EMS対空双眼鏡 Part. 1&2

超広角!倍率可変で星空散歩

  公開:2010年6月9日〜
更新:2010年10月6日 *アイピース: EWO 40mmを追加しました。

口径:50mm 倍率:7.8× 実視界:10.9° 見掛け視界:82° アイ・レリーフ:20mm 射出瞳径:6.4mm
                  倍率:14.7× 実視界:6.8° 見掛け視界:100° アイ・レリーフ:15mm 射出瞳径:3.4mm
                  倍率:19.2× 実視界:5.2° 見掛け視界:100° アイ・レリーフ:15mm 射出瞳径:2.6mm

   

超広角双眼鏡

 双眼鏡のページでも触れたが、双望会で、池田さんの超広角双眼鏡を見て、驚いてしまった。まず、おそろしく像のヌケが良い。そして倒立像で、遠近が逆転して見える。何か特別な高級レンズを使っているのかと思いきや、何とKenko のクローズアップ・レンズであった。結局、いくら優秀なプリズムであっても、無ければこれだけ像がクリアになる、という事を思い知らされた。2009年の年末、池田さんから、この双眼鏡をお借りした。とにかくクリアで広大な像、そして遠近感の逆転した倒立像に、改めて釘付けとなった。2009年の年末 〜年始に製作しようと思ったが、自分なりに別の方法を考えた。


mini BORG 50 BINO

口径:50mm 倍率:7.8× 実視界:10.9°見掛け視界:85°アイ・レリーフ:20mm 射出瞳径:6.4mm

 天文ファンにはmini BORG 45ED が人気だが、mini BORG 50 の焦点距離が250mmであるのに気づいた。これなら、笠井 EWV 32mm倍率:7.8×、実視界:10.9°、見掛け視界:85°という物凄い双眼鏡になる。アイ・レリーフも20mmあり、申し分ない。Ethos 17mm だと、14.7倍、実視界:6.8°、見掛け視界:100°の双眼鏡となる。さらに笠井の2インチ・アイピース・レデューサーを付けると焦点距離は150mmになり、EWV 32mm で4.7倍、実視界:18°という、超ウルトラ広角双眼鏡だ。さらにさらに、2インチ&T2直視プリズムを加えれば、正立像になる(写真右参照)。BORG と笠井から、様々なパーツが出ているので、本当にありがたい。

 あれこれ実験したが、結局mini BORG 50 本体に、M57/60 延長筒L(7604) を接続し、アイピースはEWV 32mm、倒立像で使用する事になった。2インチ・アイピース・レデューサーや直視プリズムを加える事での像の劣化が無視できないし、何よりも、遠近逆転の不思議な像を楽しみたかった。鏡筒の連結は、所有していたGitzo GS5370LB クイックリリース・プレートを使った。アイピースの固定ネジは1本とし、片方はM6 キャップネジ(7500) で埋めた。フォーカスは、本体レンズ部の摺動で行う。

 周辺像は、ベッツバール式の池田さんの双眼鏡に軍配が上がる。私の方式は、組み立て時間数分で、三脚も使用できる。それにしてもクリアな像だ。アイ・レリーフ20mmも貢献し、とても見やすい。片目で見ると普通の倒立像なのに、双眼にした途端、遠近感が逆転、建物の輪郭で像を切り取って、モザイクのようにちりばめた不思議な像になる。アンテナなどは、他の風景とアンテナの映像が重なったように見える。横にして見ても逆転像は同じで、普通の双眼鏡では横にして見てもそうはならない。人間の脳がGを検知し、立体像を作り上げるためなのだろうか、とにかく不思議だ。オリオン座は、三ツ星から下半分 が同一視野に入る。

 星空を逆転像で見る、という事は、北半球にいて、南半球の星空を体験できる、ということでもある。昔、地球が平らだ、と信じられていたのはヨーロッパが北にあったからで、もし赤道付近にあって、地球の1/4も航海していれば、球体である事がわかったのではないだろうか。

 手持ちだとピントがずれ、重いので、使い勝手は今一。周辺像は星が流れる。では、天体用に特化すると....?

  

EMS対空双眼鏡へ

  双眼鏡は手軽だが、手持ちでは星を見るのは短時間。三脚に付けても、星を見るには、相当不便だ。いろいろ工夫した三脚もあるが、対空式にすれば、一気に解決する。ならば、EMS銀ミラーに勝るものはない。つまり、この超広角双眼鏡とEMSを組み合わせれば、倍率可変の恐るべき対空双眼鏡が誕生する。

 という訳で、2010年の正月早々に松本さんに製作を依頼した。コンセプトは

  1. これは双眼鏡であり、小型のEMS BINOの製作依頼ではない。従って、従来のスライド式目幅調整機構は用いず、機構も見た目も極力シンプルに。
  2. 低倍専用であるが、イザという時は高倍率に耐えうる剛性を有していること。
  3. オブジェとしても美しい双眼鏡。
  4. 手持ち使用も可能にする。

