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   時候編・春 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌〔時候編〕   大田南畝関係
  【春】(はる)◯は欠字、◎は表示不能文字 
時候・行事詞書・詩歌出典巻・頁年月日
春来「春来
 春来花鳥日相催 散歩閑庭掃緑苔 風動門前双柳樹 雪消林下一枝梅 陽和漸覚多詩興 懶性深知減吏才
 窮巷已難容長者 自無車馬惹塵埃」
南畝集1
漢詩番号0024
③10明和9年
1772/02/
早春「早春遊望
 淑気生千里 流澌下百川 海浮紅日闊 橋帯彩紅懸 鳥弄催花外 笙歌起柳辺 自茲行楽好 莫負艶陽年」
南畝集1
漢詩番号0025
③11明和9年
1772/01/
春眠「春眠。来字を得たり
 臥穏春眠熟 夢魂安在哉 遅々従日永 蘧々対花開 蝴蝶紛相戯 児童喚幾回 華胥応咫尺 枕上去還来」
南畝集1
漢詩番号0031
③13明和9年
1772/01/
春望「田家春望二首
 一望東菑晩 煙斜積雨晴 行車何処過 応是勧春耕 桑柘浮煙外 牛羊落日辺 正逢春事起 丁壮在公田」
南畝集1
漢詩番号0032・3
杏園詩集
③13
⑥26
明和9年
1772/02/
春霽「春霽。暉字を得たり
 雨色収郊樹 晴光落暮扉 林花留宿露 苔蘚帯斜暉 天敞孤雲散 山明一鳥帰 将携童子去 何処試春夜」
南畝集1
漢詩番号0036
③14明和9年
1772/02/
惜春「惜春。飛字を得たり 園林日夜歇芳菲 可歎三春興已違 一酔栩然蝴蝶夢 分明猶逐落花飛」南畝集2
漢詩番号0172
③14安永2年
1773/03/
早春「早春
 忽有窮陰尽 偏逢淑景移 晴天帰北雁 白雪媚南枝 漸覚詩腸熟 難令俗耳知 一樽春酒好 欲飲待黄鸝」
南畝集2
漢詩番号0266
③93安永3年
1774/01/
春日即事「春日即事 日暖春風度緑蕪 花間黄鳥隔林呼 相逢不嘆無知己 天下高陽是我徒」南畝集4
漢詩番号0643
杏園詩集二
③224
⑥57
安永8年
1778/03/
春日即事「春日、即事 春眠漸覚又移牀 坐臥呼童進一觴 遅日閑花看自落 遊蜂戯蝶為誰忙」南畝集5
漢詩番号0921
③317安永10年
1781/03/0
春眠「春眠 衾枕余寒薄 春眠自不軽 児童休喚起 我待早鴬声」南畝集5
漢詩番号0906
③312安永10年
1781/01/
春夜雨を喜ぶ「春夜、雨を喜ぶ
 狂風吹日夜 陌上起塵埃 数有池魚厄 空無石燕廻 窓前雲気合 燈下雨声来 細細聴偏好 千花自此開」
南畝集5
漢詩番号0909
③313安永10年
1781/02/
晴景「晴景。色字を得たり 昨夜纔聞度雨過 今朝更見新晴色 花間黄鳥莫停声 如此風光不可得」南畝集6
漢詩番号1092
杏園詩集二
③377
⑥67
天明2年
1782/03/
春霞「霞 めでたき日霞の衣たちそめん暦の下段山の中段」めでた百首夷歌①72天明3年刊
1783/01/
春暁「春暁 夢被流鴬悩 心随弱柳眠 生憎花外日 偏照碧窓前」南畝集6
漢詩番号1140
③394天明3年
1783/01/
春のうた「春のうたとて 酒のみつ花を詠ついたづらにすぐる月日は一日もなし」 〈天明5年刊『狂言鴬蛙集』所収〉巴人集②465天明4年
