どもと女性は、それぞれの事情から、ともに母親の 前夫の姓ではなく、日常使用している姓で記載されました。子どもは 母親と前夫の婚姻中の姓が母親の姓であったため、子どもの「法律上 の姓」は、母親の姓です。また、申請していた女性は自分と子どもの 2代にわたる無戸籍であることがわかり、救済が図られ無戸籍のまま 夫との婚姻が認められました。女性の「法律上の姓」は夫の姓となり ます。
改正は、無戸籍の高校生が海外の修学旅行に行けるよう求めたこと をきっかけに行われました。パスポートに記載されるのは母の前夫の 姓であることから、日常使用している姓での発給を求めていました。 麻生太郎外務大臣(当時)から、日常使用している姓を通称とし併記 する提案もありましたが、母の前夫の姓も記載されることから、高校 生側がこれを拒否したため、無戸籍でも通称が可能であることは周知 されませんでした。
 なお、子どもは8日に交付され、女性は12日に交付されます。

20080821[vol:184]
【GO1】総務省が無戸籍の子どもの住民票作成を34件報告 8月21日

 総務省は8月21日、全国の自治体が7月7日から7月31日の間に、無 戸籍の子どもの住民票を34件作成していたことを明らかにしました。 これは、7月7日に総務省の通知により「出生届の提出に至らない子に 係る住民票について」の考え方が示されたことを受け、各自治体が作 成したもので、21日の公明党法務部会(部会長・大口善徳衆議院議員) で総務省が報告しました。
 報告を受けた大口部会長は「国民であれば当然認められる権利。数は 少ないが一歩前進。今秋には772条の与党PTを立ち上げ、さらに救済 を進めたい」と話しました。

 *34件の都道府県の内訳は次のとおり
 愛知県5件、大阪府5件、兵庫県4件、埼玉県3件、東京都3件、
 岐阜県2件、福岡県2件、宮城県1件、福島県1件、群馬県1件、
 神奈川県1件、三重県1件、京都府1件、熊本県1件、
 その他3件(3県は非公開)


20080808[vol:183]
【国会】民主党の枝野幸男議員にインタビュー

 1993年に衆議院議員となり、現在5期目の民主党の枝野幸男議員にイ ンタビューしました。
 枝野議員は民法改正推進派として知られ、民法改正案の筆頭提出者と して何度も法案を提出。国会で初めて民法772条の問題を取り上げ、現 在は党の「民法772条検討チーム」座長でもあります。

 Q: 参議院で民法改正案は廃案となりました。民主党は積極的 ではなかったのでは?
 A: 参議院で実現の可能性が高まったので、なんとか実現まで たどり着こうと慎重さが強まっている側面があります。参議院だけ通すのは簡単だけれども、自民党が全体として硬直化して、自民党の賛成派 が身動きできなければ、かえって実現できません。

 Q: 民主党には民法改正に否定的な方もいらっしゃるようですが。
 A: 参議院で採決すれば若干の乱れは否定できません。党の中に 違う意見の人がいますが、党の体制としては推進ですから、民主党がブレーキ になることはありません。あえて言えば、民主党の一部が反対してもいいから、 自民党の一部が賛成できるような国会の議論と党議拘束を外すことが一番の早道だと思います。

 Q: 与党の中の賛成派に対しての枝野さんたちの働きかけに期待する声もあります。
 A:公明党や、自民党の中の考え方の近い人たちがいかに動きやすくなるか、 ということだと思います。これは、長い間の大きな課題なので、民主党が存在感を示すより、 少し先を見ながら、ゴールにたどり着く狭い道を模索するほうが意義があると思います。 参議院選挙で変わったパワーバランスに基づいて、そろそろ水面下の動きから、前に進んで いるということが外に見えるようにして、次の総選挙後に大きなポイントを作りたいと思います。

20080724[vol:182]
【国会】法務省が違憲判断された国籍法の改正案を提示 7月17日

 法務省は7月17日、日本人男性と外国籍女性との間に生まれた子ども の国籍取得について、両親の婚姻を要件としている国籍法第3条から結 婚要件を外す改正案を示しました。これは、6月4日の最高裁の国籍法 違憲判決を受け、法改正を検討していた法務省が、公明党の国籍法第3 条問題に関するプロジェクトチーム(座長・大口善徳衆議院議員)に説 明したものです。
 また、法務省は国籍取得の年限の20歳を超える無国籍の子どもに対し、 改正の施行後3年間の猶予措置を設ける考えを明らかにしました。
 なお、改正案は秋の臨時国会に提出される見通しです。

20080711[vol:181]
【国会】公明党の大口善徳議員にインタビュー

 1993年に衆議院議員となり現在4期目の公明党の大口善徳議員にイン タビューしました。
 弁護士でもある大口議員は、公明党の法務部会長、民法772条問題対 策プロジェクトチーム副座長として民法772条の問題にも取り組んでい ます。

Q: 民法772条問題では公明党がいち早くプPTを立ち上げ、取り組まれました。
A: 公明党は、平和、福祉、人権の党であり、弱い立場の方に光を当て、 守っていくことを党の理念としています。私自身も無戸籍のお子さんたち の顔を見て、不合理な制約を除去しなければいけないと強く思いました。 与党で議員立法まで作ったことを重く見て、法務省も通達を出すところ まで前進しました。
Q: 残念ながら議員立法の提出には至りませんでしたが、今後はどうなる のでしょうか?
A: 当事者が望むのは現実的に事が動くということで、厚労省、法務省、 外務省、最高裁、総務省が実務を変えたことはとても大きいです。離 婚後懐胎は通達で道を開いたけれども、さらに戸籍窓口の対応で出生 届が認められるには議員立法が必要です。自民党のPTの人事が決ま ったら進めたいと思います。
Q: 夫婦別姓や婚外子相続差別などの民法改正についてはいかがでしょう か?
A: 公明党は7年前に改正案を提出しました。国籍法違憲判決を出した最 高裁長官は婚外子相続差別問題に理解があります。婚外子相続差別が 憲法14条に違反するという方向性が強くなっています。国民の理解も 進んでいると思います。まず、違憲判決が出た国籍法の改正を与党の 責任でやらなければいけません。そして772条の問題。民法改正につ いては公明党だけではなかなか進まないので、与党で理解していただ けるように努力していきます。

20080627[vol:180]
【GO】増田総務大臣が無戸籍の子どもの住民票作成指示を公表 6月27日

 増田寛也総務大臣は、6月27日の閣議後の記者会見で、無戸籍の子ど もの住民票について早急に調整するよう指示したことを明らかにしまし た。
 増田大臣は「離婚後300日規定など、民法772条の嫡出推定規定の関係 で、出生届を出したくても現実には出さないで、結果として住民票が作 成されないケースがある。こうした問題について人道的な見地から対応 が必要ではないか。7月の早い時期に通知等を発出したい」と述べ、次の 3の条件をすべて満たす場合には市町村の判断で作成できるという見解を 示しました。
@出生証明等により母親がはっきりし日本国籍を有すること等が明らかなこと
A民法772条の関係で出生届を出せないこと
B裁判や調停を進めていていずれ戸籍を作成される可能性が高いこと

  **************************

 住民基本台帳制度は「住民の利便を増進」するための制度であり自治事 務です。同施行令には「届け出がないことを知ったときは、当該記載等を すべき事実を確認して、職権で、(略)住民票の記載等をしなければなら ない」と明記しています。戸籍と住民票は目的規定が違い、一致する必然 性はありません。
 しかし、1989年に旧自治省(現総務省)から「出生届を受理してから住民票をつくる」という見解が示されて以来、多くの自治体が戸籍のない子 どもの住民票を作成していませんでした。
 昨年、民法772条の規定よる無戸籍の問題が取り上げられたこともあり、 一部自治体では職権で住民票を作成していました。さらに法務省、厚生労 働省、外務省、最高裁が対策を講じました。しかし、総務省は対策を講じ ていませんでした。そこで、当事者家族や支援団体から住民票作成を求め る声が高まっていました。また、自治体関係者からは総務省の新たな見解 を示してほしいとの声も上がっていました。

20080620[vol:179]
【国会1】参議院で民法改正案が廃案、衆議院は継続、請願は不採択 6月20日

 参議院の民主・共産・社民の野党3党が提出していた民法改正案が6月 20日、廃案となりました。
 昨年の参議院選挙で野党が初めて過半数を占めたことから、参議院で の法案可決への期待が寄せられていました。3月5日の院内集会では、野 党各党の議員から「与野党逆転した参議院で法案を可決させたい」との 強い決意が述べられました。また、4月22日の法案提出後の記者会見で も、筆頭提出者から「与野党逆転での提出は初めてなので、参議院で可 決し、衆議院での議論を促したい」との発言がありました。しかし、実 際には議院運営委員会で議題に上ることなく、法務委員会への付託にも 至りませんでした。これは、法案提出が遅れたこと、取り扱いの優先順 位が低かったこと、会期終了間際になって福田康夫首相の問責決議案が 出されるなど与野党の攻防が激化し、これまでの取り扱いがなされなか ったことなどがあげられます。そのため、民法改正案だけでなく、内閣 提出と議員提出の法案のすべてが廃案となりました。民法に関する請願 も不採択になりました。
 一方、衆議院に野党から提出されていた民法改正案は継続審議に、請 願は不採択になっています。

   法案の取り扱いが決まらない5月中旬、mネットは参議院第1党の民主 党に対し早期の委員会付託と審議入り要請をしてきました。これに対し 民主党は「議運で強行採決してでも付託し継続させるので廃案はない」 と答えていました。ただし、強行採決での付託はその後の取り扱いに影 響するため、今回は与党の公明党に対しても請願などへの協力を求め、 強行採決が回避されるよう努力を重ねてきました。参議院での法案可決 の期待が寄せられる中、mネットとしても昨年末から民法改正の請願活 動を行ってまいりましたが、残念ながら不採択となりました。

20080613[vol:178]
【裁判】NHK「女性国際戦犯法廷」裁判、最高裁で市民側が敗訴 6月12日

   旧日本軍性奴隷制を採りあげたNHKの特集番組で、取材に協力した VAWW-NETジャパンが「説明と異なる内容に改編された」として、 NHKや制作会社に賠償を求めた裁判で、最高裁判所第1小法廷(横尾 和子裁判長)は6月12日、「取材対象者の期待や信頼は法的保護に値し ない」としてNHK側に200万円の支払いを命じた東京高等裁判所の判 決を破棄し、請求をすべて棄却しました。これでVAWW-NETジャ パンの敗訴が確定しました。
 争点となっていた一部政治家のNHKへの圧力については判断を避け、 「表現の自由」や「報道の自由」の一般論に終始した判決となっていま す。
 とくに、横尾裁判長は「期待、信頼と異なるとして違法の評価を受け る可能性があるということであれば、それが取材活動の委縮を招くこと は避けられず、ひいては報道の自由の制約にもつながる」「期待、信頼 を保護することの実質は、放送事業者に対し期待、信頼の内容に沿った 番組の制作及びその放送を行う作為を求めるものであり、放送番組編集 者への介入を許容する恐れがあるといわざるを得ない」と、NHK側の 主張に沿った意見を述べています。

20080605[vol:177]
【GO1】法務省が国籍法見直しへ 6月5日

   法務省は6月5日、最高裁が国籍法3条1項の規定が憲法14条第1項に 違反すると判断したことを受け、法改正の方向であることを明らかに しました。
 同省は「最高裁判所の判断を厳粛に受け止め、国籍法第3条第1項を 改正する方向で、適切に対処方策を検討する」としています。

20080523[vol:176]
【国会】無戸籍児の救済について鳩山法務大臣へ申し入れ 5月20日

   民法772条の規定による無戸籍児の早期救済を求めて、無戸籍児の 家族や支援者が5月20日、鳩山邦夫法務大臣へ申し入れを行いました。
 申し入れを行ったのは、mネットの2人の共同代表のほか、「民法772 条による無戸籍児家族の会」(川村美奈代表)とその支援者の9人、公 明党民法772条問題対策PT副座長の大口善徳衆議院議員など3議員の 計14人で、mネットと家族の会からそれぞれ要望書を手渡しました。
 家族の会は、兵庫県の無戸籍の女性が出産を控え、生まれてくる子ど もも無戸籍になり、今後、無戸籍の子どもの婚姻届や出生届が受理され ない事態が想定されると指摘しました。これについて鳩山大臣は「両親 の行動によってお子さんが被害者になってはいけない、お子さんの立場 というか福祉という観点で法務省に検討させます」と答えました。さら に、この規定で無戸籍が拡大していることについて「772条難民になっ てしまっている」と憂慮を示しました。
 家族の会とmネットは、無戸籍児の実態調査や家裁の利用者へのアン ケート調査、前夫を巻き込まず真実の親子関係を確定する認知を周知徹 底することなど要望しました。
   親子を確定するために円満な家庭でも強制認知の調停や裁判をしなけ ればならないことについて鳩山大臣は「日本は訴訟社会である必要はな い。できる限り自然に親子関係の確定ができる方がいい」と述べました。さらに、DVなどで前夫の協力を得られずに無戸籍児になっている現状 についても理解を示しました。

20080510[vol:175]
【国会】公明党民法772条問題対策PTが家族の会などからヒアリング 5月9日

   公明党民法772条問題対策プロジェクトチームは5月9日、民法772 条による無戸籍児家族の会やmネットからヒアリングを行いました。  参加したのは、昨年の通達により出生届を受理された同会代表のほ か、救済の対象から外された徳島や東京の家族など4家族7人で、mネ ットが同席しました。
 家族の会のメンバーからは、離婚後妊娠にもかかわらず、医師の証 明書の不備から救済されなかった事例や、前夫を巻き込まない認知の調停や裁判が同じ家庭裁判所で認められるケースと認められないケー スがあること、家庭裁判所の不用意な対応で傷つけられるケースがあ ることなど、多くの問題が明らかにされました。
 また、与党の政調会長間で検討課題となっている離婚前妊娠の救済 や、無戸籍の子どもの戸籍や住民票が作成されるよう、mネットから さらなる取り組みを要請しました。
 PT副座長の大口善徳衆議院議員は「党のPTとしても取り組み、 自民党にも見直しに向けた議論が再開できるよう働きかけたい」と話 しました。
 ヒアリング終了後、家族会はこの規定見直しに積極的な後藤田正純 衆議院議員、早川忠孝衆議院議員、野田聖子衆議院議員(いずれも自 民党)、福島みずほ参議院議員(社民党)、紙智子参議院議員(共産 党)枝野幸男衆議院議員(民主党)とそれぞれ面談し、同様の訴えを 行いました。
 なお、今月20日には法務大臣へも要望書を直接提出する予定です。

