「たいめいけん」(2001.1.9記)
1月7日、念願の洋食屋「たいめいけん」(東京・日本橋)に行った。すんごいうんまかったよう。学生時代の友達と行った。12時半ごろだったけど10人ばかりが行列を作っていて、「さすが東京」、「いくらおいしくても、なんで並ぶんだろう」と言いながら並んだ。
食べたのは、ビーフカツレツ(1850円、ライス付き)、芝えびのオムライス(1850円)、それに一椀50円!というボルシチ。二人でお皿を取り換えっこしながら食べた。
おばちゃんが運んできたとき「池波正太郎が書いたあのビーフカツレツ!」と思った。皿にはドデンと厚みのあるカツレツが、濃厚なブラン色のソースの上にのっかている。周りにはポテトが3つ、絹サヤ3つ、コロンと大きいにんじん2つ。「ああ、これが念願の」。ころもはふんわり・さっくり。ころもをはがさないように気をつけながらナイフを入れると、赤みの残った断面が見える「うまそう」。たっぷりとソースをつけて口へ。
さっくりと噛む。ふわああっと広がる肉の香り。赤身にある肉本来の香りにむせぶ。このすばらしい風味をソースが底辺からしっかりと支え、ころもはさくさくと、心地よい感触を伝えつづける。幸せ。
オムライスも格別。期待通りのとろけるようなたまご。ぷりっとしたえび。でも、期待以上だったのがたまごの中に点在するみじん切りのパセリ。ぴりっ、ぴりっと時たまはじけるような風味が飛び出し、アクセントになる、えびと合う。そして、トマトケチャップ(甘くないからトマトのソースか?)。甘味が極力抑えられ、さわやかな酸味がたまごにぴったり。余計にオムライスの甘味が引き立てられる。「ああ、こんなトマトケチャップに出会ったのは初めて」と思った。
歴史のある落ち着いた雰囲気。活気のある厨房とおばちゃん。こんな店が自分の職場の近くにあれば毎日通うのに。
(注)ボルシチは単品では注文できません。同様に50円のコールスローあり。食べたのは1階。2階はもっと高級だが、この日はお休み。
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