ナノテク研究プロジェクト
ナノ物質の生態系汚染に関する研究の紹介

安間 武(化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2010年 1月 9日
更新日:2012年 7月30日
4. ナノと環境 潜在的ハザードとリスク(包括的解説)を追加)

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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/project/nano_ecosystem.html


1.ナノ物質の生態系汚染の考察

 ナノテクノロジーは食品、医療、環境、材料、自動車、農業、エネルギー、情報通信などあらゆる分野での利用が期待されており、消費者製品に限っても、化粧品、衣料品、電化製品、日用品、スポーツ用品、食品・飲料、容器包装など市場に出ているものでナノを謳っている製品(以後、ナノ製品)は1000以上あると言われています[1]。このようなナノテクノロジーの応用をナノ物質の製造、ナノ製品の製造・使用・廃棄という全ライフサイクルで考えると、様々な段階でナノ物質が環境に放出されると考えられます。しかしそれらがいつ、どのように環境に放出され、生態系にどのような影響を及ぼすのかについての研究は、ナノ銀など特定のナノ物質についてようやく着手されたばかりであり、全貌についてはほとんど分かっていません。

 現在、非常に多くの種類のナノ物質が製造/輸入されているはずですが、ナノ物質のデータ届出及び公開のシステムがないので、どのような種類のナノ物質がどれだけ製造/輸入されているのかについての正確な情報を国は把握できていません。まして環境中にどれだけ放出されているのかについての根拠ある情報は全くありません。

 工業用ナノ物質の環境への放出源については、ナノ物質の開発・製造過程、ナノ製品の製造過程、ナノ製品の使用過程、ナノ製品の廃棄過程が考えられます。これらのナノ物質は、水、大気、土壌を通じて環境に放出されます。しかし環境中のナノ物質の検出技術はまだ全く確立していないので、いったん環境中に放出されると、それらがどのような経路でどこに行くのかを確認する方法がありません。また、それらを回収する方法もありません。

 しかし、様々なナノ物質が、マウスや魚類を含む脊椎動物、水生無脊椎動物、藻類、バクテリアなどに有害影響を及ぼす可能性があることが分かり始めています[2]。例えば、カーボン・ナノチューブがアスベストのようにマウスに中皮腫を起こす可能性があることを報告した研究[3]、[4]があることはよく知られており、これはヒトへの有害影響を示唆するものです。一方、バクテリアなどを殺すことは生態系のバランスを崩し、生態系を損なうおそれがあります。また環境に放出されたナノ粒子が食物連鎖の中に入り込む可能性があります。

 このように有害性を懸念するに足る研究が報告されているにも関わらず、安全性が確認されていないナノ物質を何ら管理することなく、環境に放出することがなぜ許されるのでしょうか? もう一度、アスベストの教訓を思い起こす必要があります。

 本稿では、ナノ物質の環境への放出と生態系への影響の可能性について報告されている研究の一部を紹介します。

2.生態系への影響に関する研究の紹介

2.1 海洋食物網を汚染する

 SAFENANO 2009年6月22日の記事[5]によれば、米・国立海洋大気圏局(NOAA)の科学者らとの共同研究でサウスカロライナ大学ナノセンターの研究者らは金ナノロッドが水系から海洋食物網(marine food web)に容易に入り込むことができることを検証したとNature Nanotechnology online: 21 June 2009に発表しました。
 この研究は、沿岸干潟生態系を複製した実験用干潟大型水槽を製作して、人工ナノ粒子が水系から海岸地帯にまでたどり着き、貝や魚が育つ塩湿地や潮間帯に入り込むことがあるのかを検証したものです。
 この研究によれば、金ナノロッドは容易に海洋食物網に移動し、湿地の草に吸収され、バイオフィルム[注1]に取り込まれ、ハマグリのような濾過摂食者(フィルターフィーダー)[注2]に消費され、ハマグリの様な二枚貝は多量のナノ物質を蓄積することが分かったとしています。
 金ナノロッドは医学分野での応用やステンドグラスの着色に使われる棒状のナノ物質ですが、追跡性が良いためにこの研究で使用したとのことです。
 結論として、人工ナノ粒子が干潟の食物網に入り込み、最終的には人間が食べる貝や魚に達することができることを示しています。

2.2 フラーレンがカキに及ぼす影響

 ノースカロライナ大学の研究者らが、フラーレン(C60)はカキにより水中で濾過摂食され肝臓細胞に取り込まれて体内に蓄積し、細胞の再生や栄養摂取の能力に影響を与えることをEnviron. Sci. Technol., 2009, DOI: 10.1021/es900621j に発表しました[6]。この研究はナノ粒子の海洋又は河口の生物に及ぼす影響に関する数少ない研究のひとつです。
 カキは生態学的に重要な濾過摂取動物であり、ナノ粒子の海洋生物への潜在的な影響を特性化するための貴重な毒性学的モデルと言われています。

2.3 カキと二枚貝は大量にナノ粒子を摂取して体内に蓄積する

 コネティカット大学の研究者らが実験室での研究で、カキとムラサキガイは懸濁物が存在する海水から大量の工業ナノ物質を摂取し体内に蓄積することが出来ることを発見し、食物連鎖による高次捕食生物に影響を及ぼす可能性を示しました[7]。海洋では物質が粒子単独で存在することはほとんどなくて、海流が粒子や粘着性の有機物質を結合させて”マリンスノー”と呼ばれる懸濁物にし”これらの懸濁物は海底に沈み、二枚貝のような濾過摂食生物が摂取します。
 研究者らは天然の海水を使用して蛍光標識されたポリスチレンナノ粒子を含んだ懸濁物を作り出して、ムラサキガイとカキの摂取を調査しました。その結果、懸濁物が存在すると100nmのナノ粒子の摂取が著しく高くなり、ナノ粒子は10μmポリスチレン・ビードより消化器官中の滞留時間が長く、ナノ粒子は中腸腺に運ばれることを示唆しているとしています。研究者らは、小さなナノ粒子が生体細胞のもつ自然の防衛能力をかいくぐることが出来るという点で特に危険であると述べています。

