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Digital Photo Gallery  八ヶ岳の詩・御柱特集

2016年   小 宮 御 柱 祭 @

信州諏訪 小宮御柱祭 巡礼
Part U 2016年夏〜秋 
 これまで訪問できなかった小宮の御柱祭を訪ねた。諏訪郡内に宗教法人登記された神社は170余社。
そのほとんどが御柱祭を行う。土日祭日集中だから、とても三、四回の機会では廻り切れない。      
2016年、丙申 小宮御柱祭。 春の諏訪大社御柱祭では決して見られないお祭り風景をお見せしよう。 
    
[諏訪市湖南 南真志野 習焼神社]
「ならやき」と読む。一説に焼畑農の「のらやき」から来た神社名とか。祭神は洲羽若彦命、素戔嗚命他。
諏訪大社上社の摂社、真志野郷の郷社・産土神。御柱は本宮の御用材に引けを取らないモミの巨木を4本
7月17日、西山奥から切り出して、9月17日に4本を順に集落内を曳き回し翌日境内四隅に人力で建てる。
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山出し 三之御柱 中央道脇までモミの巨木を重機で引き下ろした。ここで木造して9月の里曳、建て御柱に備える
  7月17日 14:30
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曳行  古い集落内道路は狭く急坂が多い。太く重い御柱の曳行は難渋、他の柱の担当若者衆が応援に駆けつけたり
     協力一致で通過する。中央道に架かる笹原橋から習焼神社まで約1`を6時間がかりで運んだ。  
9月17日 
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境内曳込み階段落し   鳥居をくぐり段差2m強の階段を引き落として境内に安着となる。見せ場とあって他の柱の
            若衆も集まって、この場面を楽しむ。見物の村の衆、子供木遣りが声援を送る。
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大社に負けない太いモミの柱4本を次々と建てる。手前は二之御柱、右手に直立した一之柱は直径1mある。  9月24日 
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[茅野市湖東 堀地区 金刀毘羅神社]
鎮守の森と呼ぶに相応しい環境のお宮さん。小宮祭としては早い時期の7月9日、雨の降る中行われた。
四国の琴平宮を総社とするから出雲系の神社。諏訪大社とは直接の関係はないが、御柱祭は行われる。
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鎮守の森              集落のはずれ、鳥居の見える所へ一之御柱は曳かれる。     7月9日 
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鳥居をくぐり 階段上り      木遣歌・鼓笛ラッパに励まされ社殿前へ上る。メドテコの子供たちも必死で頑張る
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少数精鋭の曳き手            曳き手は少数ながら、みんなやる気満々。 力を込めて一致協力
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直径40p弱、長さ7mの松。小ぶりの御柱ながら伝統の車地を回して「ヨーイトマーケ」と引きあげる。  
7月9日


[茅野市泉野 中道 神明宮]
子ども中心の天満宮のお祭から、今回、区民総出の本格的小宮御柱祭に規模拡大に成功したのがこちら。
祭の主体を中道新田開発当初から村人の信仰を集めた神明宮に変更した。二本の御柱、径40cm×11m
を地区最高所の住宅地から中心部の神社境内へ約2`曳行、離村家族を呼び戻し、200人以上が参加。
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青田の中   村はずれから2本の御柱を老若男女地区民総出で曳行する。里帰りの若者が多い。 
7月23日 9:30
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お清め      集落内を流れる水路からバケツで御柱に散水。川越儀式の代替だ。
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初めて建つ御柱 調べてあっても初経験の場所、アカマツに跨る高校生は高所でクロマツの小枝に苦しめられた。 
 7月23日  16:57

[茅野市宮川 高部 相本社]
諏訪大社上社前宮に8世紀ごろ祀られた境内小社だったが、高部区小字相本に独立して同地区の産土
神・村社に。諏訪大社上社の摂社であった。祭神はイザナギ・イザナミ命。高部地区は現在80戸、人口
300人足らず。御柱祭では幹周1.7b、長さ10bカラマツ材の一之御柱を約1`曳かなければならない。
そこで「地区民総がかり」がモットーになった。帰郷組、親戚などが相寄って、和気あいあいの曳行だった。
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木造り御柱へ穴をあけメドテコを取り付ける。傍らでメドの綱巻き作業。大技・小技の伝承はこうして次世代へ8月21日
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曳行は建築家藤森照信さんの作品で 高部のお宝 「高過庵」
、「空飛ぶ泥舟」中央の展示場横から8/28
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地区民総掛かり      登り坂にかかると応援組の若者も力を結集してヨイテーコショーッ。 10:04
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力を合わせて 鼓笛隊のリードで   藤森照信先生も帰郷して参加      老若男女地区民総出だ 
     
