BBC sinhalaならシンハラ文字を表示しないfire10でもシンハラ語が読める

シンハラ語質問箱 Sinhala QA121
BBC sinhalaならシンハラ文字を表示しないfire10でもシンハラ語が読める


アマゾンのファイアー・タブレット(fire10)はシンハラ文字が表示できない。だからシンハラ語サイトのシンハラ文字は表示されず、閲覧がかなわないのだけど、BBCのシンハラ語ページだけはシンハラ文字が表示されて、シンハラ語の記事が読める。さすが!BBC…
 

一瞬、モニターに黒い豆腐が出るけど、問題なし

 シンハラ文字が表示されないからシンハラ・フォントをインストールしよう、なんて思っても、それは無理。ファイアー・タブレット(fire10)ではフォントのインストールができない。
 シンハラ文字がインストールできず、だから、シンハラ語サイトのシンハラ語は表示されず、大いに困る。アマゾンに確認したら、現在のところシンハラ文字は表示できません、お役に立てず申し訳ありません、などと丁寧にご返事メールをいただいた。そこで諦めかけていたら、救いの神はfire10タブレットを見捨てなかった。BBCのサイトへ行けば、シンハラ・フォントが存在しないはずのfire10でもシンハラ語が表示されてしまうのだ。ラッキー!

 さあ、今、お手元にfireタブレットがあったらBBCを開いて、sinhalaのニュースページを覗いてみよう。
 一瞬黒い豆腐が出る。googleが「ノー・モア・豆腐」と叫んで豆腐撲滅キャンペーンをしているあの豆腐だ。けど、0.3秒ほどして黒豆腐はスマートなシンハラ文字に変わって浮かび上がる。奇跡だ。何がどんな具合になっているのやらトンと分からない。dheyiyaa dhani.mama nodhani
 これで訳はどうあれ、最新のスリランカ・ニュースがシンハラ文字で表示される。

 BBCサイトでシンハラニュースがシンハラ文字で読めてもface bookのBBC sinhalaは黒豆腐のままだ。スリランカ発のディワイナ新聞を開いてもやはり黒豆腐の横並びだから、なんとも情けないのだけど。

 でも、BBC sinhalaがfire10なのにシンハラ文字で読めるというのは? BBCがsinhala fontをfire10のモニター画面に送って来たとは考えられない。これは、fireタブレットのフォント・ファイルにそもそもシンハラ・ユニコード・フォントが収納されているんじゃないか。BBC側のフォント・コマンドでfire側のシンハラ・フォント隔離が解除されてしまい、シンハラ文字が黒豆腐の術縛から自由になるのか、なんて、私は文系なりに想像してみた。
 fire10でシンハラ文字が(画像でなく)表示されるのは、今のところ2019-Aug-03、BBCとgoogle翻訳サイトだけだ。

シンハラ語ニュースを自在に読み明かすにはこうする

 ええー、それだけなのって、憤懣をもたれるかもしれないが、これがどっこい、どうして、大変なことでもある。
 BBCのシンハラ・ニュースは、4月のイースターの爆破事件の報道を挙げれば分かるけど、時系列に細かく報道がなされる。もちろんそれはスリランカ発のディワイナ報道とは筋が違うけど、テロの恐怖をあおるだけの、NHKが報じたようなことはしない。  もし、あなたが今、シンハラ文字がそれほど読めないとして、BBCのシンハラ語記事をどうやって読み解くか。ムズカシイ? いやいや、それが以外に簡単。
 まず、シンハラ語記事に埋め込まれた写真から記事の内容をあてずっぽうに推測する。これ、読んでみようかとひらめくものがあったら、その記事のシンハラ文字をコピーする。タイトルを入れても本文だけでもいいから、ちょっと長いかなと思うところぐらいまでコピーする。
 これをGoogle Translate に持っていって、設定を左枠シンハラ語→右枠日本語(同時に英語)にして、 シンハラ語の枠にペーストする。
 すると、すぐに翻訳が始まって右枠に翻訳された日本語文が表示される。
 うれしいことに、この翻訳は大体間違って出てくる。誤訳なら「悲しいことに」と評すべきかも知れないけれど、ここはあえて「うれしいことに」と捉えることにしよう。なぜなら、まず、日本語訳から大体の記事の内容が分かる。そして、あなたが、この訳は変だなと感じた訳文は意外と重要な「シンハラ語の妙」を含んでいるからだ。
 変だなという日本語訳の部分と、それに該当するシンハラ語文を探し出して、その部分だけを改めてgoogle翻訳してみる。先ほどとはまったく違った訳が出てくる。ここで確認したいのはそのシンハラ文の英語訳だ。訳される欄の日本語を英語に転換して英訳を確認してみよう。
 すると、これが案外にスムーズな翻訳だったり、奇妙奇天烈な英語訳だったりする。そして、後者の場合が多い。英訳の奇抜さを確認もする。するには「シンハラ語=英語辞書」の助けが必要だけど、ネットの辞書には確実に使えるものがない。Khasyareportの宣伝みたいに言い添えてしまうのだけど、当舎の「日本語=シンハラ語小事典」でシンハラ単語にちょっと触れておけば、少しは理解の足しになるかも。