2.4 土壌中のナノ粒子が陸生の食物網に入り込む

 化粧品、衣料品、医療機器などに含まれるナノ粒子は、排水系を通じて排水処理された後、下水汚泥中に行き着きます。アメリカやヨーロッパではこれらの下水汚泥は肥料として畑に施されています。
 ケンタッキー大学の研究者らは、金ナノ粒子を混ぜた人工の土壌に(食物連鎖下位の)ミミズを入れると、ミミズが土壌から金ナノ粒子を摂取し、ミミズの組織中全体に分布することを確認しました。研究者らは、このことは汚泥肥料の施肥のような行為により、土壌中に存在するナノ粒子は陸生の食物網に入り込む可能性があることを示唆しているとしていますた[7-1]。また限定的な証拠ではあるが曝露したミミズの繁殖力は最大90%落ちたと報告しています。
 金ナノ粒子を使用した理由は、酸化溶解しにくく、検出しやすいので、生物学的系内におけるナノ物質の挙動を探るために有効であるからであると説明しています。

3.環境中の工業用ナノ物質

3.1 二酸化チタンの事例

 米化学会ES&T 2009年7月28日の記事[8]によれば、ナノ物質に関連する環境研究の大部分は、実験室の理想化した環境でのナノ物質の毒性に目が向けられてきたが、研究者らは環境中の現実のナノ物質を求めて徐々に実験室的手法を変えつつある。しかし様々な困難があるとして、以下のように二酸化チタンの事例をあげてつぎのように解説しています。

(1) 工業用ナノ物質の検出
 スイス連邦材料試験研究所の研究者らは、建物の外壁の塗料が落ちて近くの土壌や水路に入り込んだ二酸化チタン(TiO2)のナノ粒子を追跡したが、難しかったことはバックグラウンドから当該ナノ粒子を分離することであった。ナノ粒子のあるものは自然に存在し、あるいは通常のサイズ、すなわち"バルク形状"の製品に由来するからである。例えば、大量のバルクサイズの TiO2 が塗料やその他の用途に何十年も使用されてきたが、このバルク形状はナノ粒子を放出することができる。したがって環境中における天然又はバルク由来のタイプの TiO2 の存在が工業用ナノ粒子の測定を困難にしている。
 研究者らは結晶のサイズと粒子が随伴する有機物により、自然なものと工業的なものとを区別することができると示唆している。しかし、ある場合には、実際には有機コーティングされたチタン粒子の場合でも TiO2 が自然の有機物質にくっついているように見えるかも知れず、検出をさらに難しくするとしている。
 現在までのところ、必要とする全ての重要な情報を与えてくれるひとつの包括的な技術はないが、それぞれの手法はある情報を与えることができるので、それらの要素を一緒にすれば、10の不鮮明な画像を重ね合わせれば、ひとつの鮮明な画像を得ることができる。

(2) 工業用ナノ物質の多様性
 スイス連邦材料試験研究所の研究者は、TiO2の異なる種類はすでに200種、存在すると述べている。ナノTiO2又は他のナノ物質がコーティングで機能化されることになれば、機能化されたナノ粒子の種類は数千になる可能性があるとして、それらを個別に調査しなくてはならないのだろうかと問いかける。
 デューク大学の研究者らによれば、市場にある工業用ナノTiO2の量は今後数年間で増大し続け、2025年までにバルク形状のものの使用に置き換わる可能性がある[9]。現在の世界のバルク TiO2 の製造レベルは年間約400万トンで、そのうちアメリカだけで年間130万トンである。(現在のナノTiO2の製造量は恐らくバルク のものよりはるかに少ない。)

(3) 環境放出の経路
 アリゾナ州立大学の研究者は環境中に広く存在する可能性があるTiO2の光化学的反応は特に興味深いと述べている。食品や化粧品からのからのナノTiO2 は、例えば、廃水処理系に入り込み、廃水処理施設から環境中に容易に移動することができる。TiO2の大部分はバイオ固形物中に蓄積した後、例えば、TiO2は農業用畑から水路や河川に入り込む。

(4) 二酸化チタン・ナノ粒子が水生生態系の炭素と窒素の循環をかく乱する
 アメリカの研究者らが、光合成と窒素固定の両方を行なう藻(シアノバクテリア)を、下水処理排水中に存在するのと同レベルの二酸化チタン・ナノ粒子に曝露させると、光合成と窒素固定が抑制され、水生生態系の窒素と炭素の循環がかく乱されることを示した[9-1]。バクテリアは二酸化チタン・ナノ粒子に曝露すると環境的ストレスを受けてバクテリアの成長は90%低下し、また窒素を多く含むCGP微粒(たんぱく質)を合成して96時間以内に細胞の断面積の16%以上を占めた。細胞成長が遅くなると光合成はとまり、細胞の二酸化炭素取り込みは低下する。一方、CGP微粒が合成されると固定窒素の生成が抑制される。この二つのことは、二酸化チタン・ナノ粒子が水生生態系の炭素と窒素の循環をかく乱することを示唆している。

3.2 ナノ物質の製造量を推定する

 デューク大学2009年5月20日のプレスリリース[9]は、同大学の研究者は、将来のリスク評価のための研究に向けた準備作業として、二酸化チタンのようなひとつの物質がどのくらい製造されているかを見積もるために、カリフォルニア大学の共同研究者が開発したアプローチを採用して二酸化チタン製造量を推定したとして、以下の内容を含む発表を行いました。