20080423[vol:174]
【国会】野党が民法改正案を提出 4月22日

  参議院の民主・共産・社民の野党3党は4月22日、民法改正案を参議 院に提出しました。
 改正の主な内容は、選択的夫婦別姓制度の導入、婚外子相続差別の 撤廃、再婚禁止期間を100日に短縮、婚姻年齢を男女とも18歳にする などです。
 改正案は、これまで何度も提出されてきましたが、反対勢力が過半 数であったため、廃案となっていました。しかし、昨年の参議院選挙 で民主党が躍進、野党が過半数となったことから法案提出が期待され ていました。
 提出後に記者会見した筆頭発議者の千葉景子議員は、「民法改正案 は通常国会ごとに提出し、共同提案は10回目。与野党が逆転している 中での提出は初めてなので、ぜひ参議院で可決し、衆議院での議論を 促したい。内閣府の夫婦別姓の世論調査では、反対しているのは高齢 者だけで、若い人は賛成が多かった。婚外子差別撤廃も子どもの権利 を考えるときに優先的に実現しなければならない課題だ」と、改正に 理解を求めました。
 共産党を代表して仁比聡平議員が「法制審議会答申から12年も過ぎ ている。国連からも指摘され、国会でもこれだけの動きがありながら 法改正されていない。この参議院の状況を生かして何としても審議入 りし、成立させたい」と、審議入りに期待を込めました。
 社民党を代表して福島みずほ議員が「与野党逆転の参議院で提出し たことは感無量であり、最も可決させたい法案である。与党の公明党 は民法改正に賛成し、自民党にも賛成者がいる。裁判所も立法府に( 法改正するよう)ボールを投げているのだから、もう待ったなしであ る」と、今国会成立への意気込みを語りました。
 民主党の神本美恵子議員は「選択的ということが理解されていない。 多様性を認めてほしい」と訴え、共産党の紙智子議員も「私自身も通 称で不便を感じている。今がチャンスの時なので頑張りたい」と発言 しました。
 しかし、与野党の攻防が激しく、法務委員会に付託され、審議入り できるかどうかは不透明な状況です。

法案の発議者と賛成者は次のとおり(敬称略)

【発議者】
千葉景子、仁比聡平、福島みずほ、円より子、神本美恵子、大河原雅子、
直嶋正行、福山哲郎、紙 智子、近藤正道
【賛成者】
相原久美子、今野 東、島田智哉子、谷岡郁子、林 久美子、前川清成、
牧山ひろえ、松岡 徹、松野信夫、蓮 舫、井上哲士、又市征治、
糸数慶子、川田龍平

20080418[vol:173]
【GO】内閣府が第52回CSW等について聞く会を開催 4月17日

   内閣府は4月17日、今年2月25日から3月8日、及び13日にニューヨ ークの国連本部で行われた第52回国連婦人の地位委員会(CSW)等 について聞く会を行いました。
 報告は、国連婦人の地位委員会日本代表の目黒依子さんとオブザー バー参加したNGO日本女性監視機構の原ひろこさんが行いました。 目黒さんは、今年の優先テーマが「ジェンダー平等及び女性のエンパ ワーメントのための資金調達」であることについて「資金調達を全面 的に取り上げたことは初めてで、大変勇気のいるテーマだった。合意 したものを実施していく上で最も基本になるのが資金であるというこ とが認識された。各国代表団に多くの閣僚級の参加者が見られたが、 女性関係だけでなく財政の閣僚も見られた。5本の決議が最終セッシ ョンまでに採択されたが、優先テーマは最終セッションまでに合意に 至らず非公式会議を経て13日に採択した」と報告しました。
 また「予算の付かない政策は優先政策とはいえないというディスカ ッションの中で、南アフリカの女性が、貧困の削減や撲滅にはジェン ダー平等は不可欠である。貧困者の大半が女性であるという実態を見 なければ貧困解消はあり得ないとして、『貧困は女性の顔をしている』 と発言したことが大きな共感を呼んだ」と話しました。
 さらに、個別決議案の「女性及び女児の人質」「FGM(性器切除) の撲滅」「INSTRAW(国際婦人調査訓練研修所)の強化」「女 性・女児とHIV/AIDS」「パレスチナ女性の状況及びその支援」 が採択されたことや、次回の優先テーマが「HIV/AIDSのケア 提供を含む男女の平等な責任分担」であることも報告しました。
 原さんは「今後の問題として来年のテーマについて考えなければな らないと同時に今回の資金調達のフォーローアップに参加していくと いうのがNGOの大きな課題。事前の説明会や今回の報告会、ニュー ヨークのCSWへも財務省や防衛省が参加しないのが大変残念だった」 と話しました。NGOの報告は5月15日(木)16時30分から城西国際 大学紀尾井町キャンパスで行われます。

20080404[vol:172]
【国会1】参議院内閣委員会で島田議員と神本議員が妊婦健診やワーク・ライフ・バランスについて質問 3月27日

  参議院内閣委員会で3月27日、民主党の島田智哉子議員と神本美恵子 議員が「子どもと家族を応援する日本重点戦略中間報告」(07年6月公 表)に関する質問をしました。
 島田議員は同報告について「妊婦健診の望ましい受診回数の確保のた めの支援が掲げられているが、各自治体が実施している回数と、望まし い回数は何回か」と尋ねました。厚生労働省の村木厚子審議官は「自治 体によってばらつきがあり、全国平均は2.8回。望ましい回数は14回程 度だが、自治体の財政事情もあるので少なくとも5回を求める」と答えま した。島本議員は地方財政措置の枠を超えた対応が必要だと訴えました。
 神本議員は同報告で少子化対策の強化を掲げる一方で、内閣府規制改 革会議の第2次答申(07年12月公表)では長時間労働の規制や女性労働 者の権利強化に批判的な見方が示されていることを指摘し、「絶対に看 過できない。政府はアクセルとブレーキを同時に踏んでいる」と批判し ました。村木審議官はこれに理解を示し、同省が第2次答申に反論したこ とを明らかにしました。

20080319[vol:171]
【国会】参議院予算委員会で相原議員が公務の非正規職員について質問 3月18日

  参議院予算委員会で3月18日、民主党の相原久美子議員が、官製ワー キングプアと呼ばれる公務職場における非正規職員の処遇について質 問しました。
 相原議員は、改正パートタイム労働法や育児・介護休業法が公務職 場の非正規職員には適用除外になっていることを指摘したうえで、法 律の挟間にいる労働者についてどう考えるかを質しました。これにつ いて、増田寛也総務大臣は「非常勤職員の勤務の実態は、かなり多く の方が働いているがつまびらかでない部分もある。臨時的な雇用とい う建前できていたので処遇の問題もあるのではないか。人事院が勤務 実態について聴取を行っているので、総務省としても協力を行い、処 遇の問題をはじめ必要な対応を行う」と答弁しました。
 また、相原議員は上川陽子男女共同参画担当大臣に対し「2003年の 国連女性差別撤廃委員会において日本政府のレポートに対して、パー トタイムが絶対的に女性に多いこと、また、低賃金が女性に集中して いることについて、間接差別にあたるのではないかと指摘されている が、どのような措置を講じるべきか」と質しました。これに対し、上 川大臣は「男女共同参画社会実現のためには、性別や分野の違いを問 わず、職務や個人の能力に応じて雇用管理の実現をはかり、仕事と育 児・介護の両立ができるような環境整備を図っていくことが極めて大 事である。女性も男性も働き方に応じてその処遇が適切に行われるよ うしっかり検証しながら前進できるよう取り組んでいきたい。」と答 弁しました。

20080306[vol:170]
【国会】民法改正の実現を求め院内集会を開催 3月5日

  参議院議員会館で3月5日、mネットが「民法改正は与・野党の枠を 越えて!」をテーマに院内集会を開催しました。全国から駆けつけた 市民、衆・参の国会議員、秘書、報道関係者など100人を超える参加 がありました。
 まず、mネットの呼びかけ人を代表して、お茶の水女子大学の戒能 民江さんが「今の参議院の状況は法案提出の絶好の機会。個人の尊厳 が尊重される社会を保障する法的仕組みになっていないことが大きな 問題。これを機に、与・野党の枠を越えて頑張っていただきたい。市 民の側でもうねりを作りたい」と挨拶しました。mネットからは法制 審答申以降の民法をめぐる動きと、昨年公表された世論調査の問題に ついて説明しました。(世論調査の結果はmネット通信143号に掲載)
 続いて、各党の決意表明で民主党副代表の前原誠司議員が「民主党 は14回法案を提出している。一致結束してこの問題を早期に解決しよ うということで頑張っており、党内の意見の乱れは全くない。夫婦別 姓は個人の自由の問題であり、憲法で保障されている基本的人権の問 題。多数を占める参議院で可決させ、それをプレッシャーにして衆議 院でも可決させたい」と、今国会に取り組む姿勢を示しました。また、従軍慰安婦問題について「自民党の議論は偏狭なナショナリズム。狭 義、広義の強制性の議論をしても意味がない。強制化下に置かれて人 権侵害された事実がある。極めて偏狭な議論で、歴史を歪曲したり、 公正な社会の妨げになることはよくない」と批判しました。
 共産党副委員長の石井郁子議員は「共産党も97年に民法改正の大 綱を発表し、毎年法案を提出している。300日問題は通達で一定の前 進をしたが、救済の窓口をさらに広げるべき。夫婦別姓の問題も今年 は前に進めたい」と、決意を表明しました。
 社民党党首の福島みずほ議員は「弁護士時代から改正運動をしてき た。従来の国会の座標軸とは違い、与党の中に賛成の人もいる。多元 的価値観を認める民法改正は与・野党を越えて実現できるテーマ。何 としても参議院で可決させ、今国会で成果を出したい」と、意気込み を語りました。
 公明党民法772条問題対策PT座長の丸谷佳織議員は「法律によっ て困っている人がいれば、立法府として手立てを打つのが責務。感情 論ではなく、法律論で議論していかなくてはならない」と、党として 賛成の立場であることを強調しました。
 自民党民法772条見直しPT座長の早川忠孝議員は党を代表するも のではないとした上で「理由のない区別、差別、権利の制限はあって はならない。与・野党の枠を越えるために、同じ考え方の議員がそれ ぞれの場にいなければならない。歴史的、国際的にどうなっているか を丁寧に説明すれば突破できる」と、対話の重要性を強調しました。
 宮城、富山、愛知、新潟、埼玉から参加した市民やNGO代表から は法改正を望む切実な声が寄せられ、集会アピールが採択されました。 最後に、全国から寄せられた請願署名を提出しました。

出席議員は次のとおりです。
【議員】(16人)
民主 衆・前原誠司議員、小宮山洋子議員、金田誠一議員、
西村智奈美議員、郡和子議員、村井宗明議員
参・大河原雅子議員、姫井由美子議員
自民 衆・早川忠孝議員
公明衆・丸谷佳織議員
共産衆・石井郁子議員
参・仁比聡平議員、紙 智子議員
社民衆・辻元清美議員
参・福島みずほ議員、近藤正道議員
【代理】(15人)
民主 衆・枝野幸男議員、土肥隆一議員、柚木道義議員
参・千葉景子議員、神本美恵子議員、円より子議員、
岡崎トミ子議員、松岡徹議員、松野信夫議員、牧山弘恵議員
自民衆・牧原秀樹議員
公明 衆・大口善徳議員
社民衆・重野安正議員
無所属 参・糸数慶子議員、川田龍平議員

院内集会アピール (pdf)  

20080228[vol:169]
【国会1】参議院で民法改正案提出へ 

 参議院で近日中に民法改正案が提出されます。
 昨年は、いわゆる離婚後300日規定の民法772条が注目されたこと から、これに関連する女性の再婚禁止期間を定めた民法733条単独の 改正案が野党4党で提出され、他の改正案提出は見送られていました。 しかし、昨年の参議院選挙で民主党が躍進、野党が過半数となったこ とから、選択的夫婦別姓制度導入や婚外子相続差別撤廃の法案提出が 期待されていました。これを受けて民主党内の手続きが完了し、野党 間の調整が進められ近日中に法案が提出される見込みとなりました。 これまで、何度も法案提出されてきましたが、法案の提出勢力が過半 数ではなかったため廃案となっていました。今回、採決されると初め て参議院で可決されることになります。

20080214[vol:168]
【国会】参議院予算委員会で福島議員が民法772条について質問 2月5日

 参議院予算委員会で2月5日、社民党の福島みずほ議員が、772条 の規定により無戸籍になっている子どもの救済について質しました。
 福島議員は、「(772条の規定で子どもが無戸籍となっていること が)子どもの権利条約違反ではないか。通達でも救済されない子ども を救済する必要があるのではないか」と質しました。これに対し鳩山 邦夫法務大臣は「こういう問題は子どもの立場から考えなければなら ない。無戸籍の子どもが存在する、あるいは増えているというのは大 変良くない」と述べました。さらに、通達の救済対象とされない離婚 前の懐胎については「非常に常識的に判断できるケース、つまり絶対 に(前)夫の子ではないということが常識的に判断できるケースはも っと広く認めていいのかな、与野党で知恵を出し合って解決に導いて いただければありがたい」と、これまでより前向きの答弁をしました。

20080202[vol:167]
【国会】代表質問で公明、社民が女性政策について言及

 福田内閣の施政方針に対する各党の代表質問で、公明党、社民党が 女性政策に関する質問を行いました。
 衆議院本会議で1月22日、公明党の太田昭宏議員が女性の社会参画 を拡大するための取り組みとして、「仕事と家庭が両立できるサポート 体制の構築、再雇用の促進、企業内保育所の設置など、結婚、子育て によって退職、離職をしない、いわゆるM字型カーブからの脱却の施 策が重要」と質しました。これに対し福田首相は「女性の就業率向上 を目指し、安心して働くことのできる保育、子育て支援サービスの充 実、育児や介護のために離職した女性に対する再就職・企業支援を行 うなど、就業意欲を失うことなく働き続けることのできる環境整備を 進めていく」と答えました。
 また、参議院本会議で1月23日、公明党の浜四津敏子議員が、「女 性の健康や医療について調査し、研究する女性健康研究総合センターの設立」「(女性の生涯にわたる健康を守るための)女性の健康パス ポートの発行」「(各地の女性センターなどに)若い女性向けの総合カ ウンセリング窓口の設置」を求めました。これに対し福田首相は、女 性の健康や社会生活上の諸問題に関し支援することは大変重要な問 題とし、「厚生労働省において、性差を考慮した女性の健康支援に関 する研究を進めるとともに、女性の健康を支援する仕組みづくりにつ いても検討を進めている」と答えました。さらに、「政労使の合意により、ワーク・ライフ・バランス憲章及び行動指針を定め今後も取り組ん でいく」と答弁しました。
 同じく参議院本会議で社民党の福島みずほ議員が、選択的夫婦別姓 制度導入や婚外子差別撤廃の民法改正について質しました。さらに、 民法772条の規定により戸籍のない子が少なくとも127人いることが明 らかになったことを挙げ、早急に民法772条を改正するよう求めました。 これに対し福田首相は夫婦別姓制度導入などの民法改正についてはこ れまでの答弁を繰り返し、民法772条については「基本的には維持され るべきもの」と改正に消極的な答弁を行いました。

