革の物作りを始めてみませんか。革の物作りをするときの基礎知識や作業工程の一例を紹介します。
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「皮革について」 「手縫い用工具」 「カービング用工具」
「染料・仕上剤」 「参考解説書」


 革の物作りにもいろいろな世界がありますが、その多くは手工具を使って上質な物作りを楽しむことができるものです。革の素材感が好きな人なら、誰にでも革の物作りを楽しむことができます。「革が好き」、それで革の物作りの素質ありです。

 「革の物作りを始めるのに、どんな物が必要なの?」 私どもの工房を尋ねてくださるお客様からも、よく質問されることです。では、どんな物が必要になるのか、紹介してまいります。

「皮革について」


 牛革を1枚広げた写真です。「半裁」と言いまして、大きくなった牛:成牛の革は背中で右と左の半分に分けられています。仔牛などの小さな革は丸革といって、分けられていない状態です。

 成牛の革1枚(半裁)の大きさは、200〜300デシくらいの大きさがあります。1デシは、1デシ平方メートルのことで、10センチ×10センチの面積のことです。たとえば3×6版(約91センチ×182センチ)のベニヤ板1枚は約165デシの面積です。

 写真でわかるとおり、同じシート状の素材である布などとは違い、形が不定型です。形が不定型なだけでなく、革質も部分によって異なりますし、美観も均一ではありません。

 また、写真はヌメ革ですが、鞣し方や仕上げ方によって様々な素材があります。革そのものにクラフト的加工をする場合は、ヌメ革やタンローなどの植物タンニン鞣しの革が一般に使われます。大雑把に言って、ヌメ系の革は生成で味が出ますし、タンローは染色向きです。

 牛の革以外にも、豚・山羊・羊などがあります。

 革は1枚の中で部分部分の質や美観の違いを見定めて、作る物にあわせて材料を裁断していきます。革のことを知る上でも、1枚単位で購入した方が良いのですが、初めての人には大変なことかもしれません。私どもの工房では、比較的美観の整っているクラフト用の革を、ある程度の大きさにカットして用意しております。



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「手縫い用工具」


 手縫いで何かを作りたいという人が多いので、手縫いの物作りに必要な工具類を紹介します。

 写真のほかに、裁断用のビニール板や穴あけ用のゴム板があると便利です。穴あけの時のハンマーも必要ですね。やはり、作業のしやすい専用の物があった方がいいと思います。

 とりあえずであれば、穴あけも裁断も、不要になった雑誌の上などでやってもかまいません。金槌は工具が傷むので、木槌か樹脂製が適しています。

上段左から 下段左から
  1. 革包丁…切る・漉くなどの作業に使います。
  2. カッター…とりあえず切るだけならカッターでOK. 
  3. ネジ捻…縫い代線を入れます。幅調節できる。
  4. 菱目打ち…手縫いの穴あけ工具。
  5. 菱目打ち…手縫いの穴あけ工具。
  6. 菱目打ち…手縫いの穴あけ工具。
  7. 菱ギリ…これも手縫いの穴あけ道具です。
  8. 合成ゴムのボンド…両面塗布し、乾燥後接着します。
  9. ノリベラ…接着剤のはがしやすい樹脂製がおすすめです。
  10. 磨きへら…「へら付きへり磨き」という名前の道具です。
  1. 手縫い針…私はふとん針が好きですが、専用針もあります。
  2. 手縫い糸…最も一般的な麻糸です。
  3. ビーズワックス…糸に施すワックスです。
  4. CMC…切り口や床面を磨くのに使うのり材です。
  5. ハトメ抜き2本…丸い穴をあけるときに使う穴あけです。
  6. 金具打ち台…金具を打つときの、カップのある台です。
  7. 金具打ち棒3本…金具の打ち具。金具により専用品です。



