ラテン・バンドのコンサートを聞いて

永田 敏男

あれはいつだっただろうか、おそらく9月の初め頃ではなかっただろうか。
夏のような日ざしの強い日で、少し歩くと汗ばむころの気温の日でした。
名古屋市民会館で行われたラテン・バンド「アンサンブル・アーミー」のコンサートに行って来ました。

私の女房が、我が家の愛犬が、今年で18年目の年齢で、いろいろと世話が必要で  手が放せないので、一緒に行けないということで、kさんに話したら、一緒に行ってくれるとの約束をいただき、このコンサート行きが実現した訳です。

1千人以上の入場者はあったと思いますが、なんといっても100名余のボランティアのヘルプがあって成立したということでびっくりしました。
 私は、「アンサンブル・アーミー」が、メキシコ遠征に行く前のコンサートも行った覚えがあります。あの時、私のすぐ後でトランペットが鳴り出し、驚いたり感動も強く受けたものでした。

ラテンの本場での演奏会のために彼らもかなり熱の入った演奏ぶりをコンサートで表現していたのではないかと思われました。
メンバーも、一人一人が明るくて、生き生きとして、その話しぶりや演奏の中に現れているように感じました。
2時間余の演奏会で、その軽快なリズムが聴衆の体を動かし、そのハーモニーが心を揺さぶる素晴らしい演奏会でした。

彼らの中に一抹の寂しさが感じられたのは、彼らのメンバーでギター奏者の方が、このコンサートを楽しみにしながらも4月に逝去されたとの事実でした。
このメンバーには、晴眼者も数人加わって、さらに充実したとのことでした。
cdで聞くと、どこか素人と思われるような節もありますが、生の演奏を聞くと、プロ並みかなとも思えるほど素晴らしい演奏でした。
最後のアンコールの拍手がやまないのも、その演奏の感動を裏付けるものだと思いました。

それにしても、これだけの演奏をするには、大変な練習と、それぞれのメンバーが、本当に楽器が好きで、それに打ち込めるだけの情熱を持ち合わさなければできない成果であろうと思います。

今回のコンサートから一つ学んだことといえば、人生で何かに打ち込み、夢中になれるものがあるということは、人生を充実して送ることができるということです。
若ければ、なんでも挑戦できるが、今からでは遅いと人はいうかもしれません。しかし、1歩でも進めばそれでじゅうぶんだと思います。たどたどしくドレミファが引けるだけでも良いのではないでしょうか。
ともあれ、何かに打ち込める、あるいは夢中になれるものがあったら、素晴らしいことではないかと思います。

remの仲間でも、マラソンで完走したり、卓球で上位の成績を取ったり、パソコンに卓越されるという方々もあります。

このパソコンサークルremに参加して私はいつも思います。一つ覚えれば、それは前進です。雪だるまを転がせばだんだん大きくなります。止まっていては溶けるだけで、後退をよぎなくされます。
誰かの歌に「3歩進んで2歩下がる」という歌があります。1歩でも、プラスがあれば、喜びであり、充実であると思います。
 皆さんに教訓を申し上げるなどと大それた考えはありませんが、いってみれば私への自らの反省と今後の生き方を、このラテンバンドから学んだと言えるかもしれません。