ヤマジノホトトギスとホトトギスいろいろ

ヤマジノホトトギス

ホトトギスとは言っても鳥ではなく、花の名前である。 花びらの斑紋が鳥のホトトギスの胸の模様と似ているのでその名が有る。
ユリ科ホトトギス属にはホトトギス、ヤマジノホトトギス、ヤマホトトギス、各種ジョウロホトトギス等、19種がいずれも東南アジアに生育し、この内10種が日本の固有種で、その意味では典型的な日本の花であるが、せいぜい茶花に使われていた程度で、あまり歌にも詠まれず、昔から愛でられていたと言う記述も無い。
かといって、深山に咲いて目に触れないと言う訳でもなく、表題の写真のヤマジノホトトギス(山路のホトトギス)は山裾を散策する程度ですぐ見つかる花である。
ホトトギスは英名で 「ヒキガエルのユリ」 を意味する名前を付けられているところからみても、見方は人それぞれで、昔の人もあまり好まなかったのかもしれない。
むしろ近年の方が種々の園芸種が出回って庭にも植えられ、人の目に触れる機会も多い。 園芸種のほとんどは日本古来種ではなく、タイワンホトトギスをベースに改良されたもので、ダルマホトトギス等の変種もあり、日本の古来種との雑種も見られる。
日本のホトトギスは葉腋に1-3個の花を付け比較的地味であるが、タイワンホトトギスは茎を伸ばし分岐し、その先に沢山の花を付けるので、それが現代人の趣向に合うのかもしれない。

山に自生するホトトギスの中には斑点の無いシロホトトギスと呼ばれる種類もあり、ホトトギスもいろいろである。

ヤマジノホトトギス

ホトトギス

タイワンホトトギス      ダルマホトトギス     シロホトトギス

ヤマジノホトトギスやホトトギスは鳥のホトトギス(不如帰)ほど有名でなく、山裾にひっそりと咲くユり科の花である。

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