 であった。松本さんがいろいろアイディアを出して下さり、またCNCフライス盤を導入した事で、さらに加工の自由度が飛躍的に上がった。最終的に今の形に落ち着き、半年後、ようやく届いた。

  

EMS対空双眼鏡

    1号機なので、これから少しずつモディファイしていく事になると思うが、まず本機を紹介したい。

 目幅調整機構

 まず、こだわったのが、目幅調整機構の部分であった。上述した通り、これはmini BINOではなく超広角双眼鏡なので、機構も見た目も重さもスッキリさせたかった。松本さんに相談したら、流石、次々とアイディアの提示があった。ちょうどCNCフライス盤の導入があったので、従来では不可能だった加工もできるようになった。そしてさらにアイディアが煮詰まり、機構のサンプルをいくつか製作・実験の後、現在のものとなった。

 ご覧の通り、基本構造はプレートの連結である。このプレートが、ノブを回転する事で、目幅が自在に調整できる。本体を手にした時、しっかりとした剛性が伝わり、これは、高級双眼鏡を手にした時と同じ感触で、“おおっ”と感動してしまった。このあたりの工作精度、かくれたノウハウは、流石としかいいようがない。

 フォーカス

 当初、私はレンズ部の摺動を考えていたが、松本さんは、BORGM57ヘリコイドLII が良い、と言う。高価なので躊躇したが、これは先人の意見に従った。これが大正解! フォーカスは近距離でもスムーズに迅速にできるし、アイピースもEWO 40mm からNagler Zoom 2.5mm まで難なく合わせられる。

  

 ちなみに、口径50mmの場合、最低有効倍率(口径÷7は、7.1倍、最高有効倍率(口径×2は、100倍である。いろいろなアイピースがあるが、EWV 32mm で7.8倍、実視界:10.9°となる。実視界:10.9°の対空双眼鏡!この数字を見て狂喜するのは、私だけではあるまい。しかも、見掛け視界:82°、アイ・レリーフは20mmもあるので、眼鏡を掛けたまま星図と双眼鏡を往復できる。

 また、Ethos 17mm では、倍率:14.7× 実視界:6.8°見掛け視界:100°アイ・レリーフ:15mm 射出瞳径:3.4mm。 Ethos 13mm では、倍率:19.2× 実視界:5.2°、射出瞳径:2.6mmになる。これ以上の倍率も可能だが、あとは親分に任せれば良い。
 

  口径 f 焦点距離 倍率 実視界 見掛視界 アイ・レリーフ 射出瞳径
  50mm 5 250mm          
EWO     40mm 6.25 11° 69° 20mm 8mm
EWV     32mm 7.8 10.9° 85° 20mm 6.4mm
Ethos     17mm 14.7 6.8° 100° 15mm 3.4mm
Ethos     13mm 19.2 5.2° 100° 15mm 2.6mm


 
三脚・架台

  

三脚は、高さが自在に変えられ、便利だ。
 

 三脚は、20年程前に購入して使っているGitzo の小型三脚をあてがった。小型望遠鏡は、何といってもヴィデオ雲台が一番だ。この双眼鏡はフロント・ヘヴィーならず接眼へヴィーで、アイピースを交換したら、当然バランスは崩れる。ヴィデオ雲台は、これらも全て吸収してくれるし、空を快適に流せる。

 ヴィデオ雲台は、P.S.T. で使用している GITZO G2380 が秀逸。同じでは面白くないので、今度はManfrotto 701HDV にした。もっと小型のもあったが、この位の大きさがないと、快適に動かない。

 見ての通り、トータル・デザインは大成功。黒色の中に赤い丸があると、Leica っぽくて格好いい。こんな事を書くと、おたくはブランド・バカオヤジか、と思われてしまいそうだが、写真を始めた頃、アンリ=カルティエ・ブレッソンの写真を見て衝撃を受け、ズルミックス35mmM5 に憧れ(当然、購入できず)、それから20年も経って、Leica CL を愛用していた私には、ちょっと特別な存在なのだ。Panasonic が下請けに出して作らせたレンズにライカ、ライカを連発して大いに呆れはてたが、それでも赤丸印は、やっぱりかっこいい。

 ちなみに、Leica CL で撮影した写真。同じMINOLTA 製レンズも愛用していたが、素人の家内が、数ある写真を見ていて、「これ、どのカメラで撮ったの!?」と驚く位、Leica のは空気感が別物であった。生き残るためにブランド乱発をしたのだろうが、本来の技術力は凄いのだ。

  問題発生!

