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     時候編 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌 〔時候編・春〕   大田南畝関係
  【正月】 ※◯は欠字、◎は表示不能文字
時候・行事詞書・詩歌出典巻・頁年月日
りっしゅん
立春
 立春 (別資料)
さいたん
歳旦 (元日)
 歳旦 (別資料)
わかみず
若水 (元旦)
「十二月の画賛 正月 若水 湯の盤の銘々くめる若水はまことに日々にあら玉のとし」七々集②263文化12年
1815/01/
はつゆめ
初夢 (二日)
「初夢 まさに見し一富士二鷹三茄子夢ちがへして貘にくはすな 此うた、のちのむつきついたちふつかの比、市中をうりありくたから舟のゑにしるし置侍り。いとおかしかりき」巴人集②427天明4年
1784/01/02
ねんれい
年礼(二日から)
「としのはじめのよめる 生酔の礼者をみれば大道を横すぢかひに春はきにけり」
〈『蜀山百首』①307・『清好帖』⑳352〉
狂歌才蔵集
巴人集
①40
②447
天明7年刊
1788/01/
「かうがいばしにて 年礼のかりの一トつらかへるなり跡なが先へかうがいのはし」七々集②293文化13年
1816/01/02
けいじつ
鶏日
「正月二日夜雨 鶏日天連猪日晴 今宵風雨一聞声 明朝向有登山約 応是英霊謝俗情」南畝集15
漢詩番号2615
④303文化2年
1805/01/02
ねんし
年始
「年のはじめのうた  四方赤良
 大きなる体 須弥山も五岳も富士も一同にどつととわらふ春はきにけり
 小さき体 とそふくろぬふて去年のきぬいとの針のめどより春はきにけり
 口もとの体 ぬりばしで田つくりこんぶ巻するめはさむにかたのはるはきにけり
 案じ過したる体 暦なきむかしもかくや水ぬるみ山もわらふがごとくみへけん
 かたくはかせ(博士)くさき体 いせこよみ内外にわかつ告朔の羊のとしの春はきにけり
 戯場のことば 大入の屠蘇の盃込合ぬ御老人様しづかに跡より
 青楼のことば おいらんに棹姫さんのおつせんすおめでたうおすけさの初春」>
狂歌千里同風①64天明7年刊
1787/01/
「即事 寒勒園梅白 風含塹柳黄 城門通八達 何路去探芳」南畝集19
漢詩番号4124
⑤382文化13年
1816/01/
「拝年 年々歳々拝新年 投刺千門万戸前 人事不同城郭是 遼東孤鶴独翩々」
〈遼東孤鶴は丁令威〉
南畝集19
漢詩番号4125
⑤382
かきぞめ
書き初めし
 書き初め(試筆) (別資料)
ようじつ
羊日(四日)
「即事 乍見牛児年已新 更逢羊日雨愈頻 雷鳴地動皆微異 応散陽和先立春」南畝集15
漢詩番号2616
④303文化2年
1805/01/04
「羊日庚申、雨雪す
 満天風雪散初春 色圧梅花五出新 濁酒三盃三尸伏 酔眠忘却守庚申」
南畝集20
漢詩番号4517
⑤496文政3年
1820/01/01
「癸未羊日 書ながす歌は硯のみづのとのひつじやはまん紙の数々」蜀山集⑥100文政6年
1823/01/04
ねのひ
子の日
 子の日 (別資料)
じんじつ
人日(七日)
 人日(春の七種・若菜摘み) (別資料)
じょうげん
上元(十五日)
 上元 (別資料)
やぶいり
藪入り
「正月十六日、閻蘿殿に謁す
 野梅園柳弄春柔 新歳風光属既望 此日地官聞赦罪 且随児女礼閻王」
南畝集18
漢詩番号3587
⑤228文化9年
1812/01/16
そうきゅう
送窮(最終日)
「送窮
 三春催気処 万戸送窮時 祖道傾杯酒 行軍結柳枝 文章蔽帚有 富貴浮雲移
