1998年12月の映画


ユー・ガット・メール You've Got M@il(メールが届いています)
米国 1998年 119分
監督・製作・脚本 ノーラ・エフロン(「恋人達の予感」「めぐり会えたら」)
撮影 ジョン・リンドリィ
美術 ダン・デイビス
音楽 ジョージ・フェントン
衣装 アルバート・ウォルスキー
出演 トム・ハンクス(ジョー・フォックス)/ メグ・ライアン(キャサリーン・ケリー)/パーカー・ポージー (パトリシア・イードゥン)/ジーン・ステイプルトン(バーディー) / スティーブ・ツァーン(ジョージ・パパス)/デイビット・チャペル(ケビン・スキャンロン)/グレッグ・キニア(フランク・ナバスキー「恋愛小説家」)
メモ 1998.12.26(土曜日)OBP・MIDシアター試写会
あらすじ
イーストサイドの小さな老舗の児童書専門書店「街角の店」のオーナーのキャサリーンは、パソコン嫌いの恋人(グレッグ・キニア)が出かけるとそそくさとパソコンのスイッチをON。毎日、気のあうNY152からのメールが楽しみなの。私のハンドル名はショップガール。
感想
好感度の高い2大俳優の持ち味をいかした”ほのぼのとした映画”。クリスマス・ストーリーかと思った。
ラブコメには中途半端な年齢かなあと思う所もありますが、ニューヨークという大都会を舞台にしてある事で気にならない。マンハッタンEメールという題材が私の心を掴む。
オープニングが凝っている。思わず引き込まれました。楽しい。

トム・ハンクスが読むのにもてあましている本はコリン・ファースが表紙の「高慢と偏見」(^^)。メグ・ライアンのママの写真がオードリー・ヘップパーンに見えたのですが勘違いかな? オードリーが本屋さんの映画もありましたね。
メグ・ライアンの絵本の店の名前が「街角の店」。エルンスト・ルビッチ監督1940年アメリカ映画「街角 THE SHOP AROUND THE CORNER」のリメイクとやぎさんに教えてもらいました。ありがとう。
おすすめ度★★★1/2
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ラオ博士の7つの顔 7 faces of Dr.Lao アカデミー特別賞(メイクアップ)
米国 1964年 100分カラー
製作・監督 ジョージ・パル(「タイムマシン」「宇宙戦争」)
原作 チャールズ・G・フィニー
脚本 チャールズ・ボーモント
撮影 ロバート・ブロナー
音楽 リー・ハーライン
出演 トニー・ランドール/バーバラ・イーデン/ジョン・エリクソン/アーサー・オコンネル
メモ 1998.12.23(水曜日)WOWOW録画
あらすじ
西部の小さな町アバローンに、中国人のラオ博士がロバに乗って やってくる。さびれる一方の町では金持ちが土地の買収を図っていた。ラオ博士のサーカスの不思議な見せ物に町中の人々は驚く。
感想
変テコな映画だった。SFファンタジーと思う。いったいどういう層をターゲットにした映画なんだろう。子供向けとも思えないし。心温まる映画?かなあ。雪男、髪の毛が蛇のメデューサ、足が蹄のケンタウロスとか珍魚が怪獣になっていくシーンとか結構ゲテモノSFで面白いっちゃあ面白い。
ラオ博士っていうのは、老子の事なんかな。どこからともなくやってきて、どこへともなく去っていく。不思議な力を持っていて哲学的で正体不明でひょうひょうとしていてアメリカ人からみた当時の中国人のイメージだろうと思う。考えてみりゃ日本人からみた中国人のイメージも同じだったかも。ゼンジー北京みたいなの。