 ヴィデオ雲台は、90°上を向かないではないか! P.S.T. で は真上を向くことはなかったので、うっかりしていた。せっかくの対空双眼鏡なのに天頂付近が見えないのでは、話にならない。そこで、アイベルの CD-1アングルプレートを使って 補正しようと思ったら、Nstarさんと蒼い星さんが裏技を教えてくれた。アームを逆向きに取り付け、逆方向で使用すると、キッチリ天頂を向く。


アイベル CD-1アングルプレート

   

 また、舞台撮影で使用しているクイック・シューVelbon QRA-635L があったので、これで雲台と連結してみた。横方向に使用し、雲台とシューのネジ穴双方をスライドさせて、EMS双眼鏡の重心を三脚の重心に近づけた。接眼部が重いので、快適な観望のためにはバランス取りは大切だ。

   

 なお、EMS双眼鏡の本体の三脚穴にダイレクトに装着するとヘリコイドと干渉してしまうので、クイック・シューの使用は、迅速な着脱を兼ね、ちょうど良い。外せは、そのまま机に水平に鎮座する。また、クイック・シューは薄めのものを使用しないと、天頂を向いた時に余計に雲台に負担がかかり(何せ接眼部が重い)、勝手に上を向いてしまう。

  

  

 ストラップ

   

  双眼鏡なら、手持ちも可能にしないと、という訳で、ストラップ用の穴を付けていただいた。ここをリングにする方法もあるが、ガチャガチャうるさいし傷も付くので、私は穴方式を所望した。ストラップは、10数年前に購入していたZeiss 製(京セラCONTAX かもしれない)のものを採用した。肩に合わせてカーヴして作られている優れもの。ストラップの取り付けは、接眼側のネジを緩め、棒を外して行う。

  

EMS対空双眼鏡 〜何を見るのか?

  絶好の天文スポットで観望、なんて私には年に数える程しかない。しかも数時間の勝負なので、ついつい欲張って、スーパー・ナビゲーター任せにビシビシ導入してしまう。実に良くできているので、数時間でも驚く程の数の天体の導入ができてしまうが、反面、空しさも残る。やはり、星図片手に位置を確かめながらゆっくり楽しみたいのだ。

 この双眼鏡は視野が固定でき、しかも天頂付近も楽に長時間観望できる。つまり、星図片手に星空散歩ができるのだ。都会の空だって、十分楽しめるのだ。しかも、アイ・レリーフが20mmなので、眼鏡を掛けたまま、星図と双眼鏡を往復できる。持ち運びは、片手で三脚ごと 軽々とできる。これって凄くないですか?

  

市販の超広角双眼鏡は?

  手持ちにはなってしまうが、市販にも超広角双眼鏡がある。焦点距離を短くしなければならないので、どうしても口径が小さいものが多い。


笠井 Wide Bino 28

 実視界28°のガリレオ式超広角双眼鏡。 このタイプの双眼鏡については、双眼鏡のページを参照していただきたい。
 


MIZAR  SW-525

口径:25mm 倍率:5× 実視界:15.5° 見掛け視界:77° アイ・レリーフ:14.5mm 射出瞳径:5mm

 実視界15.5°、見掛け視界77°という、超広角双眼鏡。普及価格帯双眼鏡のこの手はどうしようもない物も多いが、これは光線状態が厳しくなければ 一応ちゃんと見える。MIZAR、見えざ〜るの汚名返上。秋葉原の店頭たたき売りで発見し、見て驚愕、購入したが、高級双眼鏡の10〜20分の1以下の値段で、これだけ見えれば立派であると思う。ストラップが双眼鏡本体に通らず、装着に苦労した。このあたりがオソマツなところだ。
 しかしながら、口径は25mmなので、天体用としては、全く物足りない。また、広角を生かしてオペラに良いかと思いきや、やっぱり画像が価格相応なので、結局手放してしまった。


Kenko  7×32 SWA

口径:32mm 倍率:7× 実視界:13.1° 見掛け視界:91° アイ・レリーフ:8mm 射出瞳径:4.57mm

 実視界13.1°、見掛け視界91°という、超広角双眼鏡。ただし、アイ・レリーフが8mmしかないので、裸眼でしか使えない。見掛け視界91°というと、笠井のアイピース EWV 32mm の85°を超え、Ethos に迫る程だが、実際に覗いてみると、それ程広く感じない。ご覧のような、無骨なデザイン。
 口径32mmは、天体用としては、やはり物足りない。アイ・レリーフは短く使いづらい。周辺像も乱れていて、結局これも手放してしまった。

  

という事で、First Light

  横浜市内も、ここ20年でさらに随分明るくなった。快晴で深夜でも、空は黒ではなく灰色がかっている場合も多い。観望条件は劣悪なのだが、それでもメジャーなメシエ天体は楽しめる。入梅前の6月初旬、肉眼では2〜3等星が何とか、という条件だったが、さっそく覗いてみた。