 笑問高陽子 何如造化児
南畝集6
漢詩番号1299
③449天明6年
1786/01/29
「送窮
 無奈五窮纏此身 年々送故又迎新 行車結柳攀金縷 雨雪飛花糝玉塵
 杯酒難逢安品子 米塩徒恥素餐身 明時未必長貧賤 徴擢諸儒好語仁

 【安品子、高騈の劇談録の郭鄩窮鬼を見るの条に見ゆ】」
南畝集14
漢詩番号2416
④304文化1年
1804/01/29
「正月小尽 瑞陽小尽暖光融 疎密梅花黯澹風 々物煕々如得意 千門万戸送何窮」南畝集16
漢詩番号3126
⑤90文化5年
1808/01/29
「送窮 高陽帝子旧曾聞 百歳行蔵附与君 車結垂楊船縛草 未能免俗送窮文」南畝集17
漢詩番号3467
⑤191文化7年
1810/01/29
「送窮 高陽氏子別離筵 結柳為車縛草船 今日送窮々欲去 頻思菽水奉親年」
〈「菽水の歓」とは貧しい生活ながら親に孝を尽くす喜び〉
南畝集19
漢詩番号3965
⑤339文化12年
1815/01/29
「正月晦日、感有り 高陽帝子別離筵 結柳為車縛草船 歳々送窮々不去 由来富貴在蒼天」
「其の二 少年曾読送窮文 七十余生白首紛 唯有詩書消去日 看他富貴似浮雲」
南畝集20
漢詩番号4639-40
⑤529文政5年
1822/01/30
しゅんおう
春王 (正月)
「春王
 春王正月興 強半雨中過 徒有者梅約 其如雑雪何 一生幾量屐 十日三人歌
 天意当如此 何時王燭和
南畝集14
漢詩番号2415
④304文化1年
1804/01/
  【二月】
時候・行事詞書・詩歌出典巻・頁年月日
はつうま
初午
 初午 (別資料)
ねはんえ
涅槃会(十五日)
「仏滅の日、潮音閣に登る
 東海潮音閣 西天仏滅時 登臨沙界尽 俯仰歳年移 不極恒河地 安知積水涯
 千帆遥出没 二総自逶迤 駅路連金水 人家接玉芝 雲霞看且麗 土女此相随
 已感青春半 猶憐白日遅 誰攀双樹下 拈得落花枝
南畝集3
漢詩番号0335
③120安永4年
1775/02/15
かちょう
花朝
「花朝
 分春色至花朝 宿酔纔醒寂不囂 戯蝶紛飛誰可撲 流鴬交坐已遷喬
 一団雲共紅霞散 千片風為素雪飄 遅日明窓隠凡坐 閑聞調々之刁々」
南畝集16
漢詩番号3014
⑤55文化4年
1807/02/15
せいめいせつ
清明節
「清明節
 閏与逢甲子 天気入晴明 山樹紅饒笑 汀蘋白未生 履随遅日下 衣称暮寒軽
 処々遨頭有 鴬歌酒一盛」
南畝集17
漢詩番号3485
⑤196文化8年
1811閏02/16
しゃにち
社日
「社日。覃韻を得たり 風吹軽燕柳毿々 舎北春流遶舎南 社鼓遙伝遅日晩 一瓢村酒幾人酣」
〈春社。春分に最も近い戌の日〉
南畝集6
漢詩番号1300
③450天明6年
1786/02/24
「社日
 軽蒸差池社日辰 早梅開尽晩梅新 老来猶未離城府 願向田園作酔人」
南畝集19
漢詩番号4254
⑤416文化14年
1817/02/11
しゅんぶん
春分
「時正
 時正天気歩青莎 早晩江梅処々花 節紀三春到彼岸 人巡六寺阿弥陀
 軽寒未熟将添絮 新様初粧不績麻 斗米三銭却無頼 惰農猶酔野人家」
南畝集17
漢詩番号3477
⑤193文化8年
1811/02/29
「春分節。雪に対して昨遊を憶ふ
 玉楼銀海駿台雲 仙侶瑶姫墨水濆 昨日梅花今日雪 酔中髣髴対春分」
南畝集19
漢詩番号3978
⑤342文化12年
1815/02/13
つばめ
「十二月の画賛 二月 燕 かりがねの交代なればつばくらも野羽織きてやきさらぎの比」七々集②263文化12年
1815/10/
  【三月】
時候・行事詞書・詩歌出典巻・頁年月日
きょくすいえん
曲水の宴(三日)
