比較的早く晩春から夏の時期に実を付けるのがオヤブジラミ、ヤブジラミ等のヤブジラミ類やナガジラミとも呼ばれるヤブニンジンで、シラミを連想させて付けられた名前の植物群である。( 「ヤブジラミとヤブニンジン」 の項参照)
夏も盛りの頃にはウマノミツバ、ハエドクソウが実を付け始め、ミズタマソウも現れる。(「ミツバとウマノミツバ」 「ハエドクソウと蝿取り紙」 、 「アカバナとミズタマソウ」 の項参照)
秋は 「引っ付き虫」 のシーズンで種々様々な 「引っ付き虫」 が現れる。 ヌスビトハギ類、イノコズチ類、オナモミ類、キンミズヒキやミズヒキ等で、これらは棘(とげ)で衣服に引っ付くが、変わった所ではメナモミやチヂミザサの様に粘液を出してそれで引っ付く 「引っ付き虫」 もある。( 「ヌスビトハギとその仲間」 、 「メナモミとオナモミ」 、 「キンミズヒキとミズヒキ」 、 「チヂミザサは厄介者」 の項参照)
なかでも厄介なのはイノコズチの種子で上の写真にもあるよう小さな果実がばらばらになって衣服に付き、取るのに苦労する。 ヒユ科の薬草で根を乾燥したものは利尿、通径の薬となる。 ヒカゲノイノコズチやヒナタノイノコズチ等があり、普通イノコズチと言えばヒカゲノイノコズチを指すが、野原で目立つのはヒナタノイノコズチの方であり、薬用に使うのもヒナタノイノコズチの根が多いとのことである。 名前の由来は諸説あるが、しばしば見られる茎の節が肥大した 「虫こぶ」 の部分を猪(いのしし)の子供の膝頭に見立ててイノコズチ(猪子槌)になったとする説が一般的である。
「引っ付き虫」 の中でも一番始末の悪いのは晩秋から冬にかけてのコセンダングサである。 写真の様に種子を形成している棘(とげ)がばらばらに分かれて引っ付くのでこれを取るのは容易ではない。 散歩をしたり写真を撮ったりする度に泣かされる花である。( 「センダングサいろいろ」 の項参照)
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