20080118[vol:166]
【国会1】第169回通常国会開会、福田首相が施政方針演説 1月18日

 福田康夫首相は18日、衆議院本会議で初の施政方針演説を行いまし た。男女共同参画は、昨年10月の所信表明で推進を表明したものの、 施政方針には具体策がほとんど盛り込まれませんでした。
少子化対策は極めて重要な問題としながらも、多様な保育サービス の充実や保育所の受け入れ数の拡大などの「新待機児童ゼロ作戦」を 展開し、その両輪として「仕事と家庭の調和(ワーク・ライフ・バラ ンス)憲章」で示された残業削減や育児休業制度拡充など、働き方の 改革に取り組むとし、限定的な保育中心の施策となっています。
また、女性の参画が進んでいない労働の分野に重点を置いて、女性 の働く意欲を引き出すことができるよう「男女共同参画社会」実現に 向け戦略的に取り組むとしていますが、その他の分野での男女共同参 画には全く触れられていません。
官房長官時代に男女共同参画担当大臣を務め、昨秋の自民党総裁選 挙の際に「希望と安心のくにづくり」の3つの柱の1つに「男女共同参 画の社会」を掲げた福田首相でしたが、優先順位が後退した感は否めません。

20071228[vol:165]
【国会1】参議院厚労委員会で坂本議員が児童扶養手当について質問 12月25日

 児童扶養手当削減の凍結については与党のプロジェクトチーム(座 長・長勢甚遠衆議院議員)が政府へ申し入れをしていますが、参議院 厚生労働委員会で自民党の坂本由紀子議員が12月25日、政府の対応 について質問しました。
 坂本議員は、与党プロジェクトチームが手当削減の対象を就労意欲 が見られない者に限定したことから、「どのようなケースであれば就 労意欲が見られると認められるのか」と質しました。これに対し大谷 雇用均等・児童家庭局長は、「一部支給停止の適応除外対象者として (1)現在就業している(2)母子家庭等就業自立支援センターやハロ ーワーク等を利用して就職活動をしている(3)職業訓練を受けてい ることなどを考えている。本人や子どもの障害などで就業できない場 合も適応除外となる。取り扱いは明確に示したい」と答えました。

20071214[vol:164]
【国会1】772条に関する第2回勉強会を開催

 mネットは12月6日、国会議員を対象に「民法772条の嫡出推定に 関する第2回勉強会」を参議院議員会館で開催しました。与野党の議 員、秘書、政党関係者、マスコミなど65人の参加がありました。今回 の勉強会では、mネットによる政府や国会の動きを中心とした今日ま での経過説明、呼びかけ人による各政党の取り組み報告と今後の決意 表明、772条の規定に苦しむ当事者の相談に応じているNPOからの問 題提起、東京弁護士会と第二東京弁護士会からの提言、出席議員との 意見交換を行いました。NPO代表理事の井戸正枝さんは、具体的に 事例を紹介しながら、離婚後妊娠のみを救済する法務省の通達の問題 点を指摘しました。出席した議員からはさらなる取り組みの決意表明 がなされました。出席議員は次のとおりです。

【議員】
自民 衆・早川忠孝議員、森山真弓議員、野田聖子議員
参・森まさこ議員
民主 衆・枝野幸男議員、郡 和子議員、小宮山洋子議員、西村智奈美議員
参・千葉景子議員、神本美恵子議員
公明 衆・谷口和史議員
社民 衆・辻元清美議員
参・福島みずほ議員
共産 参・仁比聡平議員
無所属 参・松浦大悟議員
(15名)


【代理】
自民 衆・臼井日出男議員、後藤田正純議員、塩谷立議員、冨岡勉議員
民主 衆・市村浩一郎議員
参・山本孝史議員、円より子議員、松岡徹議員、松野信夫議員
公明 衆・丸谷佳織議員、大口善徳議員
共産 参・紙 智子議員
(12名)

20071130[vol:163]
【国会1】民主党の神本美恵子参議院議員にインタビュー

 民主党ネクスト子ども・男女共同参画担当大臣の神本美恵子参議院 議員に聞きました。神本さんは2001年の参議院選挙で初当選し、現在 2期目。教員出身で、議員になる前からジェンダー平等教育に尽力して います。

Q:これまでの民法改正の取り組みについてお聞かせください。
A:選択的夫婦別姓については、「結婚したら女性が男性の姓に変え   てしまうというのはおかしい」ということを教育課題の一つとし   てやってきました。女性差別撤廃条約が批准され、さまざまな法   整備がすすみ、男女共同参画社会基本法ができ、実現するかに見   えましたが、遅々としてすすまない中で議員になりました。

Q:民法改正を望む側も、ここ数年は悲観的でした。しかし、参議院   選挙で与・野党が逆転し、期待する声が高まってきています。
A:超党派で法案を出せるのではないかという時期もありましたが、   自民党側の反対で実現しませんでした。政権が代われば実現でき   るという思いで投票してくださったと思うので、しっかりやらな   ければならないという決意を持っています。反対する側へきちん   と理解していただけるよう働きかけたいと思いますが、皆さんか   らも声をぜひ届けてください。

20071115[vol:162]
【国会】参議院共生調査会で前川議員が夫婦別姓などについて質問 11月7日

 参議院少子高齢化・共生社会に関する調査会で民主党の前川清成議 員が選択的夫婦別姓制度について質問しました。
 前川議員は、「価値観の多様化や女性の社会的進出が顕著になって いる。晩婚化の理由として選択的夫婦別姓が認められていないという ことがある。配偶者の名前がどうであろうと世間に迷惑を掛けること は一切ない。公益を害することがない以上、法制審の答申にある以上、 1日も早く選択的夫婦別姓の採用に踏み切るべきではないか」と質し ました。これに対し河井克行法務副大臣は、今年1月に内閣府が公表 した世論調査の結果で法改正に賛成の割合が低下したことを挙げ、 「この制度の導入の問題について国民各層の意見が大きく分かれて いる」と、消極的な答弁をしました。
 さらに、前川議員は児童扶養手当中心の支援から就業・自立に向け た総合的な支援への転換は、現実的には難しいことを指摘しました。 児童扶養手当については共産党の紙智子議員や社民党の渕上貞夫議員も質問しました。
 紙議員は「給付依存型から自立支援、就労支援に重点を移動してき ているが、母子家庭の生活苦や将来の不安を一層大きくしている。就 労支援策がどれだけ有効か検証すべきでないか」と質しました。また、 生活保護の母子加算の段階的削除や、児童扶養手当の削減が問題であ ることを指摘しました。岸宏一厚生労働副大臣は「与党PTで検討し て、それをまってやります」と答弁しました。
 渕上議員は、「与党PTで検討するのではなく、削減をしないと明 確に打ち出すべきではないか。大臣が母子福祉団体からヒアリングし たが、どのような感想か」と質しました。岸副大臣は「大臣としても、 大変納得すべき点があった、今後それに十分前向きに対応したい」と、 答弁しました。

20071101[vol:161]
【国会1】参院で少子高齢化・共生社会に関する調査会を設置

 参議院では、少子高齢化・共生社会に関し、長期的かつ総合的な調 査を行う目的で、「少子高齢化・共生社会に関する調査会(田名部匡省 委員長)」が設置されました。
 筆頭理事である民主党の木俣佳丈議員から示された調査テーマ(案) は「コミュニティの再生」「パートタイマー対策」ですが、コミュニティ の再生には「『家族の絆』を強めるための政策」などの項目があり、こ れまでの調査会とは、全く違う内容となっています。第1回目の調査会 は11月7日に開催され、内閣府、総務省、法務省、文科省、厚労省の副 大臣より意見聴取が行われる予定です。
委員名は参議院のホームページをご覧ください。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/frameset/fset_b01_01.htm

20071019[vol:160]
【国会1】衆院予算委員会で阿部議員が医師のワーク・ライフ・バラ      ンス対策について質問 10月10日

 衆議院予算委員会で、社民党の阿部知子議員が10月10日、深刻化す る産婦人科の医師不足への対策について福田康夫首相と舛添要一厚生 労働大臣に質問しました。
 阿部議員は、妊産婦のたらい回しが相次いだことや自らが小児科医 として小児医療の現場を知る立場から、産婦人科と小児科の医師が不 足している深刻な事態を訴え、対策を質しました。
 これに対し舛添大臣は「小児科、産婦人科では女性の比率が増えて いる。この方々が仕事と子育てを両立できるように例えば病院の中に 保育所を設けるとか、いったん子育てが終わった女医がまた戻る再ト レーニングをやりたい」と答弁しました。
 さらに、阿部議員は産婦人科の女性医師は20歳代では6割いるにも かかわらず、11年から15年のキャリアのころには50%に減少すること を指摘し、女性医師が子育てをしやすい環境を整備する必要があるこ とを福田首相に迫りました。首相は「学校教育や病院のあり方など、 総合的に考え、検討していきたい」と答えました。

20071006[vol:159]
【国会1】参院本会議の代表質問で福島議員が民法改正について質問
10月5日

 参議院本会議で行われた福田康夫首相の所信表明に対する代表質問 で、社民党の福島みずほ議員が10月5日、民法改正について質問しま した。
 福島議員は、「選択的夫婦別姓の導入や、婚外子差別撤廃、再婚禁 止期間の見直し、民法772条の改正など、ぜひ実現すべき」としたうえ で、福田首相の考えを尋ねました。
 これに対し、福田首相は「婚姻制度や家族のあり方と関連してこれ までもさまざまな議論がされてきたことと承知している。国民の意識、 動向を踏まえつつ、与野党間でよく協議をしていただきたい」と、一 昨年、昨年と全く同じ答弁を繰り返しました。民法772条については、 「嫡出推定の制度を定めるもので、法律上の父子関係をどのように設 定するかという身分法の根幹を成す規定であり、基本的に維持される べきものと考える。与党内においても戸籍の届けや裁判手続きに関す る検討を行うと承知している」と答えるにとどまりました。

20070920[vol:158]
【NGO】東京弁護士会、民法772条改正求め意見書採択 9月10日

 東京弁護士会(下河邉和彦会長)は、父子推定を規定した民法772条 の改正を求める意見書を10日に採択し、公表しました。
 民法772条のいわゆる離婚後300日規定については、今年5月に離婚後 妊娠に限り実父の子として届出ができるよう、通達による見直しが行わ れましたが、同会では「身分関係の根幹にかかわる規定は、本来、通達 や特例法ではなく民法の改正により対処すべきである」とし、法改正を 求めています。
 改正の主な内容は、これまでどおり離婚後300日以内に生まれた子は 前夫の子とみなしますが、父欄を空白で提出した場合は前夫の子と推定 しない、という但し書きを加えています。
 また、婚姻中に懐胎した子を夫の子とする1項の規定については「婚 姻中に出産した子」を加え、婚姻から200日以内に出生した場合は父欄 を空白で届出ができるよう但し書きを設けています。届出人の意思を より反映する内容といえます。
 なお、意見書は衆・参両院議長や法務省に送付されています。詳しく は東京弁護士会のホームページをご覧ください。
http://www.toben.or.jp/news/opinion/2007/070910.html

20070906[vol:157]
【NGO】第2回離婚後300日父子推定110番を実施 9月1日

 家族法に詳しい弁護士の協力を得てmネットが9月1日、「第2回離 婚後300日父子推定110番」を行いました。
 2月の電話相談では、離婚後300日以内に出生予定の妊婦から「子 どもが生まれたらどうなるのか」という相談が多く寄せられましたが、 今回は制度の見直しが行われたものの、多くの問題があることがわか りました。
 例えば「出産を控え、再婚禁止期間を過ぎている場合、子の父親と 再婚しておいたほうがよいか」や「前妻から調停の連絡があったが、 何回も出廷しないといけないか」というものから、無戸籍の子どもに ついて「住民票を作ってほしいとかけ合ったが、うちは保守的なとこ ろだから作れないと断られた」「児童手当は受けられるのに、予防接 種は受けさせてもらえない」など、行政サービスに関するものもあり ました。
 また、DNA鑑定で認知が認められた例があった一方で、「実父を 相手にした認知なのに、裁判官が前夫の証言にこだわったため不調と なった。裁判しようとしたら、田舎の裁判所だから同じ裁判官だと言 われ、裁判を断念した」という深刻なものもありました。
 さらに、「裁判で離婚が成立したのに、その相手に協力を求めるの は難しい」や「(円満に)離婚した妻から調停をする旨の連絡を受け たが、前妻や相手の男性に慰謝料請求ができるか」という新たな問 題が出てきていることもわかりました。

20070823[vol:156]
   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
    第2回離婚後300日父子推定110番
   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   日 時 9月1日(土)10時〜14時
   電 話 03−3512−0536
       03−3512−0539

   離婚後300日以内に生まれた子どもを前夫の子どもとみなす民法772条 2項については、その規定の弊害がメディアで大きく取り上げられ、国 会でも活発な議論が行われました。
 その結果、法務省は嫡出推定の規定を見直し、離婚後300日以内の出 生でも妊娠が離婚後であることを証明すれば実父の子として届出ができ ることになりました。また、厚生労働省は無戸籍の子どもへ児童手当や 児童扶養手当などの行政サービス提供が可能であるとの通知を出し、外 務省も無戸籍の子どもへのパスポート発給ができるよう省令改正を行いました。
 しかし、離婚前の妊娠が多いために法務省の通達で救済されるのがわ ずかであること、自治体の担当者が省令改正や行政サービスの通知を知 らないで申請者を門前払いしていたことなどもわかりました。さらに、 国際結婚などでも、両国の父子推定制度の違いから新たな問題が明らか になりました。
 そこで、家族法に取り組む弁護士とmネットが「第2回離婚後300日父子推定110番」を行うことにいたしました。

