四輪一発くん



 DD復活プロジェクトの方は、板金屋の都合であまり進捗が思わしくなく、最近は殆ど停滞状態となってしまっている。今年は仕事の方も忙しく、最近はめっきり工作や泥遊びから遠退いてしまっている。そこで、今回は以前に製作した(ネタ切れ? (^^;) )クロカンの友、四輪一発くんを紹介することにする


●背景

 クロカンからの帰り支度、結構手間を食うのがタイヤのエア上げ作業だ。実は今までは給油のつでにスタンドで入れるか(みんなが入れるから渋滞になる)、ハイパーコンプレッサとスペアタイヤ・エアタンク(注)の併用で、シコシコとエア上げ作業を行っていた。

 (注) エアチャック(ハイパーコンプレッサを製作した際に余った)に8mmのエアホースを
     繋いだものをスペアタイヤに繋ぐだけ。当然、スペアタイヤは予め高圧にしておく。

 右側はハイパーコンプレッサ、左側はスペアタイヤから、といった具合にやっているので時間的には各々単独で使用するよりも速く済むが、テーブルや椅子、スタック道具などの片付けもあるので平行して出来ないから結果的には結構時間の食う作業となっていた。
 何とか横着して、ほうっておうても勝手に一回でエア上げができないか? ちょうどスペアタイヤ・エアタンクのエアチャック壊れてしまったので新しいモノを製作することにした。



検討
   
ハイパーコンプレッサ4×4 Special案

 ハイパーコンプレッサを二基がけにしてエアホースを分岐させ、一気に四輪に入れる。エアホースには、気圧センサとアンテナ・コントローラ使ったマイコンを使って、設定圧になったら自動的にコンプレッサの電源が切れるようにする。コンプレッサのシリンダには温度センサを装着し夏場の焼き付きを防ぐと共に、圧力設定は7セグLEDのデジタル表示、圧力プリセット式のハイテク仕様である。
 実は、当初これを考えていたが、マイコンでの7セグLED表示、圧力入力(AD変換)、温度入力は出来たものの、手頃な圧力センサが見つからず(あるんだけどバラ売りしてくんないんだよね〜)、コンプレッサ自体も最近は手頃な大きさのものがディスカウントで見かけることも無くなり、お金もかかりそ〜なので断念。
 後日、ファイヤーマンふくちゃんがハイパーコンプレッサの二基がけを作ったが、か・な・り調子良い。因みに、最近では大橋産業からファン付きや四駆用のコンプレッサが売っているようだ。


    スペアタイヤ分配案

 スペアタイヤに高圧エアを入れておき、エアホースを四輪に分岐させ一気に入れる。これも予てから検討していたが、以下の問題をクリアする必要があった。

 ・ スペアタイヤがどの程度の高圧に耐えられるか? 過去の経験から、四輪
   分ともなると6〜8キロ位は入れる必要がある?

 ・ 四輪分のエアホース、フィッティング類、エアチャックとなると、かなり邪魔に
   なる。あまり大掛かりになると使うこと自体大変になりそうなので、できるだ
   けコンパクトにしたい。

 ・ 手頃なエアチャックが入手できるか? また、価格は?


スペアタイヤの耐圧調査

 そこで、早速、スペアタイヤの耐圧について調査をしてみる。以前、知り合いのタイヤ屋に聞いた話では、タイヤを組む際にビードを完全に上げるため、かなりの高圧をかけるそうだが今まで破裂したことは無いとのこと。目安としては、1キロ/1プライだそうだ。
 サイドウォールに深い傷が入ったタイヤは別として、ノーマルスペアタイヤのエア圧を常時5キロ位にしているが(バンク修理などにも使うため)今のところ特に問題は発生していない。試しに庭に転がっているタイヤに8キロ位エアを入れ、1シーズン放置してみたが特に変化は見られなかった。(7キロ位になると、エアを入れてる時が一番怖いんだよね〜。)
 結論としては、やっぱり夏の炎天下など常時高圧にしておくのは不安があるので(タイヤにも優しくなさそうだし)、遊びに行く前日に7キロにし、通常は5〜6キロ程度にすることにする。



エアホース

 次にエアホースを考える。通常、ドイト等で見かけるのが8〜10mmのタイプ。四輪分ともなると10m位必要になるのでかなりかさばる。エアホーンや工業用に使われている細いタイプもあるが、エアチャック(3/8")との接合に使う小型の金具が上手く入手できるだろうか? Web等で調べると共に、関東近県のホームセンターを回った結果、エアホースは4mmと6mmのものがあることが判明。あまり細いと空気が入り難いだろうし、太いとかさばる。エアチャックとの変換プラグはどちらのタイプもあるので(取り寄せだが)、色々悩んだ末、4mmを購入した。


エアチャック

 さて、一番問題なのがエアチャック。整備工場などで見かけるメーター付き空気入れのチャックがしっかりしていて良いが、チャックだけの入手はできなかった。以前、ジョイフルホンダでチャックだけ売っていたことがあるが、出来が悪く、手で押してないとエア漏れを起こす。安売り空気入れのチャックも同様でなかなか良いのが見つからず、実はずっと棚上げになっていた。ひょんなことからストレートで売っていることが判明したが、このストレート、価格は安いが工具の精度も価格なりなのでイマイチ信用がおけず、とりあえず1個購入(480円だったかな)。 試しに使ってみたところ、それなりに使えそうなので5個購入した。

 後日談: 加工精度が悪く、5個のうち1個はネジを切ったバリがそのまま残っていて
       エア漏れを起こしていた。手直しして何とか使えるようになった。



●製作

 さて、長くなったが、下の写真がシステム全体図である。エアカプラとエアホースはワンタッチ(差し込むだけ)なので、製作は簡単!

 スペアタイヤ部を拡大したところ。

 分岐カプラは、分かり易いように黄色のものを使用した。

 これが、エアチャック部。3/8"を1/4/"に変換しエアホースを付ける。装着時、エアチャックのレバーを持ち易いようした結果、この形(長さ)となった。

 こちらがタイヤの部分。

 スペアタイヤのエア圧が足りないことを考慮し、ハイパーコンプレッサを接続するバルブを付けた。当然、三又の加工である。

 装着したところ。DDビッグホーンは修理中なので、ジムニーに登場願った。

 ジムニーの場合、スペアタイヤのバルブは内側になる。

 ハイパーコンプレッサを接続した図。

 さて、収納も考えなければならないので、こんなものを作った。(しまうのに手間を食ったらコレ作った意味ないし…)

 こんな風に巻きつけてしまう。

 ちょうど良い大きさの、汎用プラケースが売っていたので購入。大きさ的には、ハイパーコンプレッサがぴったり納まるサイズ。

 収納後。




 さて、実際に使用した結果だが、1キロ位までエアを落とした32スワンパ4本を2.3キロ位にするためには、スペアタイヤのエア圧は7キロ位必要であった。因みに、スペアタイヤは32×11.5R15のマッテレ。タイヤの大きさ=エア容量によって、この辺は若干変わって来るだろう。
 エア圧が均一になるのに要する時間は、予想以上にかかって数分程度待たなければならない。エアホースが4mmと細すぎたためだろうか? ま、片付けと並行しての作業だから、実際には殆ど気にならず、当初の目的は達成されたワケだ。


[TOP