(1) 最も広く使われているナノ粒子のひとつが二酸化チタンのナノ粒子形状であり、日焼け止めや練り歯磨きから塗料や紙まで多様な製品中に見出すことができる。しかし二酸化チタンを製造する会社は企業秘密であるとして情報を開示することを嫌がるので、製造量を把握することができない。そこで科学的及び工学的知識をビジネス及び経済学的モデルと結合した手法を用いて二酸化チタンの製造量を推定した。

(2) この手法によれば、二酸化チタン・ナノ粒子の製造は2002年には無視できる量であったが、今日では製造される二酸化チタンの総量の約2.5%に上昇した。2015年までには、もっと多くの会社がもっと新しい技術に転換するので、ナノ粒子製造は総量の約10%に達すると見積もっている。最も挑戦的なシナリオでは、アメリカにおける二酸化チタンの全量、約250万トンのほとんど全てが2025年までにナノ粒子形状になると推定している。

3.3 サイズが問題である−微生物への毒性をナノ粒子で比較

 マサチューセッツ大学の研究者らによる新たな研究で、バルクの酸化物粒子とそれから放出されるイオンの微生物毒性が、4種の酸化物ナノ粒子と比較評価され、サイズが問題であることが明確に示されました[10]。  バクテリアは生態系機能に多くの重要な役割を果たすので、環境中に放出されたナノ粒子がそれらに及ぼす潜在的な影響は特に注目に値します。研究者らは、ナノ粒子のバクテリア毒性はサイズに関連するのか、あるいは組成に関連するのかをよりよく理解するために、3つのモデル・バクテリア種を用いてナノ粒子化された酸化アルミニウム(60 nm)、二酸化シリコン(20 nm)、二酸化チタン(50 nm)、酸化亜鉛(20 nm)を検証しました。これらは一般的な産業用添加物であり、化粧品からエレクトロニクスにいたるまで様々な分野で応用されています。
 この研究における実験条件下で以下のことが観察されたとしています。

(1) 酸化アルミニウム、二酸化シリコン、酸化亜鉛のナノ粒子はテストされた3種のバクテリアに有毒であったが、二酸化チタンのナノ粒子は観察できる毒性を示さなかった。酸化亜鉛は最も高い毒性を示した。
(2) 酸化アルミニウム、二酸化シリコン、酸化亜鉛のナノ粒子は、それらのバルクサイズの相方に比べて毒性が高かった。
(3) ナノ粒子の毒性は、溶解金属イオンだけでなく、バクテリアの細胞壁に取り付きやすいことにも由来する。

 二酸化チタンだけがテストした4種類のナノ粒子の中で微生物に対して毒性を示さなかった理由は、二酸化チタンは高いマイナス電荷を帯びたナノ粒子であり、マイナス電荷のバクテリア細胞は二酸化チタンのナノ粒子をはじくからであると説明しています。
 バクテリアは水生系でプラス電荷のナノ粒子をひきつけるので、そのようなナノ粒子は水生系食物連鎖に入り込む機会が増える可能性があること、ナノ粒子の毒性とバクテリアへの取り付きとの関係は、ナノ粒子の製造者がナノ粒子の表面特性を調整することによって環境に適切なナノ粒子を開発するよう触発するかもしれないとしています。

3.4 抗菌ソックスのナノ銀はどこに行くか

 銀に殺菌・抗菌作用があることはギリシャ、ローマの時代から知られています。近年、銀イオンやナノ粒子の殺菌・抗菌効果を利用した多くの商品が市場に出ています。ナノ銀利用製品には、繊維、洗濯機、染料/塗料/ワニス、ポリマー、流しや衛生セラミックス、消毒剤、防臭剤、台所用品、化粧品、身体手入れ用品、乳幼児製品、医療品などがあり、その応用範囲は急速に拡大しています。銀ナノ粒子で処理した抗臭・抗菌ソックスも人気があるそうです。
 これらの製品に使用されたナノ銀は環境中にどのように放出されているのでしょうか?Nanowerk 2009年11月4日の記事[11]は次のように紹介しています。

  • スイスの研究者らは、商業的に入手可能な異なるブランドの抗菌ソックスを含む9種類の布製品について洗濯水中のナノ粒子の放出を調べた。その結果、放出される総量は、布中のナノ銀の総量の1%以下から45%まで非常に大きく変動すること、そして、そのほとんどは最初の洗濯で放出されることがわかった。

  • 布中のナノ銀洗濯水へ、したがって排水中へ放出される多くの粒子は450nm以上の大きな銀粒子である。この研究の重要な結果は、洗濯中に放出される銀を少なくする方法を示唆しており、製造者も消費者も、魚や他の野生生物を潜在的に損なうこれらの粒子の環境中への放出を最小にすることができる方法があると研究者らは述べている。
  • 環境中への放出を最小にするコツは、抗菌効果のために溶解銀がある程度放出するよう、しかしナノ粒子を効果的に固定して洗濯中に放出しないよう、銀を繊維に結びつけるナノ仕上げプロセスを使用することである。

 米化学会C&EN 2010年9月21日の記事によれば、米バージニア・テクの研究者らが、公共排水処理施設に関する2009年の米EPAの調査データを調べ、全ての施設の汚泥に銀が含まれており、そこでは銀ナノ粒子は硫化第一水銀(Hg2S)に変換されているらしいことを発見したという内容です。X線透過電子顕微鏡を用いて環境中に放出された銀ナノ粒子を検出する方法を見つけた初めての研究であるとされています。バルクの硫化銀は水中では、特に銀イオンと比べると、ほとんど溶解しないが、たとえ硫化銀ナノ粒子が水を媒体にして移動することがなくても、汚泥中の粒子を摂取する動物を通じて生態系に入り込むことができるとしています。[11-1]。

