革の物作りを始めてみませんか。革の物作りをするときの基礎知識や作業工程の一例を紹介します。
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TUZIE実験室その3
皮を鞣す?


 「皮を鞣して革とする」と言う説明を、革の本などではよく目にします。渋鞣しでは、タンニンと皮のタンパク質が結びつくのかな? 残念なことに鞣しの本を読んでも、私には十分な理解力がありません。でも、生の皮をタンニン液に漬けてみようかなーと思い立ち、鍋の中で実験開始。実験と言っても、1ヶ月間放っておいただけなんですが・・・。



 タンニン液に漬けてみたのは、上の2種類。左は革工芸用の豚の生皮、右はペットショップで売っている犬のガム。犬のガムは、牛の生皮です。私が買ってきた製品は、原材料が「牛肉皮」となっておりまして、何だかすごい響きですね、「牛肉革」。製造は中国で、販売者は姫路の業者さんでした。

 本来の皮鞣しでは、いろいろな化学的な処理をしながら、革を作っていくわけですが、今回の私の実験はただでたらめにタンニン液に漬けるだけであります。それぞれ、皮を水で戻してから、タンニン液にいれました。
 このように、鍋の中でただタンニン液に漬けただけです。徐々にタンニン濃度を上げていきましたが、それが何か効果があったのかは、まったく不明です。pHはいちおう調整しましたが、その効果も不明です。(すいません。)

 使用したタンニン剤は、ミモザ・ミロバラン・ケブラチョです。適当に混ぜました。
 さて、タンニン液に漬けておいてどうなったかと言いますと、左側の豚の生皮は鞣されたと言うにはほど遠く、色が付いたという感じでです。でも、粉を吹いたように白く見えるところは、鞣しがやや進んだところです。周囲1ミリくらいは芯までタンニン分が入ったようなのですが、全体的にはタンニン分があまり入ってくれなかったようです。この工芸用の生皮は、何らかの処理をされた素材ですし、ちゃんとした段取りをしないと、そう簡単に鞣されてはくれないと言うことですね。

 右側の犬のガムである牛の生皮は、それなりにタンニンが入り革らしくなっています。柔軟性には欠ける硬い革となりましたが、透明感のある生の皮だったものが、網様相の繊維のはっきり見える革らしいものとなりました。渋鞣しの基本原理はこれなのですねー。この、ちょっと鞣された状態になってわかったのですが、私の使った犬のガムは銀のない皮も使われていました。そうですよね、銀付きではもったいないですよね。

 この牛の生皮をタンニン液に漬けている途中で、皮の中から脂肪のかたまりのようなものが、いぼのようにぼつぼつと浸みだしてきました。皮からキノコが生えてきたんじゃないかと思って、びっくりしましたー。けっこう、気持ち悪かった。





 実験と言うには、あまりにもでたらめなものですが、大昔の渋鞣しの原形をかいま見たような気もしました。でも、大昔の鞣しでさえ、今回の私の実験よりも、はるかに手間をかけたものだったはずですね。

 今回の実験の成果・結論は、「革の鞣しをなめてはいけない!」と言うことであります。ふだん何気なく使っている革は、とってもありがたい素材なんですねー。

 裏成果としては、ペット屋で豚の耳を姿のまま犬用に売っているということを知ったことであります。驚きました。でも、鼻とのセットもあると聞き、驚きはさらに大きなものとなったのでありました。ペット業界では普通のことだったのかもしれませんが、私はけっこうびっくりしてしまいました。

 かなり無理のある実験、おそまつでしたー。

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