

三権の不作為を問う!
選択的夫婦別姓を求める院内集会開催
mネットは3月8日、衆議院第二議員会館多目的会議室で、「三権の不作為を問う!選択的夫婦別姓を求める院内集会」を開催しました。
民法改正を求める市民や、国会議員、メディア関係者など172人が参加しました。
各党を代表して、立憲民主党、公明党、日本共産党、国民民主党、日本維新の会、れいわ新選組が挨拶し、mネットが要望書を提出しました。
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mネット理事長 坂本洋子 |

▼立憲民主党代表・泉健太衆議院議員
日本は世界の中でも、ジェンダー平等指数が116位と大変低い状況だ。1975年の国際婦人年から、請願が提出されてきたが、なぜ未だに解決していないのか。三権の不作為ということで、国会の側も本当に重大なこととして受け止めなければならない。先日もある女性の方から、大多数の女性の側が姓の変更を強いられるということで、「私たちがどれだけ手続や説明に大変な思いをしているか」という話だった。尊厳、人権を皆様はやはりある意味ねじ曲げられてしまった、ということを我々絶対に忘れてはならないと思う。衆議院でも、幾度となく法案が提出されてきた。そろそろ我々は、国会として答えを出さなければならない。今日は公明党も一緒に来ていただいているので、一緒になって、是非、「野党各党が法案を提出した」、この「野党各党」という言葉がなくなる、そんな国会の展開を是非つくっていきたいと思う。

▼公明党副代表・古屋範子衆議院議員
公明党は、一貫して選択的夫婦別姓の導入を訴えてきた。2001年には、選択的夫婦別姓制度を盛り込んだ、公明党独自の議員立法を提出している。2015年に最高裁は、夫婦別姓制度を合憲と判断し、議論を国会に委ねた年も、その後も法務大臣に導入を求めてきた。また、2020年に党の女性委員会で総理に、選択的夫婦別姓制度導入を盛り込んだ提言を出している。男女共同参画を進めていく上で、選択的夫婦別姓制度導入をすべきだ。与党として粘り強く、理解を得ながらこれからも導入に向けて進んでいきたい。

▼日本共産党委員長・志位和夫衆議院議員
国会の議論では、選択的夫婦別姓の問題でも、同性婚の法制化の問題でも、政府はそれを拒むまともな理由が言えなくなっているという状況だ。選択的夫婦別姓を拒む理由として政府が唯一挙げているのは、「国民の間にさまざまな意見がある」だ。さまざまな意見があるなら、同姓、別姓を自由に選択できる選択的夫婦別姓を導入するのに何の不都合があるのか。さまざまな意見があると言いながら、同姓を強制する現行制度にしがみつくのに、どういう道理があるのか。同性婚の法制化について、「社会が変わってしまう」という答弁があった。しかし、社会はもう変わっている。報道各社の世論調査で、6割、7割が同性婚の法制化に賛成という答えをしている。変わってしまうと恐れているのは、自民党の一部の議員だけになっている。野党として法案を提出してきたけれども、与党の方々とも最大限連帯して、そして超党派で実現するために力を尽くしていきたい。

▼国民民主党男女共同参画推進本部長・矢田わか子前参議院議員
政府は、旧姓使用のダブルネームで、パスポートやマイナンバーに2つの名前を記載してそれで終わりにしようとしている。でも、旧姓はパスポートに記載しても国境を越えない。国際機関で働く方々は違和感があると、おっしゃる。技術者の方々が特許や知的財産を求めても、結婚した時に取り直しをしないといけないと。それが女性のキャリアを阻む要因の一つとなっている。マイナンバーに旧姓を書いたことで、190億使った。家族主義という名のもとに。進まないことに対してもう待ったなしの状況だ。国民民主党も、公約に掲げてきており、立憲民主党や野党、そして、公明党の理解ある方々とともに、何とか突破すべく頑張っていきたい。