3.5 カーボン・ナノチューブ 微生物を突き通す

 単層カーボンナノチューブ(SWNTs)の殺菌特性は科学者らによって以前から想定されていましたが、エール大学の研究チームは、SWNTsがバクテリアの細胞壁を突き通すことができることを米化学会のジャーナルLangmuir(2007年7月21日)に発表しました[12]。
 ”研究者らは溶液中のSWNTsの塊に付着された大腸菌を観察した。時間が経過するとSWNTsの塊に接触した自由浮遊の微生物は細胞壁に損傷を受け、それにより時にはDNAを外部に放出させた。SWNTsが存在する溶液中で大腸菌の約80%が死に、それより若干多くの微生物が実験用のフィルターのコーティング層中で死んだ"−という内容です。
 この研究は、SWNTsは水処理用の有益な抗菌フィルターとしての可能性を示していますが、同時に、環境中にDNAを撒き散らして環境を悪化させ、他の微生物物に取り込まれ、遺伝子の伝達と汚染をもたらすかもしれないというような有害な環境影響を示唆しています。

3.6 脂質コーティングのナノチューブはミジンコに容易に摂取される

 カーボン・ナノチューブは非水溶性ですが、界面活性剤やある種の天然ポリマーのような様々な物質で処理すると水溶性になるといわれています。ES&T Science News 2007年3月7日の記事[13]によれば、最近、ES&TのResearch ASAPに発表された研究が、カーボン・ナノチューブは天然の脂質を塗ることで水溶性になり、ミジンコに急速に摂取され、高い濃度ではミジンコに毒性があることを示したとして、次のように解説しています。

(1) 米・サウスカロライナのクレムソン大学の研究者らは、腹の減ったミジンコが入ったいくつかの水カップに脂質コーティングしたナノチューブを異なる濃度で入れた。水カップに水藻があると5mg/L までの濃度でほとんど100%のミジンコが 生き延びた。10mg/L では80%弱のミジンコが死んだ。この結果は、ナノチューブの毒性は摂取によるものであり、水藻が存在するとミジンコは水藻をより多く食べ、ナノチューブは少ししか食べないことを示した。

(2) 研究者らはまた、電子顕微鏡でミジンコを観察し、ミジンコの腸はナノチューブに暴露すると45分から1時間でナノチューブにより満たされることを発見した。

(3) ミジンコが水溶性ナノチューブを腹いっぱい食べると、コーティングされていない非水溶性ナノチューブが水中で示すような黒い沈殿物がカップの底に堆積することを発見した。ミジンコはナノチューブを飲み込み、脂質層をはがして食物とし、裸ナノチューブを吐き出すので、再びそれらは非水溶性となるのではないかと考えた。

(4) 研究者らは分光測光法技術を用いて、その黒い沈殿物はまさに元の加工される前のナノチューブと同じ分光分析特性を持っていることを確認した。これらのことを合わせると、ミジンコは単にこれらのナノチューブを食べているだけでなく、それらを"劇的に変化させている"ことを意味すると研究者らは述べている。

(5) この研究はまた、コーティング及び非コーティングのナノ物質はそれぞれ異なる水溶性特質を持っているので、それらの環境への影響評価の重要性を示している。その影響は、水溶性ナノ粒子は川下に移動するということであり、このことは、生物はナノ粒子放出場所から遠く離れた水の中でも影響を受けることを意味する。

(6) 一方、非水溶性ナノ粒子は、沈殿物中に残留する。したがって全く異なる生物が影響を受けると研究者らは述べている。

4.ナノと環境 潜在的ハザードとリスク(包括的解説) 追加(12/07/30)

 オーストリア科学アカデミーは、NanoTrustプロジェクトの様々な研究成果をNanoTrust Dossiers として不定期に発行しているが[14]、その中のひとつに、ナノ物質が環境中で生態系に及ぼす可能性のある既知及び未知の有害影響について、広範な文献の検証した『ナノと環境 パートU 潜在的ハザードとリスク』[15]がある。その中から抜粋して概要を紹介する。

4.1 環境中のナノ物質の運命と挙動

 自然のナノ粒子は通常、環境中で無秩序に構造化され、環境中に注ぎ出され、拡散されるが、工業的に製造された懸濁液又は粉体は、非常に一様なサイズ、形状、及び構造を持った純粋のナノ物質を含む。そのようなナノ粒子は、CNTs の高い張力強度、あるいはナノ・二酸化チタン の光触媒作用のような独自の特性を持ち、それらは新たな製品や応用での使用を期待させるが、まさにこれらの特徴こそが、環境中における ENPs の運命と挙動を予測することを難しくしている。

 環境中では、ナノ粒子は、多くの要素(例えば、pH 値、塩分、濃度の相違、有機物又は無機物の存在)に依存する広範な化学的プロセスの影響を受ける。
 ナノ物質の特性と特質はまた、重要な役割を果たす。生物利用能は潜在的な毒性を決定する上で極めて重要である。このことは、ナノ粒子が環境媒体中で安定的であるのかどうか、又は凝集及び堆積作用によりそれぞれの媒体から除去されるのかどうか、又は生物が取り込むことができない形状に変換されるのかどうかに強く依存する。
 現在のデータの欠如は環境中におけるナノ物質の運命と挙動の全体像の把握を妨げている。さらに、利用可能な調査は、異なる特性(例えば、表面機能)を持つ様々なナノ物質が使用されるので、そして調査の方法論と期間もまたしばしば相当異なるので、ほとんど比較することができない。

(1) 空気
 ナノ粒子が大気中に入り込むときに、それらは高い濃度の領域からより低い濃度の領域に移動する(拡散作用)。空気の流れは粒子を急速に分布させる。これらは当初の排出源から非常に遠く離れた場所まで移動することができる。それにもかかわらず、ナノ粒子はより大きな構造に凝集する傾向がある(アグロメレーション)。サイズ分布の単純な測定ではそのような凝集を自然の微粒子と区別することがほとんどできないので、空気中でナノ粒子を検出することは非常に難しい。空気中の粒子が地上、水中、又は植物中に堆積するスピードは、粒子径に依存する。空気からのナノ粒子は、その粒子径が小さいので、より大きな粒子に比べてはるかに遅い速度で堆積する。

