2008年7月の映画  戻る


ダークナイト
2008年米国 152分
監督・原案・脚本 クリストファー・ノーラン
原案 デヴィッド・S・ゴイヤー
脚本 ジョナサン・ノーラン
撮影 ウォーリー・フィスター
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード/ハンス・ジマー
キャスト クリスチャン・ベイル(ブルース/バットマン)/マイケル・ケイン(執事アルフレッド)/ヒース・レジャー(ジョーカー)/ゲイリー・オールドマン(ゴードン警部補)/アーロン・エッカート(デント検事)/マギー・ギレンホール(レイチェル)/モーガン・フリーマン(ルーシャス・フォックス)/エリック・ロバーツ/ウィリアム・フィクトナー
メモ 2008.7.29(火)晴れ 試写会・肥後橋リサイタルホール
あらすじ
ゴッサムシティでは、ジョーカーと名乗る怪盗がいけない事を色々しまくり、人心を恐怖に陥れていた。新任の地方検事のハーベイ・デント(アーロン・エッカート)は正義感に燃え人々を救う事を誓う。
感想
「メメント」「プレステージ」のクリストファー・ノーラン監督による「バットマン」シリーズ、「バットマン ビギンズ」に続く第二弾。
ジョーカーに扮したヒース・レジャーは1月に急死し遺作となる。
 
「ダークナイト」という名の通り画面全体暗くて、何が行われているのかよくわからん。民衆への情報伝達が単純で、ネットも何もない、いったいいつの時代の話やねんというお話が古くさい。ジョーカーがチンピラであほみたい。。。「ビギンズ」みたいなけれんみがない。華がない。少々眠たい。。。
 
と思って見ていた2時間やったけど、ラスト30分がよかった。泣いた赤鬼みたいなお話やったんか。
お薦め度★★★戻る

JUNO/ジュノ
インディペンデント・スピリット賞 第80回アカデミー賞脚本賞受賞
2007年米国 96分
監督 ジェイソン・ライトマン(「サンキュー・スモーキング」
脚本 ディアブロ・コディ
撮影 エリック・スティールバーグ
衣装デザイン モニク・プリュドム
音楽 マテオ・メッシーナ
キャスト:エレン・ペイジ(ジュノ)/マイケル・セラ(ポーリー)/オリヴィア・サールビー(ジュノの親友・リア)/J・K・シモンズ(マック・ジュノの父「スパイダーマン」の編集長)/アリソン・ジャネイ(ブレン・ジュノの義理の母)/ジェニファー・ガーナー(ヴァネッサ)/ジェイソン・ベイトマン(マーク)
メモ 2008.7.26(土)晴れ 心斎橋シネ・マート
あらすじ
ハイスクール2年生、16歳のジュノ(エレン・ペイジ)。それはあたし。パパがローマ神話にはまっていてジュノ(Juno、ユノ)って名前をつけたんだ。
事の起こりはこの椅子だった。「Sexually Active(性的に活発)」な女子でもなかったのに、何故かこの椅子に座っているポーリー・ブリーカー(マイケル・セラ)を見てると・・・・なんとなく・・・・。
でもってわけわからんうちに、妊娠検査薬の結果が「ピンクのプラス(十字架)」となってしまったわけ。
感想
今までの(というか日本の)ティーンエージャーの妊娠モノとは、ちょっと違うな。ジュノもパパも義理のママも、この非常事態にほとんどわめかない。そう、「世間体が悪い」という視点がないのだ。パパが大変だったジュノに「こんどはお前の子を産みに、この病院に来るんだ」という言葉にちょっと泣くかも。時計を修理するシーンでパパは、色々なものを大事にする人だとわかるし、「お腹の赤ちゃんにはツメが生えているの」というジュノの言葉に、「ツメが生えているの・・・」とネイルの店をやっているギリのママが、感情移入しだすところもよく出来ている。こまごましたところが良く出来ている。
 
ジュノは少し変わっていて、クールで過激なユーモアの持ち主にもかかわらず、争いごとは好まない。立ち居振る舞いよりもずっと知的で、素直なかわいい女の子だ。 また、はからずも精子を提供してしまったポーリー・ブリーカーはアスリートで毎日毎日地道に走っている。勉強の予習復習も欠かさず大学に進学するつもりだ。ギターも大好きな上、寡黙で優しい。老成しているかのようだが、確かに魅力的だな。この若いふたりの誠実さがいい。
 
明るい前向きな登場人物が多くて、「どんな時でも、なんとかなるやん」と感じさせる力を持った映画だった。ジュノの若さに触れ、自分を取り戻したのか、はたまた中年の危機に陥ったのかマーク(赤ちゃんの将来のパパのはずだった人)。この人の闇が、お話に深みを添えていると思う。将来の事はわからない。今を生きなきゃ、と思う。
オススメ度★★★★★戻る

イースタン・プロミス
2008年 米国 125分
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
脚本 スティーヴ・ナイト「堕天使のパスポート
撮影 ピーター・サシツキー
音楽 ハワード・ショア
キャスト:ヴィゴ・モーテンセン(ニコライ)/ナオミ・ワッツ(アンナ 「ステイ」「21グラム」)/ヴァンサン・カッセル(キリル 「リード・マイ・リップス」)/アーミン・ミューラー=スタール(セミオン「ミュージックボックス」「シャイン」「13F」)/シニード・キューザック(アンナの母・ヘレン ジェレミー・アイアンズの妻)/イエジー・スコリモフスキー(アンナの叔父・ステパン)
メモ 2008.7.6(土)晴れ 梅田シネ・リーヴス
あらすじ
助産婦のアンナ(ナオミ・ワッツ)が働く病院にひとりの少女が担ぎこまれる。身元不明の少女は女の子を産むが、母体は衰弱して助からなかった。残されたバッグの中には日記帳があり、ロシア語で綴られていた。アンナはロシア人の父とイギリス人の母を持ちハーフであるが、ロシア語がわからない。頑固な叔父に翻訳を頼むが、KGBの手伝いをしていた叔父は危険をかぎとり「そっとしておけ」と非協力な様子。しかたなくアンナは、日記にはさまれていたカードの「トランスシベリアン」というロシアン・レストランを訪ねる。そこのオーナーはセミオン(アーミン・ミューラー=スタール)という人当たりのよさげなおじさんだった。少女の事はとんと見当がつかないけど、日記は翻訳してあげようと言う。
感想
ヒストリー・オブ・バイオレンス」に続く、好みの監督と好みの役者の映画第二弾。 密かに心から喜ばしい。
 
「イースタン・プロミス」はヨーロッパの東・東欧での約束。「良い暮らしができるから」と言って若い娘を誘うイギリスにおける東欧組織による人身売買の事を指すらしい。
 
あらためて
ヴィゴ・モーテンセンに驚! ヴィゴ・モーテンセンのヌードに驚!
 
  ヴィゴ・モーテンセンの刺青に驚!。
 
命を世に誕生させる職業の女と奪う職業の男。何を好き好んでか運命か、闇の世界で孤独に生きる男が、明るい地上の世の女と交差する一瞬がきれいでせつない。
「必要かつ十分な」ストイックな作りの上、暗い余韻を残す映画だったな。
 
<あまり>
この間TVをつけたらヴィゴ・モーテンセンのインタビューが映っていた。オリバー・ストーン監督の映画「プラトーン」でウィレム・デフォー役のオファーがあって、半年間役作りをしたがxだったという話だった。へー。「半年間の役作り」。ほぉー。うちは生まれ変われたら、才能のある役者になれたらいいのになぁと思った一瞬であった。
お気に入り度★★★★★戻る