「曲水宴 盃のうかむ趣向にまかせたる狂歌は何の曲水もなし」
〈天明2年3月3日、勘定組頭・土山宗次郎の曲水宴か〉
万載狂歌集①7天明3年刊
1783/01/
「曲水 盃をさすが女の節句とてもゝのあたりに手まづさへぎる」巴人集
狂歌才蔵集
②395
①41
天明3年
1783/03/03
「三月八日小集 曲水詩
 此日是何日 元巳莫之春 白日麗天上 条風吹水浜 澹蕩発和気 灼灼桃花新
 年芳無窮極 賞心有嘉賓 羽觴因流波 肴醴紛錯陳 願言共行楽 一酔報良辰」
南畝集7
漢詩番号1444
遊娯詩草
③498天明8年
1788/03/08
じょうし
上巳 (三日)
 上巳 (別資料)
もものせっく
桃の節句(三日)
「三月三日 盃をさすが女の節句とてもものあたりに手まづさえぎる」
〈『蜀山百首』①308『清好帖』⑳356〉
狂歌才蔵集
巴人集
①40
②395
天明3年
1783/03/03
とりあわせ
鶏合 (三日か)
「十二月の画賛 三月 鶏合 もゝ敷の桃の節句ににはとりの二羽あはせてやみそなはすらん」七々集②263文化12年
1815/10/
せいめいせつ
清明節
「清明節
 清明時節愛陽和 三四年来奈抱痾 九十春光何局促 開花未尽落花多」
南畝集20
漢詩番号4587
⑤515文政4年
1821/03/05
しおひがり
潮干狩り
「日ぐらしの会のあくる日、大屋うら住、銀杏みつかど、坂月米人、紙屋丸彦などと潮干狩すとて、
 けふも又馬鹿をつくだの塩干がりきのふは山にひぐらしの里
 後万歳集 鳫金をかへした跡も桜がり塩干とまでにかりつくしたり」
〈『狂歌知足振』酒上不埒序「過し弥生の十九日、日ぐらしの里狂歌大会の節布袋堂の前にてひらき候まゝ」とあり〉
「汐干 かりがねをかへしもあへずさくらがり汐干がりとてかりつくしけり」
巴人集
徳和歌後万載集
②397
①25
天明3年
1783/03/20
はなみ
花見
 花見 (別資料)
さんがつ
三月尽
「三月尽 荒神の松にめでたき花の香をわけておかまもけふ払ふなり」めでた百首夷歌①74天明3年刊
1783/01/
「三月廿八日 春尽
 春尽園林白日長 任他流転逐風光 行蔵自笑双蓬鬢 吏隠誰知一草堂
 已老黄鴬求旧友 猶余粉蝶慕残香 明朝更遇清和好 酔臥重陰緑樹傍」
南畝集7
漢詩番号1444
遊娯詩草
③498
⑥291
天明8年
1788/03/28
「春尽 荘生蝶夢蘧然醒 揚子玄亭未補経 花落鳥鳴春亦暮 満天新緑雨冥々」南畝集16
漢詩番号3156
⑤97文化5年
1808/03/29
「三月尽 靄々重陰淡々煙 鳥啼花落已茫然 尋常九十春堪惜 況復今宵小尽天」南畝集19
漢詩番号4031
⑤356文化12年
1815/03/29
「三月小尽 緑陰新奪百花明 雨々風々小尽晴 九十春光闕一日 千金一刻難為情」
「三月尽の夜、燈花を見る 九枝燈火報花開 和嶠青銭祖約財 正是今宵三月尽 千金已散亦将来」
南畝集20
漢詩番号4358-9
⑤450文化15年
1818/03/29
「春尽、晴に逢ふ 断送春風一雨中 晴来小尽覓残紅 香山墨水花千樹 九十光陰夢裏空」南畝集20
漢詩番号4453
⑤478文政2年
1819/03/29
「三月尽 暁のかねきくまでは春ぞとていもねざりけん人もありしか」紅梅集②363
    【春】
時候・行事詞書・詩歌出典巻・頁年月日
しゅんみん
春眠
「春眠
 晏眠猶未起 衾枕意悠哉 宿雨春相泥 残雲夢自回 憂随楊柳乱 眼対海棠開
 欲聴黄鸝響 何人挈榼来」
南畝集6
漢詩番号1067
③369天明2年
1782/02/
しゅんぼう
春望
 春望 (別資料)
はる
  (別資料)
ゆき
春の雪
 春の雪 (別資料)