現場日記12【師走】
11月から殆ど休んでいない。年末は植木屋の稼ぎ時だけれど今年は異常だ。営業や女専務が師走にマンションなどの植栽仕事を無計画に入れてこんなことになった。長年のお得意の個人邸がしわ寄せを喰う。儲けは少なくても旦那と直接やりとりしてお庭を眺めながら渋茶すする職人仕事の方がいいに決まっている。もみじ。初冬の日差し。高い木の上で背中に陽を浴び、枝葉の気持ち、水星にあたり、金星にあたり、地球のこちら側をのっぺりと、そして火星へ逃れ、EGO-WRAPPIN'. 日の採集。日は採集されるものではなく、濃く淡く染付いたものだった。花の落ちた金木犀を刈り込む。中に手を突っ込み、からみ枝を剪み取る。手のあかぎれ。山茶花は花盛り。椿は蕾でいっぱいだ。
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