On-Board Air その1![]() 四輪一発くんが壊れてしまった。ちょうど、コンプレッサーからのエアを供給するバルブの根本が取れてしまい、製作時にここだけ手抜きをした箇所でもある。これを作ってからは、ハイパーコンプレッサーは殆ど使われず、よりお手軽な『スペアタイヤ高圧+四輪一発くん』のパターンが多かったが、 ![]() また、クロカンに行く前の晩にエアを入れそびれると、現地までそれっきりってパターンもあったりして、最近になって、またハイパーコンプレッサーの登場の機会が多くなってきたが、コイツもかなり酷使しているため、だんだんエアを入れるのに時間がかかるようになって来たており、どうしたもんかな〜と考えていた所だった。 そこで、長年の研究テーマであった『より本格的(恒久的)なエア供給』を、具体的に進めてみようと考えた。 ●車載デバイス まず最初に考えたのは、最初から車に付いているデバイスでエアを入れられないかということ。具体的には、ディーゼル車に付いている『バキュームポンプ』。こいつの排気をエアタンクに溜めれば、大げさな装置も必要なく、ハイ・コストパフォーマンスなシステムが出来そうな気がする…。マニュアルで調べてみると、潤滑用のオイルライン(エンジンオイルと共用)もあり信頼性は高そう。 で、以前オルタネータをバラした際にバキュームポンプをよ〜く調べてみたが、ポンプの排気口が見つからない…。どうやらオイルのリターンと一緒に排出されているようで、加工はちょっと大変そう…。そうこうしているうちに、73になってからはバキュームポンプはギア駆動でエンジンに直接マウントになってしまい、カバーが付けられているため手を入れることは難しい状況になってしまった。 ![]() ●電動コンプレッサー(家庭用) 次に考えたのが電動コンプレッサー。AC100V 3/4馬力程度の小型の家庭用の物。価格は1万円位なのでモーターを12Vにするかインバーターで12Vを100Vに変換すれば、大した加工もなく実現できそうな気がする。また、コンプレッサー部とタンク部は分離可能なのでエンジンルームにコンプレッサー、腹下にタンクなんていうことも可能だし、プレッシャースイッチやリリーフバルブなど一通り揃っているのでお手軽に実現できそう。 12Vのモーターはスターター・モーターを使えばタダ同然で手に入るが、アダプター(特にシャフト周り)の製作が大変そう(お金がかかりそう)なので、インバーターの方を検討してみた。 インバーターはカーショップやヤフオクで200W前後で1万円位で売っている。しかし、家庭用コンプレッサーの場合、小さな物でもモーターは定格で400W〜500Wは食うので、もう少し大きなインバーターが必要だ。また、モーターは起動時に大きな電流を必要とするので、定格500W/瞬間800W〜1000W程度は必要だろう。但し、このクラスになると3万円〜5万円前後はするようで、かなり高いシステムとなってしまう。また、当然、電気も多量に食うので使用時には多少気を遣う必要がある。 金さえかければ、身の回りの物で一番簡単に実現できそうだが、インバータ如きにその投資はツライ! 因みに、インバータは大自工業やマリンサービス児島やKIRYUなど、色々なタイプのインバータがあるのが分かる。 ●エアサスのコンプレッサー 次に考えたのがエアサスのコンプレッサー。耐久性や性能は車載用コンプレッサーよりも良さそうだし種類も豊富で大型の製品もあり、純正品が時々ヤフオクにも出品されている。製品としては、 ThomasやVIAIRなどが有名だが、価格もTRUX JapanやCANOVER、ユニバーサルエアーをなど見ると性能に比例するようで(ま当然か)、購入には二の足を踏んでしまう。 ●その他の電動コンプレッサー ちょっと変わったところでは、Oasis Off Road Mfgのコンプレッサー(リンクが不安定なのでOffRoadRecovery.ComのURLも載せておく)。Yorkのコンプレッサーにモーターを無理矢理付けた構成で、要はエアコンのコンプレッサーを電動モーターで動かそうっていう方式。スマートさにはイマイチ欠けるが性能は良さそう。何しろ、エアコンのコンプレッサーだから20Kg/cm2程度の圧力でも何ら問題はないだろう。因みに、価格は$750前後で性能も素晴らしいが、価格も素晴らしい! 同じ構成のコンプレッサーでも、ExtremeAireの方は凝った作りで大変良くできている。性能も3/4馬力なので、ちょうど家庭用100Vのコンプレッサー並みで上で考えたのとまんま同じ作り。価格は$360前後なので、クイックエアー2や3を買うことを考えればお買い得カモ…。 ●エンジン動力のコンプレッサー そう、これが究極のシステムだろう。何しろ、エンジンが回ってる限りエアの供給はできるワケだし、エンジンの回転数を上げればエアを入れる速度も自由自在である。(排ガス臭いが…) 但し、エアコンのコンプレッサーの場合、冷媒とオイルを一緒に循環させているのでこれを何とかしなければ実際には使えない。 で、色々とエアコンのコンプレッサーについて調べて行くうちに、古いタイプのコンプレッサーの中には冷媒とオイルが別室になっているタイプがある事が分かってきた。具体的には、Yorkのコンプレッサー(レシプロ)やサンデン、日本電装の古いタイプのコンプレッサー(ロータリー)などがそれで、何れも10年〜30年以上も前に海外で多く出回っていたようである。因みに、手元にあるYorkのコンプレッサーは30年以上も前のシロモノの様で、OHキットのガスケットには1968年の文字が…。何でも、私が入手したエアコン屋(電装屋じゃない!)のオヤジは、『このタイプは先の大戦以降から使われていた』とか言っていた。(どこまでホントなんだか…。) 更に調べて行くと、エアコンのコンプレッサーはYorkがベースになっているようで、日本電装や松下電器などの当時の製品もYorkそっくりである。(現物確認!) また、これらコンプレッサーを使って同じような事を考えている人達のサイトが多数あり、上記コンプレッサーをベースにキット化して販売しているサイトがあることが判明した。 Yorkのマニュアル - オリジナルはKilby Enterprises
サンデンのマニュアル - オリジナルはサンデンUSA ●コンプレッサーを扱っているサイト
●実装例 電動コンプレッサー
ロータリーコンプレッサー
Yorkコンプレッサー
何とイスズ車もありました
さて、以上で実現可能な事は分かったので、次回は具体的にパーツの入手や細かい検討課題について触れる事にしよう。 [TOP] |