美貌の未亡人役に「魔女ジニー」のバーバラ・イーデン。かわいいです。トニー・ランドールを七変化させた特殊メイクでアカデミー特別賞受賞。一見の価値あり。
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メリーに首ったけ THERE'S SOMETHING ABOUT MARY
米国 1998年 119分
監督 ボブ・ファレリー/ピーター・ファレリー(「ジム・キャリーはMRダマー」)
撮影 マーク・アーヴィン
出演 キャメロン・ディアス(メリー)/マット・ディロン(ヒーリー)/ベン・スティラー(テッド)/リー・エバンス(タッカー「マウス・ハント」)/クリス・エリオット(ドム)
メモ 1998.12.21(月曜日)ABCホール試写会
あらすじ
16才オクテのテッドは、メリーに片思いをしていた。美人で明るくて人気者の彼女にどうしても声をかけられない。偶然彼女の弟を助け、卒業パーティ(プロム)に誘われる。天にも昇る心地で当日迎えに行ったテッドは思わぬ災難に出会い、彼女とはそれっきり。それから13年たった今も彼女を忘れられないテッドがいた。親友のドムは探偵を雇ってマイアミにいるメリーを探し出せと言う。ドムが紹介した探偵はかなりヤバイ雰囲気のマット・ディロン(ヒーリー)であった。
感想
仲間内のけっこうあぶない映画。下品になる一歩手前でオット踏みとどまっている。旬のキャメロン・ディアスがカワイイ。
「男がデートする際の心構え」をドムがテッドに伝授する場面では、全員女性の会場はシーンと固唾を飲んでいた。「そうなのか」とほんまお勉強になりました(笑)。
男の人から見るとどうなんかな。テッドのような内気で知的でいちずなタイプは女性には案外好感をもたれると思う。ただ一歩踏み込みが足りないだけ。このテッドのキャラをベン・スティラー好演でした。

テッド役のベン・スティラーは  
「アメリカの災難」の主役の人。「リアリティ・バイツ」の監督さん。芸風はウディ・アレンの再来かと思う。しかしワンシーンのバットのスイングはキレがよかった。野球うまいんだ、きっと。
建築家タッカー役のリー・エバンスは、頭の底をかき回したら出てきました。映画「ファニー・ボーン/骨まで愛して」の目を見張るようなピエロの演技をしてはった人ですね。英国のコメディアン、注目です。
おすすめ度★★★1/2
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幽霊と未亡人 THE GHOST AND MRS.MUIR
米国 1947年 104分
監督 ジョゼフ・L・マンキーウィッツ
原作 R・A・ディック
脚本 フィリップ・ダン
撮影 チャールズ・ラング
出演 ジーン・ティアニー(ミセス・ミューアー)/レックス・ハリソン(船長)/ジョージ・サンダース(画家)/ナタリー・ウッド/エドナ・ベスト
メモ 1998.12.20(日曜日)ビデオ
あらすじ
一年前に夫を亡くしたミセス.ミューアーは、夫の母と姉のいる気詰まりな婚家をでて娘と家政婦と3人で海辺の町にやってきた。破格の安い家賃の海辺の家を一目で気に入るが、渋る不動産屋は家にも入りたがらない。台所には食べかけの食事がそのままにしてある。掃除婦が尻に帆をかけて逃げ出したらしい。どうも出るらしいのだ。自殺した船長の幽霊が・・・。
感想
「殺人幻想曲」のレックス・ハリソンが幽霊の船長。ほんとお髭が似合う。ステキ。
前半は風変わりな船長と世間知らずのお嬢様タイプの未亡人のやりとりがコメディっぽく、後半は幻想的なファンタジーロマンスでした。がらっと雰囲気が変わる。船長は未亡人のかわいい寝顔を見て一目惚れしたわけ。しっとりしたとてもいい映画です。
昔の海水浴のシーンは以前「不思議発見」で紹介されていた通りでした。車輪のついた小さな小さな部屋のまま海に入るの。
この映画は、1968年にテレビシリーズ化もされているそうです。

唐突ですが映画「東京物語」で原節子の「私待っているんです。」という印象深い言葉を思い出す。

娘役の少女がナタリー・ウッドだったのですね。「ウエストサイド物語」のマリア役の女優さん。ロバート・ワーグナーと二度結婚した人。ダグラス・トランブル監督の「ブレインストーム」撮影中に謎の水死をとげられました。