(2) 水
 一般的には、水中に分布したナノ粒子は、コロイドとよく似た挙動を示し、それは科学的文献でよく記述されている。コロイドは、媒体中で細かく分布している小滴(droplets)又は粒子である。それらは静電付着力のために急速にお互いが付着し、重力により沈むので、比較的不安定である。天然水域は典型的に、天然のナノ物質も含んで、溶解した又は分布した物質を含有する。予想できるように、天然水域に入り込む合成ナノ粒子は、そのような天然物質に自身を結合させる。しかし水中のナノ物質の運命と挙動はまた、pH値、塩分(イオン強度)、有機物の存在のような要素により影響を受ける。

 天然に存在する有機物質(NOM)は、C60 フラーレン又はそれらの凝集を分解し、その結果、粒子径と形状を変えることができる。フミン酸(訳注:動植物に由来する天然物質)のような有機物質(NOM)は、水中のある種のカーボンナノチューブ(MWCNT)を安定させ、沈殿を防ぐことができる。あるCNTsはまた凝集しないように意図的に特別の表面処理をして製造される。そのような機能化のタイプは、CNTsが堆積作用を通じて天然水域から除去され得るかどうかを決定するのに役に立つ。

  CNTsは非常に多様な形状を持つので、環境中におけるそれらの運命と挙動について一般的に有効な記述をすることは不可能である。挙動へ及ぼす周囲の環境の強い影響、特に有機物質(NOM)の存在はまた、金属又は酸化金属のようなCNTs以外のナノ物質においても明らかにされている[16]。

(3) 土壌と堆積物
 残念ながら、この環境媒体のためのデータは一般的な結論を導き出すためには不十分である。水や空気に比べてこの媒体における入手可能な調査はかなり少ない。しかし、土壌及び地下水中での天然コロイドの移動に関する包括的な文献が存在し、それはナノ物質の挙動についての結論を引き出すのに役に立つ。

 したがって、土壌中及び堆積物中のナノ物質は自身を固体に結合させると仮定される。一般的に、地下水中の非常に低濃度の粒子がこの考えによく適合する。ナノ物質の土壌生物への生物学的利用能、したがって潜在的な毒性は、明らかにそれが有機物質(NOM)に結合するかどうかに強く依存する。土壌のような複雑な媒体におけるナノ銀の生物利用能は、活性銀イオンが土壌中の要素(例えば有機物質(NOM))に結合することができるので、水中におけるよりかなり低い[17]。
 土壌中の汚染物質のENPsとの共移動はほとんど調査されていないが、土壌中のENPs濃度は極めて低いので、ほとんどの汚染物質とENPsにとって恐らく関連がない[18]。

4.2 環境毒性

 ナノ粒子は、地球の初め以来、例えば燃焼プロセスの結果(森林火災)、火山灰中、ほとんどの天然水中、又は風化作用及び浸食作用による空気中のホコリとして、環境中に自然に存在している。
 生物は、様々な物質を細胞中にナノ形状で(例えば蛋白質、DNA)生成し、あるいは、自身がウイルスのように数ナノメートルの大きさで存在する。進化の過程で、全ての生物はナノ粒子を含むひとつの環境に適応してきたが、それらナノ粒子のあるものは有毒であり得る(例えば火山灰)。この適応は、曝露、用量、及び生息場所が変わるスピードの関数である[19]。

 環境中のこれらの自然ナノ粒子は、現在では、家庭での加熱、産業、焼畑、輸送、そして最近では、量は不明であるが様々な極めて多種の合成ナノ粒子の産業での使用のような、人間の活動により非意図的に放出されたナノ粒子によって随伴されている。人及び環境へのこの追加的な負荷が、進化論的な観点からは非常に短い期間になされた。生物はどの程度、そのような人工ナノ粒子に危害を被らずに対応できるのか?

 亜致死影響(sublethal effects)とともに、急性毒性に関するほとんどのデータは、淡水生物(例えばミジンコや魚類)について入手可能である。海洋及び陸生の無脊椎動物に関するもっと多くの調査、さらには両生類、爬虫類、鳥類、又は植物、バクテリア、特に微生物に関する調査もまた潜在的な有毒性を決定するために必要である。今日まで、ナノ粒子の摂取、分布、代謝、排泄のメカニズムを詳細に説明することができる利用可能な生態毒性学的調査は存在しない[19]。

 2010年に編集された関連する科学的文献の概要の中で、わずか12の調査だけが実際に生態学的調査として分類することができる(天然の生態系の複雑さを多少考慮する)ということが明らかになった。生態系に及ぼすENPsの影響に関するこれらの非常に少ない調査は、その構成生物中での死亡率又は変化の顕著な増加を検出することはなかった。
 下記の項目は選択されたナノ物質に関する生態毒性学的調査の結果を簡単にまとめたものである。

(1) カーボンナノチューブ(CNTs)
 CNTsの生態毒性はわずかな調査の中で扱われているだけであり、ある場合にはその結果は非常に矛盾している。ある調査ではテスト対象生物に及ぼすどのような有害影響も決定することはできなかったが、他の調査は、例えば魚類や両生類の幼生(おたまじゃくし)で明確に有害影響を示した。このことの理由は、CNTsの広い多様性のためである。それらは長さ、構造、表面電荷、表面化学特性、凝集挙動、純度に著しい差異がある([20]及び[21]も参照せよ)。さらに、CNTs は非常に水に溶けにくく、異なるサイズと径をもち、複雑な凝集を生成するので、水生生物でCNTsの毒性を調査するのは非常に難しい。
 CNTsは、水中で分布の安定性をよく保ち、底に堆積することがないようしばしば表面が機能化される。しかし、そのような表面の変更はCNTsが重金属を蓄積する傾向を助長し、そのことはそれらの水域系内での、さらには生物学的系内での移動に影響を及ぼす[22]。