20070809[vol:155]
【選挙】参議院、6人に1人が女性 7月29日

 7月29日の参議院選挙で、女性が26人当選しました。これは1989年 に社会党を中心に22人が当選した「マドンナブーム」と呼ばれた時を 上回り、過去最多を記録しました。特に民主は前回の2倍の14人に大 躍進し、次いで自民が8人、公明、共産、国民新、無所属から各1人当 選しました。非改選16人と合わせて42人で、参議院では17.4%が女性 議員となりました。
 世界の国会議員交流を推進する列国議会同盟(IPU)が各国の国会 二院制の場合は下院、日本は衆議院)での女性議員の比率を調査した 報告によれば、2007年に日本は9.4%で、調査対象の189か国中、99位 です。189か国の全国会議員中女性は、16.9%を占め、日本の参議院の女性比率とほぼ同じ比率です。
 今回当選した女性議員と政党、選挙区は次のとおりです。☆印は男 女共同参画を政策に掲げている議員、★印は公約や過去の言動から女 性政策の期待が薄い議員です。

●民主党14人
《選挙区10人》
☆舟山康江(山形)、☆金子恵美(福島)、☆岡崎トミ子(宮城)、 森裕子(新潟)、☆行田邦子(埼玉)、☆大河原雅子(東京)、 ☆牧山弘恵(神奈川)、☆谷岡郁子(愛知)、姫井由美子(岡山)、 植松恵美子(香川)
《比例代表4人》
☆相原久美子、☆吉川沙織、青木愛、☆神本恵美子

●自民党8人
《選挙区2人》
丸川珠代(東京)、森雅子(福島)
《比例代表6人》
★中山恭子、☆川口順子、☆石井みどり、★橋本聖子、☆有村治子、 ★山東昭子

●公明党1人《比例代表》☆山本香苗

●共産党1人《比例代表》☆紙智子

●国民新党1人《選挙区》亀井亜紀子(島根)

●無所属1人《選挙区》☆糸数慶子(沖縄)

20070726[vol:154]
【国会】離婚後300日規定や選択的夫婦別姓などに関する政党アンケートを実施

 第21回参議院議員選挙が7月29日に行われるのに伴い、mネットは 民法改正に関する政党アンケートを行いました。
 今年は、民法772条の嫡出推定(いわゆる離婚後300日規定)が大 きな問題としてマスコミでも取り上げられ、国会でも活発な議論が行 われ一歩前進しましたが、多くの課題を残したままとなっています。
 そこで、各党に民法772条を中心に選択的夫婦別姓制度導入や婚外 子相続差別撤廃などの民法改正について質問しました。回答があった のは自民党・民主党・公明党・共産党・社民党・国民新党で、新党日 本のみ回答がありませんでした。設問と回答(部分)は次のとおりで す。全文はmネットのホームページをご覧ください。

■設問1 民法改正を参議院選挙の公約に掲げているかどうかについ て「掲げている」と回答したのは民主党、公明党、共産党、社民党で、 「掲げていない」と回答したのは自民と国民新党でした。

■設問2 改正すべき民法の内容について
 改正すべき内容がないと回答したのは自民党と国民新党でした。 離婚後300日以内に出産した子を前夫の子とする民法の規定について 「見直す」と回答したのが民主党、共産党、社民党で、公明党はすぐ に民法の改正ではなく、救済措置の創設を主張しています。この規定 の見直しについては各党が詳しく回答しています。(末尾参照) 「嫡出でない子の相続が嫡出子の2分の1とする」条項を廃止すると回 答したのは民主党、共産党、社民党でした。
 再婚禁止期間を短縮すると回答したのは民主党、公明党で、廃止ま で踏み込んだのは共産党と社民党でした。
 選択的夫婦別姓制度を導入すると回答したのは民主党、公明党、共 産党、社民党でした。
 婚姻年齢を「男女とも18歳とする」と回答したのは民主党、共産党、 社民党でした。

■設問3 夫婦同姓を強制している国が日本だけであることについて

■設問4 婚外子相続差別をしている国が日本とフィリピンのみである ことについて

■設問5 国際社会が嫡出概念をなくす方向にあること、子どもの権利 委員会が「嫡出でない子」という差別的な用語を改めるよう勧告して いることについて

■設問6 ユニセフが世界にある6つの差別の一つに婚外子相続差別を あげていることについて

■設問3から■設問6について「知っている」と答えたのは民主党、公明党、共産党、社民党、国民新党で、「知らない」と答えたのは自民党でした。

≪離婚後300日規定についての各党の考え≫
【民主党】民主党は、@婚姻中であっても別居中などの特別な事情が あったことや真実の父子関係を証明できるなど一定の場合には、前夫 の子とせずに出生届を受理する戸籍事務の特例を設ける。A母から嫡 出否認の訴えを起こせるように民法の規定を改正する。B父子関係確 定に関する民法の原則を「妻が婚姻中に出生した子は、夫の子と推定 する」ことに改めるなど戸籍事務の特例と民法の原則の両面から見直 しを検討し、実態に即した合理的な制度へと改善します。

【公明党】「離婚後300日」問題については、民法772条自体をすぐに 見直すというよりも、無戸籍の子どもたちの早期の身分安定のため、 離婚前懐胎のケースを含め、議員立法での救済措置の創設を主張して います。

【共産党】法務省通達で救済されるのは、離婚後の妊娠だと証明され る場合だけです。結婚が事実上破綻している場合も対象にするなど、 救済枠を広げることが必要です。772条の規定の見直しは、検討を進 めるべき課題だと考えています。

【社民党】民法772条に第3項を追加し「嫡出の推定が及ばない事情」 による適用除外規定を設ける。
                    (各党の回答は原文のまま)

20070713[vol:153]
【国会1】DV防止法改正案が成立 7月5日

 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止 法)の一部改正案が7月5日、衆議院本会議で可決、成立しました。
 今回の改正の主な内容は、@基本計画の策定などを市町村の努力義 務としたことA市町村の適切な施設において配偶者暴力相談支援セン ターとして機能することを市町村の努力義務としたことB暴力を受け た者に限定していた保護命令を、危害を受ける恐れが大きい場合にも 広げ、夜間の電話等も禁止し、加害者への接見禁止命令を被害者だけ でなくその親族等に広げたことなど、保護命令制度を拡充したことC 裁判所から支援センターへの保護命令の発令に関する通知を出すこと を新設したことなどです。
 一般的には、議員立法に与野党で異論がない場合は、委員長提案と して質疑を省略して採決をすることが多いのですが、参議院では6月 19日に法務委員会審議が行われ、20日の本会議で可決、衆議院に送ら れました。しかし、すぐに法務委員会に付託されず、ようやく7月3日に付託、4日に審議が行われたため、成立がぎりぎりの通常国会最終 日となりました。

20070628[vol:152]
【国連】国連人口基金が「世界人口白書2007」を発表 6月27日

国連人口基金(UNFPA)は6月27日、「世界人口白書2007」を世界 に同時発表しました。
 白書は、人類が直面する最重要課題である人口急増の対策におい て、特に都市拡大への対処が必要であることを訴えています。すで に65億人に達した世界人口は、今後、アジアやアフリカなどの開発 途上国の都市部で急激に進み、2030年までに都市人口は50億人にな り、その多くが貧困層だと予測されます。都市人口の増加は貧困や 環境破壊をもたらす深刻な問題ですが、同時にその解決に向けて有 利な側面があるとし、都市化の利点を活用することを提案していま す。拡大する都市人口の大部分は貧困層であることと、移入によっ てではなく、自然増によるものであるとの見解を示したうえで、3つ の対策を示しています。
*自然増を低減させるために都市への移動阻止は無益であり、ジェン  ダーの平等の推進、リプロダクティブ・ヘルスニーズへの対応のほ  うが有効である
*公共サービスを整備した住宅地を用意し、持続可能な土地利用の推  進計画を立てる
*国際社会が一致して都市の未来に向けた戦略を支援する 

 第一の提案でジェンダーの平等とリプロダクティブ・ヘルスニーズ への対応を挙げていますが、白書は一貫して人口問題の対策として女 性への差別の排除と女性のエンパワーメント(能力強化)を訴えてい ます。

20070614[vol:151]
【国会】自民党が民法772条問題で部会、通達による届出は101件 6月13日

自民党法務部会は6月13日、民法772条問題で部会を開き、法務省、 最高裁判所、外務省、厚生労働省からヒアリングを行いました。
 法務省の通達により、離婚後300日以内の出生でも離婚後の妊娠が 医師の証明によって明らかな場合は「前夫の子」としない届けが5月21 日から可能となりましたが、法務省の報告によると、通達による届け 出が101件あり、75件を受理していたことがわかりました。その他は 審査中ということです。
 厚生労働省は、無戸籍の子どもが自治体の行政サービスを受けられ るよう3月22日に通知を出した(mネット通信第148号参照)ことにより、 児童手当が227件、児童扶養手当が27件認定されたと報告しました。

20070526[vol:150]
【GO】外務省、旅券法規則に関するパブリックコメントの結果公表 5月25日

外務省は5月25日、無戸籍の子どもに旅券を発行するための旅券法 施行規則改正の省令案に対するパブリックコメントの結果を公表しま した。
 1300人が意見を提出し、改正に賛成の意見は約1260件、反対は約 30件、賛否不明が約10件ありました。賛成意見のうち9割を超える 1220件が、旅券の姓を母親の前夫の姓にすることに不満を述べたも のです。「申請者が現在使用している通称、母親の姓、住民票に記 載されている姓を記載すべき」とする多数意見に対して外務省は 「家裁の調停や裁判が確定するまでは民法772条により前夫の子の 推定が働くので、申請者の姓は推定による姓にならざるを得ない」 と述べています。
 省令はほぼ原案どおりで、6月1日に施行されます。詳しくは外務 省のホームページをご覧ください。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/h19/5/1173547_804.html
****************************
 外務省は、特別な場合を除いて認めていなかった旅券の通称使用 について、2006年3月20日から一定の要件を満たした場合には認めて います。会社から通称使用をしていること、出張などの場合に旅行 命令のような証明書があれば認めるとしています。会社の証明で通 称を認めるのであれば、公的な住民票に記載されている姓を認めな い上記の理由は説得力に欠けます。

20070510[vol:149]
【国会】参議院厚生労働委員会で西島議員が嫡出推定について質問 5月8日

参議院厚生労働委員会で5月8日、自民党の西島英利議員が嫡出推 定について質問しました。
  西島議員は、離婚後300日以内の出産でも離婚後の懐胎で医師の 証明書があれば実父の子どもとして届出ができるとした法務省通達 について「医師が証明書を求められた場合、医師法第19条2項の規 定により正当な事由がなければ交付を拒んではならないと規定があ るが、グレーゾーンの妊婦から証明書を求められたときに拒否がで きるのか」と質しました。これに対し、厚生労働省の松谷有希雄医 政局長は「出産以前であるか以後であるかを問わず、一般論で言え ば、医学的に一定の診断ができる場合には当然交付しなければなら ないし、診断ができない場合にはここで言う正当の事由に当たり、 必ずしも診断書を交付する義務は課されない」と答弁しました。

20070426[vol:148]
【国会1】与党の政策責任者が772条問題について合意 4月25日

自民党の中川昭一政務調査会長と公明党の斉藤鉄夫政務調査会長は 4月25日、民法772条問題について当面の方針を合意しました。
  離婚後の懐胎の場合に医師の証明により前夫を父としない届出がで きることについて、法務省がすでに通達を出すことを決めているため、 立法化ではなく通達で行うことにしています。
  また、離婚前懐胎については、社会通念上やむを得ないと考えられ るものについて、子の身分関係を早期に安定させる観点から、立法措 置を含め更に検討することになったようです。
  さらに、再婚禁止期間の100日への短縮については、この問題と切 り離し、将来の検討課題としました。
  なお、与党PTは自民党側のメンバーを入れ替え、反対派を説得で きる体制で臨むようです。

20070407[vol:147]
【民法772条関連の要望書提出と記者会見】

政府与党から議員立法提出について否定的な考えが示され、法務省 が通達を出すことを決定したことを受け、mネットは法改正を望む家 族法の研究者や弁護士と連名で法務大臣をはじめ与党PTの座長、法 務省民事局長宛に要望書を提出し、記者会見を行います。
  4月9日(月)
10:30 法務省に要望書を提出(法務省)
11:00 記者会見(衆議院第二議員会館第4会議室)
13:00 公明党PTの丸谷佳織座長へ要望書提出
    法務大臣宛も提出(自民党は時間未定)

20070322[vol:146]
【国会1】公明党が嫡出推定について特例法の試案を了承、研究者からヒアリング

公明党のプロジェクトチームは3月15日、離婚後の懐胎が明らかな ケースや、DNA鑑定などで再婚の夫の子どもであることが明らかな 場合は、実父の子として出生届を認める特例法の試案を大筋で了承し ました。
  離婚後の懐胎については医師の証明書があれば届出ができるとし、 離婚後300日以内の出生については、前夫が自分の子ではないことに 異議がないか、母親が陳述書を提出すれば実父の子として届出ができ るとしています。この場合DNA鑑定が必要となります。
  この試案については20日の同党のPTの会議で、家族法に詳しい研 究者や市民団体から届出要件の緩和を求めた意見が出されました。

20070309[vol:145]
【NGO1】772条問題で、長勢法務大臣が見直しを明言 3月8日

mネットと「離婚後300日父子推定110番」で相談に当たった弁護士 が3月8日、長勢甚遠法務大臣に面会し、民法772条の制度の見直しを 要請しました。電話相談で受け付けた事例を紹介し、規定がさまざま な不利益をもたらしていることを伝えました。
  長勢大臣は、嫡出推定制度には合理性があることを示したうえで、 「お父さんも、お母さんも、きちんとやっておられたのに、何らかの 異常がおきたというケースは何とかしてあげたい、と本当に思う」と、 制度の見直しを検討する考えを明らかにしました。
  この面会には、公明党の「772条問題対策プロジェクトチーム」メ ンバーの丸谷佳織衆議院議員、伊藤渉衆議院議員、山本香苗参議院議 員が同席しました。

20070223[vol:144]
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離婚後300日父子推定110番
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日 時  2月25日(日)午後2時〜午後5時

  離婚が成立した日から300日以内に生まれた子どもを前夫の子ども とみなす民法772条2項については、さまざまなケースが報道され、 その規定の弊害については国会でも数多く取り上げられています。
  しかし、一般にはあまり知られていないため、出生届を出す人たち は、提出時に初めて戸籍の担当者から「前夫の子となり、前夫の戸籍 に入りますよ」と聞かされ、大変なショックを受けるケースがありま す。この規定があることで、出生届を出せずにいる人や、前夫とトラ ブルになったケースなどさまざまな問題も寄せられています。
  そこで、家族法に取り組む女性弁護士とmネット・民法改正情報ネッ トワークが「離婚後300日父子推定110番」を行うことにいたしました。

