朗報 Fire10でシンハラ文字解禁

シンハラ語質問箱 Sinhala QA122 KhasyaReport
朗報 Fire10でシンハラ文字解禁
2023-Oct-12 Oct-15


 一昨日の朝、fire10を開いて驚いた。KhasyaReportの記事、シンハラ文字は豆腐状態だったのにシンハラ文字に化けている。なんで?そんなこと聞いてないぞ。fire10がシンハラ文字解禁したなんて。いいことだけど!!
 

朗報 Fire10でシンハラ文字解禁

     以前のQAで、船橋市のシンハラ語ページはfireのシステム・フォントに頼らないPDFなのでfireタブレットでもシンハラ文字が豆腐にならない --船橋市のシンハラ人向け生活情報pdfページ(国保滞納)-- とお知らせしたことがあるのだけれど、fireはシンハラ文字を豆腐にするからpdf掲載は妥当な線でした。それが!

 それが一昨日、fireタブレットがシンハラ文字を表記するように進化しているのを見てしまった。ああ、あれから苦節何年、ほかのメーカーのタブレットはグーグルのユニコード統一運動に連携してどんな言葉のどんな文字でもインターネットに乗せた言語を画面に映し出しているのにfireだけsinhala fontをシステムで拒否、それがため、せっかくのシンハラ語教材として百点満点以上の価値ある「おしん」のドラマのシンハラ語版の解説も、fire10ではシンハラ文字が豆腐になるため、パネルではお伝え出来なかった(あくまでfireだけのお話)。
 でも、これでやっと、「おしんでシンハラ語」のテキストもfireで読めるようになりました。

そんなことの何がいいの?

 何がいいかって、fireは、まずお安い。動画を見るぐらいなら機能に問題なし。ブラウザの囲い込みがあるけど、それは企業ポリシーの問題、なんとなれば、それだって別のブラウザに替える人もいる。シンハラ語の文字を読むにはうってつけの安価なデバイス。好き嫌いはあるけどプライムに入っていれば様々、お得なことだってある。シンハラ映画はamazon jp(日本のアマゾン)にはストックされてないけど、そのうち米国、英国アマゾンのようにラインアップされる、かな?
 でも、なんでいまさらにシンハラ文字を解禁したのか。って、分からないのだけれどカプルカ社がえらい貢献したかのような。カプルカ社の若き創立者D・へーラットがアイゼンハワー奨学金を受けてアメリカで研修受けてからスリランカでのアマゾンEコマース展開に拍車がかかった。
 その昔、amazonの黒船を阻止すべく、徳川幕府のように異国船締め出しをもくろんでいた出版業界だけど大阪の版元の小さな造反でアマゾンに本の販売をゆだねた。それから雪崩を打って大手配本業者が雑誌も単行本も利を求めてアマゾンで販売するようになった。それと同じようなことが、いま、スリランカで起こっている。カプルカ社がスリランカでのアマゾン展開をすべて担ったのだ。

 カプルカ社は創業時、ケーキや花のデリバリーから事業を始めた。2003年2月のことだ。D・へーラットのeコマースへの挑戦が始まる。スリランカにはネット通販の実績がない。消費者は便利すぎるこのシステムに懐疑の目を向ける。売り手も買い手も相手とじかに接して時間をかけて売り買いを始める。ケーキと花束のデリバリーからネット通販を始めたのはスリランカの商習慣を崩すうえで功を奏した。D・へーラットはネットにスリランカに特化した販売アプリを載せてアマゾンの商品を紹介し、流通を担う会社も興した。スリランカ国内の商品流通に変革をもたらした。
 でも、あんな貧乏国でそんな流通革命が起こせるの?スリランカ過去内でアマゾンの商品を注文したらすぐにデリバリーしちゃう、なんて? ペイパルもないっていうし。とか、うたぐってるよね、みなさん。
 でも、そのうたがいって、アマゾン式キャピタリズムをまともに見ていないからかも。

 アマゾンのキャピタリズムが「恐竜のしっぽ」から始まったことを覚えていますか?
 末端の末端、「しっぽ」の端っこを商品流通の俎上に載せる。そこから生まれた、すべての消費者を俎上に載せるアマゾン・キャピタリズム。もうスリランカでも胎動しています。
 このごろ、とみに増えているのがアマゾンの商品の買い方はこうする、スマホをこう使って買い物する、という買い物指導のYou Tuberサイト。
 え、そんなに簡単に世界中の品物が買えるの?
 買えますよ、amazon.comでほしいもの見つけたらURLをカプルカ社のページにコピーしてね、値段を確認、送料shippingを確認して、トータルの金額を確認して、あとはOKをクリック。さあ、これであなたは欲しいものが手に届くのを待つだけ。嘘みたいに軽くて簡単。嘘みたいに軽いのはカプルカ社が商品在庫を抱えないことにある。eコマースだから。カプルカ社を通して買った商品は米国アマゾンからスリランカに送られてくる。カプルカ社はグラスショッパーという配送会社を立ち上げたからデリバリーもスムーズ。在庫ロスはないしマージンは確実に懐へ。初手に成功したカプルカ社は英国アマゾンとも販売交渉を始めた。

 以上がfire10でシンハラ文字が出てくるようになった手品の種。って、それでもなんだかわからない? 狐につままれた? いや、それほどに見事なフルフィルメントなのです。カプルカ経由でアマゾン・タブレットをスリランカで売るのだもの、fire10はアマゾン・スリランカのデバイスとしてシンハラ・フォントを利用可能にしない訳にはいかない。カプルカ社のおかげでアマゾン米国のfire10がスリランカ中にあふれるのだから。
 こうなるまでずいぶん長い年月が過ぎたけど、黒船アマゾンは東洋の麗しの島、真珠の涙の島に降り立って、商売の手づるをつかんだ。さあ、これでアマゾン文明が島中に、本格的にしみわたる。スリランカ流に変形しながら。島国に暮らす人々は旧来の商習慣がもたらす悪行にへきえきとしていたのだ。かつて日本にアマゾンが上陸したときのように。

【参考】
質問箱QA111
質問箱QA121
カプルカ社企業活動Slideshare