(2) ナノ・二酸化チタン
 ナノ・二酸化チタン は最もよく調査されているナノ粒子のひとつである魚、甲殻類及び藻類での広範な標準化されたテスト手法が利用可能である。ナノ・二酸化チタン は光触媒効果を持つ、すなわちUV放射の下では、微生物の細胞膜を損傷する活性酸素種(ROS)を生成する。
 天然の流水の条件を模擬した実験室規模(いわゆる水系小世界)で調査が実施されている。それらは二酸化チタンのナノ粒子と、より大きな天然に生成された低濃度の凝集体は両方とも微生物の細胞膜を著しく損傷する可能性があることを示している。
 微生物はナノ・二酸化チタン に非常に感受性が高いが、生態系機能に及ぼす正確な影響は未知である[23]。予備的な結果は、小さな甲殻類(水系食物連鎖の中で動物プランクトンとして重要な役割を演じる)のような水生生物はナノ・二酸化チタンの光触媒影響によって損傷されないことを示している。それにもかかわらず、ナノ粒子は自身を動物のキチン質外骨格(訳注:カキの殻・エビの角皮など)に付着させて成長に必要な脱皮を妨げる。このことはそのような動物を殺す。この影響は 水中で0.24 mg/literの濃度で確認されたが、ナノ・二酸化チタン は形状が大きくなると毒性が2倍になることを示した[24]。

(3) ナノ銀
 銀化合物からの銀イオン、又はナノ銀粒子が水と接触することで生じる銀イオンは、バクテリア、菌類、藻類に対して強い毒性がある([25]も見よ)。土壌微生物は、例えばナノ銀で汚染された汚水汚泥が畑に撒かれた時に影響を受ける。ナノ銀粒子は、低濃度で魚類や甲殻類に有害影響を既に示しているが、哺乳類ではこの物質は非常に高い濃度でのみ有毒である。
 植物に関する調査はほとんど入手できないが、最近の論文が細胞損傷により実生植物の種の生育にナノ銀が影響を及ぼすことを示している[26]。ナノ銀は特殊な布地([27])から洗い流される又は化粧品や洗浄材中に存在するので、ナノ銀の環境へ入り込む可能性がある主要経路は水を経由するものである。様々な科学領域の研究者の国際的グループにより、排水中のナノ銀は生態系の多様性に脅威を与える懸念ある15領域のひとつとして特定されている[28]。

4.3 曝露

 ENPs が環境にリスクを及ぼすかどうかは、この物質の毒性に依存するだけでなく、曝露、すなわち環境中に放出される量にも依存する。

 残念ながら、単一のナノ粒子についてさえ、利用可能な定量的なデータはない。これは、ナノ物質の義務的な登録制度がなく、会社は製造量を明らかにすることについて非常に嫌がるためである[29]。非常に少ない調査だけがナノ物質への環境的な曝露を扱っている。これらは概略の製造量と排出量、及びモデル計算に基づいており、包括的なリスク評価を可能とするものではない。
 最近発表された調査[29]は、アメリカにおけるナノ・二酸化チタン の年間製造量を7,800 〜 38,000 トン、CNTs が 55 〜 1,101 トン、そしてナノ-セロオキシドが35 〜 700 トンと見積もっている。ナノ銀の製造量は年間2.8 から 20 トンと見積もっている。製造量についてだけの知識では、潜在的な環境リスクを見積もるためには不十分である。実際に放出される量が知られなくてはならない。

 今日まで、基盤中にしっかり埋め込まれたナノ物質は環境リスクを及ぼさない又はほとんど及ぼさないということがひとつの仮定であった。このことは、例えばプラスチックに組み込まれた CNTs 、又は永久的な光触媒コーティング(訳注:参考情報1、参考情報2)中のナノ・二酸化チタンがこの仮定に当てはまる。

 しかし、消費者製品からの ENPs の放出を検証したものは非常に少ない。粒子形状及びイオン形状のナノ銀は両方とも、それが組み込まれた布製品が洗濯されると、環境に放出され、その放出量は製造プロセスに強く依存する[30]。二酸化チタン粒子はまた塗装表面から洗い流され環境中に放出される可能性がある。

 ヨーロッパ、アメリカ、スイスでは、環境中における5つのナノ物質の予想濃度(Predicted Environmental Concentrations / PEC)がモデル計算に基づき推定されている。全ての環境媒体中で最も高い濃度はナノ・二酸化チタン で検出されており、次にナノ酸化亜鉛である。これらの値は有害影響が予測されない調査対象ナノ物質の濃度(Predicted No-Effects-Concentration / PNEC)と比較された。

 その結果は、排水処理施設からのナノ・二酸化チタン、ナノ銀、及びナノ酸化亜鉛による水生系生物の潜在的ナリスクが明らかにされた。カーボンナノチューブ(CNTs)とフラーレンの 予想濃度(PEC)は非常に低いので、現在は環境リスクは予測されない[31]。

 ナノ物質の環境への最もありそうな導入経路は汚染水と廃棄物である。ナノ物質を含有する廃棄物は、原材料の製造過程、ナノ物質含有製品の製造過程、及び製品ライフサイクルの最後の過程で生じる。現在の法的枠組みはナノ物質含有廃棄物を処理するための特定な規制を設けていない[32]。事実上この分野における調査は何もなされていないが、ENPs の廃棄物から環境中への放出はあり得ることでる。現在の仮定は ENPs は廃棄物焼却過程でフィルターにより効果的に除去されるということである[33]。