 まず向けたのは、こと座。音楽とも関係が深いこの星座には愛着があるので、Vega M57 は、いつも基準星やキャリブレーションに使っている。この双眼鏡では、ε2も含め、ちょうどすっぽり全景が収まる。肉眼では平行四辺形がどこにあるのか認識できなかったが(できる空の場合もある)、この双眼鏡では6等星まで見えるので、星座全体を一望に把握できるのは感動的だ。流石に周辺像は流れるが、星座を少しでも広く捉えたいので、このあたりはトレード・オフ。Ethos 17mm では、実視界は6.8°となるが、周辺像の流れは抑えられる。M57 は都会でも とても良くみえるが、この双眼鏡でも淡く存在が確認できた。使用している星図はポケット版で、左手で持って視野に合わせて回転させて見れるので、実に具合が良い。


Roger W. Sinnott  Sky & Telescope's Pocket Sky Atlas

 続いて、隣のはくちょう座へ。毎年見ていても、幾度見ても、やっぱりアルビレオ*は美しい。小型屈折望遠鏡ならではだ。さて、笠井Super Nebula Filter HT を装着して近辺を流してみた。北アメリカ星雲や網状星雲を一網打尽にしたかったのだが、流石にこの空では無理であった。夏に暗い空で是非楽しみたい。

  *130cmの口径を誇る、とある地方の天文台を 新幹線+宿泊 で見学に行った事がある。観望会を大変楽しみにしていたが、「今日の観望会は、アルビレオです。」と言われて、倒れそうになった。遠方からわざわざ見に来たので、せめて何かメシエ天体(球状星団)でも見せて欲しい、とお願いしたら、後で導入して見せてくれたが、それでもM33は痕跡すら見えず、おおいに失望してしまった。 同じ反射望遠鏡だが、これなら横浜の空で Orion 300mm で見た方が、もっとよく見える し、アルビレオなら、3万円以下で売られている、ミニボーグ50天体セットの方が美しい。

  郊外とはいえ、望遠鏡のドームに近隣を走る車のライトが反射するような市内に、どうしてこんな大口径の望遠鏡を設置したのだろうか。何も知らない人は、こんな巨大な望遠鏡で、やっと “アルビレオ” が見える、なんて思ってしまうだろう。天文を身近に普及させるなら、6〜13cmの屈折望遠鏡や大型双眼鏡を沢山購入して自由に見せたほうが、何百倍も価値がある し、市街地なら130cmよりもっと良く見える。大口径望遠鏡の予算があったら、望遠鏡は、せいぜい40cm程度にして、あとは貸し出し用望遠鏡、残りはソフト(夜中まで貸し出しをさせるための人件費等)に当てれば、どんなに良かったであろう。コンサート・ホール乱立しかり、ソフト不在の建物行政の幼稚なコンセプトにはうんざりだ。 維持費の事は考えないのだろうか? 競うのは大きさではなく、中身であり、その意味で、県立ぐんま天文台は立派だと思う。

 次に、ヘルクレス座を訪れた。肉眼では星座の存在すらわからないが、この双眼鏡では、M13が一緒に見える。これが理想だ。星座がしっかり追え、その中に、星雲・星団が星図のように見える、というのがこの双眼鏡の真骨頂であろう。暗い空では、いったいどう見える のだろうか? 梅雨明けが待ち遠しい。

 傾きかけたアークトゥールスはきれいだ。銀ミラーなので、赤色が減色しない。他にもいくつか星座を訪れたが、所用のため、この日は0時で時間切れとなった。

 ちなみに、木星。拡大すると、縞模様が認識できるが、焦点距離の短い この双眼鏡 は、超広角双眼鏡としての使用が主、と割り切っているので、このような使い方は考えていない。対物レンズは、BORG の57mm規格なので、45ED でも60ED でも装着できる。そうすれば、小型のEMS望遠鏡として、惑星や地上風景も、さらに素晴らしくなるだろう。Baader からMulti Purpose Vario-Finder 10x60 というのも出ているので、これを流用したら、どんなものなるのか、興味は尽きない。でも、BORG さん、口径50〜60mm、焦点距離250mm以下のアポクロマート・レンズを出してください!

 池田さんの超広角双眼鏡とも比較して見た。やはりシンプルなので像のヌケが良 く、実視界12°なので、さらに広大な像で、しかも周辺の像の乱れが少ない。流石である。ただし、この原形モデルは、少々重いのと、上下逆転像なので、私には使いにくい。EWV 32mm を使って超広角双眼鏡を作るのを最初に考えたのは池田さんで、その柔軟でユニークは発想に敬意を表したい。

  

像面歪曲は改善できるか? (2010年9月)

  今年(2010年)の夏は、天文と縁が薄い。ほとんどが音楽関係で予定がビッチリ。少ないチャンスは、ことごとく天候に潰されている。自分で忙しくしているので自業自得なのだけれど、やはり1ヶ月以上も星と遠ざかると、焦ってくる。という訳で、この双眼鏡も活躍していない。

 しかし、周辺像の乱れはどうも気になる。超広角、と自慢してはみたものの、このままでは、実質、実視界9°ではないか、等と叱責されてしまいそうだ。ピント操作で周辺像は改善するので(広角・低倍率ゆえ、中心と周辺では焦点距離が異なってくる)、主な原因は像面歪曲のようだ。