「三人の妻への手紙」で有名なジョゼフ・L・マンキーウィッツ監督作品。「三人の妻への手紙」のストーリーをちょこっとだけ。町で評判の美女から三人の妻宛に手紙が届く。「あなたのご主人と駆け落ちします。」心あたりのある妻達はそれぞれ自問する。「きっとうちの主人だわ。それとも違うかしら。」これもお薦め。
おすすめ度★★★1/2
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白い家の少女 THE LITTLE GIRL WHO LIVES DOWN THE LANE
カナダ=仏 1976年 92分
監督 ニコラス・ジェスネル
原作・脚本 レアード・コーニング
撮影 ルネ・ベルジェ
出演 ジョディ・フォスター(リン)/マーチン・シーン/アレクシス・スミス/モルト・シューマン/スコット・ジャコビー
メモ 1998.12.20(日曜日)ビデオ
あらすじ
人里離れた丘の上に建つ白い家に金髪の少女が住んでいる。引っ越してきた当座は父親が一緒だったはずだが、最近姿が見えない。不審に思った家主やその息子が探りにやってくる。
感想
13才の可憐な少女というよりは、美しい少女の体に包まれた冷ややかな炎。クールなサスペンスです。せつない所もあります。

一瞬で過ぎ去るあやうい少女時代に、こういう作品にめぐまれるとは、ジョディ・フォスターはやはり実力派なのでしょうか? それとも強運の持ち主なのでしょうか?
おすすめ度★★★★
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アルマゲドン ARMAGEDDON
米国 1998年 150分
製作 ジェリー・ブラカイマー
監督 マイケル・ベイ(「バッド・ボーイズ」「ザ・ロック」)
脚本 J.J.エイブラムス/ジョナサン・ヘンスレー/トニー・ギルロイ
撮影 ジョン・シュワルツマン(「タッカー」「ザ・ロック」)
特撮 パット・マックラング(「アポロ13」)/ジョン・フレイザー(「ツイスター」「フラッド」)
出演 ブルース・ウィリス(ハリー・スタンパー)/ビリー・ボブ・ソーントン(ダン・トルーマン「スリング・ブレイド」「Uターン」)/ベン・アフレック(AJ)/リブ・タイラー(グレース)/ウィル・パットン(チック「この森で、天使はバスを降りた」)/ウィリアム・フィシュナー(シャープ大佐「アルビノ・アリゲーター」)/スティーブ・ブシェーミ(ロックハウンド「ファーゴ」)/オーウェン・ウィルソン(変わり者オスカー)/ピーター・ストーメア(ほんまもんの変人ロシアの宇宙飛行士レヴ・アンドロポフ「ロスト・ワールド」)
メモ 1998.12.19(土曜日)千日前セントラル
あらすじ
宇宙でスペースシャトル・アトランティス号が突如爆発。その一時間後隕石がニューヨークに落ちまたもやクライスター・ビルが真っ二つ。世界が大変な事態になっているとは露知らず、石油採掘プラントで溺愛している一人娘を奪った憎っくき野郎をライフルで追い回すひとりの男がいた。
感想
アメリカ合衆国が”地球を救う””全人類を救う”というジェットコースタームービー
はっきり言います。面白かった(^^)
話は単純。地球めがけて襲いかかるテキサス州大の小惑星(アステロイド)に、240mの穴を掘って核爆弾を埋め込み爆発させる。
宇宙まで行って「サナバビッチ!!」とかヤイノヤイノと汚い言葉で罵りあいながら、なんだかんだとドンドン穴が掘れていく。ここら辺が不思議。
結構ふざけた映画で笑わせてくれる。核弾頭にまたがったスティーブ・ブシェーミと不死身のピーター・ストーメアのファーゴコンビがいい。ウォッカでラリっているのかと思う巻き舌英語のストーメア。この人のベルイマン映画を見たい。
シャープ空軍大佐役のウィリアム・フィシュナーがかっこええねん。軍人なのだ。しかし軍人が頭使って考えてえーんだろうか?「未知への飛行」とはだいぶ違う。
反面NASAの指揮官トルーマン(ビリー・ボブ・ソーントン)が民間人として対局に置かれていました。「Uターン」のわけのわからん整備工と同一人物とは・・・・信じらんない(**)。