20070208[vol:143]
【国会】衆議院予算委員会で枝野議員が嫡出推定について質問 2月7日

衆議院予算委員会で民主党の枝野幸男議員が2月7日、離婚後300日 以内に生まれた子どもを前夫の子どもとみなす嫡出推定規定について 質問しました。
  枝野議員は「前夫の子と推定されたことを覆そうと思ったら裁判す るしかない。実態と合っていない規定は改善の必要性があるのではな いか」と質しました。これに対し長勢甚遠法務大臣は「できるものが あれば早急に検討したい」と答えました。また、自治体の戸籍窓口の 担当者でつくる「全国連合戸籍事務協議会」が、2002年に法改正や運 用改善を法務省に要望していたことについて、枝野議員は「要望があ ったのに法務省がほったらかしにしているのは怠慢」と厳しく指摘し ました。さらに、この規定が離婚届を提出するまで性交渉があること を前提にしていることについて「離婚の話し合いや調停のプロセスで 夫婦関係はないと考えるのが社会通念。離婚から300日を前の夫の子 と推定するのは、推定の前提になる根拠が明らかに社会常識、社会通 念からずれている。これは調査以前の問題」と批判しました。

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  嫡出推定については、国会での議論が活発になりつつあります。 また長勢法務大臣が見直しを視野に入れた検討を明言したことから 法務省でも実態調査が行なわれる予定です。そこで、mネットは、 国会議員を対象とした制度の見直しのための勉強会を15日に開催す ることにいたしました。様々なケースの当事者にお話をしていただ く予定です。
  当日の様子は報道番組でも紹介される予定です。mネット通信でも 詳しくお知らせします。

20070127[vol:142]
【GO】法務省が「嫡出推定」の見直しの検討へ 1月26日

法務省は26日、子どもの父親が誰であるかを推定する民法772条の 「嫡出推定」の規定の見直しが必要かどうか、実態調査を行うことを 決めました。同日の閣議後の記者会見で長勢甚遠法務大臣が明らかに しました。
  嫡出推定の規定の見直し論議は、大和市在住のKさんの事例(2005年4月、5月のmネット通信第100号、102号参照)が、大きく影響しま した。
  Kさん夫婦は再婚同士。離婚後の妊娠でしたが、娘が誕生したのは 妻の離婚後291日。出生届を出すと前の夫の子どもとして受理すると 窓口で言われたそうです。一度出生届を出すと前夫の戸籍に子どもと して記載されてしまい、後に親子関係がないことが確定しても、一旦 子どもと記載された事実が×印とともに残ってしまうため、Kさん夫 婦は裁判で前夫と娘との親子関係を否定する確定判決を得て改めて出 生届を提出しました。その約半年間は戸籍や住民票がない不安定な状態でした。
  法務省が実態調査に乗り出したことについてKさんは「これは神様 が与えた試練だと思った。こういう状況下にある子どもたちのために 自分たちがやらなければならない使命だと思い活動をしてきた。法務 大臣が記者会見したことを聞いて本当に嬉しく思う。今後を見守りた い」と話しました。

Kさんの事例は以下でも採り上げられています。
2005年5月27日の『週刊金曜日』が記事掲載
2006年2月22日mネット主催院内集会で問題提起
2006年2月28日本女性差別撤廃条約NGOネットワークの法務省交渉で問 題化
2006年3月15日枝野幸男議員が法務委員会で質問
2007年1月25日毎日新聞が記事掲載

【解説】
  民法772条1項では、法律婚をしている妻が産んだ子どもは法律上の 夫の子どもとみなします。子どもの法的身分が早期に安定するメリッ トがあります。しかし妻が夫以外の男性の子どもを出産しても、実の 父親が子どもを認知したり戸籍に入れたりすることはできないという 問題もあります。
  また、同条2項では、婚姻が成立した日から200日以降に生まれた子 どもや、離婚が成立した日から300日以内に生まれた子どもは夫の子 どもとみなしています。離婚後300日以内に出産すれば法律上は前夫 が父親となってしまうのです。このような場合は、前夫が子の出生を 知った日から1年以内に、自分の子どもではないと「嫡出否認」をす るか、妻や前夫などから親子関係はないという調停や訴えを起こすし かありません。
  ただし、出産が婚姻から200日以内のいわゆる「できちゃった婚」 の場合、通達(注)によって認知しなくても夫の戸籍に入り、夫の子 とする扱いが認められています。通達が事実上民法改正をしているこ とになります。

(注)1940(昭和15)年1月23日の大審院判決をうけ、同年4月8日付民  事甲432号 民事局長通牒として出されています。

20070111[vol:141]

明けましておめでとうございます。
  おかげさまで「mネット通信」は、2001年の創刊号発行から今回で 141号を迎えました。
   民法改正については昨年、法制審議会答申から10年の節目の年でし たが、残念ながら国会ではほとんど審議されませんでした。また、内 閣府が夫婦別姓の世論調査を行うと約束していたにもかかわらず、そ の内容は公開されませんでした。
今年は選挙の年、mネットは情報発信だけでなく、民法改正に賛成 の議員が過半数となるよう各方面に取り組みたいと思っております。
  今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

国会議員からの新春メッセージ

 小宮山洋子衆議院議員(民主)
 多様な生き方、価値観を認めあえる豊かな社会への試金石が選択的 夫婦別姓だと考えています。議員になっての目標の大切な柱ですので実現にむけてさらに力を尽くします。

吉川春子参議院議員(共産)
 教育基本法から男女共学の規定が削られてしまうなど逆流がつづい ていますね。夫婦別姓が実現しないことだけでなく、国の全体的な方 向が狂っているのだと思います。“日本はおかしい”と多くの人々が 気づいて声をあげましょう。

阿部知子衆議院議員(社民)
 個人―家族(家庭)―国(家)が一直線につながってしまう日本。 多様な個性と家族のあり方、そして新しいバリアフリーの国の姿をつ くるためにも、やっぱり民法改正しなくてはね。

日森ふみひろ衆議院議員(社民)
 困難ではありますが、民法改正に向けてがんばっていきましょう。

 

20061221[vol:140]
【国会】本年の民法改正に関する国会質問

2006年の第164通常国会と第165臨時国会において、民法改正に関する質疑は次のとおりでした。
1月25日  参議院本会議(福島みずほ議員・社民)婚外子差別
2月 8日  参議院少子高齢調査会(円より子議員・民主)婚外子差別
3月15日  参議院本会議(福島みずほ議員)婚外子差別
      衆議院法務委員会(枝野幸男議員・民主)夫婦別姓・婚外子差別・嫡出推定
3月16日  参議院厚生労働委員会(円より子議員)婚外子差別
3月22日  参議院法務委員会(前川清成議員・民主)夫婦別姓
6月14日  衆議院法務委員会(枝野幸男議員)夫婦別姓
10月27日 衆議院内閣委員会(小宮山洋子議員・民主)夫婦別姓の世論調査
10月31日 衆議院教育基本法特別委員会(西村智奈美議員・民主)夫婦別姓
11月30日 参議院教育基本法特別委員会(福島みずほ議員)夫婦別姓

   法制審議会の答申からついに10年がたち、今年こそは改正させよう とする市民の働きかけがあったものの、国会での審議は活発ではあり ませんでした。それぞれの質問については「mネット通信」で紹介し ていますが、質疑の全文については国会会議録検索をご覧ください。 http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/index.htm

20061208[vol:139]
【国会】教基法特別委員会で福島議員が夫婦同姓と伝統について質問 11月30日

参議院教育基本法に関する特別委員会で社民党の福島みずほ議員が11月30日、夫婦同姓は伝統かどうか伊吹文明文部科学大臣に質しました。 これは、与党が提出した教育基本法改正案に、教育の目標の一つとして「伝統と文化を尊重」が盛り込まれたことから、伝統の定義について質したものです。
伊吹大臣は「その人その人のとらえ方だが、日本の多くの人たちは、夫婦同姓は伝統ととらえていると思う」と答弁しました。この答弁に対し福島議員は「夫婦同姓の伝統はここ百年ぐらいで、日本は伝統的には夫婦別姓。何をもって伝統なのかは人によって違う。解釈によって不明確になるものを徳目として挙げるということが非常に問題」と指摘しました。
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姓は江戸時代までは原則として武士階級だけにしか認められていませんでした。1870年に初めて庶民にも姓の使用が認められました。使用を義務付けられたのは1875年です。1898年に制定された明治民法では、妻は婚姻により「家」に入り、「家」の氏(姓)を名乗るとされましたが、それ以前は、妻は戸主の戸籍に旧姓で記載されていました。婚姻したからといって夫婦が同じ姓ではなかったのです。日本の伝統のようにいわれるファミリーネームもたかだか100年の歴史ということです。

20061123[vol:138]
【国際1】世界経済フォーラムが男女格差のラキング公表 日本は79位 11月21日

世界の政財界の指導者が集まる「ダボス会議」を主催する「世界経済 フォーラム(WEF)」(本部・ジュネーブ)が11月21日、国際競争力 やジェンダー・ギャップ(男女格差)などの報告書を公表しました。
 男女格差が最も少なかったのはスウェーデンで、日本は115カ国79位 でした。これは、経済、教育、健康、政治の4分野のデータを指数化し て比べたものです。
 WEFは昨年5月、初めて58カ国を対象に男女差別の度合いを指数化 した「ジェンダーギャップ指数」のランキングを公表し、日本は58カ国 中38位となっていました。今回の調査は前回とは異なっており、調査対 象国も増えていることから、順位を比較することはできませんが、前回 と同じように日本は女性の政治参加や雇用機会などの評価が低いことか ら下位に位置しているようです。ちなみにアメリカは22位、中国は63位 韓国は92位となっています。

20061109[vol:137]
【国会1】衆議院内閣委員会で小宮山議員が夫婦別姓について質問 10月27日

衆議院内閣委員会で民主党の小宮山洋子議員が10月27日、夫婦別 姓について質問しました。
 小宮山議員は、「昨年10月の法務委員会で、民主党の津村議員の 質問に対して、当時の南野法務大臣が18年度に夫婦別姓の調査を内 閣府に希望すると答弁しているが、それがどうなっているか」と質 しました。
 これに対し塩崎恭久官房長官が、法務省から今年2月に調査実施 の要望があったことを明らかにした上で、「調査の終了まで公表し ないというのがこれまでのやり方」と答弁しました。
 さらに、小宮山議員は高市早苗男女共同参画担当大臣と塩崎官房 長官に対し、「通称使用では大変不自由がある」と、民法改正を求 めました。
 これに対し高市大臣は、「議論が深まるように努める」と答弁し、 塩崎官房長官も「国民の声をバックにどういうふうにこれを結論付 けていくのかを考えていきたい」と答えました。
 mネット通信第106号で報道していますが、昨年7月8日、野党の国会議員が当時の南野知恵子法務大臣に民法改正の早期実現を要請 した際に、南野大臣は、「来年、内閣府が行う世論調査の結果を見 て判断したい」と答えています。
 2001年の世論調査では、5月17日から27日までの期間に20歳以上 の5000人を対象に調査し、その結果を8月4日に公表しています。
この時期になっても公表されないのは、調査を進めていないか、調 査結果で公開できない理由があるのではないかと考えられます。

20061026[vol:136]
【海外】韓国で婚姻最低年齢を男女とも18歳に決定 10月16日

韓国の法務部は10月16日、婚姻最低年齢を男女とも18歳にする民法 の改正を決定しました。
 法務部は先月、民法改正の立法予告をしていましたが、世論調査を 行った結果、男女とも18歳にすることを支持した人が圧倒的多数を占 めたということです。調査では、3,414人中2,460人が18歳を支持し全 体の72%に上りました。17歳としたのは404人、経済的自立能力を視野 に入れ20歳以上を支持したのは550人でした。18歳の理由としては、経 済的、社会的成熟を考えると高校教育程度は必要であることから高校 卒業年齢の18歳としたということです。
 日本では96年に法制審議会が男女ともに18歳とするよう答申してい ますが、実現していません。中国でも男女差があり、男性が22歳で女 性が20歳となっています。

20061013[vol:135]
【国会】参議院本会議で福島議員が男女共同参画について質問 10月4日

参議院本会議で社民党の福島みずほ議員が10月4日、男女共同参画 政策について質問しました。
 これは、先に行われた安倍晋三首相の所信表明演説に男女共同参画 政策への言及がなかったことから、具体的にどのような施策を実現す るのかを質したものです。
 これに対し安倍首相は「男性も女性も社会の中で個性と能力を十分 に発揮することができる社会にしていくことは重要だ。政府としては、 いったん家庭に入った女性の再就職等の再チャレンジ支援、働き方の 見直しやテレワークの拡充などによる仕事と家庭の両立支援、出産、 子育て期の医療ニーズに対応する体制等を充実強化し、昨年末に改め て作成した男女共同参画基本計画を一層推進していく」と答弁しました。

20060914[vol:133]
【裁判】死後生殖による子の認知、最高裁が認めない判断 9月4日

夫の死後、凍結保存されていた夫の精子を用いて誕生した子ども の法律上の父子関係を認めるかどうかを争った裁判で、最高裁判所 第2小法廷(中川了滋裁判長)は、9月4日、認知を認めた高知高裁 の判決を破棄し、認知を認めない判断をしました。これによって訴 えていた女性と男児の敗訴が確定しました。
 判決は「現在の民法は生殖補助医療が存在しない時代に制定され、 死後懐胎子と死亡した父との間の親子関係を想定していない。死後 懐胎子は父からの監護・養育・扶養・相続などの基本的な法律関係 が生じない。親子関係を認めるか否か、認めるとした場合の要件や 効果を定める立法がない以上、法律上の親子関係は認められない」 と述べています。
 女性の夫は白血病の治療で放射線照射を受ける前の1998年に精子 を病院で冷凍保存し、1999年に別の病院で体外受精の承諾を得まし た。しかし、同年夫は死亡し、2000年に保存精子を用いて体外受精 を行い、01年に男児が誕生しました。
 女性は、男児を夫婦の子として出生届を提出しましたが、夫婦間 の子とは認められないとして受理されなかったため、認知を求めて 02年に提訴しました。1審の松山地裁は03年、請求を棄却しました が、2審・高松高裁は、04年に「自然血縁的な親子関係に加え、夫 の生前の同意もあった」と認知を認めたため、国側が上告していま した。この判決の補足意見として、滝井繁雄、今井功両裁判官は、 生殖補助医療の技術が進歩する中、法制度の整備が望まれると指摘 しました。