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「カービング用工具」


 クラフト用の皮革に装飾を施す技法の代表的なものに、レザーカービングがあります。

 最初はレザーカービングを知らない人でも、手縫いなどの仕立てを始めてしばらくすると、レザーカービングに興味を持つようになることが少なくないようです。

 それぞれの工具に種類があり、刻印では数百種類の物があります。何を基本の刻印とするかは人により違うと思いますが、私なりに基本と思う物を選んでみます。

 写真の工具のほかに、カービングを行う台が必要です。硬くてクッションの効かない石素材がおすすめです。刻印を叩くのには、木槌か樹脂製ハンマーを使います。

写真の左から 基本の刻印(クラフトマン辻永の選択)
  1. 文鎮…トレースやカービングの時の重し。
  2. 鉄筆…図柄のトレースに使います。
  3. スゥィベルナイフ…図柄のカットに。
  4. スゥィベルナイフ…図柄のカットに。
  5. 刻印各種…工程ごとの各種の刻印。
  6. モデラ…へらで凹凸を付けることができます。
A104 A104-2 B702細  B701細
C709  C425  V709
P217  P975  N363  S706
H907  U710  X500  M880
(自分で欲しいと思った物を用意するのが1番ですが、当工房の生徒さんは最低で約40本用意します。)



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「染料・仕上剤」

染料 仕上剤
 すぐに使うことのできる液体の染料です。一般に「水性染料」と言われる物と、「アルコール染料」と言われる物があります。  水性の物・油性の物。合成樹脂・油脂・ワックスなど、各種の仕上剤があります。何を選ぶかは、使う人次第。



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「参考解説書」

 レザークラフト関連の技法解説書などが出版されています。その中から参考になりそうな物をいくつか紹介いたします。

手縫い仕立て

  • 「革工芸 手縫いの真髄」  矢澤 十四一著
    日本語ではこの本が詳しいです。
  • 「HAND SEWING LEATHER」  AL STOHLMAN著
    海外のテキストは、図解がわかりやすく、見てわかります。
  • THE ART OF MAKINNG  LEATHERCASES」 1〜3  AL STOHLMAN著
    1は小物。2はバッグ。3は特殊なケース類。
  • 「THE LEATHERWORKING HANDBOOK」   VALERIEMICHAEL著
    アメリカの解説書が多い中で、この1冊はイギリスの物。

レザーカービング】

  • 「レザーカービング」  彦坂 和子編
    前半の解説をじっくり読むと、参考になると思います。
  • CRAFTOOL  TECH・TIPS」  AL STOHLMAN著
    ほかにも、スツールマン氏のテキストがいろいろあり、参考になります。
    氏は故人ですが、定番的なテキストがいくつも出版されています。

革ひもかがり

  • 「LACING & STITCHING FOR LEATHERCRAFT」
    薄いテキストですが、手ごろな価格で一通りわかります。
  • 「LEATHER BRAIDING」  BRUCE GRANT著
    革ひもを使ったいろいろなテクニックが紹介されています。

広く浅くほどほどに】

  • 「手縫いとかがり」  彦坂 和子著

楽しい作品集

  • 「LEATHER DOLLS 革の人形」  本池 秀夫著
    味のある人形たち。人物・背景・動物・小物、じっくり見てください。
  • 「中濱  レザークラフト作品集」1〜4
    漆を使ったユニークな造形の作品集です。
    お名前の「じゅん」の漢字は、外字で作成した上でGIF画像として表示しています。ほかの文字と大きさが揃わないと思われます。申し訳ございません。





 上の2枚の写真は、クラフト愛好者がオリジナルで作った作品です。自分のイメージで物作りをしていくのはとても楽しいですし、完成したときの喜びも大きい物があります。そして、次はどんな物を作ろうかと、新しいイメージがわいてくるのではないかと思います。

 革の物作りは、きっと簡単に始めて頂けると思います。そして少し時間がたってから、奥の深いところもあることに気が付かれるかもしれません。「簡単だけど、難しい。」それが物作りの良さだと思います。自分に合った物作りができると言うことですね。

 革は布のようにも扱うことができますが、切り口がほつれることはありません。また、木工と同じような技法を使うことができるところもあります。そして、革独特の加工性も持ち合わせています。そんな多様性のある素材です。

 人類が最も古くから利用を始めた素材の一つが皮革だと思います。大判のシート状素材の最初の物かもしれません。皮革は、「手」で加工することが容易な素材です。「ハンドメイド」の革物作り、楽しんでみませんか。




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