さぼてん男が言う。「やっぱ最後、地球どこもかも昼間やったな。6500万年前のアメリカ大陸があの形かあ? 恐竜時代の隕石は現在のユカタン半島あたりに落ちたいうだけで、その頃ユカタン半島があったわけちゃうやろ? 隕石に噴火するようなもんがあるんやろか? ガスがあるからか? 空気があって燃えるんか?? 」
しっかしスペースシャトルに給油するため、人間がワイワイとパイプを担いで繋ぐのには驚いた。
もひとつおまけに、ニューヨークが壊滅したのに全世界に秘密にしとける?サダム・フセインのせいにしたんやろか? ニューヨークの人達は親戚がいないのかと思いました。
おすすめ度★★★★
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ハーフアチャンス 1CHANCEsur2
米国 1998年 109分
監督 パトリス・ルコント
脚本 パトリック・ドヴォルフ/パトリス・ルコント
撮影 セルジュ・フリードマン
音楽 アレクサンドル・デスプラ
出演 アラン・ドロン(ジュリアン)/ジャン・ポール・ベルモンド(レオ)/ヴァネッサ・パラディ(アリス)この人注目!/エリック・デフォス/アレクサンドル・イヤコフレフ/ミッシェル・オーモン
メモ 1998.12.16(金曜日)テアトル梅田
あらすじ
20才のアリスは凄腕の高級車ドロ。服役中にママが亡くなり遺産に一本のテープが残された。そこにはアリスの出生の秘密が・・・。20年前に一生に一度の恋に同時に陥り、ふたりの男性を愛したママがひとりで生んだのが私。どちらがパパなの? アリスは、一人目のパパ候補、高級車専門の修理工場主レオ(ベルモンド)に逢いに行く。年はくっているけどかっこえーやん。もう一人のパパ候補ジュリアン(アラン・ドロン)は高級レストランのオーナー。またこれが渋くてダンディなん。ママったら果報ものだわ。二人のパパを翻弄するアリスはひょんな事からロシア・マフィアに付け狙われ、両方のパパの大事な車とヘリが爆発される。が、それがロシア・マフィアの誤算であった。このふたりはただ者ではなかったのだ。持病をなだめすかし、老眼鏡をかけながら二人の老騎士は姫を守るため立ち上がる。
アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモンド「ボルサリーノ」以来28年ぶりの共演作。
感想
1933年生まれのベルモンドと1935年生まれのアラン・ドロン、お二人ともよー頑張りはったなあと思う(^^)。
とはいっても、映画館でお二人を見るのは初めて。もしかして最初で最後かも。
ヨーロッパの男はいくつになっても粋。チャメ
アラン・ドロンがベルモントに「お前の方が年上だからな」とか「アクションを見せたいんだ。あいつは」とからかうのが可笑しい。
なんか楽しい映画だった。
おすすめ度★★★1/2
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プルガサリ −伝説の大怪獣−PULGASARI
北朝鮮 1985年 92分
総監督 シン・サンオク(申相玉、サイモン・シーン)
監督 チョン・ゴンジョ
撮影 チョ・ミョンヒョン/バク・スンホ
出演 チャン・ソニ(アミ)/ハム・ギソプ(インディ)/リー・イングォン/ユ・ギョンエ/薩摩剣八郎(プルガサリ「ゴジラ」)
メモ 1998.12.16(水曜日)ビデオ
あらすじ
高麗朝末期、お役人に逆らって農民達を助けた鍛冶屋が獄死寸前米粒から小さな人形を作る。鍛冶屋の娘(アミ)が針でついた指から滴った血がその人形に染み込み生命を持つ。鉄を食べて巨大化し、農民達とともに戦う。
感想
「怪獣映画は一応押さえておきたい」さぼてん男がレンタルしたビデオ。
なかなかに味わい深い映画でした。プルガサリの造形がいい。
「農民達を助けて圧政者を倒す」だけではない、土着の神というラストがいい。朝鮮半島に古くから伝わる民話をベースに一万人以上のエキスラを動員、日本東宝の「ゴジラ」シリーズの特撮スタッフがSFXを手掛けているそうです。