[茅野市上原 葛井神社]
諏訪大社上社の末社。永明寺山麓の頼岳寺付近からアカマツの大木4本を同じ経路で曳き出す。
JR中央東線を越え、国道20号を横切り中央構造線の断層崖下の社殿へ。社殿裏に信仰の元となった湧
水池があり、昔、上社の祭祀に使った廃棄物を大晦日に池に投げ入れる神事が行われたという。      
祭神は槻井泉神。建て御柱は2日にわたる
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戦国時代の上原城祉・城下町を曳行して下る      沿道にリンゴ、スモモなどの菜園が多い
 9月10日
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JR特急あずさを足下にする四之御柱   小休止中の子どもらは喜んだ          9月10日  11:07
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沿道で無言の声援 楽しい飾り付け       9月10日
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建てる  樹齢数百年の大木の間を大勢の人の手でゆったりと建ち上がる二之御柱社殿の回廊は木遣隊で埋まる。
9月10日  15:12

[茅野市高部 守矢神長官 御左口神総社]
ミシャグジの音に御社宮司、石神などの漢字をあてているようだが、正体は不明。諏訪大社の神官の
長を世襲で勤めてきた守矢家の祝神で、東日本一帯に信仰が広がる。建御名方神が諏訪に鎮座する
以前にこの地方で信仰された洩矢神の説も。天皇家に並ぶ古い家系を持つ現当主は女性である。
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お祓い 小宮用も入れ大小20本の御柱用材、使う道具、作業する人すべてを祓う中央遠くに八ヶ岳の山並み。
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守矢家の祝神ではあるが各地のミシャグジ神の総元社だけに地元民以外の支援者・見学者が馳せ参じた。 
 9月11日
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 ミシャグジ神の総元 岡谷の洩矢神社の氏子、守矢家の人、地元高部の有志、見学者を含め約百人で記念撮影

更新された御柱を背に  2016.09.11. 14:25

[岡谷市加茂町 賀茂神社]
小井川賀茂神社で通る。葵祭りで知られる京都の賀茂社に勧請、同じ社紋が軒先に並ぶ。
別雷命、誉田別命を祀る宮が何で御柱祭か?やはり郷に従ったのだろうか太く立派な御柱
を4本、里曳祭2日間で担当町内を曳き回し、社殿の周りに建てた。                  
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力を合わせ   一之御柱を曳く西町地区の氏子。        岡谷市加茂町2で 10月8日 12:30
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女性木遣をずらりと御柱に乗せ一斉に「神様オネガイダー」。建て御柱のセレモニー。   10月9日
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一之御柱(右)と二之御柱が建ち上がり、境内を埋めて氏子連が歓呼   岡谷市小井川賀茂神社 10月9日 15:30
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お宝投げ  駄菓子、おもちゃ、生活用品、百円硬貨のおひねりも。           10月9日 16:10

[茅野市湖東笹原 鹿狩神社]
標高千百b。人が自営できる集落としては高い方だろう。鎮守の名からして狩猟場として拓けたと思われ
る。この当たりの小宮祭のしんがり役でもある。10月30日朝、八ヶ岳は初冠雪とか。雲に包まれ麓からは
確認できなかったが、かなり冷え込んだ。珍しいサワラ材の一之御柱、径60a長13bは鼓笛隊、木やり
隊に囲まれ、賑々しく曳行され、無事境内に建てられた。
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鼓笛隊、木やり隊に囲まれ賑やかな曳行
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地区の最高所から曳き始め、ここは1100mぐらい。笹原の集落内をゆっくり下り、鎮守の森に引き上げる。  9:20
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曳く人さまざま  今や西洋・外国の人は珍しくないが。
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ハッピ 神社名をイメージに。前襟には鹿狩神社総氏子会、科野之国州羽之里片や派手な色地に地区名をデザイン。
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鹿狩神社一之御柱が建つ    この先7年間の平穏・豊穣を祈る一同。  10月30日 14:30

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Ver.2          Jan.30, 2017.

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