 ここで注意なのだけど、Google Translateで英語訳や日本語訳を繰り返していると、google翻訳の人工知能は頭が良過ぎるからか、おかしな再学習を始めてしまい支離滅裂になることが多い。そうなったらAIの頭を冷やすためにアプリを閉じてクールダウンしてあげよう。

 BBC sinhalaの記事をひとつ取り上げてグーグル翻訳してみよう。たとえば、8月2日の ශ්‍රී ලංකා ආණ්ඩුවේ බලවතා ජනපති ද, අගමැති ද ? の記事。

【ご注意】上の行の文字が一部分豆腐になっているときはシンハラ・ユニコード・フォントが表示されないデバイス(たとえばfire10)でこの記事を読まれていることになります。googleの「ノー・モア・豆腐」キャンペーンでこうしたことは起こらなくなっているはずですが、デバイス仕様によってはどうしようもなく起こる。

bbc-sinhala news
www.bbc.com/sinhala/sri-lanka-49194755

 BBCのTV受信料は日本のNHKよりだいぶお高いようだけど、こうしてスリランカのニュースをシンハラ語で報道していて(つまり多国語報道)、連邦国内だってゲール語放送して、これは日本でなら沖縄語でNHKが公共放送するようなものだし、そんなこと、今のNHKには無理強いでしかない。
 たとえば8月2日のBBC sinhalaの記事のタイトルから「スリランカ政府のශ්‍රී ලංකා ආණ්ඩුවේ」という句を省いてタイトルを軽くしてコピーし、これをグーグル翻訳に貼るとこの下のような日本語訳が現れる。  
googletran
Google翻訳

なんだか意味がおかしくない? 頓珍漢。もしかしたらと何か感じてタイトルから「スリランカ政府のශ්‍රී ලංකා ආණ්ඩුවේ」という句を省いてコピーし、これをグーグル翻訳に貼ると次のような日本語訳が現れる。
googletran
Google翻訳
先の日本語訳はシンハラ文を英語に翻訳したときの、まあ、ざっくばらんで投げやりな訳が日本語にそのまま添加したと思える。
googletran


 とまあ、いろいろあるけど、このグーグル翻訳はゲーム感覚で使い込んでいくと、時に、とんでもない名訳をこなしてしまうほどの力持ちだから決して侮らないこと。
 今のところは同じシンハラ文を貼り直すと、次には違った訳文が現れるとか、同じシンハラ文(節・句)を貼っても時によって訳は変わるのだけど、しかし、奇妙なことに珍妙なことに、たとえば「吾輩は猫である」の冒頭を数行貼って、日本語→シンハラ語の翻訳パターンで訳してみると、これが恐ろしいまでに完璧なシンハラ語として訳されて現れる。このことはシンハラ語の極意である無意思文にもかかわるので次のqa122でご紹介するつもりです。

 BBCのシンハラ語ページはfire10タブレットの、希少な、唯一の例外として、シンハラ語が表示される。これをgoogle翻訳で訳さないという手はない。

 それと、google翻訳にシンハラ記事をペーストしたら、左下のスピーカー・マークをタップして必ず音声を確認してみて。こちらの人工知能音声はめっぽう本格で、きれいなシンハラ語のクセをかました声が聞こえる。一度目のタップはノーマルな速さで話し、二度目のタップでゆっくりと。長文だとAIの彼女は息継ぎしないでシンハラ文を唱えるから、一緒に声合わせて唱えたりすると息苦しいこと限りないのだけど。
 YOUTUBEでもシンハラの方によるシンハラ語の音声学習ができる。でも、シンハラ語発声練習に最適なのは、むしろ、音声分析で作られたこちらのAIによるgoogle翻訳のシンハラ語の声。この学習法で日本人の声に出すシンハラ語のほうが普通のシンハラ人のシンハラ語よりきれいに、(古風なシンハラ音で)発話されるという時代がもうそこに遣って来た。迷わずお試しを。

 最後に。BBCはfireが閉じ込めたシンハラ黒豆腐をシンハラ文字に解凍してくれます。アナ雪の魔法が溶けた。ありがとう! BBC sinhala。そして、Google翻訳。

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