スピードの違う時計
近藤貞二ついこの前、21世紀の始まりだとか何とか言って騒いでいたのに、もう2000年も3年になってしまいましたね。
何でも、2003年といえば鉄腕アトムが誕生する年だそうですね。今年中に鉄腕アトムが生まれるかどうかは分かりませんけど、子どものころに見ていたあのマンガはそれほど遠い話ではなかったのですね。
おふろで髪の毛を洗うとき、シャンプーで髪を立たせて、よく鉄腕アトムのような頭にして、いつまでも遊んでいたことを思い出します。早くウランちゃん(鉄腕アトムの妹)に会いたいなあ。
それにしても月日の流れは早いもので、あんまり次から次へといろいろなできごとが起きるものですから、いつのことだったのか忘れてしまうことが多いです。そんなことを言ってるのは私だけでしょうか?
私は何をするにも不器用で、しかも怠け者ときてるものですから、人の2倍も3倍も時間がかかってしまうのです。
要領が悪いと言われればそのとおりなのですが、自分では、進みかたの遅い時計を持ってるんじゃないかと言いわけするのであります。
そういえば、この前パソコン雑誌を読んでおりましたら「パソコンの寿命は3年」という記事が載ってました。
この「3年」というのは、3年でパソコンが壊れてしまう…という意味ではなくて、ユーザーが新しいパソコンに買い換えたくなるサイクルが「3年」だということだそうです。
つまり、ユーザー側が決めている「パソコンの寿命」ということなのです。それほど、パソコンをとりまく変化が激しいということなのでしょうね。
「日進月歩」という言葉がありますが、さしずめパソコンの世界では「時進日歩」というところでしょうか?
しかし、ウインドウズ95が発売された7年ほど前のパソコンの寿命は、わずか2年ぐらいだったかな?正確な年数は忘れてしまいましたが、そのころに比べれば、ちょっと長くなっているようです。
それにしても3年ですよ!!何年か前に「3年目の浮気」という歌がヒットしましたが、そんな感じなのかな?
私が初めてパソコンを買ったのは1984年の春だったと思いますので、間もなく19年前ということになるのでしょうか。
その19年の間に私はパソコンを6台買いました。そのうち2台は中古のノートパソコンですので、これは必要にせまられて買った物です。ですので、新しいパソコンが欲しくて買ったのが、19年間に4台ということになります。ですので、平均すれば約5年に1台ということになりますね。
ただ、1台目のパソコンはnecの「pc-6601」というおもちゃのようなパソコンでしたので、実用的なパソコンは1992年の春に買ったpc-9801からです。ということは、約11年に3台ということで、平均すれば4年弱に1台買っていることになります。
しかしこれでも、上にあげた「現在のパソコンの寿命3年」と比べれば若干長いわけなので、ここでも世間のレベルよりも遅いわけなのです。
しかしこれは、ただたんに経済的に許されないだけであって、やはり新しい機能をもったパソコンには魅力を感じるのであります。
私が買った初めてのパソコンは、上にも書きましたように、necのpc-6601というパソコンで、これにはボイスシンセサイザーが搭載されており、簡単にパソコンに言葉をしゃべらせることや歌を歌わせることができました。
だからそのパソコンを買ったというわけではなくて、パソコンで何かをしたいという目的があったわけでもなく、1984年だったと思いますけど、現在の名視協の青年部が主催でパソコン講習会がライトハウスで行われ、パソコンで何ができるかという興味でパソコンを買って講習会に参加しました。その講習会で使用したのが「pc-6001」というパソコンで、これは私が買った「pc-6601」と姉妹機のパソコンだったのです。
当時はbasicというプログラミング言語を覚えて自分でプログラムを作らないと動いてくれませんでした。また困ったことに、機種によってbasic言語が違っていたのです。
ですので、パソコン講習会といっても、現在のようにワープロやメーラーなどのアプリケーションソフトの使い方の講習ではなくて、basicプログラムの学習の講習だったのです。
つまり、当時は自分でプログラムを作ることもパソコンの楽しみ方の一つでした。というより、実用的なソフトウェアーはそれほど無く、パソコンを覚えること=プログラミングを覚えることだったと思います。
私も、講習会のサンプルでいただいた簡単なプログラムを書き換えたりして、夜中遅くまで夢中で遊んでいたことを覚えています。
サンプルプログラムをすこし書き換えただけのものでも、自分の思うように動いてくれた時の喜びは、思わずパソコンを力ずくでねじふせたような気がしました。
しかし私の力はそこまでで、後はそのパソコン、長野工業高等専門学校の知野先生が作られた「チノワード」という、漢点字用のワープロ機としてしばらくは便利に使っていました。
そうそう、pc-6601というパソコンをご存じの方は驚かれるかもしれませんけど、チノワードというワープロシステムは、あんな非力なおもちゃのようなパソコンでも、十分実用的で画期的なワープロシステムでしたよ。
そのころに比べれば今のパソコン環境は夢のようです。ワープロで墨字を書くことはもちろん、活字書の読み上げ、メールのやりとりやホームページの活用……、晴眼者と変わらないほどの環境になりました。
私が初めて手にしたパソコンから、わずか?20年ほどでこうなのですから、もう20年もしたら、本当に鉄腕アトムのような知恵を持った人間形ロボットが誕生していて、僕たちを守ってくれたりサポートしてくれたりして、お互いにいい知恵を出し合ったりアドバイスをしあって、人とロボットが共存しているかもしれませんね。
「10年一昔」と言いますが、10年も過ぎれば、自分は変わっていないつもりでも、本当に昔っていう感じがしますね。
1日1日がものすごいスピードで過ぎ去っていくのに、いくらのろまで不器用な私でも、体力と気力がどんどん後退しないはずもありません。
人間的にはいつまでたっても進歩しない私ですが、これからもどうぞよろしくお願いします。