20060831[vol:132]
【GO1】東京都教委、高校教科書の拉致や性差の記述を調査 8月16日

東京都教育委員会は、2007年度から使用される高等学校のすべての 教科書を調査し、8月16日に公表しました。学習指導要領に定める指 導事項の扱いや、その分量を比較し、教科書選定の資料となる調査 報告ですが、今回都教委は「北朝鮮による拉致問題」と「性差・家 族に関する表現」の扱い方を調査項目に挙げています。
 拉致の記述は、地理歴史科や公民科に限らず、国語科や英語科など 広範な教科が対象になりました。国語科の国語表現T、国語総合と英 語科のオーラルコミュニケーションT、英語T、公民科の倫理には拉 致の記述はありません。地歴科の世界史A、世界史B、日本史A、日 本史B、地理A、地理B、地図、公民科の現代社会、政治・経済では 42点が記載し、46点が記載していません。
 家庭科では家庭基礎、家庭総合、生活技術とも「性差・家族に関す る表現」として、男女共同参画社会基本法や、女子差別撤廃条約、夫 婦の姓の選択、多様な家族、ドメスティック・バイオレンスなど、記 載内容が列挙されています。
 都教委は、拉致記述の調査を03年から実施しています。性差と家族の記述の調査については、その理由を、都の教育目標の基本方針1「 人権尊重の精神と社会貢献の精神の育成」により、人権尊重の理念を 正しく理解できるようにするため、男女共同参画社会を目指すものの、 男女の性差まで否定するものではないとの観点から、性差・家族に関 する表現について調査研究事項を設定した、と説明しています。
 都教委の調査は、学校ごとの選定に対する影響力が大きいといえま す。家庭科教科書を読んでみると、ジェンダー平等の観点で記述され ており、「性差・家族に関する表現」に問題は見当たりません。都教 委がこれを「男女の性差の否定」と曲解し、人権尊重の精神と反する と位置づけることこそが問題といえます。
 なお、この調査報告および都立高校の教科書採択結果は下記アドレ スをご覧ください。
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/shidou/19textbook.htm
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr060824t.htm

20060817[vol:131]
【GO1】福井県が撤去書籍153冊公開 8月11日

福井県は8月11日、県生活学習館の書架から一時撤去していたフェミニズムや性教育に関する書籍の情報を公開しました。
 県は当初、女性団体などの情報公開請求に対し「著者の利益を害す る恐れがある」「(撤去を求めた方の)思想、信条がわかってしまう」として非公開にしていましたが、一転して撤去していた153冊の書籍 名、著者名、出版社名を公開しました。
 県の方針転換の背景には、非公開を不服として撤去書籍の著者であ る上野千鶴子さんらが今月26日に提訴に踏み切る構えを見せていたた め、裁判を避けたいとの思惑があったようです。
 県の情報公開により、上野さんらは提訴を取りやめましたが、公開 の理由に「(書籍撤去の申請をした)リスト提供者から公開してもよ いとの意向が確認できた」と述べ、一時非公開とした決定の非を認め なかったことなどから、即日、県知事宛てに「抗議文」と「公開質問 状」を送付しました。
 なお、上野さんらは26日に福井市でこれに関する集会を開く予定で す。(インフォ参照)

20060727[vol:130]
【GO1】社会保障・人口問題研究所が世帯動態調査の結果を公表 7月21日

国立社会保障・人口問題研究所が7月21日、2004年に実施した第5回 世帯動態調査の調査結果を公表しました。これは、世帯の規模や構成 などについて、5年ごとに実施される調査です。
 世帯の規模は減少傾向にあり、1999年では多い順に4人、3人、2人 だったものが、2004年では2人、3人、4人となりました。1〜3人の世 帯が増え、4人以上の世帯が減少しています。
 家族の類型では、「親と子から成る世帯」の46.6%、と「夫婦のみ の世帯」の19.5%を合わせた「核家族世帯」の66.1%が、「親と子夫 婦と孫の世帯」などを含む「その他一般世帯」の24.7%や、「単独世 帯」の8.8%を大きく上回っています。この比率は5年前と同様ですが、 「親と子から成る世帯」の内訳に変化があります。
 「夫婦と子から成る世帯」が42.2%から40.0%に減少し、「男親と 子の世帯」が0.9%から1.0%へ、「女親と子の世帯」が4.6%から5.6 %に上昇しており、「一人親と子から成る世帯」の増加傾向がわかり ます。
 結婚年齢を見ると、男女とも多くの年齢で未婚割合が上昇し晩婚化、 未婚化の進行は顕著です。ただし、30歳未満の男子と20〜24歳の女子 では未婚傾向が低下しており、晩婚と早婚の二極化も見られます。  この調査で興味深いのは、同棲カップルが1%程度と極端に少ない ことを、低迷する出生率と関連づけていることです。
 国際的には、婚外出生が多い国では出生率が高く、婚外出生が少な い国では出生率回復の望みが薄いことを挙げ、「従来の結婚制度を維 持したまま出生率を回復した例は観察されたことがない」と指摘して います。

20060713[vol:129]
【海外】元従軍慰安婦の女性109人が韓国政府を憲法裁判所に提訴 7月5日

日本の植民地時代に従軍「慰安婦」にされた韓国人女性109人が7月 5日、韓国政府の無責任な対日外交により、財産権と幸福追求権、国 家から外交的に保護される権利を侵害されたとして、韓国外交通商部 を相手に憲法裁判所に憲法訴願審判請求書を提出しました。
 昨年1月、1965年に結ばれた日韓条約の外交文書が公開され、韓国 政府は「日本政府に法的な責任がある」と見解を示しましたが、日本 政府に対し補償要求などは行わないとしたことから、初めて政府相手 の訴訟に踏み切ったようです。
 なお、被害者は「(韓国政府は)従軍慰安婦問題の解決に向けて戦 ってきた被害者らの努力を無視し、被害者らが死ぬことのみを待って いる態度である」と主張しています。

20060629[vol:128]
【国会1】衆議院法務委員会で枝野議員が民法改正について質問 6月14日

衆議院法務委員会で民主党の枝野幸男議員が6月14日、国際私法の改正案質疑に関連して民法改正について質問しました。
 枝野議員が、国際結婚の場合の夫婦の氏についての規定を尋ねたところ、三ツ林隆志法務大臣政務官は氏が人格権に関する問題であるとしたうえで、「夫婦それぞれについてその本国法による」と答えました。
 これに対して枝野議員が「夫婦の氏は個人の人格権につながるとする解釈をなぜ日本の民法改正において貫かないのか」と質したところ、杉浦正健法務大臣は、選択的夫婦別姓制度の導入を「立法政策の問題であり、まだ各方面の十分な御理解を得ることが難しい状況にある」と民法改正について消極的な見解を示しました。
 最後に枝野議員は、「日本人が結婚したら夫婦は同姓を名乗るべきという価値観に立つならば、国際結婚で夫婦別姓になっている夫婦に対しても公序良俗違反だからと同姓を強制しないと論理矛盾になる。選択的夫婦別姓反対論は論理性がなく、感情論にすぎない」と主張しました。

20060615[vol:127]
【国会1】改正男女雇用機会均等法成立 15日

男女雇用機会均等法の改正法案は4月28日に参議院で可決し、衆議院に送られていましたが、6月14日、厚生労働委員会で可決し、15日の本会議で成立する見込みです。民主・社民・共産・無所属による修正案は否決されましたが、11項目に及ぶ附帯決議は全会一致で可決しました。附帯決議では、間接差別が厚生労働省令で限定規定する以外にも存在しうることや、5年を待たずに見直しを図ること、ポジティブ・アクションの普及促進や仕事と生活の調和の実現に留意することなど、衆・参両院での審議において野党側が主張した内容が盛り込まれています。
  衆議院での審議は、参考人質疑と与党質疑が1日、野党質疑が1日のわずか2日で採決が行われ、十分審議を尽くしたとは言えません。民主党は参議院では審議入り直後に5年後の見直し規定を盛り込むことを与党と協議し、共産・社民党との協議を打ち切り、二党案に反対しましたが、この態度は労働団体や市民団体から批判されていました。一方、衆議院では野党で修正案を提出し、参議院とは異なる対応となりました。

20060525[vol:126]
【GO】福井県生活学習館が撤去したフェミニズム関連書籍を元の場所に返還

福井県生活学習館が今年3月、フェミニズムや性教育に関する書籍を書架から撤去していた事件については前号でお知らせしましたが、同館は撤去した書籍をすべて元に戻しました。
  今大地晴美敦賀市議の抗議文に対し西川福井県知事は5月18日、撤去した本に誹謗中傷や人権侵害等がないか確認し、すべての書籍を元の書棚に戻したと回答しました。市民側は、本を元に戻しても問題が解決したわけではなく、誤った理解にもとづいて行われる攻撃が起きないよう責任を明確にするべきとして今後も追及する姿勢を崩していません。6月7日には、「言論・表現の自由を守りジェンダー・バッシングを許さない!県民のつどい〜県生活学習館書籍撤去から見えるもの〜」と題した集会が開催されます。

20060511[vol:125]
【GO】福井県生活学習館がフェミニズム関連書籍を撤去

福井県生活学習館が、「書籍の内容が過激すぎる」と県の男女共同参画推進員から苦情申出書が出されたことを理由に、フェミニズムや性教育に関する約150冊の書籍を今年3月に書架から撤去していたことが明らかになりました。
  撤去されたのは、同館にある約2,600冊の蔵書のうち上野千鶴子さんの『スカートの下の劇場』や亀田温子さんの『学校をジェンダー・フリーに』、蔦森樹さんの『男でもなく女でもなく』などです。
  県の担当者は、撤去の理由に、昨年末に閣議決定した基本計画を挙げたこともわかりました。
  この事態を憂慮する県内外の市民が、抗議行動を行っています。
  5月11日には、敦賀市議会議員らが西川一誠知事に対し、撤去した書籍を書架に戻すよう抗議文を送るとともに、県の監査委員に対し、書籍の購入代金に相当する30万円を、職員が連帯して返還するよう勧告することや、本来の管理状態に復帰させるよう勧告する住民監査請求を行いました。
  また、政府の基本計画や内閣府の事務連絡が出されて以来、ジェンダー・フリーやフェミニズムへの攻撃が増加していることから、そのことに危機感を持つ研究者や市民が、ジェンダー概念が正しく理解されるよう、近く猪口大臣あてに要望書を提出するということです。

20060427[vol:124]
【裁判】住友金属と女性社員が和解 4月25日

大阪にある住友金属工業の女性社員4人(1人は定年退職)が、女性を理由に昇給や昇進で差別されたとして、過去の差額賃金や慰謝料などの支払いを求めた訴訟の控訴審が25日、大阪高裁(井垣敏生裁判長)で和解しました。同社が女性労働者の処遇について今後も十分配慮し、原告に一審で認定した賠償額を上回る7,600万円を支払うとした和解案を両者が受け入れたことによるものです。今回の和解により、住友グループの女性差別訴訟はすべて和解したことになります。

20060406[vol:123]
【裁判】東京地裁 婚外子差別の国籍法に違憲判決 3月29日

9組の婚姻関係のないフィリピン人女性と日本人男性の間に生まれた子ども9人の日本国籍を求めた訴訟で、東京地裁(菅野博之裁判長)は3月29日、婚外子であることを理由に日本国籍を認めない国籍法の規定は、法の下の平等を定めた憲法14条に違反すると判断し、原告全員の日本国籍を認めました。
 国籍法の違憲判決が初めて示された昨年4月13日の東京地裁(鶴岡稔彦裁判長)(mネット通信第100号参照)では、原告が日本に居住し、父親の支給する生活費で扶養され、完全同居ではないが週末に家族としての交流をしていることなどが認められたためで、家族としての共同生活が認められない場合は国籍取得を認めなくとも「違法と断ずる根拠はない」と条件付けをしていました。
 しかし、今回の判決は、婚外子差別の国籍法の規定そのものが違憲であるとして、国に対してより厳しい内容となっています。また、国が国籍を認めない理由の一つに「偽装認知の防止」をあげたことに対しては、「真実の認知についてまで排除するのは本末転倒」と厳しく非難しました。

20060323[vol:122]
【裁判】女性排除の入会権の正会員規定は憲法違反と最高裁が判断 3月17日

沖縄県金武(きん)町の女性26人が、米軍に接収されている共有地の杣山(そまやま)の入会権者でつくる金武部落民会を相手に「女性排除の正会員規定は憲法違反」として、正会員の地位の確認と補償金の支払いを求めた裁判で、最高裁判所第二小法廷(津野修裁判長)は3月17日、男性のみの正会員資格要件は「憲法の基本理念に照らして無効」と判断しました。ただし、世帯主に限定していることについては公序良俗に反しないとして、夫を戦争で亡くした世帯主の2人については審理を福岡高裁に差し戻し、残る24人については請求を棄却しました。
  沖縄県では入会権をめぐる裁判は珍しくありませんが、男女差別の観点から争われたのは今回が初めてです。一審の那覇地方裁判所は原告の請求を認めましたが、二審の福岡高等裁判所那覇支部は請求を全て棄却しました。
  先月17日には上告側に弁論の機会が与えられたこともあり、控訴審判決が覆される可能性もあると期待されていましたが、24人の請求が破棄されるという厳しい結果となりました。
  しかし、男性に限定した正会員規則は違憲とされ、今後は世帯主の女性にも正会員の道が開かれることから、一歩前進といえます。

20060309[vol:121]
【裁判】東京高裁 母親が外国人の婚外子の国籍を認めない判断 2月28日

婚姻関係のないフィリピン人の女性と日本人男性の間に生まれた子どもの日本国籍の確認を求めた訴訟で、東京高裁(浜野惺裁判長)は2月28日、原告の訴えを認めた一審判決を取り消し、国籍法3条の規定を厳密に解釈するとし、請求を棄却しました。
  昨年4月の東京地裁判決では「父母が法律上の婚姻関係を成立させた子と内縁関係にとどまる子との間に不合理な区別を生じさせている国籍法は憲法14条に違反する」と判断し、原告に日本国籍があることを認めていましたが、高裁では憲法判断に踏み込めませんでした。男児側は上告する方針です。
  現行の国籍法では、母親が日本人の婚外子の場合、出生と同時に日本国籍を取得できます。一方、日本人男性と、外国人女性との間に生まれた婚外子は、胎児認知であれば日本国籍となりますが、出生後に認知された場合は日本国籍を取得できません。日本国籍を取得するには、父母が婚姻届を出すか、帰化を申請する必要があります。
  このケースは、男児の出生から2年後に、日本人の父親が認知をしていたものです。その後、母親が再び父親との子を懐妊し、父親が胎児認知をしたことから、男児の弟は日本国籍が認められています。
  ちなみに、国連子どもの権利委員会は、婚外子差別を解消することや胎児認知を国籍取得の要件としないよう日本政府に勧告しています。