 LEDs は、半導体物質へのヒ素、ガリウム、リン、及びそれらの化合物のナノスケール・コーティングを含む。したがって、それらは特別の処理又は監視が求められる廃棄物分類に属する。特に、半導体物質であるガリウムヒ素は、大気中の酸素及び水が存在しない場合には、その物質の表面に非常に薄い層を生成することができるので、問題がある。これは非常に有毒であり、通常の埋立地で環境汚染を引き起こすことがあり得る[34]。

 ナノ銀は、様々な経路で排水系に入り込み、例えば、ナノ銀処理された布地の洗濯、化粧品や洗浄剤の流出がある。ナノ銀の約90%は、明らかに汚水処理施設の排水から除去され、汚泥中に含まれる[29]。もしこれが肥料として畑に撒かれれば、ナノ銀は環境中に入り込み、そのことにる土壌中の微生物への損傷は避けられないであろう ([35]も参照せよ)。

 追加的な未解決の疑問はナノ物質を含む製品のリサイクルの可能性である。ポリエチレン・テレフタレート(PET)製のプラスチック・ボトルは着色剤や添加剤を含んでいない限り、リサイクルすることができる。ガス透過性を削減する又は光保護をするナノ含有物質はリサイクルにおいて問題を引き起こす[36]。

4.4 結論

 環境中の合成ナノ物質の運命と挙動についてはほとんど分かっておらず、複雑な環境媒体中でそれらを検出する適当な手法についてはまだ開発段階の域にすぎない。曝露に関するモデル計算だけでは包括的ナリスク評価にとって不十分である。このことは環境中のナノ物質を監視する手法を開発することを求めるものである。
 生態学的調査は、いくつかのナノ物質のある潜在的なハザードを示している。科学的不確実性が存在していても、予防原則がリスクを最小にするという観点で適用されるべきである。環境中への排出は可能な限り避けるべきである。生態学的研究はナノ物質の環境との関連性にますます焦点を当てており、自然の複雑性を考慮すべきである。

 ENPsへの環境的曝露が遅れて発現する影響を調べるために、また潜在的な適応可能なメカニズムを調べるために役立てる長期的な調査が必要であろう。ENPsの他の汚染物質との相互作用に関する研究と同様に、食物連鎖中の生体蓄積に関しても、もっと多くの研究が必要であろう。ある条件の下では、ENPsはそのような汚染物質の移動と影響を変えるかもしれない。


[注1] バイオフィルム:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%A0
 バイオフィルム、菌膜(きんまく)とは、微生物により形成される構造体。身近な例としては、歯垢や台所のヌメリなどがある。自然界にも広く存在し、基質と水があれば、あらゆる場所に存在する。たとえば、水中の石の表面についている膜状のものなどが当てはまる。バイオフィルム内では嫌気性菌から好気性菌まで様々な種類の微生物が存在し、その中で様々な情報伝達を行いながらコミュニティを形成していると考えられている。異種微生物間の情報伝達物質としてクオルモンが注目されている。

[注2] 濾過摂食(フィルターフィーダー):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BF%BE%E9%81%8E%E6%91%82%E9%A3%9F
 濾過摂食(Filter Feeding)とは、動物の餌の取り方の類型の一つで、触手や鰓などを用いて漉し取る(濾過する)ように餌をとるやり方を指す。主として水産動物に見られる。


参照

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http://www.nanotechproject.org/inventories/consumer/analysis_draft/
PEN ナノ製品目録 2009年8月25日 目録中の製品に関する事実と分析
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/PEN/090825_nano_products_analysis.html

[2]ナノ物質の有害性を報告する論文の紹介
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/project/Nano_EHS_Paper_List.html

[3] p53+/-マウスにおける多層カーボンナノチューブ腹腔内投与による中皮腫の発生/日本トキシコロジー学会『ジャーナル・オブ・トキシコロジカル・サイエンス』(2008年2月)
http://www.jniosh.go.jp/joho/nano/files/takagi2008/takagi2008jp.pdf

[4] Carbon nanotubes introduced into the abdominal cavity of mice show asbestos-like pathogenicity in a pilot study / Nature Nanotechnology 3, 423 - 428 (2008) Published online: 20 May 2008 | doi:10.1038/nnano.2008.111
http://www.nature.com/nnano/journal/v3/n7/abs/nnano.2008.111.html

[5] SAFENANO 22/06/2009 Study finds manmade nanoparticles could contaminate marine food web
http://www.safenano.org/SingleNews.aspx?NewsId=741 http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/safenano/090622_nanoparticles_marine_food_web.html

[6] Fullerene Exposures with Oysters: Embryonic, Adult, and Cellular Responses Environ. Sci. Technol DOI: 10.1021/es900621j Publication Date (Web): August 17, 2009
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/es900621j
Environmental Health Sciences Nov 16, 2008 Oysters are sensitive to fullerene nanoparticles.
http://www.environmentalhealthnews.org/ehs/newscience/oysters-sensitive-to-fullerene-nanoparticles/

[7] Marine aggregates facilitate ingestion of nanoparticles by suspension-feeding bivalves, Marine Environmental Research Volume 68, Issue 3, September 2009, Pages 137-142, J. Evan Ward and Dustin J. Kacha Department of Marine Sciences, University of Connecticut
doi:10.1016/j.marenvres.2009.05.002
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/safenano/100226_uptake_nano_oysters_mussels.html

