2006年11月の映画  戻る


サンキュー・スモーキング
2006年 米国 93分 日本語版字幕:松浦美奈
監督・脚本 ジェイソン・ライトマン
原作 クリストファー・バックリー(「ニコチン・ウォーズ」創元推理文庫)
撮影 ジェームズ・ウィテカー
キャスト アーロン・エッカート(ニック・ネイラー)/キャメロン・ブライト(息子ジョーイ・ネイラー「X−MEN・ファイナルディシジョン」)/ウィリアム・H・メイシー(フィニスター上院議員)/マリア・ベロ(アルコール業界ポリー「ヒストリー・オブ・バイオレンス」)/デヴィット・コークナー(銃製造業界ボビー)/サム・エリオット(マルボロマン)/ケイト・ホームズ(ヘザー「エイプリルの七面鳥」)/ロブ・ロウ(ハリウッドのエージェント・ジェフ)/J・K・シモンズ(ニックの上司BR「スパイダーマン」)/ロバート・デュバル(タバコ業界の大物ザ・キャプテン)/アダム・ブロディ(ロブロウのアシスタント・ジャック)
メモ 2006.11.22(水)晴れ OS名画座
あらすじ
わたくしニックはタバコ業界のロビイスト集団「タバコ研究アカデミー」の広報部長。日陰者、世間様の嫌われ者。討論会ではいつも吊るし上げられそうになるが、そこはこの誠実そうな容貌と声、よく回る舌でスピニング(情報操作)。タバコを吸っていて肺がんになった少年に「我々は少年が亡くなったら顧客を失う。彼の死を願ってはいない。彼の死を願っているのは保険厚生省。予算が増えるから」などと言っては焦点をずらし、煙に巻くのが仕事だ。やましさ一切なし!。友人はふたりしかいない。アルコール業界のPR係のポリーと銃製造業会のPR係のボビーだ。3人で”死の商人”(Merchant of Death)、通称MOD(モッズ)特捜隊を編成している。一日1200人のアメリカ人を殺すタバコ業界がピカ一。MODの中では肩身が広いってもんよ。3人ともなにが嬉しくってこんな仕事してるかわからんが。まあこれも一種の反骨精神。
もっかの敵は嫌煙活動家のフィニスター上院議員。タバコのパッケージに特大のドクロマークを付ける法案を通そうとしている。なんてご無体な。そんなことをされた日にゃタバコが売れなくなるじゃん。ここはひとつ映画の中でハリウッドスターに盛大に吸ってもらわなきゃとハリウッドに飛ぶ。父親の仕事をみせとかなきゃと息子も連れて。
感想
パンチ力はないが皮肉に満ち満ちた映画であった。題材にインパクトはあるが映画にインパクトがないという所かな。まあ要するに幼稚園児やないんやから「タバコを吸うか吸わないか、アルコールを飲むか飲まないか、銃を持つか持たないか」は自分で決めろと言う事。
アメリカという国はレッドパージ(赤狩り)の時のように極端にヒステリックに走ってしまう所があるらしい。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いってやつね。タバコの煙が嫌い(嫌煙)だったのが、タバコ吸う人もタバコを作る人も嫌って排除していく。まあ煙の製造者ではある訳で元から絶たなきゃだめってやつかな。強制されること徒党を組むことが嫌いなウチにとっては共感できる話である。 (余談:ネクタイの柄に注目とか)
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2番目のキス FEVER PITCH
2005年 米国 103分 日本語版字幕:松浦美奈
監督 ピーター・ファレリー/ボビー・ファレリー
脚本 ローウェル・ガンツ/ババルー・マンデル
原作 ニック・ホーンビィ
撮影監督 マシュー・F・レオネッティASC
キャスト ドリュー・バリモア(リンジー)/ジミー・ファロン(ベン)/
メモ 2006.11.4(土)晴れ ビッグステップ・シネマート心斎橋
あらすじ
「ぼくのプレミア・ライフ」のアメリカ版リメイク。フットボールチーム「アーセナル」狂いの男は、ベースボールチーム「ボストン・レッドソックス」狂いのばかちんに変わっている。リミッターの外れた男。監督は「メリーに首ったけ」「キングピン/ストライクへの道」、「ふたりにクギづけ」のピーター&ボビー・ファレリー兄弟。
感想
「ぼくのプレミア・ライフ」って題もたいがいで気にいらへんかったけど (コリン・ファースのどこが ”ぼく” なのだ? だいたい大人の男の”ぼく”なんて言葉は聞きたくないっ!)、「2番目のキス」ってセンスもさっぱり?? どうやら「25年目のキス」(1998)、「50回目のファースト・キス」の数字つながりみたい。そして今まで人生順風満帆できた女の子の初めての”負け”も意味しているらしいんねんけどね。
負けた相手は「ファールって・・・・何?」のリンジーにとっては「たかが野球」。 しかし「されど野球」なのである。強敵である。教え子の小学生に恋の悩みを相談したベンが「『ボストン・レッドソックス』が先生を愛してくれるの?」と言われたのは強いボディブローだったな。 それでも離れられない「野球」なのである。
 
「君に23年も夢中になっているものがあるんかいっ?」とベンが言いはなった言葉に深く傷ついたリンジー。よくわかる(涙)。生き方そのものを否定されたようなもんだ。さぼてんはハハとかオットットから「『映画を観る』とか『本を読む』とかの趣味は何も生産しない(つまりインプットするばかりでアウトプットしないという事)」と言われて内心大爆発したもんな。「人の事はほっとけ」ですよ。趣味で「物を作る」のが偉いのか?上なのか? 趣味とか好みに上下はないん(・・・・・反社会的でなかったら)。
 
ドリュー・バリモアの足が速かったら、フィールドで逃げ回るシーンはもっとかっこよかったかも。あれがいっぱいいっぱいなんだな(笑)
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16ブロック 16Blocks
2006年 米国 101分 日本語版字幕:小寺陽子
監督 リチャード・ドナー「オーメン」
脚本 リチャード・ウェンク
撮影 グレン・マクファーソン,ASC
キャスト ブルース・ウィリス(ジャック)/モス・デフ(エディ)/デヴィッド・モース(フランク)
メモ 2006.11.1(水)晴れ 梅田ブルク
あらすじ
たそがれている刑事ジャック(ブルース・ウィリス)の徹夜明けの仕事は、囚人1を16ブロック離れた裁判所に10時までに連れて行く事。「初めてのお使い」みたいなご〜くちょろい仕事のはずだった。ところが囚人は狙われていたのよ。証言させたくない人たちが大勢いた訳。八方ふさがりの中、囚人とジャックはよれよれになりながら裁判所を目指す。
感想
ブルース・ウィリスよ・・・・・・「サンダーボルト」(クリント・イーストウッドの)に出ていたジェフリー・ルイス(ジュリエット・ルイスのパパ)かとおもた (**)。。
16ブロック(1.6キロ)の空間、118分の時間に凝縮されたアクション。3人の登場人物。そして短い時間で半端な男が変わっていく物語。