ハイパーコンプレッサー


 前回の作者、13湯麺のバブが予告したにも関わらず「原稿は書いたんだけど、車に手を着ける時間がない!」とのこと。どうやらラーメン屋の方が忙しいらしい。そこで今回は内容を変更して「ハイパーコンプレッサー」を紹介しよう。(何だかDIY教室みたいになってきたが、今回も工作ものです。但し、今回はホームセンターの駐車場では出来ませんので悪しからず。)


 みなさんは、オフロードでエアを落として走った後の帰り道、どうしてますか?
「そのまま帰る!」  ・・・ タイヤのサイドウォールが心配ですネ。
「帰りにエアを上げるのがめんどくさいから最初から落とさない!」   ・・・無用に愛車を傷めることになるし、それはかしこい選択とは言えない。 
 やはり、オフロードを走るときはステージに合わせてタイヤのエア調整を行いたい! それにビード落ちした時など、エアがあれば何かと便利。パンクした時も、あのくそ重たいオフロードタイヤをを交換する必要もなく、そのまま直せばOK!(チューブレスの場合ね! 当然、修理キットも必要) そこで、作成したのが「ハイパーコンプレッサー」。4年以上使っていて、不具合もなくけっこう調子がいいので、クラブのラリーの景品として作成したので紹介しましょう。


<材料>


 色々考えたが、コンプレッサーは市販の車用の携帯用コンプレッサーを使する。但し、これが結構いい加減なシロモノ。バラしてみると、シリンダには冷却フィンもなくクランクとコンロッドの結合部にはベアリングも使われていない・・・。これでは、暑い日に使うと一発で焼き付いてしまうし、エアを入れる時間もすご〜くかかってしまう。そこで、コレをベースに手を加え、使いものになるようにする。

コンプレッサー2個
 オートバックスで1個1,980円で購入。台湾製。ちなみに、この手のコンプレッサーは、中身はほとんど同じ。アルミダイキャストの型は使い回しか?

電動ファン
 コンプレッサーのシリンダ冷却用。ここ数年、パソコンが流行ってしまったため小型のファンは高騰ぎみ。以前は秋葉のジャンク屋にゴロゴロしていたが、最近はパソコンショップなどで結構いい値がついている。今回使ったのはパソコンのCPU冷却用(4cm角)を1個800円で購入。ジャンク屋をマメに探すと安いのが置いてある。風量が多い方が良い(一般的には消費電流の多い方が風量があるようだ)。今回は、薄型しか手に入らなかったが、厚みのある方が風量がある。

冷却フィン
 コンプレッサーのシリンダに合うもの。これも秋葉。トランジスタの冷却用などに販売されている。現物合わせでシリンダの高さに合うサイズの物を購入した。1個80円。

その他
 タケノコ、接着剤、グリスなど。

<道具>

 ノコギリ ・サンダーまたはヤスリ ・ハンダゴテ ・ドリル ・PTタップとハンドル。
 その他適当なハンドツール(全てホームセンターで揃います)。

<作り方>

1.コンプレッサーをバラしエアゲージを外す。エアホース接続用の金具(タケノコ)を付けるた
  め、外したエアゲージの穴を広げタップを切る。タップは10mmのPTタップを使用。タップを
  切るときは切削油付け、時々戻しながら切る。
  

2.出来るだけコンパクトにするためコンプレッサーケースの不要な部分をカット。
  

3.シリンダの上部にファンを付けるための四角い穴を空け、保護用の網を用意する。
  網は手持ちの適当な端切れを利用した。
  

4.シリンダ冷却用のフィンをシリンダのRに合わせるため、フィンの裏に縦に切り込みを
  入れる。

5.ドライバーなどを使ってフィンをシリンダのRに合わせて広げる。できれば、もう少しフィン
  の枚数が多い物が欲しかった・・・。
  compressor5.gif (18293 バイト)

6.シリンダにフィンを付ける際に、放熱効果を良くするためグリスを塗る。グリスは何でも
  良い。耐熱グリスがあればなお可。今回は古くなったシャシグリスを利用した。
  

7.シリンダの潤滑を良くするため、シリンダに塗るスペシャルグリスを作成。手持ちのモリブ
  デングリスとセラミック系潤滑材を混ぜる。モリブデングリスはホームセンターで購入可。
  セラミック系潤滑剤は、雑誌で通販されているものを利用。ここにはできるだけ潤滑性の
  良い物を奢りたい。
  

8.作成したスペシャルグリスをコンプレッサーのシリンダ・ピストン・コンロッド・クランクに塗
  る。ケチらずたっぷり付ける。

9.コンプレッサー本体を組み立て、シリンダにフィンを止める。今回はタイラップを使ったが
  何でも良い。この時、コンプレッサーのケースに合わせ、フィンが当たらないかチェックす
  る。当たっていた場合は、フィンかケースのどちらかを削る。手がグリスでベタベタになる
  ので、瞬間接着剤などでフィンを仮止めし、先に加工しておいた方が良いかもしれない。
  

10.コンプレッサーのケースの左右を張り合わせる。今回はホットメルトを利用したが、要は
  くっつけば何でも良い。
  

11.コンプレッサーのケースに中身をセットし電源の配線をハンダ付けする。タケノコを付け
  る加工をするのは、片方のみ。もう一方のコンプレッサーは、そのままエアゲージを利用
  するので注意。
  

12ケースの蓋をして完成。
  

PS:今回は、車のシガーライターから電源が取れるように、元から付いていたシガーライター
   ソケット及び電源線はそのまま利用したが、10Aアンペア以上の電流が流れるためバッ
   テリーからクリップで直接電源を取るようにし、配線も1スケ以上の容量にした方がモー
   ターの回転が速い(当然、ヒューズも入れること)。更に、モーターは1/12の電動ラジコン
   カー用に使われる540系が利用できるので、マブチや京商などのレース用モーターを使
   うと、かなりパワーアップする。異常に調子が良い!
   (注:ラジコン用は7.2V前後が定格になっているので、エンジンをかけた状態で使うと
    モーターが切れる。当然、あまり無茶をするとコンプレッサー本体が焼き付くが・・・。)


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