[7-1] Chemical & Engineering News, October 7, 2010 Nanoparticles Worm Their Way Into The Food Web by Laura Cassiday
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[8] Hunting for engineered nanomaterials in the environment by Naomi Lubick Environ. Sci. Technol., DOI: 10.1021/es902174z Publication Date (Web): July 28, 2009
http://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/es902174z
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[9] Duke University News & Communications May 20, 2009 Novel Approach Estimates Nanoparticles In Environment Engineering Know-How and Economic Data Produce New Estimate By Richard Merritt
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[9-1] Chemical & Engineering News, September 30, 2010 TiO2 Nanoparticles in the Environment by Steve Miller
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C&EN 2010年9月30日 環境中の二酸化チタン・ナノ粒子
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[11] Nanowerk News, November 4, 2009 What happens to those nanotechnology socks during washing? By Michael Berger
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[11-1] Chemical & Engineering News, September 21, 2010 The Fate of Silver Nanoparticle Waste by Sarah Webb
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[12] Single-Walled Carbon Nanotubes Exhibit Strong Antimicrobial Activity Langmuir, 2007, 23 (17), pp 8670-8673 DOI: 10.1021/la701067r Publication Date (Web): July 21, 2007
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[13] ES&T Science News - March 7, 2007 Lipid coating increases uptake of nanotubes Lipid-coated water-soluble nanotubes are easily ingested and structurally modified by water fleas.
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[14] NanoTrust-Dossiers
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[15] NanoTrust Dossier No. 027en, March 2012 Nano and the environment - Part II Hazard potentials and risks By NanoTrust, Austrian Academy of Sciences
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[16] Ottofuelling, Stephanie, et al., 2011, Commercial Titanium Dioxide Nanoparticles in Both Natural and Synthetic Water: Comprehensive Multidimensional Testing and Prediction of Aggregation Behavior, Environmental Science & Technology 45 (23), pp 10045-10052.

17 Lapied, Emmanuel, et al., 2010, Silver nanoparticles exposure causes apoptotic response in the earthworm Lumbricus terrestris (Oligochaeta), Nanomedicine 5(6), 975-984.

18Hofmann, Thilo/Von der Kammer, Frank, 2009, Estimating the relevance of engineered carbonaceous nanoparticle facilitated transport of hydrophobic contaminants in porous media, Environmental Pollution 157, 1117-1126.

19 Handy, Richard D., et al., 2008, The ecotoxicology of nanoparticles and nanomaterials: current status, knowledge gaps, challenges, and future needs, Ecotoxicology 17, 315-325.

20 NanoTrust-Dossier 022en (pdf). http://epub.oeaw.ac.at/ita/nanotrust-dossiers/dossier022en.pdf

21 NanoTrust-Dossier 024en (pdf). http://epub.oeaw.ac.at/ita/nanotrust-dossiers/dossier022en.pdf

22 Schierz, A./Zanker, H., 2009, Aqueous suspensions of carbon nanotubes: Surface oxidation, colloidal stability and uranium sorption, Environmental Pollution 157, 1088-1094

23 Battin, Tom J., et al., 2009, Nanostructured TiO2: Transport Behavior and Effects on Aquatic Microbial Communities under Environmental Conditions, Environmental Science & Technology 43(21), 8098-8104

24 Dabrunz, Andre, et al., 2011, Biological Surface Coating and Molting Inhibition as Mechanisms of TiO2 Nanoparticle Toxicity in Daphnia magna, PLoS ONE 6(5), 1-7. http://www.plosone.org/article/fetchObjectAttachment.action;jsessionid=
90A1E37ABE178FA13B36B62BBCCB3D91.ambra01?uri=info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0020112&representation=PDF


25 NanoTrust-Dossier 010en (pdf). http://epub.oeaw.ac.at/ita/nanotrust-dossiers/dossier010en.pdf

26 Yin, Liyan, et al., 2011, More than the Ions: The Effects of Silver Nanoparticles on Lolium multiflorum, Environmental Science & Technology 45, 2360-2367.

27 NanoTrust-Dossier 015en (pdf). http://epub.oeaw.ac.at/ita/nanotrust-dossiers/dossier015en.pdf

28 Sutherland, William J., et al., 2009, A horizon scan of global conservation issues for 2010, Trends in Ecology and Evolution 25(1), 1-7.

29 Hendren, Christine O., et al., 2011, Estimating Production Data for Five Engineered Nanomaterials As a Basis for Exposure Assessment, Environmental Science & Technology 45, 2562-2569.

30 Benn, Troy M./Westerhoff, Paul, 2008, Nanoparticle Silver Released into Water from Commercially Available Sock Fabrics, Ibid.42(11), 4133-4139.

31 Gottschalk, Fadri, et al., 2009, Modeled Environmental Concentrations of Engineered Nanomaterials (TiO2, ZnO, Ag, CNT, Fullerenes) for Different Regions, Ibid. 43(24), 9216-9222.

32 Verband der Chemischen Industrie e.V., 2009, Guidance for the Safe Recovery and Disposal of Wastes containing Nanomaterials (pdf), Frankfurt: Verband der Chemischen Industrie e.V. https://www.vci.de/Downloads/126414-Handling_Nanomaterials_being%20Wastes_7_October_2009.pdf

33 Mueller, Nicole C./Nowack, Bernd, 2008, Exposure modeling of engineered nanoparticles in the environment, Environmental Science & Technology 42(12), 4447-4453.

34 Steinfeldt, Michael, et al., 2004, Nachhaltigkeitseffekte durch Herstellung und Anwendung nanotechnologischer Produkte (pdf), commissioned by BMBF. http://www.bmbf.de/pub/nano_Umwelt_ioew_endbericht.pdf

35 Nowack, Bernd, 2010, Nanosilver Revisited Downstream, Science 330 no. 6007 pp. 1054-1055.

36 Van Dongen, Cees/Dvorak, Robert, 2011, Design Guide for PET Bottle Recyclability (pdf), March 2011: Union of European Beverages Associations (UNESDA); European Federation of Bottled Waters (EFBW). http://www.efbw.eu/images/file/Design%20Guide%20for%20PET%20Bottle%20Recyclability_31%20March%202011.pdf



化学物質問題市民研究会
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