総監督のシン・サンオクが妻の元女優チェ・ウンニとともに1978年北朝鮮に拉致された(と本人は語る)後、北朝鮮で監督した作品。映画完成直後の1986年ウィーンで妻とともにアメリカ大使館に駆け込み亡命したため封印されたといういわくつきの映画。その後韓国で「真由美/大韓航空機爆破事件」、アメリカでは「クロオビ・キッズ」を作った人だそうです。

昨日今日とさぼてん男はプルガサリの歩き方を真似しては「プルガサリャァ」と言うのが口癖。(あんたいったいいくつやねん)
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従姉ベット
米国 1998年 106分
監督 デス・マカナフ
脚本 スーザン・タール
撮影 アンジェイ・セクラ(「レザボア・ドッグス」「パルプ・フィクション」「スリープ・ウィズ・ミー」)
出演 ジェシカ・ラング(従姉ベット)/エリザベス・シュー(ジェニー)/ボブ・ホスキンス(クレヴェル市長)/ヒュー・ローリー(ヘクター「101」)/アデン・ヤング(ウェンセスラス)/ケリー・マクドナルド(ホルテンス)/ジェラルディン・チャップリン(アドリーヌ)/トビー・スティーブンス(ビクトリン)
メモ 1998.12.9(水曜日)OS劇場C.A.P
あらすじ
フランスの作家バルザックの「従姉ベット」をブロードウェイの演出家デス・マカナフが映像化した初監督作品。
1846年のパリ。臨終の床でアドリーヌは「娘の面倒を見て欲しい。」と従姉のベットに誓わす。昔からベットは暗く地味で美しいアドリーヌに比べられ結局は「摘まれぬ花」、親族からも軽んじられていた。下町で舞台の衣装係で生活しているベットは、ある日階上の美しい青年を自殺から救う。「養ってあげるわ。私のいい人になって。」と囁くベットに彼は「喜んで奴隷になる」と後先考えずわらを掴んでしまう。
感想
舞台演出家による映画化だなという気がする。神経の行き届いた手堅い演出と思う。反面、私にはベットの押さえた演技から気迫をとらえきれなかった。若い男に狂うというとビィスコンティ「夏の嵐」のアリダ・バリ(「サスペリア」の教師。「第三の男」のジョゼフ・コットンに一瞥もあたえず並木道を歩き去っていくアンナ)の狂乱を思い出すからかもしれない。
好演と思ったのは、わがまま娘ホルテンス役ケリー・マクドナルド。「トレインスポッティング」のダイアン役だった人。この人なかなかの演技派ではないだろか。
なんのかんのといいながら、この映画を深く理解する事ができないのは、教養のなさからだと思う。教養が必要な映画もある。
最後のキャスティングにジェラルディン・チャップリンの名前が! えっ、ベットの従姉ホルテンスの母親瀕死のアドリーヌやったの(**)。
おすすめ度★★★
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アル・パチーノのリチャードを探して
米国 1996年 113分
監督 アル・パチーノ
出演 アル・パチーノ/アレック・ボールドウィン/ケビン・スペイシー/ウィノア・ライダー
メモ 1998.12.6(日曜日)CSスターチャンネル
あらすじ
アル・パチーノ初監督作品。アメリカの実力派俳優でさえ、気後れと苦手意識を持つシェイクスピア劇に「なぜシェイクスピアは難解なのか。」「アメリカの俳優が劣等感を持つのはなぜか?」を分析しながら、果敢に挑戦するドキュメンタリー・タッチの舞台劇。
感想
戦場で討ち死に寸前に「馬を! 馬を! 今ここに一頭の馬あらばわが王国をくれてやる!」と叫んだリチャード三世。
面白かった。アル・パチーノの魅力はあの声とカリスマ性、そして奥底に潜む危うさなのかな。ケビン・スペイシーは実像もそのままみたい。傍観者の皮肉屋で可笑しい。
イギリスの俳優、ケビン・クライン、バネッサ・レッドグレープ、サー・ジョン・ギールグッド(「シャイン」のピアノ教師バークス教授役。この人コロンボの「ロンドンの傘」だっけ、あの蝋人形館の出てくる話で執事役だったような気がするんですけど)がシェークスピア演劇について語る。研究家達も語る。こういう世界に夢中になって一筋で生きていく人達が羨ましい映画。

