牛革を1枚広げた写真です。「半裁」と言いまして、大きくなった牛:成牛の革は背中で右と左の半分に分けられています。仔牛などの小さな革は丸革といって、分けられていない状態です。
成牛の革1枚(半裁)の大きさは、200〜300デシくらいの大きさがあります。1デシは、1デシ平方メートルのことで、10センチ×10センチの面積のことです。たとえば3×6版(約91センチ×182センチ)のベニヤ板1枚は約165デシの面積です。
写真でわかるとおり、同じシート状の素材である布などとは違い、形が不定型です。形が不定型なだけでなく、革質も部分によって異なりますし、美観も均一ではありません。
また、写真はヌメ革ですが、鞣し方や仕上げ方によって様々な素材があります。革そのものにクラフト的加工をする場合は、ヌメ革やタンローなどの植物タンニン鞣しの革が一般に使われます。大雑把に言って、ヌメ系の革は生成で味が出ますし、タンローは染色向きです。
牛の革以外にも、豚・山羊・羊などがあります。
革は1枚の中で部分部分の質や美観の違いを見定めて、作る物にあわせて材料を裁断していきます。革のことを知る上でも、1枚単位で購入した方が良いのですが、初めての人には大変なことかもしれません。私どもの工房では、比較的美観の整っているクラフト用の革を、ある程度の大きさにカットして用意しております。
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