 Vixen から、コマ・コレクター3が出ていて、これをEWV 32mm に装着したら、改善するかな?と漠然と考え、試してみた。EWV 32mm の2"バレルにはレンズが入っておらず、簡単に外せる。そして、コマ・コレクター3のネジ径が同じで、そのままピッタリ入る。ただし、外径は若干太くなるので、このままではアイピース・ホルダーには入らない。

  

 さて、覗いてみると...? 若干改善が見られるが、像面歪曲は消失しない。地上風景では、像の平面性が保たれなくなっている。残念だが、もう1つ購入して双眼で使う程ではなかった。まあ、当然といえば当然の結果なのだけれど、どうしても実際に試してみたかったので、仕方が無いところだ。超広角で周辺像もキッチリ、となると、やはり対物・接眼ともに専用の光学設計が必要なのだろうか。このままでは、普通の小型EMS望遠鏡になってしまうので(これでも十分だけど)、さらにチャレンジしたい。

  

アイピースをEWO 40mmへ! (2010年10月)

 像面歪曲をどうするか考えていたら、手持ちのEWO 40mm の存在を忘れているのに気づいた。このアイピースだと、有効最低倍率以下になってしまうし、見掛け視界も、EWV 32mm の85°に対し69°と狭く、実視界も11°と大差無いので、眼中に無かった。しかし、無理に見掛け視界を広くしていないので、像面歪曲は改善されるはずである。

 さっそく覗いてみた。今まで何をやっていたのだろう! 随分改善されているではないか!! Ethos なんかに慣れていて、すっかり広角ボケになってしまった自分を反省した。再度、アイピースとの関係をまとめてみた。

  口径 f 焦点距離 倍率 実視界 見掛視界 アイ・レリーフ 射出瞳径
 

50mm

5

250mm          
EWO     40mm 6.3 11° 69° 20mm 8mm*
EWV     32mm 7.8 10.9° 85° 20mm 6.4mm
Ethos     17mm 14.7 6.8° 100° 15mm 3.4mm
Ethos     13mm 19.2 5.2° 100° 15mm 2.6mm
Ethos     8mm 31.3 3.2° 100° 15mm 1.6mm
Ethos     3.7mm 69 1.44° 110° 15mm 0.7mm
Nagler Zoom     4mm 62.5 0.8° 50° 10mm 0.8mm
    2mm 125 0.4° 50° 10mm 0.4mm

EWOで超広角双眼鏡。それ以上で、小型EMS-Bino!

 *EWO 40mm で倍率は、6.3倍、実視界11°だが、冒頭に記した通り、有効最低倍率は7.1倍なので、口径は射出瞳径(7mm)×倍率 = 43.8mmとなる。しかし、覗いてみると、実に良い! ただし重心が随分上ずるので、アイピース・ホルダーをカットしてもらうことにした。 

 

EMS対空双眼鏡 Part. 2

超広角!倍率可変で星空散歩

公開:2010年10月9日〜
更新:2012年3月9日 *Bino Checkerでチェック -追記 を追加。

口径:50mm 倍率:6.3× 実視界:11° 見掛け視界:69° アイ・レリーフ:20mm 射出瞳径:8mm*

  

アイピースをEWO 40mmへ

 EWV 32mm倍率:7.8×、実視界:10.9°、見掛け視界:85°などと喜んでいたが、どうにも像面歪曲が気になってしまう。これでは、超広角双眼鏡、等と威張れない。サントリー・ホールでブレハッチのマズルカを聴いている時、手持ちのEWO 40mm の存在を忘れているのに気がついた。このアイピースだと、有効最低倍率以下になってしまうし、見掛け視界も、EWV 32mm の85°に対し69°と狭く、実視界も11°と大差無いので、眼中に無かった。しかし、無理に見掛け視界を広くしていないので、像面歪曲は改善されるはずである。

 さっそく覗いてみた。今まで何をやっていたのだろう! 随分改善されているではないか!! Ethos なんかに慣れていて、すっかり広角ボケになってしまった自分を反省した。再度、アイピースとの関係をまとめてみた。

  口径 f 焦点距離 倍率 実視界 見掛視界 アイ・レリーフ 射出瞳径
 

50mm

5

250mm          
EWO     40mm 6.3 11° 69° 20mm 8mm*
EWV     32mm 7.8 10.9° 85° 20mm 6.4mm
NAV-HW     17mm 14.7 6.8° 102° 16mm 3.4mm
Docter UWA     12.5mm 20 4.2° 84° 18mm 2.5mm
Ethos     8mm 31.3 3.2° 100° 15mm 1.6mm
Ethos     3.7mm 69 1.4° 110° 15mm 0.7mm
Nagler Zoom     4mm 62.5 0.8° 50° 10mm 0.8mm
    2mm 125 0.4° 50° 10mm 0.4mm

EWOで超広角双眼鏡。それ以上で、小型EMS-Bino!