私の知っている「リチャード三世の話」と言えば、ジョゼフィン・テイの安楽椅子探偵物「時の娘」と、昔見た足をひきずっているリチャード3世の英国映画だけ。シェークスピアのリチャード三世は王位を奪うため亡き兄の幼い王子ふたりをロンドン塔で殺害した極悪人と描かれているのに対し「時の娘」では、真実の悪いヤツはリチャード三世を滅ぼしたヘンリー七世だったと推理する話。

「時の娘」を再読して当時の英国を整理しておこ(忘れるから)。
リチャード三世は15世紀英国の人。それ以前の30年間はヨーク家とランカスター家が争う薔薇戦争の時代(1455年〜1485年)。(薔薇戦争の前はフランスと100年戦争してました。ジャンヌ・ダルクがフランスを勝利に導いたという戦争。)
リチャード三世はヨーク家プランタジネット朝の末裔。父親はヨーク公リチャードで薔薇戦争で首をはねられ、その首は紙の王冠をかぶせられてマイクルゲート・バーにさらされたというのは有名な話(ささやななえの漫画で読んだ記憶あり)。ヨーク家の勝利で薔薇戦争も終焉した後、兄エドワード四世が亡くなる寸前から親族相まみれての後継者争い。

リチャード三世がフランス帰りのランカスター家ヘンリー・チュードル(後のヘンリー7世)に戦場で討たれた後、ヘンリー七世は暗殺されたという幼い王子達の姉エリザベス(エドワード四世の娘)と結婚する。ここからがテューダー朝。(あーややこし)

ヘンリー七世の息子が有名な青ひげヘンリー八世。ヘンリー八世と後に首をはねたアン・ブリンとの間に生まれたのがエリザベス一世(1533年生まれ)。ここら辺は、キーボードの魔術師リック・ウェイクマンの「ヘンリー八世の六人の妻」のジャケットをみながら書いてる。ヘンリー八世は最初の妻(兄の寡婦)キャザリンと離婚しアン・ブリンと結婚するためにローマ教会と決別し英国国教会の元をつくったお方。
おすすめ度★★★1/2
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ジェイコブス・ラダー JACOB'S LADDER
米国 1990年 113分
監督 エイドリアン・ライン(「危険な情事」「ナインハーフ」)
脚本 ブルース・ジョエル・ルービン
撮影 ジェフリー・L・キンボール
出演 ティム・ロビンス(ジェイコブ)/エリザベス・ベーニャ/ダニー・アイエロ/マット・クレイブン/マコーレー・カルキン
メモ 1998.12.6(日曜日)ビデオ
あらすじ
郵便局に勤めるジェイコブは、最近ベトナム時代の悪夢をよく見る。なにかが変だ。誰かに追われているような気がする。
感想
こういう話だったのか。そーか。何故オカルト・ホラーと思いこんでいたのか???
ラストは予想できましたが、話のもって行き方がうまいと思う。

ジェイコブの息子役にマコーレー・カルキン。そしてERのDr.ベントンが出てた。今とちっとも変わっておられませんでした。
手塚治虫氏の漫画「テロリストが子供達を人質にとって立て込もる話」を思い出す。「最後の激しい銃撃戦が終わってみれば、銃を撃っていたのは・・・・。そしてそれは・・・・。」という話だった。
ダニー・アイエロが「マイ・ライフ」と同じく整骨医で重要な役です。
私があっち側にいく時どんなだろう。この映画を思い浮かべるかもしれない。
<赤面ものの昔話>ファースト・キッスした時に思い浮かべていたのは、森田じゅんの漫画(今も本宮ひろし夫人なのかな)「キッス甘いかしょっぱいか」。甘くもしょっぱくも当然レモンの味もせず、湯豆腐みたいでした。