1784/03/
春行寄興「春行。興を寄す 歩出紅塵紫陌 過橋澗水去無窮 閑花満地行人少 唯有孤鶯囀竹叢」南畝集6
漢詩番号1234
③425天明5年
1785/01/
春台望「春台の望み。江韻を得たり
 一望春台上 陶然酔玉缸 雲霞生大嶽 梅柳映清江 郭隗賢安在 元竜気不降 揮絃聊目送 帰雁自双々」
南畝集6
漢詩番号1297
③449天明6年
1786/01/
春暁「春暁 暁雲纔送色 嬌鳥転鳴庭 想像洞房裏 春眠醒不醒」南畝集7
漢詩番号1309
③453天明6年
1786/03/
春日「春日閑坐暁
 花明柳暗夕陽斜 独坐悠然自在家 巣燕含泥知近社 遊蜂遶樹欲為衙 纔傾下若忘塵事 更倚南窓避世譁
 但使閑中消日月 深山何必入煙霞」
南畝集7
漢詩番号1310
③454天明6年
1786/03/
春夜「春夜、笛を聴く。尤韻を得たり 一曲関山月色流 春風忽変満天秋 更吹折柳梅花落 長笛数声何処楼南畝集7
漢詩番号1313
③455天明6年
1786/03/
春の曙「江春曙 あけぼのは大江千里春のよのおぼろ月夜にしくものぞなき」狂歌才蔵集①40天明7年刊
1787/01/
「二月八日小集 晴
 一雨青郊外 新晴望転多 霞飄紅点綴 山出碧嵯峨 淑気帰花柳 光風動薜蘿 黄鴬頻睍睆 似和我高歌」
南畝集7
漢詩番号1411
遊娯詩草
③488
⑥289
天明8年
1788/02/08
春暁「春暁 為是春眠熟 暁来猶擁衾 不知風雨過 夢裏落花深」南畝集8
漢詩番号1516
④9寛政1年
1789/03?
春江花月夜「春江花月夜
 欲逐春潮泛画艘 更看煙樹遶清江 一輪氷雪飛明鏡 万点芳菲撲玉缸 錦浪風飄霞点々 素書光動雁双々
 美人応惜紅顔老 何処高楼照碧窓」
南畝集8
漢詩番号1520
④11寛政1年
1789/03/
早春「早春 郭外梅纔初 園中柳欲眠 冬春不見雪 空繋子猷船」蜀山集⑥104不明
寛政6年?
春水「春水生ず 柳眠花笑雨晴初 春水徐々潅不除 青亭恩波何浩蕩 流通四沢満溝渠」南畝集16
漢詩番号2869
⑤12文化3年
1806/01/
春日「春日 早梅開尽晩梅香 々霧霏微隔短墻 正是陽和好天気 春風処々紙鳶翔」南畝集16
漢詩番号2870
⑤12
「即事 春城欲雨淡軽陰 緑柳紅桃色転深 唯有遷鴬伝遠聴 不知帰雁動哀音」南畝集16
漢詩番号2872
⑤12
春雲「春雲 春雲淡々麗暗天 竹外微風白日妍 恰悦本非持贈物 此中真意向誰伝」南畝集16
漢詩番号3000
⑤51文化4年
1807/01/
春を送る「春を送る 人有賞心兼楽事 天無美景与良辰 落花啼鳥何労擾 一雨闇々断送春」
〈謝霊雲「擬魏太子鄴中集詩」〝天下良辰美景 賞心樂事 四者難並〟〉
南畝集16
漢詩番号3051
⑤66文化4年
1807/03/
春の歌「春のうた 梅咲て鴬鳴ぬ一つきのにごれる酒をわれをぎのらん」をみなへし②20文化4年?
1807/02/?
春の歌「無題 鴬にさそはれいでゝ此春もまた谷の戸の花をながめん」
「春のうた 源氏若紫の心にてよめり みやこべは霞にこめて棹鹿もたゝずみぬべき春の山里」
をみなへし②31文化5年
1808/
春の山里「無題 みやこべはかすみにこめて小男鹿もたゝずみぬべき春の山里」巴人集拾遺②481文化5年?
1808?