20060223[vol:120]
【国会】民法改正を求める院内集会開催

2月22日、衆議院第二議員会館でmネットが主催した「法制審議会答申から10年!民法改正を求める院内集会」に、衆・参の国会議員や市民など150人が参加しました。
  集会では、選択的夫婦別姓制度や婚外子相続差別撤廃を待ち望む声に加え、子どもの父親が誰であるかを推定している民法の「嫡出推定」の規定が人権侵害をしている例が紹介されました。
  各党代表の意見表明で、民主党の枝野幸男党憲法調査会会長は「自由化、自由化と言っている小泉さんが、どうしてこのことについては自由化しないのか、この明らかな不合理を放置できるのは、人権感覚の欠如だと言わざるを得ない」と自民党の責任を指摘しました。
  社民党の福島みずほ党首は「参議院で法案を出す予定。公明党と一緒に出せれば成立するが、そうした政治状況を作り出せていないことをお詫びする」と発言しました。
  共産党の石井郁子副委員長は、「私たちも民法改正運動に取り組んできた。この集会をきっかけに、気持ちを新たに取り組んでいきたい」と決意を述べました。
  民法改正に賛成する議員として出席した自民党の森山眞弓元法務大臣は「10年も放置されて法制審議会でも困っているのではないか。昨年、自民党の女性議員が増え、新しい時代に新しい考え方の方がいらっしゃるので、現実的な方法で動かしていきたい」と話しました。同じく自民党の広津素子議員は「昨年初当選した16人の女性議員で16会を作り、基本計画などを話し合っている。その中ではコンセンサスができていて、次は自民党の先輩議員を説得することになっている。婚外子差別の問題は、法律婚をしていない女性の側からでなく、生まれた子どもの側から権利の主張をされた方がいいのではないかと思う」と発言しました。
  民主党の小宮山洋子議員は「多様な価値観を認められるのは本当に豊かな社会、男女共同参画社会基本法がバッシングの象徴になってしまった。党派の枠を超えてがんばっていきたい」と発言しました。
  mネットの呼びかけ人の赤松良子元文部大臣は、「法制審議会が立派な答申をしているのに、政府がそれをほったらかしにしているのはおかしい」と政府の対応を指摘しました。
  富山県から参加した塚本協子さんは「私は現在70歳。法制審から10年と言われますが、私は45年間別姓を望んできた。生まれた姓で生き、死んでいきたい」と訴えました。
  清水澄子前参議院議員は「政府にも問題があるけれど、答申が出たわけだから、それを出させないという国会の責任だと思う。市民としても、国会議員に対する説得が必要」と発言しました。
  集会の最後には、民法改正の早期実現を要望する集会のアピールを採択しました。アピール文はmネットのホームページで全文を掲載しています。

20051208[vol:115]
【国連】ユニセフが女性性器切除の被害を報告 11月24日

国連児童基金(UNICEF)は11月24日、中東、アフリカ地域の計28か国で毎年300万人の女性が女性性器切除(FGM)を受けているとの報告を発表しました。
FGMは、女児、女性に慣習として施され、切除の際の激しい痛み加え、出血多量や不衛生な道具の使用によるHIV感染やその他の感染症のリスクを伴い、死に至る場合もあります。性交時には苦痛を伴い、心理的には不安感やうつ病に悩まされることから、FGMは女性に対する暴力であり人権侵害とされています。国連人口基金の『世界人口白書2005』においても、FGMがリプロダクティブ・ヘルスを脅かす女性に対する暴力と指摘されています。
  報告書によれば、性器切除の被害者は1億3000万人に上るということです。被害者はこれまで毎年200万人以下と見られていましたが、報告書は実数のみならず、被害者の住む地域が移民の増加に伴って拡大している実態を明らかにし、廃絶に向けた取り組みへの協力を呼びかけました。報告書の概要は以下をご覧ください。
http://www.unicef-icdc.org/bulletin/  日本では1996年にFGM廃絶に取り組むNGO「FGM廃絶を支援する女たちの会」が発足し活動を続けています。
http://www.jca.apc.org/~waaf/ 

20051124[vol:114]
【国会1】戸籍続柄差別裁判で最高裁が原告の上告を退ける決定 11月18日

事実婚カップルの子どもの戸籍に、婚外子とわかる記載をするのは差別であるとして、国と中野区にその訂正と慰謝料を求めた裁判で、最高裁(今井功裁判長)は11月18日、原告の請求を棄却した二審の東京高裁判決を支持し、上告を退ける決定をしました。これで原告の敗訴が確定しました。
 婚外子の差別記載をやめることを求めた訴えについては、一、二審とも棄却し、一審の東京地裁が「婚外子と判別できる記載は、プライバシーの権利を侵害する」と判断しましたが、二審では「プライバシーの権利を侵害する違法な記載であるとはいえない」と一審を翻す判断をしていました。

20051110[vol:113]
【国会】衆議院法務委員会で津村啓介議員が夫婦別姓について質問 10月28日

10月28日、衆議院法務委員会で民主党の津村啓介議員が選択的夫婦別姓制について質問しました。
 津村議員は、「平成15年8月に女子差別撤廃委員会から最終コメントが出され、夫婦の氏の選択に関する日本の民法の規定が差別的な要素を含むと、大変厳しい内容の懸念が表明された。その後2年間、法務省としての特段の取り組みが見られない。法務大臣として、このコメントに対する考えを聞かせてほしい」と質しました。これに対し南野千恵子法務大臣は、「民法の規定では、夫または妻の氏のいずれを称するかを夫婦の選択にゆだねているので、男女の平等の理念に反するものではない。女子差別撤廃条約に違反するものではないと思っている」と答えました。さらに津村議員は、「コメントは『民法に依然として存在する差別的な法規定を廃止し、法や行政上の措置を条約に沿ったものとすることを要請する』と、かなりストレートに表現されているが、このコメントには応じない、意に介さないという意味か」と質しましたが、南野大臣は「(女性差別撤廃委員会が)条約の適用に関する理解を誤っていると考えているので、最終コメントを受けて民法を改正する必要はないと思っている」と答弁しました。
 津村議員は「アンケートでは若い世代の賛成意見は大変大きい。未婚者からニーズのある制度の一つだとすれば、少子化対策の一助となる可能性はある。これは単に女性の権利とか人権の問題として考えるだけではなく、より大きなフレームワークで考えるべき問題。これを5年間、国民の理解を得られることが重要だと言っておきながら、その理解が得られているかを確認する作業さえしていない。それは行政の怠慢」と指摘しました。

20051027[vol:112]
【国際】国連人口基金が「世界人口白書2005」を発表 10月12日

国連人口基金(UNFPA)は12日、「世界人口白書2005」を世界に同時発表しました。
 20世紀後半から人口が急激に増加し、世界人口は65億人に達しようとしています。開発途上の貧困国を中心とした人口爆発は深刻な問題となっており、特に貧困の被害が集中する女性(女児)への戦略的投資が必要であることを訴えています。
2000年に189カ国の首脳が会した国連ミレニアム・サミットでは、貧困削減を目指した合意をもとにミレニアム開発目標(MDGs)が設定され、その達成期限を2015年と定めました。MDGs達成にはジェンダー平等とリプロダクティブ・ヘルスが不可欠であるとしています。今年の白書は、これらの視点から人口問題を捉え、表題には「平等の約束 ―ジェンダー公正、リプロダクティブ・ヘルス そしてミレニアム開発目標」を掲げています。
 また、貧困削減の目標達成には男性と手を組むことが不可欠として、「女性のエンパワーメントがすべての人に利益をもたらすことを男性が認識したときジェンダー平等と社会変容が達成可能になる」と述べています。なお、「世界人口白書2005」の全文はhttp://www.unfpa.or.jp/4-1.htmlでご覧になれます。

20051013[vol:111]
【国会1】衆議院内閣委員会で小宮山洋子議員がジェンダーについて質問 10月12日

10月12日、衆議院内閣委員会で民主党の小宮山洋子議員が、ジェンダーや少子化問題などについて質問しました。
 小宮山議員は、「一部の人たちが主張している、(男女)同室での着替えや宿泊をジェンダーの視点に基づいて行っているという事例は、おそらくないと思う」と述べたうえで、文部科学省に実態を把握しているか質しました。これに対して政府参考人が「学校現場で男女同宿あるいは男女混合名簿などの実態を把握したい」と答えたことから、小宮山議員がその答弁内容に不快感を示し、「男女混合名簿というのは男女共同参画に必要だと思っており、その実態を調査せよなどとは言ってない」と厳しく指摘しました。
  さらに、小宮山議員は「男女共同参画の推進のために、ジェンダーという言葉、概念は重要だと考えている」と政府の見解を質したのに対し、細田博之官房長官は「これまで使われている言葉の意味、趣旨、それから今後の基本計画においても同様の視点でこれを盛り込んでいくということは、方針として決めている」と答弁しました。

20050929[vol:110]
【GO】男女共同参画会議の専門調査会が「最も子育てしにくい国」と報告 9月13日

政府の男女共同参画会議(議長・細田博之官房長官)もとにある「少子化と男女共同参画に関する専門調査会」(会長・佐藤博樹東大教授)は9月13日、少子化と男女共同参画に関し、社会環境の国際比較を行った報告書を取りまとめ公表しました。これは、少子化と男女共同参画の関係を明らかにするとともに、少子化の流れを変えるための課題を検討するもので、近く行われる男女共同参画会議で報告されるということです。
具体的には、経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち、1人当たりの国内総生産(GDP)が1万ドル以上の24か国について、1970〜2000年の女性の労働力率と合計特殊出生率との関係を調べ、類型化を試みています(大きくはタイプA、B、C)。
日本は、韓国、イタリアなどとともに、合計特殊出生率の下げ幅が平均未満であり、かつ2000年時点での合計特殊出生率と労働力率がともに平均未満のタイプC2に位置していますが、過去20年間に出生率を上昇させているタイプAには、アメリカ、北欧諸国、オランダが含まれます。
この報告書では、労働力率と出生率に関連すると考えられる制度、価値観、公共政策などの社会環境要因についても指標を作って検討しており、タイプAの国々が社会保障制度等について大きく異なるにもかかわらず出生率を上昇させている理由として、ライフスタイルの多様な選択が可能になっていることをあげています。
日本は24か国中労働力率の上昇率が最も小さいにもかかわらず、出生率は下げ止まらず、低下幅もわずかに増加しています。社会環境指標では、「仕事と生活の両立可能性」および「ライフスタイルの選択可能性」の水準が特に低いことが指摘され、この側面での施策・制度の推進が日本の取り組むべき課題であることが示唆されています。
詳しくは、内閣府男女共同参画局のホームページhttp://www.gender.go.jp/をご覧ください。

20050915[vol:109]
【国会】衆院選で女性43人が当選 9月11日

9月11日に投票が行われた衆議院議員選挙で、女性当選者数が過去最多の43人に上りました。前回の34人に比べると9人上回っていますが、全衆議院議員に占める女性の割合は9%と、依然として低く、先進国の中でも極端に少ない状況は変わっていません。当選者の選挙区と名前は次のとおりです。
自民党
【選挙区】(栃木2区)森山真弓、(群馬5区)小渕優子、(埼玉13区)土屋品子、(東京10区)小池百合子、(東京14区)松島みどり、(千葉2区)山中あきこ、(福井1区)稲田朋美、(静岡1区)川上陽子、(静岡7区)片山さつき、(大阪2区)川条志嘉、(大阪7区)渡嘉敷奈緒美、(大阪17区)岡下信子、(奈良2区)高市早苗、(福岡10区)西川京子
【比例区】(北海道ブロック)飯島夕雁、(北関東ブロック)永岡桂子、中森福代、(東京ブロック)猪口邦子、(東海ブロック)藤野真紀子、佐藤ゆかり、(近畿ブロック)近藤三津枝、井脇ノブ子、井沢京子、(中国ブロック)阿部俊子、(四国ブロック)西本勝子、(九州ブロック)広津素子
民主党
【選挙区】(北海道7区)仲野博子、(新潟1区)西村智奈美、(新潟4区)菊田真紀子
【比例区】(東北ブロック)田名部匡代、郡和子(北関東ブロック)小宮山泰子、(東京ブロック)小宮山洋子
公明党
【比例区】(北海道ブロック)丸谷佳織、(東京ブロック)高木美智代、(南関東ブロック)古屋範子、(近畿ブロック)池坊保子
共産党
【比例区】(東北ブロック)高橋千鶴子、(近畿ブロック)石井郁子 社民党
【比例区】(南関東ブロック)阿部知子、(近畿ブロック)辻元清美 無所属
【選挙区】(新潟5区)田中真紀子、(岐阜1区)野田聖子

20050818[vol:108]
【国会】国際婦人年連絡会が女性国会議員との懇談会を開催 8月3日

国際婦人年連絡会(加盟41団体)は8月3日、参議院会館で女性国会議員との懇談会を開きました。衆・参の14名の議員が出席し、男女共同参画推進の取り組みと課題ついて発言しました。
政府は、男女共同参画社会基本計画の改定案を今年中につくる予定ですが、自民党の「過激な性教育・ジェンダーフリーを考えるプロジェクトチーム」の安倍晋三座長が、今年5月末のシンポジウム(mネット通信第103号を参照)で、男女共同参画社会基本法の見直しに言及し、ジェンダーという言葉の使用についても否定的な見解を示していることから、自民党の動きに危機感を持った連絡会が女性議員との意見交換を行ったものです。
民主党の小林千代美議員は、「出身校で『つくる会』教科書が採択されてしまった。入学式の来賓挨拶で東京都の米長教育委員が『男は男らしく、女は女らしく』と挨拶したことに驚いた」と発言しました。水島広子議員は、「バックラッシュの根底には、男女共同参画が進むと、自分が持っているものが失われるとか、今まで守ってきたものが壊されるのではないかという不安があるのではないか。表から攻撃するのではなく、不安を解していく取り組みも必要」と発言しました。 公明党の池坊保子議員は「男女共同参画の推進は、大いに教育によるところが大きい。人間としての尊厳と個の確立が必要であることを教えることが必要」と発言しました。共産党の吉川春子議員は「ジェンダーという言葉はわからなかったが、言葉を知って何が問題かということがわかった。女性が闘う言葉を手に入れたということ」と発言しました。
主催者を代表して事務局長の山口みつ子さんが「男性にも入っていただけるような超党派の男女共同参画推進議員連盟を作ってほしい」と要望しました。出席議員は以下のとおりです。(敬称略)
【衆議院】
  (民主)小林千代美、小宮山洋子、石毛えい子、水島広子
(公明)池坊保子
(共産)石井郁子
【参議院】
  (民主)和田ひろ子、神本美恵子、森ゆうこ、 下田敦子、円より子
(共産)紙智子、吉川春子
(社民)福島みずほ

