●逆転裁判〜その「真実」、異議あり!〜
とりあえずシーズン1終了ってことでいいのかしら。一応。なんつーか、あれです、シリーズの新作出るごとに宣伝代わりに制作なんて発想でも私は一向に構わないのです(笑)。
……とはいえほぼ原作そのまんまなのは本当にびっくりだ。うーむ。アニメオリジナル要素ってシグナルザムライくらいしかなかったですね。それも、原作にある給食費盗難事件の真相という形で持って来てるから、まあ、原作の範囲から大きくは逃げてない。
長期シリーズ組む気だったら積極的にオリジナル展開入れて行かないとむしろ尺が足りないんで、最初から原作宣伝用短期決戦なんだなぁというのが明らか過ぎて残念なような残念なような。
最初梶さん成歩堂には違和感凄かったんだけど、うん、慣れた!(断言) 既に歴史のあるシリーズだからみんなそれぞれイメージしてた声ってありますよね。うん。ありますよね……だからまあこれはしゃーない。真宵ちゃんも私は正直違和感だった。けど慣れた!(断言)
春終わりにも書いたけど脇の人たちの声はみんなぴったり過ぎて泣けるというか……あれだね、キャラの類型化がはっきりし過ぎているから(原作の)、誰でもこういうイメージしか持ちようがないよなーって声なんですね、多分。
蘇る逆転がすっ飛ばされたのはかなり残念だったんですが…そこはゲームでのお楽しみということにしておく、のかなぁ。時系列的にここ外してしまうと次でって訳に行かない気がするんだけど。うーん。……年末年始特番みたいなタイミングにちょっと期待しておきます。ちょっとだけ。
「さらば逆転」で締めるってこと自体はいい終わり方だったとは思いますです。事象だけ見れば、主人公の初の敗北。だけどあの嬉しそうな笑顔でガッツポーズっていう…まさに逆転裁判らしい事件だと思いますです。メイちゃんの泣き顔も堪能出来たし(笑)。
ただまあ全体的にちょっと端折り過ぎではありますよねえ。本当に原作宣伝動画かー! みたいに思うこともなくはない。ここまでが限界だったんだろうか。いわば体験版みたいな扱いにすることでアニメ化企画が通った……のかなあ。この手のものはそもそも物語だけで既にネタバレだしねえ。本来ならアニメ化は出し渋る類のものだと思うし。うーんうーん。もうアニメ再会は期待出来ないよーな嫌な予感もうっすらと。
●ダンガンロンパ3 未来編/絶望編/希望編
なんかもう海法さんの才能が怖い(※シリーズ構成)。
別のアニメ作品というより、この3つ全部揃って24話の1つの物語。絶望編での「彼ら」の絶望堕ちから先は特に。見事だなぁ。しみじみ。
というかこれ…もし突発的な何かがあって1話放送出来なかったら、対になるもう片方も延期せざるを得なかったですよね。「この通り」に流れないと全部崩壊する。ある意味怖い綱渡りだ…。
さて。
特に最近は、物語のヒール(悪役)にちゃんと動機を与えようとする傾向が強い気がする。その行動にもまた何かしらの事情があったのよ、的な。
世間が「不謹慎」に対してちと敏感が過ぎて、ただ悪であることをよしとしない風潮がある気がする。
…ので、私は江ノ島盾子というキャラクターは、ある意味ものすごく希少価値のあるアンチヒーロー、じゃなくてアンチヒロイン、だと感じてます。これはアニメになる前からそう思ってたんですけどね。
何も付け入る隙がない完全悪というか。彼女はある意味でワイルドカードなんだもんなぁ。
こういう、「何もかもあいつのせい」にしてしまえるワイルドカードが1つあるだけで、物語は無限の自由度を手に入れられてしまう。逆説的だけどそういう側面が確かにある。
でダンガンロンパ(原作)のシリーズはその自由度を最大限に活用しまくっている話だと感じてます。
……だからね。
絶望編で絶望姉妹(盾子とむくろ)が登場した時の高揚感ったらもう。あははは。ナチュラルハイですよ本当に。ダンガンロンパにとって彼女たちの存在はまさに文字通りのキラーコンテンツ。
絶望編の続く道筋はもうゲームの2で示されているので、ある意味安心して(?)見てられたんですが、未来編は「何がしたいんだ」って最後の最後まで謎でした。
元々謎解き系は苦手なのでそもそも予想なんかつくはずなかったんですけど(笑)、途中までずーっと狛枝一点賭けだったし。というかそれしか思いつかんかったよ。うーん。なんか、ヤツならやりかねない、と思っちゃったのですよね……(だいぶ失礼な感想)。
いや正確には彼の意志というより、それこそ彼は単に石ころに躓いただけなんだけどいつの間にこんなことに!? みたいな展開なんじゃないかと思ってた。少なくとも絶望の残党なんか絶対いる訳ないとは思ってた。だから宗方は道化師だなと。というか、この作品って、「御曹司」といい、なんでこう「上に立つ」系の才能持ちは立ち位置が可哀想なことになっちゃうのか(笑)。
綺麗に終わって何よりです。77期生がまたえらくカッコ良くなっちゃって。特に詐欺師なぁ。本当にあいつは、見た目はアレなんだけどなんでこう色々とオイシイとこ攫って行きやがるかね全くもう!(笑)
ニューダンロンでは色々一新されるようなので、本当にこれが「最後」なんだなぁとちょっぴりしみじみ。ニュー以降追いかけるかどうかはちと様子見。
ああそれにつけても海法さんすごい。すごい。もいっかい凄い。惚れるなぁ(才能に)。同じ時代に生きてて良かったなぁ(大袈裟)。
===== 以下直接関係ない余談なので余裕ある人だけ =====
江ノ島暗躍のためには必要なパーツだったとはいえ、彼の想いが忌むべき・隠すべきもの、脅迫のネタとして使われてしまう展開はやっぱり辛いなあ。マイノリティ陣営としては。
まあそこで彼が彼を信じ切れてなかったから盾子ちゃん大活躍になっちゃったんだけど、「言いたいなら言えばいいだろゴルァ」って開き直ってもさほど傷つかないで済んでいた気がするのよねえ。
大丈夫だって。君の思う通り彼と彼女に付け入る隙なんかなかったんだし。「そんなの絶望連中の世迷言だろ、ありえねー」とか笑い飛ばしてれば、彼はきっとそれもまた「信じて」くれたと思うよ。最後までバレずに隠し通すことは絶対出来た。余裕で。
それだけ「信頼されていた」んだから。その信頼はあの時点で揺らがなかったと思うから。周りの盾子ちゃんシンパたちからの精神攻撃は予想されることではあるけど、そんなことくらいは耐えてみせなっつーのよ。ただひとりのために生きそのために死ぬ覚悟が出来る男なんだから、70億人を敵に回してでも欺瞞にくるんだ純愛を貫けばそれで済む話だったのに。
彼はあの一点で「戦犯」の1人に見えてしまうけど、未来編でゲームを直接終わらせるのと引き換えに死んでるからそれで禊ってことなんでしょうね。
切ないのう。
……と語りたくなる。なっちゃう。ヤバイ。ええキャラに育ちやがってコンチクショウ(笑)。
まあ結局、それが脅迫のネタになりうることを察知した江ノ島盾子が最強なんだよな……そういうことなんだよな……江ノ島ちゃん、人を見る目があり過ぎるのよね……
固定リンク / 2016.10.8
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