とり市」、「しばらく」、「珈琲美美」、「ジャミン・カー」(2001.3.18記)
 福岡赴任の翌々日に早速食べ歩き。北京時代の友と室見河畔へ。白地に墨で「白魚」と書いた旗がひらひらと揺れる料理屋「とり市」。有名な「三四郎」とは兄弟店だ。予約をしていなかったので、大部屋に通されるが、無理を言って川の見える縁側近くに席を作ってもらう。水鳥が休んでいるのが見える。「白魚コース」(3000円)を頼む。まずは、菜と烏賊のぬた。そして「白魚の躍り食い」。浅めの皿に40匹ほどがせっかちに泳いでいる。網ですくって、ウズラ卵とポン酢を入れた器に放す。びっくりしてピチピチと跳ね、汁が少しこぼれるのがやっかい、口に運ぶのはもっとやっかい。慣れが必要だ。かんじゃいけない、飲むんだと思って飲んだけど、なんだろう、これじゃそうめんと同じじゃん。でも、気づいた。白魚のぬめり。かすかに川の香りがし、濃厚な卵とさわやかなポン酢と混ざり合って、これはやっぱり料理だ。口の中で白魚が身をよじる、舌にぬめりが移る、味がする。うまい。その後は、かき揚げ、やな川、もずく、吸い物、茶わん蒸し、白魚めし。かき揚げは三つ葉・牛蒡・人参とともに揚げてあり、浅瀬に群をなして泳ぐような姿。最後に出た白菜の漬け物に至るまで、丁寧な作り。良い店だ。
 これでは物足りないと、西新のラーメン屋「しばらく」へ。一杯430円ぐらい。驚き!の味。紅生姜が欠かせない。ゴマとともに、こってりとした汁を口に誘う誘導材になっている。だからするすると入るのか。美味かった。
 だめ押しに道ばたで売っていた「くるみ饅頭」(100円)を頬張る。そんなに美味くない。でも満足。
 腹ごなしをしようということで、場所を変え中央区今泉の珈琲屋「珈琲美美」(こーひーびみ)に行った。落ち着いた静かな店。店員それぞれが調和のあるリズムの中で静かに仕事をしている。まずは、かち割り氷で冷やした水が出た。こんなに凝った水の出し方をしたのは初めて見た。頼んだモカベースのブレンド「吟味」は一杯600円。豆を100グラムとり、悪い豆があると一粒一粒取り出してからミルをする。きっちり一杯だけを入れて出してくれる。立ち上る甘い芳ばしい香り。飲み後にはまた別種の香りが残る。いいねえ。
 さて、夕飯は中央区大名のエスニック料理「ジャミン・カー」。冷やしチャイ、グリーンパパイヤのサラダ、鶏を香草で巻いて揚げたモノ。トムヤムもつなべ(辛っい)、焼きめし、ココナッツカレー風米麺、ベトナムコーヒー、タピオカとマンゴーのココナッツデザート。しめて1人4000円。辛くするため(福岡人は辛さに弱いので本来は全然辛くない)に、唐辛子をじゃんじゃん入れたので、汗だらだら。風も吹っ飛びそうで気持ちよかった。味はまあまあ、雰囲気はいい。でも後味すっきりで嬉しい。


これまでの「美味しかった記」

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