おすすめ度★★★1/2
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冬の嵐 DEAD OF WINTER
米国 1987年 101分
監督 アーサー・ペン(「俺達に明日はない」「小さな巨人」)
出演 メアリー・スティ−ンバーゲン(ケイト「バックトゥーザフューチャー3」)/ロディ・マクドウォール()/ヤン・ルーバッシュ/ウィリアム・ラス(ロブ)
メモ 1998.12.6(日曜日)ビデオ
あらすじ
仕事にあぶれている女優ケイトは、オーデションを受けにいったところ一目で気に入られ、監督に見せるためのビデオ撮影をすると雪に埋もれた山荘に連れていかれる。疾走した女優の代役らしい。
感想
期待していた以上によくできたミステリでした。主人公が女優という設定が話の展開に活かされています。

山荘の持ち主の使用人役ロディ・マクドウォールのきょときょとした演技がいい。この方は「猿の惑星」で科学者コーネリアス役の人。私はクリスティ作品「地中海殺人事件(白昼の悪魔)」でシマシマのレトロな水着をきて、足漕ぎボートに乗っていたシーンが印象的。以前TVのインタビューでジョン・フォード監督の「わが谷は緑なりき」の末っ子役だったと言われたのに驚きました。今年の10月になくなられたそうです。
ケイトの恋人ロブは、「主人公が恐怖におびえて電話するシーン」のためだけにでてきたみたいですが、映画「ワン・カップ・オブ・コーヒー」の元大リーガー役の人だったと思う。いい感じの人ですが、あんまりみかけませんね。
おすすめ度★★★★
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目撃 ABSOLUTE POWER
米国 1997年 122分
製作・監督・主演 クリント・イーストウッド
脚本 ウィリアム・ゴールドマン
撮影 ジャック・N・グリーン
出演 クリント・イーストウッド(ルーサー)/ジーン・ハックマン(大統領アラン)/エド・ハリス(警部補セス)/ローラ・リニー(ケイト)/スコット・グレン/ジュディ・ディビス(首席補佐官グローリア)
メモ 1998.12.5(土曜日)CSスターチャンネル
あらすじ
大泥棒のルーサーは、綿密な計画をたて大物実業家の家に忍び込む。宝石、蒐集家垂涎のコイン、お宝の山、一世一代の大仕事・・・の最中に突如カリブ海に旅行中のはずだった実業家の若い妻と中年男が酔っぱらってご帰還。やばい雰囲気。ルーサーは小部屋に逃げ込む。
感想
エンターティメントなつくりでさっくり楽しめる映画でした。秘密の小部屋からマジック・ミラーを通して「大統領スキャンダル」を一等席で目撃してしまう(というか映画を観るように鑑賞してしまった)シーンと、大統領と首席補佐官(グローリア)のとっても苦しいダンス・シーンが面白かった。そしてもひとつ警部補セス(エド・ハリス)が「ひとり暮らしなので、遠慮なく電話をしてくれ」「ひとり暮らしなんだ」と3度も言うところ。なにがいいたいねん(笑)
泥棒ルーサーの娘ケイト役のローラ・リニーって人、おおらかに育ったヤンキー娘って感じですね。「トゥルーマン・ショー」ではジム・キャリーの妻役。
大統領のシークレットサービス役のスコット・グレンが物足らない。もっと物足りないのはもうひとりのボディーガード。童顔過ぎて怖くない。このふたり映画のキーマンやと思う。
おすすめ度★★★1/2
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第七の封印 カンヌ映画祭審査員特別賞
スウェーデン 1956年 97分
監督・脚本 イングマール・ベルイマン
撮影 グンナルト・フィッシャー
音楽 エリク・ノルドグレン
出演 マックス・フォン・シドー/グンナール・ビョルンストランド
メモ 1998.12.5(土曜日)ビデオ
あらすじ
十字軍の遠征後諸国を遍歴し、ようよう祖国に帰ってきた騎士は、神について懐疑的になっていた。ペストの大流行しているこの世に神はいるのか、死後の世界とは?
感想
芸術的な映画でした。「神はこの世に存在するのか」などという高尚な事は考えたことがない私には難しい。キリスト教的世界観が描かれていると、いつも蚊帳の外から眺めているような気がする。
しかし、私が生まれる前の映画とは思えぬシュールな映像で古びていない。これもまた格調高い方のカルトな映画。

