緊張を強いられる映画だったな・・・・最後はこれでもかっと美化されている。松子は自分の組み立てた
ばら色のストーリーに従って行動する。そこには「反省」 「学習能力」 「バランス感覚」 「相手の気持ちをおもんばかる」などという仔細な事はみじんもないっ!。 ひとり盛り上がり、ひとり盛り下がっていく。突進された
ケツのアナの器の小さなへなちょこ男連はその
ラブを受けとめる事ができず、、、、、逃げ出すのである。最後は「道」のジェルソミーナみたいになるんだな。
道具小道具音楽ひとつひとつ凝っていて完成された映画だ。松子と同じく
自分の世界にスタッフや役者を引き込んだ監督の手腕はすごいが、小道具と違いコマとなった生身の役者さんは大変だったろうと思われる。松子がタイトスカートで自転車たちこぎして土手の砂利道を疾走するシーン、大変やったんちゃうかな。中谷美紀の顔がどのシーンもずっと緊張していて、、、リラックスしていない。松子は子供の頃の小松子の姿を内包しなければならない。そのおもかげを観客にわからさなくてはならない。かなり難しそうだ・・・緊張した映画だったな。
この世には表の世界、裏の世界だけではなく中間の世界もあるんだな。AVや風俗でひとかどの者と認められてステータスを持ち高いマンションに住む人もいるんだ。松子と違い黒沢あすかはかしこくタフに生き抜く(優しげな声をした選んだ男の違い・・・としてあるのか)。