春の歌「はるのうた きのふまで峯にさびしき松がえもみどり色そふ春は来にけり」〈多摩川巡視中、峯村にて〉玉川余波②119文化6年
1809/01/15
早春「田家早春 挿門松竹賀新年 浄尽元宵一抗烟 童子牽縄遮大路 謾称祭祖掠神銭」〈多摩川巡視中、川崎付近〉玉川余波②123文化6年
1809/01/
春の歌「春のうた さめにけりうき世の中のよしあしのなにはの事も春の夜の夢
       ふるさとの花やちりなん春風にやれし板屋の雨ももるべく
       さく花も根にかへりゆく春までにいくたび衣日をかさねけん」
玉川余波②141文化6年
1809/03/10
「人日前一日、雨を喜ぶ
 仲冬以後雨声無 積雪如山満白蕪 氷柱忽伝簷霤響 寒村聊活麦苗枯 盤中菜甲迎人口 雲外鐘声翳仏図
 為是発生兼潤物 千家抃舞鳥歓呼」
南畝集17
漢詩番号3309
⑤144文化7年
1810/01/06
春 即事「即事 緑深堤上千糸柳 紅淡林間半樹梅 一道陽溝春不駐 朝昏送去又迎来」南畝集17
漢詩番号3338
⑤154文化7年
1810/03/
春寒「春寒
 春寒一何峭 鮐背手為亀 冷蘂凋瓶水 浮埃凍硯池 非因今歳烈 応為我身衰 旋撥紅炉火 飄風隔竹吹」
南畝集17
漢詩番号3470
⑤192文化8年
1811/02/
仲春「仲春即事
 春氷融又結 梅蘂発還凋 唯畏嘻々火 其如日々飆 魚災環郭水 馬舞頓塵鑣 安得逢時雨 閑談尽一宵」
南畝集17
漢詩番号3472
⑤192文化8年
1811/02/
暮春「暮春 雨余軽靄罥山阿 紅褪閑庭緑満柯 春服未成春已暮 貧家光景亦清和」南畝集18
漢詩番号3619
⑤237文化9年
1812/03/
春霞「霞 春がすみ立くたびれてむさしのゝはら一ぱいにのばす日のあし」千紅万紫
蜀山百首
清好帖
①253
①307
⑳353
文化10年
1813/01/
午晴「午晴。天字を得たり 乍披雲霧見青天 雨後連山黛色鮮 曝背南軒芹可献 午時針眼対烏円」南畝集19
漢詩番号3986
⑤345文化12年
1815/02/
春の野「春の野にて きのふこそすててんすててんとはやせしがぺんぺん草となりにける哉」六々集
万紫千紅
②231
①281
文化12年
1815/03/
早春「早春 万歳のつづみにつれてうぐひすもほうとはつねやうち出すらん」万紫千紅①278文化12年
1815/01/
雪に月「上元の夜、雪はれ月きよし 正月も半分くひしもち月の朧豆腐に雪の小松菜」万紫千紅①278文化12年
1815/01/15
春朝「春朝即事 柳牙黄已緑 雨気暗還明 不辨八塼日 遅々入曲城」南畝集19
漢詩番号4144
⑤387文化13年
1816/02/
春暁「春暁 隙中微白動東林 屋上繁霜透暁衾 独撥寒灰春尚浅 一炉紅火直千金」〈側金盞はスイセン〉南畝集20
漢詩番号4439
⑤475文政2年
1819/01/
春の寝覚め「春の寐覚といふ事を 献上の阿蘭陀までもゆくものは春のねざめの心なるべし」紅梅集②363文政2年
1819/03/26
春興「春興 花間鴬百囀 堤上柳三眠 聊散偸閑策 猶如未老年」南畝集20
漢詩番号4582
⑤514文政4年
1821/01/
春宵「一刻を千金づゝにしめあげて六万両のはるのあけぼの」 〈文化9年(1812)刊『万代狂歌集』にあり〉
「春曙を 四方赤良 一刻を千金つゝにつもりなは六万両の春のあけぼの」
蜀山百首
清好帖
①307
⑳353
文化9年刊
文化15年刊
文政7年