Evolution | ||
![]() 曲:★★★☆ 演奏:★★★★ ジャズ入門度:★★ 評価:★★★☆ |
[Recording Date] 1963/11/21 [1] Air Raid [2] Evolution [3] The Coaster [4] Monk In Wonderland |
Lee Morgan (tp) Jackie McLean (as) Grachan Moncur V (tb) Bobby Hutcherson (vib) Bob Cranshaw (b) Tony Williams (ds) |
ニュー・ジャズ道邁進中のマクリーンのパートナーとして重用されていたトロンボーン奏者、モンカー3世のリーダー・アルバム。マクリーンの参加はもちろん、マクリーンと縁の深いボビー・ハッチャーソンとトニー・ウィリアムスも参加、つまりはマクリーンの「One Step Beyond」の主要メンバーが勢揃いしている。そこに更にリー・モーガン(と縁のあるボブ・クランショウも)を上乗せしてくる豪華さはいかにもアルフレッド・ライオンらしい企画と言えるでしょう。その結果、ありそうで意外となかったリー・モーガンとトニー・ウィリアムスの共演が実現している。曲はモンカー3世のオリジナルで、独自なジャズを追求という意味では次の「Some Other Staff」も同じではあるものの、ショーター、ハンコック、トニー(とベースはセシル・マクビー)という新主流派たちの先鋭的なジャズは、型や枠がもはや存在しないほどフリーすぎて空回りしているように思えたのに対して、本作はマクリーン・グループのテイストを残しながら新しいジャズの枠組み、あるいはその延長路線にあるため、先鋭的ながらも聴きやすい。特に[1]では後半のリズム隊とヴィブラフォンのフリーな絡み合いと、ジャズのストレートさが上手く融合した素晴らしいパフォーマンスを堪能できる。また、全体にマクリーンの存在感が強く、モンカー3世にとってはショーターやハンコックよりもこの人の方がしっくるくることを実感。マクリーンのファンは聴いて損はないし、トニー・ウィリアムスが好きな人も押さえておきたいアルバムでしょう。リー・モーガンはこのスタイルの音楽が主戦場でないことは明らかだけれども、プレイじたいは悪くない。この時代ならではの尖ったジャズが好きな人なら聴いて損はない1枚。(2015年10月1日) |