ただ今、町内の組長さん
中村俊江わたくしたち家族が現住所に住むようになってから23年目になります。引っ越しして来た当時は家の周辺は空き地が多く、1年に数回、町内の皆さんで空き地の雑草の刈り取りや下水の掃除をしていました。
町内の行事が、あった事でご近所の皆さんの名前とお顔が良く判り、お話をする機会もありました。
しかし、数年前からは空き地も無くなり、町内の一斉掃除も廃止になり、行事も少なくなり町内の皆さん方との交流もほとんどありません。そして最近では引っ越しをしてこられた人もご近所に挨拶にこられる方も少なくなり、どんな方が住んでおられるのか、全くわからないというのが現実です。
我が家の両隣は空き地と留守宅なのでさみしいのと、少し不安です。
「遠くの親類より近くの他人」という言葉があるようにご近所とのお付き合いは大事にしたいし、私が視覚障害者であることを知ってもらいたいといつも思っていました。
そして私のことを知っていただく機会が訪れたのです。昨年の4月から町内の組長の順番が初めて我が家に来ました。
私ひとりでは当然出来ませんから主人の協力を得て、組長をすることにしました。
まず、最初は町費を集めることからです。各家を2人で訪問し、「私がインターホンでお願いをし、主人がお金を受け取る」というぐあいで始めました。
町内に住んでおられる方の名前もよくわかっていませんでしたから訪問しながら、次はどなたの家なのか楽しみでした。
少しずつお名前が覚えられたり、お声を聞かせていただくといぜんごあいさつを交わした方はこの家の方だったかと何だか、うれしくなります。
そして赤い羽根の募金や赤十字の寄付などをお願いに数回訪問しましたから、今では17軒ある家のお名前が順にわかるようになりました。
町内の組長をさせていただいた事で、少しずつご近所の様子を知ることができ、交流がしやすくなりました。
私が視覚障害者であることを知っておられる方は「組長をしなくてもよかったのに、ご苦労様です。」とやさしく声を掛けていただき、思いやりを感じました。
しかし、私にとっては組長をさせていただけて良かったと思います。3月の終了まで、もうしばらく残っていますが、しっかりとやらせていただきたいと思います。