 実際に覗いてみると、実に良い! ただし重心が随分上ずるので(おまけに不恰好)、さっそく全長44mmのアイピース・ホルダーを作ってもらった。これで、EWO 40mm で超広角双眼鏡、全長58mmの従来のアイピース・ホルダーを使えば、小型EMS-Bino となる。

 *EWO 40mm で倍率は、6.3倍、実視界11°だが、最低有効倍率(口径÷7は7.1倍なので、口径は射出瞳径(7mm)×倍率 = 43.8mmとなる。しかし、双眼鏡のところでも触れたが、射出瞳径は個人差が大きく、7mmとは限らない。仮に8mmの人なら、口径は50mmとなる。
 ここで、製作者の松本氏のコメントを掲載したい。

 仮に観察者の瞳孔径より大きな射出瞳径であっても、微振動する観察者の瞳孔を常に射出瞳内に包含してくれるという大きなメリットがありますね。むしろ、「瞳孔径=just(光学系の)射出瞳径」では、観察眼の微振動(や眼球の回旋)によって、常に実効の射出瞳はケラれていて、最大瞳を利用していないと思います。

 私も、7mmより大きい射出瞳径は無駄ではないと思う。ただし、空を選ぶ。都会では性能を存分に発揮するのは難しいだろう。

  

ファインダーを取り付けた

  超広角双眼鏡に、何でファインダーか? 使ってみて意外だったのは、上方向は、意外と狙いから外れてしまうことだった。そこで、以前購入していたWilliam Optics の6×30 正立ファインダーを取り付けてみる事にした。いろいろ考えたが、APM-BinoSkyScout の取り付け用に用意したETSMI ボールヘッド・シューを使う事にした。やはり、APM-Bino では、SkyScout は装着して使わない。

 ファインダーのバッテリー取り付け穴は1/4インチのカメラ・ネジなので、そのままボールヘッドに装着。問題は、これをどこに取り付けるかだ。あれこれ考えたが、ビデオ雲台のレバー取り付け用のネジ穴を利用する方法にした。ここに1/4インチのネジが1回転半〜2回転位入る。そこで、手持ちのネジを切断し、双方に入れ込んで固定した。

 もともと双眼鏡が広角なので、ファインダー合わせも気楽だ。さっそく木星でキャリブレーション。正立ファインダーは実に使いやすい。これでますます完成に近づいた! 晴天が待ち遠しい。

  

カヴァー

 

  文房具屋さんにとてもデザインの良い小風呂敷があったので、何かに使おうと思って購入(\525)した。おお、そうだ、EMS 双眼鏡のカヴァーにしよう! という訳でこうなった。別にサイトで紹介するまでもないかもしれないが、アイピースが目幅ぎりぎりでアイピース付属の接眼キャップが使えないので、カヴァーは必要。

  *さて、天候にも恵まれず星を見るチャンスも少ない状態が続いているが、11月に催される双望会に、この双眼鏡を持っていく予定である。広角を優先すると、射出瞳径が大きくなり、かえって微光星が見えにくくなるし、射出瞳径を小さくとると、広角にはならない。両立は、難しい。暗い空で定評のある双望会の会場で、どの位見えるのか、楽しみである。

  

その後

  観望に出かける時は、いつもお供している。はくちょう座なら、笠井のスーパーネビュラーフィルターHT を装着すると、星図の通り北アメリカ星雲や網状星雲が見えるし、ぎょしゃ座に向けると、同一視野に、M38M36M37 が見え、なかなか良い。大口径で見るのとは真逆の嗜好だけれど、何だか星座を把握しているみたいで、これはこれで一つの世界、乙なものだ。星雲・星団・銀河を追うのに疲れた時、このBino でみると、ちょっとほっとする。
 この
Bino の地上風景も面白い。近景を見ると、超立体3Dで、パナソニックが行き詰って無理やり普及させている3Dテレビ(他のメーカーも仕方なしに追従。そんな事より、ちゃんとしたテレビを作りなさい!!)なんかより、ずっと面白い。この双眼鏡の面白さは、実際に覗かないとわからないかもしれない。 「もし機会がありましたら、是非お気軽に声を掛け、そして覗いて見て下さい。」
  

その後・追加(2011年5月)

  西オーストラリアに持って行きました。こちらをご覧下さい。

  

ファインダーを交換しました(2011年7月10日)

  関東地方は早くも梅雨明け。急に空がクリアになった。月齢9.0なので、観望へ出かけるのは再来週か。

 さて、90°対角だと、どこを向いているのか今一把握できない時があったので上のようなファインダーを取り付けたが、実視野が広い訳ではなく、また、ネジの径も合致している訳ではなかったので、程なくして外していた。High Lander のファインダーを交換し、Vixen XYスポット・ファインダーが余っていたのを思い出したので、これを取り付ける事にした。取り付けには、Hobby's World 社のショート・プレート ¥363を使った。ミニ雲台は今までのものを流用。位置の関係から、今度は右側に取り付けた。


