灼けつく夏が終われば 視えない空が降りてくる 虫の日のつぎめにも 風は入る わけのわからぬ日々を 風のなかにしまい込んで おれは子どものように眠ってしまおうか このまま自分を失くして 海や空にさらわれようか 草の葉をひたいに胸に あてても痛みは止まらない とおい傷を雨にぬらせば 母をも一度やりなおせる? 灼けつく夏が終わったら あたらしい過酷が降りてくる 視えなかったものが胸に届くと もう戻れない