現場日記18【昼寝】
弁当を食べた後は昼寝する。クルマの中、ベンチ、芝生、地べた、その他どこにでも寝る。
春、木の根元にダンボール敷いて、枝葉の向こうの空を見ながら寝る。青葉若葉の風のさやぎ。鳥のさえずり。流れる花びら…。
夏。できるだけ影の濃い場所にねぐらを探す。やぶ蚊のいない、風通しのよい場所。陽の移動でねぐらはあっというまに炙られる。その距離を計算して寝に入る。
秋、陽だまりが恋しくなる。夏とは反対に、できるだけ長く日が差す芝生のような場所を選ぶ。高くなる空。果実の香り。
冬はもっぱら車の中で寝る。フロントガラスに日差しを入れて。シートに身体を折りたたんで。穴熊のように自分の寝息を聞きながらねる。
どこで寝ようが不思議なことに1時5分前になると目がさめる。他の職人もそうだ。目覚めたときは大抵、ここがどこかわからない。わずか20分ほどだが熟睡している。
昼寝をすると日が新しくなったような身体になる。その身体でまた午後の仕事に精を出す。
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