きつつき工房だより(top) > 日本の野生動物 > (7)旧偶蹄目、鰭脚目、海牛目
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() イノシシ科 イノシシ |
頭胴長110-160cm、肩高60-80cm。 ヨーロッパからアジアまで広く分布していますが、足の短い体形や地面を鼻で掘って餌を探す習性から、雪深いところでは生息しにくいようです。 日本でも北海道にはおらず、東北、北陸、中部には少ない。 畑を荒らすので、西日本では昔から農民との知恵比べが続いてきました。各地に防護のための“シシ垣”が残っていいます。 こどもは可愛いタテ縞もようの“ウリ坊”です。 |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() シカ科 ニホンジカ |
頭胴長90-190cm、肩高60-130cm。 シカは、北海道から本州、四国、九州、屋久島、慶良間諸島にまで分布しています。 エゾシカ、ホンシュウジカなどと呼び分けても、種としてはみな同じシカです(異説もある)。 身体は北に行くほど大きく、南のヤクシカと北のエゾシカでは体重が3倍くらい違います。メスには角はありません。 警戒すると白い尻尾を立てて仲間に知らせます。 狩猟獣としてちょうどよい大きさと美しさのため、ヨーロッパ、ロシアからニュージーランドまで世界中に移入され、「Shika deer(シカ・ディア)」と呼ばれて親しまれているそうです。撃たれてしまうものを「親しまれている」というのもちょっと酷ですが…。 |
シカの大きさ比べ 寒いところでは、体が大きく、凸凹が少ない方が、体重(体積)に対する表面積の割合が少なくなり、体温を一定に保つのに有利だからです。 シカの大きさで比べてみました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() シカ科 キョン(移入種) |
頭胴長47-70cm、肩高30-50cm。 飼われていたものが逃げ出し千葉県の房総半島で野生化しています。中国南東部と台湾が原産地。 小型のシカで、大きさは中型犬くらい。オスには角とイノシシのような牙(犬歯)があります。 農作物への被害が報告されています。 |
![]() ![]() ![]() ウシ科 ヤギ(移入種) |
家畜として飼われていたものが放棄されたり、船員が持ち込んだりして、小笠原諸島、八丈小島などで野生化しています。 小笠原では200年近く前に持ち込まれたものが、無人島で非常に数が増えて被害も深刻です。固有の植物、動物、昆虫等への影響のほか、島の植生を食べつくしてしまうので土壌の流出がおこり、サンゴ礁にも影響がでています。 |
![]() ![]() ![]() ウシ科 カモシカ |
頭胴長70-85cm、肩高70-75cm。 特別天然記念物。近似種は台湾にしかいない世界的にも珍しい動物だそうです。 山で何度かカモシカと出会ったことがありますが、いつも一瞬で視界から消えてしまいます。 「寒立ち」といわれる、寒風のなか崖の上でじっと立ち尽くしている姿は、なかなか威厳があリ哲学的な風貌だと本で読んだことがあります。ウシ科だから立ち尽くしながら反芻してるんだと思いますが、思考の方も反芻しているように見えてしまうのですね。 なお体色は全身白や灰色、こげ茶色など変化が大きく、アニメはその1例です。 |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() アシカ科 アシカ |
体長♂2.4m、♀1.8m、体重♂500kg、♀120kg。 アシカは水族館の人気者ですが、水族館にいるのはたいていカリフォルニアアシカです。 むかしは日本各地の海岸で繁殖していたニホンアシカは残念ながら絶滅してしまいました。最後の記録が1972年、日本海の竹島。ごく最近です。 他のアシカと比べて身体が大きく、亜種ではなく独立種とすべきとの意見もあったのに、もはや検証すべくもありません。 |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() アシカ科 トド |
体長♂3m、♀2.3m、体重♂1000kg、♀300kg。 トドは北海道沿岸に回遊してくる大きなアシカの仲間。 大食漢で魚網も破るというので漁業との軋轢が話題になります。かなりの数が撃たれて殺されているようですが、最近は相当数が減っているようです。ニホンアシカの二の舞にならないように保護対策と漁業補償が必要でしょう。 アシカやオットセイは、泳ぐ時は大きなひれ状の前足を使います。 |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() アシカ科 オットセイ |
体長♂2m、♀1.3m、体重♂200kg、♀40kg。 オットセイはアシカとよく似ていますが、一回り小さい身体です。 アシカの仲間はみな、メスはオスの3分の1から5分の1の体重です。 アシカやトドが陸地の沿岸でくらしているのに対し、オットセイはずっと沖の大洋の真ん中まで回遊して魚を食べるそうです。 英語では、Fur Seal(毛皮アザラシ)といわれるくらいですから、二重構造の上質の毛皮目当てにずいぶん獲られたんでしょうね。 |
![]() ![]() ![]() セイウチ科 セイウチ |
体長♂3.2m、♀2.6m、体重♂1200kg、♀800kg。 セイウチの本来の生息地は北極圏。日本では、北海道や青森県で数回記録があり、流氷や海流とともにたまたま迷行してきたものと思われます。 オスは最大で体長4メートル、体重3トンにもなる巨漢。 長い牙(犬歯)で海底の貝を掘り起こして食べるというのですが、あの牙の角度では掘りにくいのではないかと、前から疑問に思ってます。 |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() アザラシ科 ゼニガタアザラシ |
体長170-190cm。 ゼニガタアザラシは、北海道で1年中見られ、繁殖もしています。 海岸の岩場にくらしていて、体のゼニガタ模様が保護色になっています。 赤ちゃんは最初から黒っぽい色。岩のうえで生まれるので、それが一番めだたない色なんですね。 でも、北海道にホッキョクグマはいないし、ゼニガタの天敵って何? |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() アザラシ科 ゴマフアザラシ |
体長160-170cm。 ゴマフアザラシも、北海道でくらしています。 繁殖は流氷のうえなので、赤ちゃんは白い毛におおわれています。 アザラシをはじめ、海にすむ哺乳類はいずれもたいへん頭がよくて、水族館では芸達者な人気者です。 アザラシは海の犬といわれるくらい人にもなれるそうです。同じ食肉類ですから、よくみると顔も犬に似ています(耳だけは違う)。 |
![]() ![]() ![]() アザラシ科 ワモンザラシ |
体長120-130cm。 日本の沿岸に棲むアザラシのなかでは一番小さい。 名前の由来になった背中のワモン(輪紋)は、個体によって差があり、ほとんど模様が目立たないものもいます。 北海道に冬、ごく少数がやってきます。 |
![]() ![]() ![]() アザラシ科 クラカケアザラシ |
体長160cm。 アザラシは、私の大好きな動物です。好きだとかえって描きにくい点もあって、おかしな動作や間違った模様を描いてしまわないか緊張します。 クラカケアザラシはクリーム色の帯が特徴。赤ちゃんは純白です。 北海道にやってきますが、繁殖はもっと北の方でするようです。 |
![]() ![]() ![]() アザラシ科 アゴヒゲアザラシ |
体長230cm。 2002年夏、東京と神奈川の境の多摩川にアゴヒゲアザラシが現れました。タマちゃんと名づけられ、TVでも連日報道され一躍人気者に。 何度か棲家の川を変えながら関東地方ですごしています。 いつか北の海に帰えるのか、しばらく定着するのでしょうか。 日本近海で見られるアザラシの中で最大。北海道でまれに見られます。本来の生息域は北極圏の周辺。 |