Hobby's World 社のショート・プレート

 

 要は向いている方向がわかれば良いので、こちらが正解。さらに使いよくなった。 ちなみに、双眼鏡本体重量(アイピースも含む)は、2.6s、ヘッド部(ファインダーも含む)は、1.2s、三脚は1.8s。つまり、総重量は5.6sで、架台が3sという事になる。最近のカーボン三脚や軽量ヘッドを使えば、1.5sはダイエット可能だ。

  

専用ケース(2011年10月6日)

  いつも観望にお供するが、持ち運びは、プチプチに包んで、さらに双眼鏡に被せているカヴァーで風呂敷のように包んで車に載せて運んでいた。しかし、専用ケースがあるに越した事は無い。という訳で、ヨドバシ・カメラにて適当なものを探した。できるだけ軽量で、なおかつちょうど良いものを見つけるのは難航したが、アイピースを外して収納すれば、ほぼ丁度良く収まるものを見つけた。Foxrire 製のもので、これだとソフト・ケースなのにフレームがしっかりしていて、大切な双眼鏡が保護できる。

   

 収納は、まずアイピースを外し、それぞれにキャップをはめる。カメラ・ケースには中仕切りがあるので、これを双眼鏡の幅に合わせて装着する。ファインダーを外せばもっとコンパクトに収納できるが、毎回組み立てるのは面倒なので、そのまま収納できるようにした。双眼鏡を入れたら、 中仕切りのフタを降ろし、クッションにする。

 アイピースの収納は、両側に付いているポケットに入れるようにした。これで安心して運搬できる。

  

この双眼鏡での皆既月食は物凄い! (2011年12月11日)


自宅(横浜)屋上で撮影。天体写真は絶対撮らないぞ、と意地を張っているが、一応三脚を立てて撮ってみた。というのも、冬空オールスターズがバックの皆既月食ですから。
中央にオリオン座、月の右下がヒアデス、右上がプレアデス。実際にはもっと良く写っているが、縮小して掲載すると、随分情報が減るもんだ。
天体写真はど素人だし、手抜きなので、こんな写真でご勘弁を。

 12月10日(土)は、皆既月食、久々の好条件。しっかり見るのは2000年7月、富士山・新五合目以来だ。皆既月食そのものは、晴れていればどこでも見れるけれど、皆既の時、満天の星空に赤銅色の月が輝くと、荘厳さは全く別次元だ。だから暗い空の方が断然良い。今回は週末、また、予報では天城高原は快晴、という事もあって、遠征を予定していた。 しかし直前の予報では、どうも曇りそうな気配。さんざん迷ったが、結局安全策をとり、自宅観望となった。双眼望遠鏡、そしてこの双眼鏡を手にして始めての皆既月食だったので、気合は入っていたのだが...

 空が明るいので、皆既月食での満天の星空は望めない。しかし、屋上に、この双眼鏡とAPM/LZOS BinoHigh Landerを並べて観望した。当初、快晴。しかし、8時半を過ぎて半影食が始まる頃から薄雲に覆われてきた。これでは明るさの変化がわからない。しばらく様子見。ところが、部分食が始まる頃から、スキッと雲が消えていった。 月の明るさは、明らかに落ちている。満月を望遠鏡で見ても、眩しいだけでのっぺりとしていて面白くないが、部分食が始まってくると、俄然おもしろくなってくる。双眼望遠鏡で見ると、立体感が徐々に増してくるのだ。食もだいぶ進んで行くと、徐々に月が赤みを帯びてくる。すると、今まで見えなかった星が急に見え出してくる。月は星に囲まれ、実に不思議な光景だ。月は赤銅色で、立体的な球体。その影の右側から、星が昇ってくる! 皆既月食でもあり、掩蔽(星食)でもある。こんな微細な星が月から顔をだしてくるなんて、この時しか見れない。しばらくすると、また星が顔を出してきた。皆既日食の時は血が逆流するが、双眼望遠鏡で見る皆既月食は、同じように大興奮だ。満天の星空でないけれど、双眼望遠鏡の威力がしっかり補ってくれた。

 とにかく絶景だったのが、このEMS対空双眼鏡。月とその周囲の星のバランスが絶妙! とにかくうっとりする程美しい。超広角である事と、三脚固定で天頂も見やすい事が、絶大な効果を発揮していた。手持ちの双眼鏡では、全く望めない世界だ。という訳で、家族で3台をとっかえひっかえ飽きずに楽しんだ。


携帯でコリメート撮影

 長女が、携帯を 双眼望遠鏡のアイピースにくっつけて撮り出した。何と実に良く写っているではないか。まねしてiPhone で撮ってみたが、なかなか難しい。結局、彼女の写真がベストだった。その写真がこれ。携帯電話で手持ちコリメート撮影、何とも凄い時代になったものだ。再び月が明るさを取り戻し、星が姿を消して行く。結局、ほぼ最後まで見届けた。

