るーとらの秘密基地
松吉
■詩集『日の採集』
●ぼくと話そう
●風にふかれていた
●挨拶した
●五月
●言葉が焼ける
●行商
●勝負しようぜ
●ボス!
●ビールを飲もう
●愛しあってるかい
●いちにち 1
●いちにち 2
●いちにち 3
●日の底で
●(hahaha)
●夏が終われば
●洗濯
●ごめんよ
●夢の方まで
●挨拶
●プラットフォームで
■日のすきま
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■詩集『ひまわり』
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■くうくう!
■MK対話

五月

みずいろの植物と乳房を
手のひらにのせ ぼくは魚のように
空に吸いついた


鏡のなかの海のかなたにみえる
ひとの島
遠くなってしまったけれどさみしくない
たのしく風と距離を腰につけ
立っている土地だけゆくことにしよう


五月は水の街
象やキリンやシマウマが
まっすぐな眼で
地平線をみている
あそこにうすく立っているのが
ぼくらの鏡だよ


鏡はさみしいかい そんな
言葉は知らない
ぼくらはただここで
草をはみ朽ちてゆくんだ


牛たちが静かにうなづいた
夕暮れには
しんみり寝床をつくる
川のせせらぎのもとで
今日を死に
明日に消える


みずいろの五月を
手のひらにのせ ぼくは魚のように
空に吸いついた