▼日本維新の会ダイバーシティ推進局事務局長・金村龍那衆議院議員
維新版選択的夫婦別姓(通称使用)は、皆さま方にとっては満足のいくレベルではないかもしれない。ただ、これだけ長く国会で議論してしまった以上、満足のいくレベルではなく、ある程度、納得できるレベルからしっかりとスタートさせていく、そういったところの推進力を担っていくのも、新しい政党である日本維新の会が、担っていける役割なのかもしれない。国会の議論を終わらせて、今を生きている人たちが困難を抱えずに、しっかりと自分らしく生きていける、その1つが選択的夫婦別姓である。しっかりと党内でも声を上げていきたい。

▼れいわ新選組共同代表・櫛渕万里衆議院議員
家族やそれぞれの人生の多様化をしっかり支える合理的な制度設計が望まれている。日本は30年間、一切経済成長していない、賃金が上がらない、しかも少子化はどんどん進行している。この遅れの象徴の一つが、選択的夫婦別姓が導入されていない、女性の権利が向上していないことだ。96年に法制審が答申を出して以来27年も経っている。ここまで遅れてきている状況に私たちはしっかりと声を上げて、本当に今こそ超党派で実現を目指すということに最大限アクセルを踏みたいと思っている。

▼ゲスト挨拶 作家 沖藤典子さん
最近、『「父の支配」を乗り越えた時 娘と名字』という本を書きました。なぜ書いたかというと、2015年の民法750条を合憲判断した最高裁判決への怒りでした。判決の夜からパソコンを打ち始めて、この本を書きあげました。なぜならば、私は、妻の姓を名乗っている5%の側で、そのことで、どれほど世間のひんしゅくを浴び、夫は、長男のくせして養子に行くのか、と言われました。1960年頃の話です。悲しみ、怒りを背負って生きてきている人間がいるということを訴えずして私は死ねないと思いました。
私の父は、1949年、戦後初の統一地方選挙で革新政党から出た町会議員でした。政治的意識は革新でも、女性の生き方、家父長意識、男権意識、これは非常に根深いものがありました。私は犠牲者とまではいわないけれど、その父に愛されたいと思って子どものころは立っておしっこの練習をしたほどでした。大きくなったら男になろうと思っていました。そういう女の子がいたということを是非とも知った上で、この別姓問題を考えていただければ幸いです。
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日本女性法律家協会の 犬伏由子副会長 |
連合の井上久美枝 総合政策推進局長 |
第3次別姓訴訟弁護団の 野口敏彦弁護士 |



ひろばユニオン 10月号に掲載されました。
選べぬ不自由 夫婦別姓に道を
(坂本洋子:NPO法人mネット・民法改正情報ネットワーク理事長)


時の法令10月30日号 2108号に掲載されました。
レポート2020
「夫婦別姓訴訟、再度最高裁へ」
(坂本洋子:NPO法人mネット・民法改正情報ネットワーク理事長)
900円(税込) 送料込
「時の法令10月30日号」注文受付中


選択的夫婦別姓&婚外子差別撤廃を求めて
待ちに待ったチャンスがとうとうやってきた。
今まで民法が改正されなかったほうがふしぎ。
これを読めば「抵抗勢力」を論破できる!
著者
犬伏由子・打越さく良・大澤容子・
大谷美紀子・折井 純・
金澄道子・
金塚彩乃・榊原富士子・坂本洋子・
棚村政行・
二宮周平・
道あゆみ・
吉岡睦子 (あいうえお順)
mネット通信302号
mネット通信既刊号 302号(pdf)
国会 衆・参法務委員会で谷垣法相が婚外子差別撤廃の法案提出を表明 10月29日
裁判 東京地裁で婚外子の請求を認める判決 10月28日
国際 日本の男女格差は105位 10月25日
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・戒能民江さん(お茶の水女子大学教員)
酒井興子さん(税理士)・坂井隆之さん(アムネスティ日本支部ジェンダーチーム)
酒井はるみさん(茨城大学教員)・榊原富士子さん(弁護士)・芳野友子さん(
連合会長)
高桑茂さん(カウンセラー)・
高野孟さん(インサイダー編集長)
高橋喜久江さん(日本キリスト教婦人矯風会)・ 田嶋陽子さん(英文学者)
二宮周平さん(立命館大学教授)
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橋本ヒロ子さん(十文字学園女子大学社会情報学部教員)
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・吉岡睦子さん(弁護士)
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