 それにしても、双眼望遠鏡、EMS対空双眼鏡の皆既月食は凄い! 本当に美しい..... あらためて、製作者の松本さんに感謝!
次は3年後、2014年。楽しみだ。

  

Bino Checkerでチェックしてみました (2012年3月3日)

 Bino Checker が発売された。詳細はこちらに書いてあるが、やはり実際に見てみないと、今一実感がつかめない。人間の眼は片目だけ上下方向へは動かせないので垂直方向の光軸調整は容易だが、水平方向は輻輳が働くので、至近距離や無限遠を交互に見ていたりすると、いつの間にか、水平方向の光軸調整ノブが定位置からずれた位置で見ている場合もある。という訳で、実際に手にしてチェックしてみる事にした。

 
*1 1/4アイピース・ホルダーのアイピース固定ネジの位置が左右異なっていますが、これは突貫撮影のためで、ふだんはきちんと左右統一された位置で使用しています。
光軸の再現性の点から、アイピース固定ネジを常時左右対称の位置にしておくのは、大切な事です。

 原理は、十字線入りアイピースが同じ条件で左右の望遠鏡に挿入され、その像の違いをチェックする、というもの。 アイピースは、焦点距離20mm、見掛け視界41°、との事。このBinoの場合、12.5倍、実視野3.28°、射出瞳径4.0mmとなる。

 アイピースの十字線は正確にセンターが出ている訳ではないので、ただ挿入しただけでは、左右の像のズレなのか、十字線のズレなのかは判断できない。Bino Checkerのプレートに、アイピースが正確に同位置に挿入・固定できるミソがある(アイピースの手前のノッチが、左右どちらも手前にあるのに注意)。

 まず、Bino Checkerの眼幅を指定・調整する*。私の場合は64mm。これがそのままBinoに入れば、Binoの眼幅が正確に合っている事になる。Binoの幅が 自分の眼幅より広い場合は見えないので、その心配はほとんど無いが、少々狭くなっている場合は、輻輳で水平方向の光軸を合わせて見ている可能性がある。

 *2012年3月9日 追記

 この方法だと、双眼望遠鏡とBino Checkerの眼幅が正確に一致していない場合、Bino Checkerが装着された時にアイピースを受けるスリーヴが若干傾いてしまい(内側に狭くなるか、外側に広がる)、見かけ上、光軸のズレや像の倒れ込み等を起こしてしまう可能性がある事がわかった。従って、眼幅指定ネジを緩めた状態でBino Checkerを装着し、眼幅が目的の数値になるように双眼望遠鏡の眼幅調整をするようにするのが良いようだ。
 また、アイピースの太さが眼幅と同等位の場合、眼幅が少しだけ狭い場合には、同様にアイピースを受けるスリーヴが若干若干外側に傾き、、光軸が正確に出ていない可能性も考えられたので、注意!

 無限遠の天体でチェックするのが理想だが、日周運動があるので、アイピースをすばやく交換してチェックしないと、ターゲットが動いてしまい、何をチェックしているかわからなくなってしまう。また、アイピースの交換の時には、Binoが動かないように慎重に行わなければならない。という訳で、まず、いつも光学系のチェックに使っている700m先の鉄塔で試してみた。

 目標の目印を左右とも十字線に合わせてチェックすれば良いのだが、それは無限遠の場合。700m先の鉄塔などの場合には、左右の鏡筒の目標は、鏡筒の幅の分だけ広げなければならない。すなわち、左側の鏡筒で、鉄塔の角に十字線を合わせた場合、右側の鏡筒は、その角より鏡筒の幅の分だけ右側に移動した点が目標となる。 ただし、この双眼鏡の場合は、同じ目標でも、ほとんど問題は無さそうだ(誤差の範囲)。

 チェックしてみ たら、像の倒れ込みが認められた! 低倍で流す事が多かったので、あまり気にも留めていなかったが、冷静に記憶を辿ってみると、皆既月食の時、周辺で星像がずれていたのを思い出した。この双眼鏡は、以前はケースに入れずそのまま移動して運搬していたので、それが災いしたのかもしれない。ちなみに、水平方向の光軸ノブを90°位回して見てみると、像が大幅にずれているのに驚いた。しかし、人間の眼は水平方向への調整能力は抜群なので、それでも輻輳して見る事ができる。その意味でも、客観的な調整器具として、このBino Checkerは極めて有用だ。

 像の倒れこみの調整は、こちらを参照。ちょっと今は多忙で手付かずだが、近日中に調整予定。

 収納は、プチプチの袋へ入れ、さらに国際光器のおまけで付いてきたポーチへ入れた。ちなみに、EMS望遠鏡のチェックはこちらへ。こちらは、 特に問題は無く、安心したが、自分の眼が斜位気味であるのが教えられた。勉強になるなあ〜! 

     続く.....!

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* 現在は、アームは左側に装着しています。
 

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