レッドフォードの映画「コンドル」の悪役マックス・フォン・シドーが出演したはるらしいねんけど、何の役なんかな?騎士の従者役?
おすすめ度★★★
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ダーク・シティ カンヌ国際映画祭特別上映作品
米国 1998年 100分
監督・原案・脚本 アレックス・プロヤス
脚本 レム・ドブス/デビッド・S・ゴイヤー
撮影 ダリウス・ウォルスキー,A.S.C
音楽 トレバー・ジョーンズ
出演 ルーファス・シーウェル(ジョン・マードック)/ウィリアム・ハート(バムステッド刑事)/キーファー・サザーランド(シュレーバー博士)/ジェニファー・コネリー(エマ・マードック)/リチャード・オブライエン(Mr.ハンド)/イアン・リチャードソン(Mr.ブック)/ブルース・スペンス(Mr.ウォール)
メモ 1998.12.5(土曜日)梅田ピカデリ・朝一回目ガラガラ
あらすじ
目覚めると浴槽の中に浸かっていた。 俺はだれ?ここはどこ? 電話がかかってくる。「すぐ逃げるんだ。君を追っている者がいる。」 いったいどうしたんだ?
感想
みごとな映像でした。ダークな美しさ。フリッツ・ラング監督の「メトロポリス」を思い出すと思ったら、やっぱりドイツ表現主義の影響を受けているそうです。カルト映画だと思う。

主人公の記憶が無くなったままで、得体の知れないものに追いかけられるというのは、オーソドックスなストーリー展開ともいえる「不条理物」ですが、一歩も二歩もその枠から踏み出していました。
全然内容を知らずにいったので、「キーファー・サザーランドやん。ウィリアム・ハートちゃうん。」とか意外な驚きもあり。ドイツのナチスを思い浮かべる「魔導師」のような”宇宙からきた何か”も、青白く病的で雰囲気あり。
おすすめ度そやけど、なんでこんなに空いてるの???★★★★
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アウト・オブ・サイト
米国 
500円もしたパンフレットを落としてしまいました。金曜日に梅田に行って再購入する予定。なんのために映画半額デーにいったかわからへん(*_*)
メモ 1998.12.1(火曜日)三番街シネマ
あらすじ
刑務所を脱走した所でハチ合わせしたのは、恋人を待っていたFBI捜査官。成り行きでふたり一緒にトランクに閉じこもった事から生まれる一目惚れ。
感想
原作を読みたいと思う映画でした。ジョン・トラボルタとともにジョージ・クルーニーもエルモア・レナード小説の主人公にはまってる。何考えてるかわからへんしーあっちへベタリこっちへベタリやしー女たらしやしーゆったりしているようで抜け目ないしー。
ジェニファー・ロペスのショットガンさばきカッコイー。
ど悪役3人組の内ふたりが似ていて個性がクッキリしなかったのが残念。しゃべくりの口調がだいぶちゃうみたいやねんけど、語学力のなさからわかりませんでした。グレンのあほさ加減も中くらい。この人小説ではもっと面白いんとちゃうかな?
ナンシー・アレンには驚き。かわいい。「張り込み2」の隣の別荘の夫婦のご主人役の人がジェニファー・ロペスのパパで、マイケル・キートンをおちょくるシーンがいい。
ラストも「おいおい」ではなく「おいおい」ぐらいなのがレナードなんだ。
満足度まあ贔屓です★★★★
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