20050728[vol:107]
【国会】男女共同参画会議の答申について民主党が会見 7月25日

民主党『次の内閣』ネクスト男女共同参画担当大臣の小宮山洋子衆議院議員らが25日、男女共同参画会議の答申を受けて記者会見を行いました。
小宮山議員は、国家公務員I種事務系の女性採用割合の目標を、2010年度頃までに30%程度とするなど、推進が求められる施策が具体的に示された点を評価した一方で、「ジェンダー」の表現などを引き続き調査するとした答申については、「極めて異例」と指摘しました。男女共同参画に対する反動も含めて、「憂慮される事態」が見られるとの見解を示し、正しい方向で議論が行われるよう今後とも注視していくとしています。
 なお、会見には、同党の男女共同参画委員長の水島広子議員や西村智奈美議員、田島一成議員が出席し、ジェンダーに敏感な視点で政策をつくる政党として、ジェンダーバッシングを行う自民党との違いをアピールしました。

20050714[vol:106]
【地方自治体】結婚観や性別役割分担意識などの調査を富山県が公表 6月24日

富山県が6月24日に公表した、富山県男女共同参画社会に関する意識調査で、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」に反対(43.8%)の意見が、初めて賛成(40.0%)を上回ったことが明らかになりました。
 この調査は、昨年11月から12月にかけて、20歳以上の男女各600人に面接し、973人から回答されたものですが、内閣府が行った調査とほぼ同様の結果となっています。
 富山県は今回の調査結果を、(1)増加傾向にあった脱結婚志向が減少したこと(2)性別役割意識が減少したこと(3)家事育児の7割を妻が担っていること(4)男性優先の意識や職場慣行が根強くあること(5)男女の地位に関し、女性に高い不平等感があることなどを特徴としてあげています。
 富山県によると、この調査結果は、富山県民男女共同参画計画の見直しや関係施策の基礎資料として活用していくということです。
 なお、広島県が行った男女共同参画社会に関する県民意識調査では「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」に64%の否定の意見がありました。初めて実施されたドメスティックバイオレンス(DV)に関する質問では、女性の約3割が暴力を受けたと回答し、DV防止対策を求める声が多数を占めたことが明らかになっています。

20050630[vol:105]
【海外】韓国国会で家族概念を拡大する「家族支援法」を発議 6月27日

朝鮮日報によると、与野党の議員29人が27日、従来の家族概念の範囲を、大幅に拡大させる法案を発議したということです。
 従来の家族概念は、結婚・血縁・養子縁組などが想定されていましたが、法案では、同棲、シングルマザー、委託児童共同体なども家族として認め、政府がこれらの家族の解体を防ぐための各種の支援を行うべき、としています。 
 なお、「家族支援法」が国会で成立すれば、従来の「健康家庭法」は廃止されるということです。
 今年から施行された「健康家庭法」は、政府が家族の解体を防ぐため、離婚などの家庭問題を予防し、プログラムを開発するための健康家庭センターなどを運営するよう規定していますが、一部の女性団体は昨年10月、「健康家庭法は結婚による家族だけを『健康な家族』と位置づけ、結婚をしていない家族、同性愛者の家族などに対する平等権を侵害する」とし、国家人権委員会に陳情を行っていたということです。この法案は、各女性団体のこうした認識が大幅に反映されたものです。戸主制の廃止に次ぎ、再び国会審議過程で家族概念をめぐって論争が起こることが予想される、と報じています。

20050616[vol:104]
【GO1】政府、女性の再就職支援へ 6月10日

政府は6月10日、出産などを理由に仕事をやめた女性の再就職を支援するため、関係閣僚による「女性の再チャレンジ支援策検討会議」(仮称)を7月に設置することを決めました。
 これは女性の再就職を支援することが労働力の確保につながるうえ、少子化傾向に歯止めをかけると判断し、男女共同参画推進本部(本部長・小泉純一郎首相)の下部組織として設けるものです。細田博之官房長官、竹中平蔵経済財政担当大臣、尾辻秀久厚生労働大臣ら6閣僚で構成します。
 検討会議は、再就職のための能力開発やハローワークなど関連機関のネットワーク化による求人情報の提供の活用などを議論するということです。

20050526[vol:103]
中学校教科書検定特集2

*公民教科書の「夫婦別姓記述」変遷調査
中学校の公民教科書における「夫婦別姓」の扱いの変遷は次のとおりです。
 2002年版を発行する8社のうち「夫婦別姓」の記述があるものは、東京書籍と日本書籍新社の2社です。2006年版の申請本では東京書籍・日本書籍新社・教育出版の3社です。 「mネット通信第100号」でお伝えしたとおり、検定で意見がついたために東京書籍は夫婦別姓の記述をすべて削除し、教育出版は民法改正の動きについて修正しました。日本書籍新社は申請本で「男女の婚姻適齢差別問題や夫婦別姓問題など、民法そのものの改正も注目されるようになってきている」と記述するとともに、注で男女の婚姻適齢差別問題については「男は満18歳、女は満16歳にならなければ婚姻をすることができない(民法731条)を性差別とする」と
説明し、夫婦別姓問題は「夫婦同氏(姓)原則(民法750条)を結婚するときに、夫婦別氏も選択できるように改正しようとする動きのこと」と詳述しています。さらに「夫婦の姓に関する各国の実態」として「夫婦同姓・別姓の選択を認めている国」「夫婦別姓制の国」「夫婦同姓制の国」などに分けて国名を一覧表にしています。
なお、これらについて検定意見はついていません。

*「mネット通信第102号」で扶桑社が「男女共同参画社会の課題」で「男女のちがいというものを否定的にとらえることなく、正しい意味での男らしさ・女らしさという個性をみがき上げていくことが重要である」と記述したことに対しては、「正しい意味での男らしさ・女らしさの意味内容が明らかではなく、理解し難い表現である」という検定意見がつき、「男らしさ・女らしさを大切にしながらそれぞれの個性をみがき上げていくことが重要である」という記述に修正されました。


20050512[vol:102]
【寄稿】

法律が、娘の父を妻の前夫と推定したために、生後172日目にやっと真実に基づく出生届が受理されました。 娘は妻と前夫の離婚後に私と妻の間に妊娠した子です。民法772条1項も「婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定する」としています。なのに、医学的判断は無視されて、同条2項の「母の離婚後300日以 内に生まれた子は前婚姻中に妊娠したと推定する」という規定が優先されたのです。同条項の規定は妊娠時期を医学的に確定できなかった明治時代に立法化されました。妊娠期間は約266日間であること、医学技術で妊娠時期を容易かつ確実に確定できることから、300日間は長すぎで、根拠も皆無です。この規定により、実質的には待婚期間の大半の146日間(=300日−合法的中絶可能期間)は前夫に対して貞操義務を負っているのと同じことにもなるのです。
 私達夫婦は法定待婚期間を経て合法的に結婚しました。そして、再婚後に娘が生まれました。制度を踏襲して結婚した夫婦の間に子どもが生まれたのに、根拠のない法律によって私達家族は不当な干渉を172
日間も受けざるを得なかったのです。子どもが生まれるといった家庭にとって最高の喜びが一瞬にして打ち砕かれました。172日間は裁判のための時間でした。真実の出生届けを出すために要した精神的・経済
的負担は甚大です。何のための待婚期間なのでしょうか?根拠のない同条項が法定待婚期間の存在理由にされていますが、私達の体験からは同条項そのものが事実を歪曲化しているのですから、待婚期間存置理由になるとは考えられません。いずれにしても、法律は真実を明らかにして紛争を解決する手段であるはずです。しかし、同条項は捻じ曲げた虚構を作り出し、争いごとのないところに裁判上の紛争を創り出しています。立法府がこれまでこの条項にメスを入れてこなかったのは、その不当性に気づく機会がなかったからだと思います。ですから、これから改正すればいいことなのだと思います。私達が味わった苦痛を参考にしていただいて、一日も早い法改正を望むところです。 
                    (神奈川県 K)

20050428[vol:101]
【裁判2】事実婚女性への遺族年金支給を最高裁が判断 4月21日

別居中の法律上の妻と長年同居している事実婚の妻のどちらに遺族共済年金の受給資格があるか争われた裁判で、最高裁第一小法廷(泉徳治裁判長)は21日、「法律上の妻と男性の婚姻関係は実体を失って形骸化しており、内縁の妻は事実上婚姻関係と同様の事情にある」として、事実婚の妻に年金受給権を認め、支を拒否した日本私立学校振興・共済事業団側の上告を棄却する判決を言い渡しました。これにより事実婚の妻を勝訴とした1、2審判決が確定しました。
詳しくは最高裁ホームページをご覧ください。
http://courtdomino2.courts.go.jp/judge.nsf/dc6df38c7aabdcb149256a6a00167303/
909b21392b5ac0bc49256fea000d93b8?OpenDocument

20050414[vol:100]
【国会1】野党が民法改正案を提出 3月30日

3月30日、民主、共産、社民の野党3党が民法改正の議員立法案を参議院に提出しました。法案の内容はこれまで提出してきたものとほぼ同じものとなっています。
 昨年の通常国会で衆・参同時に提出された民法改正法案は、衆議院では継続となっていますが、参議院は昨年夏の参院選により廃案となったため、今回提出されました。
 発議者は、千葉景子、吉川春子、福島みずほ、小川敏夫、神本美恵子、円より子、井上哲士、近藤正道 (敬称略)となっています。

20050324[vol:99]
【国会1】参議院で野党が民法改正法案提出へ

参議院の民主、共産、社民、無所属の野党が民法改正法案を3月30日に提出することが明らかになりました。
 法案の内容はこれまで提出してきたものとほぼ同じものとなっています。発議者、賛成者は確定していませんが、民主党の千葉景子議員、共産党の吉川春子議員、社民党の福島みずほ議員が調整をしているということです。30日の本会議終了後に参議院事務総長へ提出し、記者会見を行うということです。
 なお、衆議院では昨年の通常国会に野党が提出した法案が継続審議となっています。

20050311[vol:98]
【海外】韓国憲法裁判所が戸主制に違憲判断

 3月2日、韓国の国会は戸主制の廃止を盛り込んだ民法改正案を可決しました。
 戸主制廃止の見通しについては、1月3日付けのmネット通信第94号で、2月3日の戸主制違憲判決は第6号でそれぞれお伝えしましたが、戸主制に代わる新しい制度としては、個人別の身分登録簿が導入されるということです。そのほかに、離婚女性の6ヵ月の再婚禁止規定の廃止、「同姓同本」の男女の婚姻を禁じた条項の廃止、夫婦が婚姻前に合意すれば子どもが母親の姓を名乗ることができるというもので、改正法は2008年1月から施行されます。

20050224[vol:97]
【国会2】参議院憲法調査会で赤石公述人が憲法24条について陳述

 2月21日、参議院憲法調査会の公聴会で、婦人民主クラブの赤石千衣子公述人が憲法24条について意見陳述を行いました。
 赤石公述人は、「婚外子の相続分差別の違憲判決などを通して、憲法というものが、社会的な少数者に目を向けて法の下の平等を適用し、違憲であると宣言し、法律改正を促す明確な力を持っていることを実感した。憲法13条、14条、24条により男女の平等が一歩ずつ確かなものになってきているが、婚外子差別や選択的夫婦別姓制度は実現していない。両性の平等と個人の尊厳を規定した憲法24条を見直す案が9条とともに出てきたことに大変危惧している」とました。

20050210[vol:96]
【GO】内閣府「北京行動綱領評価」の意見交換会を開催 1月31日

 今月末からニューヨークの国連本部で第49回国連婦人の地位委員会(北京+10)が開催されますが、これに先立ち、内閣府男女共同参画局が主要テーマとなる「北京行動綱領及び女性2000年会議成果文書に関する実施状況の評価」等についてNGOや市民との意見交換会を開催しました。
 NGOからは、夫婦別姓などの民法改正や女性差別撤廃条約選択議定書の批准などを求める意見が出されました。これに対し、関係省庁の担当者からは前向きの回答はありませんでした。
 出席者からは、内閣府の意見交換会開催については評価するとしながらも、各省庁の消極的な回答には不満が数多くあげられました。
 出席する政府代表団には、関係省庁のほかNGOのメンバーも参加する予定で、4月には内閣府がNGOなどへ直接の報告会も予定しています。

20050127[vol:95]
【裁判】戸籍続柄裁判が結審、3月24日判決 

 1月25日、東京高裁で戸籍続柄裁判の第4回口頭弁論が行われ、原告側が昨年11月の戸籍法施行規則の改正の問題点を準備書面で提出しました。裁判は結審し、3月24日に判決が言い渡されます。

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 戸籍法施行規則改正の問題点については、「mネット通信第93号」でも紹介していますが、そのほかにも多くの問題が指摘されています。例えば、更正手続きによって婚外子の続柄を「女」から「長女」に変える場合、「女」の字に訂正線が引かれ、その脇に「長女」と書かれるため、更正前の続柄は一目でわかり、転籍しても変わりません。それを避けるためには更正とともに戸籍の再製をしなければなりません。
ところが再製の手続きの方法は戸籍の窓口ではほとんど案内されていません。
 改正に伴い出生届けの様式が変更されましたが、法務省がホームページ上で出生届けの書き方を旧様式で例示していたことが判明しました。また、自治体によっては旧様式の届出用紙をそのまま使っているところもあるようです。


20050113[vol:94]
【GO】内閣府 「北京行動綱領評価」の意見交換会への参加者を募集 

 内閣府男女共同参画局は、「北京行動綱領及び女性2000年会議成果文書に関する実施状況の評価」に関する情報・意見交換会を1月31日に開催します。これは、3月に開催される第49回国連婦人の地位委員会で採り上げられるテーマに関心を持つ人と内閣府が情報交換をするために行うものです。会議に参加を希望する人は今月21日までに登録する必要があります。
 詳しくはホームページ(http://www.gender.go.jp/)をご覧になるか、電話(03-5253-2111内線83716/83717)でお問い合わせください。